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1章 

6話 お父さんにマッサージ

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 冒険者ギルドでの騒動は何とか収まり、その後は僕が旅に出る為の準備をしにお父さんと一緒に買い物に行き…1時間経ってようやく終わった。

「全くお前は…旅に出るのに1番必要な物がフライパンってどうゆう事だ…」

「えっ? だって現地調達した食材を美味しくするには調理器具が必要だし…その中でもフライパンは焼く! 煮る! 事が出来る優れものなんだよ!? 後フライパンを硬化させれば武器にもなるし…」

 便利でしょ?と言いたげな息子にレギオンは頭を抑えた…

「他にももっと必要な物があるだろ? 水や食料、テントに寝袋、ランタンに魔物除けの薬とかだな…」

「水や食料…テントに寝袋ならアイテムボックス特に食べ物や飲み物に関しては色んな種類がいっぱい入ってて…だいたい1年は保つよ! ランタンは魔法で大丈夫だし、魔物除けは結界を張れば問題ないよね?」

「……そうだったな…。
 リュークはアイテムボックスを持っていたんだったな…しかも大食らいのお前が1年分って…ヤメダヤメダ! 考えるだけ無駄だ。もうわかっているだろ?俺…」

「どうしたの? お父さんブツブツ言って…」

「ッッ!……ハァ…言うだけ無駄か…」

 レギオンは『お・ま・え・のせいだろうがーーーーー!!!!』…と言いそうになったが何とか抑え…呼吸を整え心が安らぐ我が家へと向かった…。


 ………


「お母さん! ただいま~!」

 僕はソファーに座りながら本を読んでいたお母さんに抱きついた! お母さんはいつもと同じように細い手で僕の頭を撫でてくれる…えへへ~

「リューク…お前帰ってくるたびユナに抱きつくよな…俺はお前の将来が心配だ…」

「そうね~私もこの子がその内女の子をいっぱい連れてくるのが簡単に想像つくわ~純粋さゆえに…ね…フフ♪」

「オマエは何を呑気に…ハァ…」

 ん? お父さん疲れたのかな? そうだよね…山を降りて大きな人と長い時間話をして、そして買い物を手伝ってもらって…今度は山を登ったりしたら疲れるよね!

「お父さん! 疲れが溜まってるみたいだから久しぶりに肩を揉んであげるね!」

「誰のせいだと…って待て待て待て! レアル! 今お前身体強化しただろ!それで肩を揉んだらどうなるか…って近づくな! 手をワキワキするのを止めろ!!」

「遠慮しなくても大丈夫だよお父さん! 日頃の感謝のお礼だから気にしなくてもいいよ! あっ! もう! パラライズ!」

 僕は窓から逃げようとするお父さんに麻痺でしばらく動けなくなる魔法を使い動きを封じた…。

「肩を揉むのにパラライズを掛ける奴がどこにいるんだ!!」

「大丈夫だよー!僕の肩もみは最初は痛いけど後から気持ちよくなるみたいだから安心していいよ!」

「もっと安心できなくなったわ! 待て…止めろ…来るんじゃない! ま…まままままッ――――」

『ギャアアアアアーーーーー!!!!…アッ…』


 ………


「ふぅ…終わったよ!」

 僕はおでこに付いた汗を腕で拭きのマッサージを終えてお父さんから離れた…。

 最初は『ヒィィィ…』とか『折れる!折れる!』や『死ぬ…」とか言ってたけど…終わりに近づくと…体がピクピクするだけになってやりやすかった!

 それにしても…お父さんあんなに喜んでくれて良かったよ!肩もみからに変えて良かったぁ~♪


「リューク~アナタ~晩御飯ですよ~」

「はーい!今行くー!

「…ピクッ…ピクッ! ……」

「もう! お父さん! いつまで寝てるの! ご飯冷めちゃうでしょ!」

 つんつん…ピクッ!…つんつん……

「もう! こうなったらサイコキネシスで運んじゃうからね~」

 僕は無属性魔法【サイコキネシス】を使い父さんを宙に浮かせて運んだ。

「あら…あらあらあら…そんなにマッサージが効いたのね…お父さんのご飯はお粥にして食べさせてあげるわね! リュークはお父さんの分も食べちゃってていいわよ~」

「本当に!? わーい! 頂きまーす!」

「…ピクッ!………」





「はぁ…ご馳走さまでした! お母さん! 今日も美味しかったよ!」

「あら、そう?良かったわ~。はいアナタ、アーン」

「ングッ!ゴホッ!」

 お母さんは動けないお父さんの為にお粥を作り…口に無理やりスプーンを突っ込んで父さんがむせて少し涙目になっている…嬉し涙かな?

「あっ…そうだ! お母さん!」

「ん? どうしたの?」

「ングッ!」

「今日、冒険者登録したから明日家を出るよ!」

「……そう…早いわね~うん。
 分かったわ…じゃあ、明日朝ご飯とお弁当は豪華にするわね♪」

「うん! ありがとうお母さん!」

「リューク…悪い人にはついて行ったら駄目よ? ちゃんと鑑定してから信用出来るか決めるのよ? 分かった?」

「ングッ! …ヒーヒー」

「うん! 分かった!」

「じゃあ今日は明日に備えてもう寝なさい」

「ングッ! ………」

「うん! お休みなさい!」

 僕はお母さんに手を振りながら自分の部屋にあるベットに入った…それにしても…お父さん何か目が全体的に白かったけど…まっマッサージもしたから大丈夫だよね!

 お休みなさ~い。

「アナタ! どうしたの! アナタ! アナタ―――!!」
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