流星姫は平凡騎士をご所望です

恋した君と愛する君

17歳のマーガレット

そして顔合わせの日。サイラスが釣書の中から選んだ少女が公爵邸に訪れた。


「シフォン子爵家のマーガレット・シフォンと申します」


17歳の少女は、少し幼さが残る少女だった。奇しくもあの頃の王女、マーガレットと同じ歳。


「サイラスだ・・・」

「サイラス様は、瞳が真っ赤で綺麗ですね」

「っ！！」


王女マーガレットに初めて出会った茶会で言われたその言葉と同じ言葉を言われ、サイラスの頭の中で、まだ消えることのないマーガレットとの日々が駆け巡った。


「サイラス様・・・失礼な事を言ってしまったでしょうか・・・もうしわけ」

「いや・・・かまわない」

　
サイラスはマーガレットの言葉を遮り否定をするも、次の言葉が出てこず沈黙してしまった。


「・・・マーガレット嬢はすぐに結婚を望んでいるのか？」

「まだ、結婚という、夫婦になるという事に実感は湧きません。でも、夫となる方には誠心誠意お支えしたいですわ」

「そうか・・・このまま婚約をしようと思うが、異論はないか？」

「えっ・・・？・・・私でよろしいのですか？」

「あぁ、父に話しておく。今日はここまで来てくれた事、感謝する」

「え、えぇ・・・？・・・」


婚約期間も一ヶ月という短期間、結婚式はあげないという了承の元、マーガレットは公爵家の別邸へと移り住んできた。


「サイラス様、本日よりよろしくお願いします」

「あぁ・・・俺の事は旦那様と呼べ」

「え？あ、はい、旦那様」

「俺は君の事をレットと呼ぶ、いいな？」

「はい、かしこまりました」


マーガレットが本邸への挨拶から戻るとサイラスに呼ばれ、一緒に夕食をとった。






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次回

マーガレットの部屋だ