上 下
135 / 211
純情令息とお転婆公爵令嬢

目を覚ますと

しおりを挟む


数日後の昼過ぎ、エミリアは部屋でのんびりとした時間を過ごしていた。


コンコンコン。


「はい」

「失礼します、エミリア様にお客様です」


見た事のないメイドだったが、新しく雇い入れたのかもしれないと、気に留めない事にした。サロンに案内されると、金の髪に赤い瞳の可愛らしい女性がいた。


「こんにちは」

「えぇ、こんにちは・・・ワルシャワ公爵家、エミリア・ワルシャワですわ。私に何かご用でしょうか?」

「・・・大した事ないわね」

「えっ?」

「あなた、セシル様を私からとらないでくれる?私とセシル様は、幼い頃から結婚を約束した仲なのよ!それを急に来て横取りするなんて!」

「セシル様はそんな事一言も・・・」

「セシル様はお優しいの!公爵家からの縁談を断れなかっただけよ!無理矢理婚約者を決められてお可哀想だわ!」


その時、後ろから、急に口と鼻を塞がれた。


「んんっ!!」

「セシル様がお断りできるようにしてあげるわ。不貞は確実にあなたの有責よ?婚約なんてさせないわ・・・ふふふっ」


薬品の様な匂いに段々と意識が遠のいていった。


「ふふっ、あとは頼んだわ。好きにしていいわよ」

「あぁ、楽しみだ」





エミリアは腕に痛みを感じ目を覚ました。後ろ手に縛られ、口には布を押し込んであり、声を出すことができない。その状態で寝台へと寝かせられていた。


「んんんっ!!」


(なんでこんな事に!?動けない・・・ここはどこ?)


「お目覚めかい、お嬢さん?」


(だ、誰!?)


エミリアの視界に入ってきたのは、金の髪に赤い瞳の男だった。ニヤリと笑みを浮かべると、エミリアを舐めるように見ている。


「僕は、ロータス。この町の大きな商会の跡取り息子さ。さっきのは僕の妹」


(そんな方がどうして・・・何をするつもりなの・・・)




ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

助けてセシル様!!


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

奴隷の私が複数のご主人様に飼われる話

雫@更新再開
恋愛
複数のご主人様に飼われる話です。SM、玩具、3p、アナル開発など。

ドS騎士団長のご奉仕メイドに任命されましたが、私××なんですけど!?

yori
恋愛
*ノーチェブックスさまより書籍化&コミカライズ連載7/5~startしました* コミカライズは最新話無料ですのでぜひ! 読み終わったらいいね♥もよろしくお願いします! ⋆┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈⋆ ふりふりのエプロンをつけたメイドになるのが夢だった男爵令嬢エミリア。 王城のメイド試験に受かったはいいけど、処女なのに、性のお世話をする、ご奉仕メイドになってしまった!?  担当する騎士団長は、ある事情があって、専任のご奉仕メイドがついていないらしい……。 だけど普通のメイドよりも、お給金が倍だったので、貧乏な実家のために、いっぱい稼ぎます!!

大嫌いな次期騎士団長に嫁いだら、激しすぎる初夜が待っていました

扇 レンナ
恋愛
旧題:宿敵だと思っていた男に溺愛されて、毎日のように求められているんですが!? *こちらは【明石 唯加】名義のアカウントで掲載していたものです。書籍化にあたり、こちらに転載しております。また、こちらのアカウントに転載することに関しては担当編集さまから許可をいただいておりますので、問題ありません。 ―― ウィテカー王国の西の辺境を守る二つの伯爵家、コナハン家とフォレスター家は長年に渡りいがみ合ってきた。 そんな現状に焦りを抱いた王家は、二つの伯爵家に和解を求め、王命での結婚を命じる。 その結果、フォレスター伯爵家の長女メアリーはコナハン伯爵家に嫁入りすることが決まった。 結婚相手はコナハン家の長男シリル。クールに見える外見と辺境騎士団の次期団長という肩書きから女性人気がとても高い男性。 が、メアリーはそんなシリルが実は大嫌い。 彼はクールなのではなく、大層傲慢なだけ。それを知っているからだ。 しかし、王命には逆らえない。そのため、メアリーは渋々シリルの元に嫁ぐことに。 どうせ愛し愛されるような素敵な関係にはなれるわけがない。 そう考えるメアリーを他所に、シリルは初夜からメアリーを強く求めてくる。 ――もしかして、これは嫌がらせ? メアリーはシリルの態度をそう受け取り、頑なに彼を拒絶しようとするが――……。 「誰がお前に嫌がらせなんかするかよ」 どうやら、彼には全く別の思惑があるらしく……? *WEB版表紙イラストはみどりのバクさまに有償にて描いていただいたものです。転載等は禁止です。

