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1章 

26話 メイとレイムさんのお爺さん

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 黄金の色に黒いマントのスライム姿をお母さんとお父さん以外の人に見せたのは、初めてでちょっとドキドキしてる…。

 …でも多分、これで僕が元々スライムだったて信じてくれると思う!

 僕は、何も反応がないレイムさんを見上げるような形で見ると…何でかプルプルしていた

「か…可愛い…です…。凄く可愛いっです!」

「!?」

 僕は、凄い速さで近づいてきたレイムさんに抱きしめられ…身動きが取れずにいた…。

「と…とてもヒンヤリ…してて、このまま…持ち帰りたい…です。」

「えっ!? レイムさん!? 僕は、今人間なんだからね!」

「そ、そんなの関係ない、です!」

 こんなに、ハッキリと喋るレイムさんを見たのは初めてでビックリ、している僕をレイムさんが掴み…やってきた馬車に乗り込み、しばらくすると白と黒が相まったような屋敷に到着した…。

 何となく、スライムから元に戻るタイミングを失った僕は、レイムさんが僕を胸もとで抱きしめたまま、屋敷の中まで入る事になり…。

《おかえりなさいませお嬢様》

 そう言って僕達の前に現れたのは10人のメイド服を着たメイドさんだった…。

 昔、お父さんに連れて行ってもらった…メイド…喫茶…という、かつて世界を救った勇者が広めた…と言うお店でメイドさんがお客さんに、色んなサービスをする…。みたい。


 …でも、何でか家に帰るとお父さんは、お母さんに正座をさせられて怒られていたけど…僕がお母さんに『どうしてお父さんは怒られているの?』次…って聞いたら『レアルちゃんも大人になったら分かるわ』…って言われたけど…未だに分からない…。

 そんな事を思い出していると…横に並んでいたの黒いケモ耳と尻尾を生やした1人のメイドさんが飛び出してきた…。

 僕は悪意を感じられなかったので、何もしなかった

「お、お嬢様~~~~メイは!メイは!もうお嬢様に会えないがど~~~~」

 泣きながら顔を擦り付けるメイをレイムさんは、ゆっくりと抱きついてきたメイドさんの頭をゆっくりと撫でた…。

…ちなみに僕は挟まれる瞬間、足元移動したよ!

 だいたい5分位経ったかな?やっとメイドさんが離れた、まだ目が涙目だけど…。

「えっと…メイ? お父様は?」

「グスッ…はい…カルカン様は、今お出かけ中です…。ですが―――」


「レイム…よく無事に帰ってのお」

「!? お爺様!」

「フォフォフォ…いつものようにお爺ちゃん…と呼んではくれんかの?」

 気配も感じさせず現れ周にいた人は驚き現れたのはフードが付いている黒いコートを着た、白い髪に顔がしわくちゃのお爺さんだった…。

 へぇ~あの気配の消し方は凄いなぁ~経験が感じられるし! 少なくとも僕と同じ隠密の(王)は持ってるだろうね!

 僕は後もう少しで(帝王)になるけどね!

 誰に言っているのか分からずに言っていると、優しげなお爺さんがレイムさんを抱きしめ、頭をゆっくり…と撫でていた

「フォフォフォ…何があったのかは明日聞こう…。息子も一緒にな…疲れたじゃろ?今日はもう遅い…ゆっくり休むがよい。」

「はい…お爺ちゃん…。」

 レイムさんはゆっくりとお爺さんの腕の中で寝息をたてながら眠って行った…。

「眠ったみたいじゃの…。よかった…。本当に無事でよかった…。」

 心底安心したように優しくレイムさんを抱きしめ、おでこにキスをしてメイドさんに、レイムさんを預けて…この場に僕とお爺さんだけが残った…。


「さて…本性を現したらどうじゃ? 少なくとも本当の姿はスライムじゃなかろうて…。」

 僕に睨みながら油断せずに自然に身構えている、みたいだし…このお爺さん…僕が人間に生まれ変わった中で1番強い人みたい…。

僕はお爺さんを警戒させないように、ゆっくりと形を作っていく…。

「凄いね! お爺さん! よく僕がスライムじゃないって分かったね!!」

「フォフォフォッ…儂も半信半疑じゃったがの…言ってみるものじゃ。」

「えっ…!? 分かってたんじゃないの!?」

「フォフォフォッ…すまんの。儂でもお主の魂の本質を見抜く事は出来んかったのじゃ…それに…お主程の実力者を見たのは、初めてじゃしの…。
 …して…お主は何者じゃ?」

 この場の空気が重くなり…戦ったことのない人ならこれだけで、死んじゃうと思う…。

「僕の名前はリューク!! 世界の美味しい食べ物を見つけて食べる旅をしているんだ!! 宜しくね! ついでにお爺さん! 何か美味しい食べ物がある場所知らないかな?」

「………」

「?」

「フォフォフォフォフォフォ!! 愉快愉快! お主のような強者…過去に現れた大悪魔ベルゼブブさて指1本で倒すような奴が食べ歩きの旅と申すか!実に面白いのお!」

 お爺さんは、苦しくなるまで笑い続けた…。


「ヒィ…ヒィ…。こんなに笑ったのは久しぶりじゃ…。それにしてもレイムは良い出会いに巡り会えたようで儂は嬉しいわい!」

「僕もレイムさんと一緒にいられて嬉しかったよ!」

「フォフォフォ!! そうじゃろ! そうじゃろ! まだイシュタム家としての、力は未熟じゃがあの子は強くなる…儂はそんな気がするのじゃ…。」

「うん! 僕もそう思うよ!」

「フォフォフォ!! お主! 話が分かるの! …と…そういえばお礼を言うのを忘れとったの、状況から察するに…お主が孫を助けてくれたのじゃろ?」

「うん! 立ち寄った島にいたから、一緒に行くことにしたんだ! 僕も楽しかったから! それにお礼なら美味しい食べ物を頂戴! それか美味しい食べ物の情報を頂戴!!」

「フォフォフォ! お主は実に欲望に正直じゃの! 良いぞ~今夜は儂のお気に入りの珍味を食べさせてやるわい!」

「わーい!」

 そのお爺さんが持ってきた珍味をいっぱい食べて、『もう食べないでくれ~』と言われながらも止められなかった…。

「儂の酒のつまみが~~!!」
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