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王太子アルフレッドの新たな婚約者

最優先事項とは

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エリアナとの間に子ができる兆しのない事を危惧した貴族等の、側妃を娶れとの声が大きくなっていた。


(貴族連中が騒ぐせいで、エリアナには余計に心労をかけている・・・子さえできれば・・・少しは緩和できるのであろうな・・・)


「王太子殿下、子ができぬのは王太子妃に問題があるのではないですか?」

「世継ぎは必要です。側妃を迎えましょう!」

「そうですぞ、うちの娘などどうです?幼い頃から王太子殿下を慕っておりまして」


貴族達が口々に言い始めた。


「側妃はいらぬ、口を出すな!」


段々と強くなっていく声に、アルフレッドも苛立ちを露わにする。無情にも時間だけが過ぎ、何もできない自分に嫌気が差すようになった。


「殿下、執務が進んでおりませんよ」

「・・・マルクス・・・」

「困りますよ、仕事に私情を挟まれては・・・」

「・・・」

「あれから妃殿下とは何か進展は?」

「何も・・・変わっておらん」

「女性の事は女性が一番よく知っている」

「あぁ、そう・・・かもな」

「だから王妃様のところに、恥を承知で話を伺いに行かれたのでしょう?」

「・・・あぁ」

「ディアにも聞いてみたんです。こんな時どうすれば嬉しいかと」

「・・・それで・・・」

「直接話をしようと突撃されたら、きっと避けるでしょうねと。王太子妃として執務をこなしながらの教育で妃殿下も暇ではないのです。ふとした時に、手元にあれば手紙なら読むかもしれない。それが毎日届くなら楽しみになるかもしれないと。まぁ、私がディアにした事を思い出したのでしょうが・・・状況は違いますが、提案があります」

「なんだ」

「殿下は、妃殿下に毎日手紙を書いてください。一言じゃダメです。便箋にビッシリと。そしてサファイア宮にはご自身で出向かれてください。本人に渡せなくてもいいのです。殿下がサファイア宮に毎日足を運んだという事実が重要なのです」

「・・・わかった、今日からやる」

「えぇ、どうせ執務も進まない事でしょう。最優先事項として行いましょう!」


マルクスの進言により、アルフレッドは毎日手紙を届けにサファイア宮に足を運んだ。毎日毎日、便箋にビッシリと、詫びの気持ち、一緒にしたい事、花が咲いた、星が綺麗だ、風が冷たくなった、身体は気をつけるようにと・・・。



ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

少しだけ時間をくれないか?


心の支えは・・・君がいい


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