流星姫は平凡騎士をご所望です

純情令息とお転婆公爵令嬢

公爵家より出された条件

その後、二人でセシルの父である辺境伯に話にいった。


「なんと・・・婚約者ではなく、嫁ができたのか！？」

「お義父様、未熟な嫁ですがよろしくお願いします」

「あははっ、これはいい、可愛い嫁さんがきたもんだ！」

「父上、エミリア嬢が可愛いといって手を出したら、父上でも容赦しませんからね！」

「おい、私に殺気を向けるな・・・くくっ、息子はどうやら嫉妬深いらしい」

「えぇ、そうですの！騎士の皆様にも瞳にエミリア嬢を映すことは許さんとか言われるのですよ？」

「重症だな・・・セシル、どうせだ、護衛ついでにお前も公爵家へ行って来い。相手方に挨拶も兼ねて、エミリア嬢をくれとしっかり決めてくるんだぞ！」

「はい！！」



エミリアとセシルは翌朝辺境を経った。セシルのサインの入った婚約誓約書と婚姻届を持って。

挨拶に伺い、さすがにすんなりと公爵家から了承を貰えるとは思っておらず覚悟はしていた。








「父上、戻りました」

「セシル！早かったな！それで、どうなったのだ！？」


執務室に訪れたセシルに、辺境伯は飛びかからんばかりの勢いで詰め寄る。

セシルの後ろから顔を覗かせた人物を見て、辺境伯は破顔する。


「おぉ、おぉ・・・可愛い嫁さんの登場かな？」

「はい、お義父様。正式に嫁になったエミリアです。よろしくお願いします」

「父上、結婚の件は了承頂けて、すぐにでも届けを出せと急かされました。しかし・・・公爵家から条件を出されました」

「条件？なんだ？」

「はい、お伝えします。公爵様より、エミリアはもう25だ。嫁の貰い手があって助かった、くれぐれも返してくれるなよ。結婚式だけは小さくてもいいから必ずあげてやってくれと」

「なんと・・・返すなよが条件とは！・・・ははははっ！」

「私、帰る場所がなくなりましたわ・・・」


しょんぼりする表情を見せるエミリア。


「エミィの帰る場所は、今日から俺のところだ」

「セシル！！」


公爵邸までの道のり、そして帰路。その時間が、二人の仲を愛称で呼び合うまでに進展させた。




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次回

はぁ・・・覚悟しとけよ

ん？