異常性癖者たちー三人で交わる愛のカタチー

フジトサクラ
恋愛
「あぁぁッ…しゃちょ、おねがっ、まって…」 特注サイズの大きなベッドに四つん這いになった女は、息も絶え絶えに後ろを振り返り、目に涙を浮かべて懇願する。 「ほら、自分ばかり感じていないで、ちゃんと松本のことも気持ちよくしなさい」 凛の泣き顔に己の昂りを感じながらも、律動を少し緩め、凛が先程からしがみついている男への奉仕を命じる。 ーーーーーーーーーーーーーーー バイセクシャルの東條を慕い身をも捧げる松本と凛だが、次第に惹かれあっていく二人。 異常な三角関係だと自覚しつつも、三人で交わる快楽から誰も抜け出すことはできない。 複雑な想いを抱えながらも、それぞれの愛のカタチを築いていく… ーーーーーーーーーーーーーーー 強引で俺様気質の東條立城(38歳) 紳士で優しい松本隼輝(35歳) 天真爛漫で甘えんぼな堂坂凛(27歳) ドSなオトナの男2人にひたすら愛されるエロキュン要素多めです♡

体育教師たちやお医者さまに特別なご指導をしてもらう短編集

星野銀貨
恋愛
リンク先のDLsiteに置いてある小説のエッチシーンまとめ読みです。 サークル・銀色の花で色々書いてます。

一途な溺愛が止まりません?!〜従兄弟のお兄様に骨の髄までどろどろに愛されてます〜

Nya~
恋愛
中立国家フリーデン王国のたった一人の王女であるプリンツェッスィン・フリーデンには六つ上の従兄のヴァール・アルメヒティヒがいた。プリンツェッスィンが生まれてこの方親のように、いや親以上にヴァールが彼女のお世話をしてきたのだ。そしてある日二人は想いが通じるが、一筋縄ではいかない理由があって……?◇ちゃんとハッピーエンドなので安心して見れます!◇一途な溺愛が止まりません?!シリーズ第二弾!従兄×従妹の話になります!第一弾の「一途な溺愛が止まりません?!〜双子の姉妹は双子の兄弟にとろとろに愛されてます〜」(https://www.alphapolis.co.jp/novel/721432239/761856169)の続編になります。第一弾を見なくても一応話は通じるようにはしてますが、第一弾を読了後だとなお分かりやすいと思うので、是非第一弾も読んでみてください!◇※本番以外の軽度描写は☆、本番Rは★をタイトル横につけてます。

悪役令嬢、お城の雑用係として懲罰中~一夜の過ちのせいで仮面の騎士団長様に溺愛されるなんて想定外です~

束原ミヤコ
恋愛
ルティエラ・エヴァートン公爵令嬢は王太子アルヴァロの婚約者であったが、王太子が聖女クラリッサと真実の愛をみつけたために、婚約破棄されてしまう。 ルティエラの取り巻きたちがクラリッサにした嫌がらせは全てルティエラの指示とれさた。 懲罰のために懲罰局に所属し、五年間無給で城の雑用係をすることを言い渡される。 半年後、休暇をもらったルティエラは、初めて酒場で酒を飲んだ。 翌朝目覚めると、見知らぬ部屋で知らない男と全裸で寝ていた。 仕事があるため部屋から抜け出したルティエラは、二度とその男には会わないだろうと思っていた。 それから数日後、ルティエラに命令がくだる。 常に仮面をつけて生活している謎多き騎士団長レオンハルト・ユースティスの、専属秘書になれという──。 とある理由から仮面をつけている女が苦手な騎士団長と、冤罪によって懲罰中だけれど割と元気に働いている公爵令嬢の話です。

【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】

うすい
恋愛
【ストーリー】 幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。 そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。 3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。 さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。 【登場人物】 ・ななか 広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。 ・かつや 不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。 ・よしひこ 飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。 ・しんじ 工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。 【注意】 ※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。 そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。 フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。 ※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。 ※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。

処理中です...