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第二王女スピカ

王女は雷に撃たれた

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天気の良い日。お転婆な少女は今日もまた、王宮を抜け出し市井にお忍びに来ていた。


「今日も街は賑わっているわね。あぁ、あそこのパンはふわふわでおいしいのよね。あの店のミックスジュースは最高なのよ。たくさん歩いて疲れたら、身に染み渡るのよね!」


ご機嫌に街中を散策していた。彼女の名前はスージー。仮の名だ。本当の名前はスピカ・レクノール。この国の第一王女だ。


「アンナおばさん!今日もいい天気ね!」

「あらスージー、今日も元気ね」

「レミリーさん、今日のアクセサリー素敵だわ!」

「ふふっ、彼からプレゼントで貰ったのよ」

「トールさん、腰の調子はどう?」

「心配かけたね!もう大丈夫さ」


街中でスージーは元気に駆け回り、大人気だ。


「今日もみんな元気でよかったわ!」


ご機嫌に街を巡っていたスピカだったが、気付けば街の外れにある森の入り口に来ていた。


「空気が美味しいわ。自然はいいわね」


緑の風を感じているスピカ。木々に隠れ紛れるかのように、黒い何かが近づいてきた。


「ガルルルッッ・・・」

「へっ・・・!?」


(狼・・・かなり大きいわ、どうしよう、逃げなきゃ!)


「ガルッッ!!」


スピカが逃げ出そうとした瞬間、勢いよく獲物を捉えようと狼が迫ってきた。


(どうしようっ!ダメ!)


スピカは足がすくんで、地面に崩れ落ちた。


「ギャウンッ!」


(・・・・・・・・・・あれ?)



閉じていた目を開けると狼はいなくなっていた。代わりにいたのは、漆黒の髪に、ルビーのような瞳のがっちりとした体の男だった。


スピカは雷に撃たれたような衝撃を感じていた。


(・・・・・・・・・・素敵)


「大丈夫か?立てるか?」


「へっ、あ、だ、大丈夫・・・」


男の手を取ったが、足に全然力が入らず、スピカは男の胸に倒れ込んだ。


「怖かったんだな・・・不快だろうが我慢してくれ」


そう言った男は、スピカを軽々と横抱きにすると歩きだした。


「えっ!?」



(すごいわ・・・軽々と・・・)


男はスピカを第三騎士団の詰所に運んだ。




ーーーーーーーーーーーーーーー


次回


えっ、王女殿下!?




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