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公爵令嬢ナディアに恋した伯爵令息

7年の片想いと気付いてしまった気持ち

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季節的に終わりだという意味だっと知る。ナディアは、マルクスから告白でも受けているような気分になり、勘違いしてはいけないと、心の中で自分に言い聞かせていた。


「あの・・・マルクス様のような素敵な方にそんな事をしていただいたら、女性は皆本気にしてしまいますわ。私も危うく勘違いして、本気にするところでした」


「勘違い・・・してもいいです」

「え?」


ガタン!


急にマルクスが立ち上がる。


「いえ、勘違いではなく、本気にしてください!私はずっと、ナディア様が好きでした。王太子殿下の婚約者に決まったあの茶会、私もそこにいたのです。ナディア様に一目惚れでした。茶会会場で、ドレスに飲み物がこぼれ困っている令嬢に、ハンカチを差し出したあなたを見て、優しいあなたに釘付けになりました。まさか王太子殿下もナディア様に惹かれるなんて・・・あれからずっと、片想いしてきたんです・・・7年も。手に入れることの出来ない存在だとわかっていても、諦めきれませんでした。王太子殿下が婚約破棄を言い渡したと聞いて、失礼にも喜んでしまった自分がいました。気付いて欲しくて・・・あの日から花を送り続けました。すみません・・・勝手な押し付けをしてしまって・・・」


マルクスが静かに椅子に座る。


「・・・押し付けだなんて・・・この半年、どれだけ救われたか・・・リナリアの花言葉は早い段階で気付いておりました。でも、マルクス様にそんなお気持ちがあるとは思えず、王太子殿下の罪滅ぼしをしてくださっているだけだと、勘違いしてはいけないと、毎日自分に言い聞かせておりましたわ。今日でリナリアは終わりというカードが来た時には、この関係ももう終わりなのだと・・・自然と涙が出ていましたわ」


「・・・ナディア様」


ナディアは感情を抑える事ができなかった。涙をこぼしながら話続ける。


「私・・・気付いてしまったのです。あなたとの関係が、これで終わってしまう事が、こんなにも辛いと思う自分がいる事に。マルクス様に惹かれている自分がいる事に・・・でも、私は、婚約破棄された身。お父様もお母様も新しい婚約者を躍起になって探しておりますわ。きっと、どこかの後妻に収まるか、歳の離れた方へ嫁がされるかもしれません・・・恋愛など一度もできませんでした。王太子殿下とはそのような関係にはなれませんでした。これからも恋を知らずに生きていくのだと思っていたのです。初めてでした。こんなにも人を恋しいと思ったのは・・・好かれていたらどんなにいいだろうと思ったのは」

「ナディア様・・・私を選んでくれませんか?世界一幸せにしますと言いたいところですが・・・それだけはできないのです・・・」






ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

もう、言いたい事はないですか?

返事は、はいしか聞きたくありません。


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