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1章 

19話 無人島で女の子を見つけました!

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 空を飛ぶ魔道具…4畳半の畳で獣人国を旅立った僕とチロはあれから、3日が経とうとしていた…。

「あれから旅立った3日か~。やっぱりこの畳の上だと簡単なご飯しか作れないから不便だなぁ~職人さんに、この畳にキッチンを付けれないか聞いてみようっと!」

「きゅー!」

 この3日間…保存食の干し肉や生の肉や魚に串を刺し持ち上げ、火魔法で焼いた物ばかりで…少し不満です…。チロも同意しているように首を縦に振っているし、1回魔道具屋さんに行かなくちゃね!

 魔国に魔道具屋さんがある事を祈りつつ空を飛んでいると…緑が生い茂った島が見えた

「あ! 島がある! この空の旅も飽きてきたし行ってみようっと!」

 僕は畳の高度下げて…島の浜辺に降りた。


「ふぅ~草の匂いと新鮮な空気が美味し~~い!! 3日間、海の風で飽きちゃった。…でも塩はいっぱい作ったからいいけどね!」

 僕は空にいる間に、海風に僅かに含まれる塩を回収したのだ! ふっふ~ん♪

「って…あれ? 今思ったんだけど…チロってだったっけ?」

 僕は違和感を覚え、チロをもう1度見て首を傾げた…。出会った時から、チロは何か拙い物を付いているような気がしていたら、勝手に【暴食】が発動していたけど…何か関係あるのかな…?


 ………まっ…いいか!そ・れ・よ・り・も!!

「さっ! チロ! もしかしたらこの島に珍しい食べ物があるかもしれないよ! 早く行こう!」

「キュー!」

 僕の肩に体を乗せ頭にはチロの頭を乗っかった状態で僕達は草や木をかき分け島の中央に進んでいった…。




「ん~この島から美味しそうな匂いしないなぁ~。ここまで歩いてきても食べれそうな物は見なかったし…」

 食べれそうな、キノコや草、果物の1つも見つからずしょんぼりしていると…何かが聞こえた…。


 ――――助け……

「!!」

 僕は声が聞こえた方に草をかき分け進むと銀色の髪を腰まで伸ばし、目が青く、身長が150センチぐらいの女の子が倒れていた…。

「ねぇ! 君大丈夫? お腹空いてるの!? 分かるよ! 空腹は苦しいもんね! 今大きなお肉をあげるから待ってね!」

 僕はアイテムボックスから焼きたてのワイバーンのお肉を取り出し、女の子の口に押し付けた…。

「ムグッ……!? く…苦しい…死んじゃ…あう…。」

「キュ!!」

 バシン!!

「痛い! もう! チロ何をするのさ! 人を助けようとしてるのに!」

 僕は不満げにチロ見ると、もう1回尻尾で叩かれた…

「むむむむむむむ…。」

「キュ!」

 唸っているとチロが女の子を指したので、見てみると…

「み、水を…」

 虚ろの目で僕の方に手を伸ばしていた

「あ! お水ね! …でもやっぱりお肉もいるよね! …そうだ! それなら水の中に細かく切ったお肉を入れると、お腹が膨れて水も飲めて良いよね!

「キュ!!」

「痛い!!」


 …………


「あの…。ありがとぉ…」

 そう言って頭を下げる女の子は、余り感情が見えず静かな様子が見えた。

「ううん! 良いよー! 空腹は苦しいもんねー。仕方ないよ!」

「うぅ…」

 そう言うと女の子は顔を赤くしながら下を向いた…。

「キュ!」

 バシン!

「痛い! もう! さっきから何なのさ! 僕も怒るよ!」

「キュ! キュキュキュ! キュッ! キュキュー!」

「えっと…女の子だから…デリカシー? デリカシーって何? 美味しいの?」

「キュキュー!!」

 バシン!

「だから痛いって! もう怒ったよ!」

「キュ!?」

 僕はチロの頭を掴み、ぐるぐる回りし…上に投げた

「キュ~~ゥ~~~~ゥゥウウウ!!」

 そして、落ちてきたチロをキャッチし、地面に下ろした…。

 チロは空に飛ばられたからか、ぐったりしてて、しばらくすると、尻尾で地面を何度も叩いて僕に文句を言ってきた

「キュ!! ギュ~~!! キュキュ!!」


「あ、あの…」

「ん?」

「キュ?」

「その…あの…蛇ちゃん…を触りたい……駄目?」

 僕とチロが喧嘩をしていると、上目遣いで僕達を見上げる、銀髪の女の子が僕も可愛く見えた。

「キュ!」

「わわ…! あっ…えへへ…すべすべ…。何かいい匂いもする…。」

 チロが飛びついてマフラーのようになると、銀髪の女の子が顔をくっつけて匂いを嗅いで、笑顔になっていた。



 …………



「えっと…えっと…ちょっと夢中に…なってました…ごめんなさい…。」

「キュキュー。」

「んーんー。モグモグ…大丈夫だよー」

 少し顔を赤くして健気に何度も頭を下げている、銀髪の女の子に、僕とチロは頭を横に振ると…。


 クゥ…

「ん?」

 僕は音がした方に顔を向けると…

「あぅぅぅ……」

 茹でタコみたく顔や耳も赤くした銀髪の女の子が下を向いていた…。

「ねぇ、チロ? 今日はここで眠らない?」

「キュ!」

「うん! チロも賛成みたいだね! じゃあ、そうと決まれば…今日は豪勢にいこう!!」

 僕はアイテムボックスから魔力たっぷりのギガホエールのお肉とコカトリスの卵、お米…野菜、調味料など取り出し、僕は土魔法で簡単な調理台を作って、お母さんから教えてもらった、僕の大好きなご飯を作り始めた…。




 ドン!!!!


「はい! 出来たよ! お母さん直伝カツ丼だよ!!」

 僕は土鍋をそのまま、チロと女の子の前に置くと涙目なっていた…。

「んふふ~♪ 涙が出るほど喜んでくれて嬉しいよ! さっ! ドンドン食べてね!」


「こ、こんなに…食べられないよぉ~…チロちゃん…助け……」

「バクバクバク…バクバクバク…モシャモシャ………キュ?…バクバクバク…バクバクバク…モシャモシャ…。」

 チロは女の子を1回見たが、気にせず食べ続けた…


「ううううぅぅ……い…頂き…ます……。

「はい! どうぞ! 食べ終わったらお代わりもあるからね!」

 後から聞いた話だけど、銀髪の女の子は、この時の僕を始めて恐ろしいと思ったそうだ……何で⁇
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