スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

２章

２５話 煉獄の底

　「それで、人間のお前が悪魔界に来て私達、大罪持ちの悪魔を狩るなんて、いったいどうゆうつもりよ。
　牛乳女は下僕にしたみたいだけど、まさか私も下僕になれと？　ハッ！　舐めるんじゃないわよ！！　いい？　お前みたいなしょんべん小僧みたいな人間の下につく分ないでしょ！？　人間にしては爪垢程度、愛嬌はあるみたいだけど…残念だったわね！！　私に言わせればお前なんて、そこら辺に転がる石ころと大差ないわ！！」

　縄で縛られた状態かつ、地面に転がされた状態で【嫉妬】の悪魔エンヴィーが凄いスピードで罵倒し…リュークを睨みつける。

　誰もが少なくとも、イラっとするエンヴィーの発言にリュークは…。

　「モグ？　下僕？　別にいらないよ？　えっと…エンヴィーさん？　を捕まえたのは、ラストさんが僕に襲いかかってくるって言ったからだし…。
　何もしないなら帰っていいよー」

　「なっ！！」

　リュークはアイテムボックスから、干し肉を取り出し、しゃぶる事に夢中になっている。
　まるでお前の事なんて微塵も興味がない。と…思わせるような態度にエンヴィーのプライドが大きく傷ついた。

　怒りのせいか…顔が赤くなり、魔力が大きくなる中、ラストが動いた。

　「はい、そこまでですわ。乳無し悪魔のエンヴィーさん、ご主人様に危害を加えようなど私ワタクシが許しませんわ！！　貴方もご主人様を一眼見れば忠誠を誓うと思ったのですが…残念ですわ」

　雌豚メスブタさんは、エンヴィーさんの服を掴み…そのまま底が見えない空間に落とした。

　僕もやっていた事だけど、ここから落ちたらどうなるのかな？

　気になるし、ちょっと聞いてみよ！

　「ねぇねぇ、雌豚メスブタさん！　ここから落ちたらどうなるの？」

　下を覗くと…赤く、黒い渦が目に入る、次に雌豚メスブタさんを見ると、鼻血が垂れていた。

　ぶつけたのかな？

　「ハァン！！　あぁ…。
　コホン。悪魔界の底は通称、煉獄の底と言われており…落ちた悪魔を煉獄の炎で焼き尽くします」

　「ふぇ～怖いね～」

　煉獄の炎ってどうゆうのなんだろう？　見てきたら駄目かな？

　…気になる。

　「焼き尽くされた悪魔は、再び形を作るのに数百年の時が必要です」

　ん？

　「悪魔って死なないの？」

　「試してみますか？」

　そう言うと…雌豚メスブタさんは、僕にいかにも呪われてそうなナイフを渡してきた。

　どうゆう事？

　雌豚メスブタさんの考えが分からず、顔を上げると…両手を広げた雌豚メスブタさんが眼に入った。

　ハァハァしながら…。

　「さぁ！　どうぞ！　その痛みが永遠に続くナイフを使って私ワタクシを殺してみて下さい！！　ご主人様が与えてくださる痛み快感なら大歓迎ですわ！！　さぁ！　さぁ！！」

　じりじりと…近く雌豚メスブタさんが、ただならぬ恐怖を感じた。

　「そんな危ない事しないよ！！」

　「そうですか……」

　そんなしょうぼりしても駄目！！

　でも、やっぱり…。

　チラ…。

　チラチラ…。

　「ご主人様？　煉獄の底をそんなに見てどうしたんですか？」

　うん、決めた。

　「ちょっと煉獄の底に行ってくる！！」

　『へ？』

　雌豚メスブタさんや、僕の部下になった悪魔さんが驚く中…僕は浮島から飛び降りた。

　「ご主人様ーーー！！」

　ふふふ…止めないで雌豚メスブタさん。

　なんだか、あの見えない底から、美味しそうな何かを感じるんだ！！