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7、国王陛下

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テオドールとバージルは謁見申請をし、翌日国王の執務室へと向かった。

コンコンコン。

「入れ」

「失礼します、第二騎士団・騎士団長テオドール・ジャンクが参りました」

「同じく第二騎士団所属、バージル・ユリシールです」

「ああ、よく来てくれた、そっちにかけてくれ」

テオドールとバージルは、国王と向かい合ってソファにかける。

「ジャンク騎士団長、先日の夜会警備の件、人員を借りて助かった」

「いいえ、お力になれて幸いです」

「ミーティアが第二騎士団に押し掛けたようで迷惑をかけたな」

「いえいえ、男ばかりのむさ苦しい所です、明るい王女殿下が来られる事で、賑やかで花が咲くと騎士達も喜んでいますよ」

「そう言ってくれると父としては嬉しいな」

「第二騎士団は、主に市井の町の警備が主な仕事ですから、こういう事でもなければ、お目にかかる機会もありませんから、騎士達の士気も上がります」

「そうか、では騎士団に立ち入る事を咎めはできぬな」

国王はバージルに視線を移しじっと見据える。

「・・・君がバージルか」

「はい、バージル・ユリシールと申します」

「・・・バージル・・・ユリシール」

(そんなに見ないでくれよ・・・)

バージルは冷や汗が出て、緊張で眩暈がしそうだった。

「話はミーティアから聞いている、娘の好みがこういう男だったとは知らなかったが、君は役職にはついていないな?王宮に出入りもあまりなかったのではないか?」

「は、はい、私は、王宮にもあまり立ち入っておりませんでしたので、つい数日前までミーティア王女殿下のお顔も存じ上げませんでした」

「では、どうやって知り合ったのだ?」

「王女殿下が私をお知りになったのは、10年前の王宮での茶会の際だと聞いております」

「10年前というと、ミーティアが5歳ほどの時ではないか?しかし、君の家名はユリシールと言ったな?」

「左様です」

「ユリシール家には息子が2人おったはず。君はミーティアと同じ茶会に出るような歳には見えんが?」

「はい、私は茶会の参加者ではありません。

当時、入団したての見習い騎士でした。

王宮や庭園などの配置を覚える為に周っていた際、茶会の会場付近を通ったようです」

「付近を通ったようだとは、会場にいたわけではないのか?」

「ええ、会場には立ち入っておりません、王女殿下を初めてお見かけしたのは、庭園の生垣の迷路の中で泣いていらっしゃった時です」

「ミーティアが泣いていたとは?」

「茶会に参加していた姫様方の婚約者候補の令息のどなたかに、心ない事を言われたようで、傷ついていらっしゃったそうです」

途端に国王の眉間に皺がよった。



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