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41話 神龍 ユキ
しおりを挟むダンジョンマスターの首をアリーが刎ね…杖を拾って持ってくるのが見えた。
とりあえず見とくか
**********
魔吸の杖(ダンジョンコア吸収済み)
品質:10
**********
品質が高いな! それに、魔吸…魔力を吸収する事が出来るということか?
それなら、あのゴブリンが覇王級をも上回る魔力を持っていた事が納得がいく。
しかし、ダンジョンコアとは何だ?
(なぁ、ダンジョンコアって知ってるか? どうやら、それもこの杖に吸収されてたみたいなんだが)
そう皆に思念を送ると、エルフは酷く驚いた。
「ダンジョンコアを吸収!? そんな事をすれば、そのダンジョンは崩壊するんだけど!? いや、でもパン君は吸収って言った…て、ことはその杖、その物がダンジョンコアの代用品となった? それなら納得がいく」
「にゃ~ご先祖様お腹が空いたにゃ~」
お前は…
相変わらず空気の読めない、ネロに頭が痛くなる。
(おら、これやるから大人しくしてろ)
前に召喚(大)で呼び寄せた、白い生地の下に紙が張り付き…その白い生地の中には肉が入った、大きなまんじゅうをネロの方に投げた。
するとーーー
ネロの横から、白く大きな巨大が突然動き…大きなまんじゅうを食った。
「にゃーーー!! みゃーのご飯がーー!! 返せにゃ~!!」
そう、龍が眼を覚ましたのだ。
てか、おい! お前! 終焉の魔物相手に、何殴ってるんだ!?
暫く口をモゴモゴさせた、神龍は眼を開き…小さな声が、部屋に響いた。
「美味しい。もっと…」
「「(………)」」
「駄目にゃ!! 働かない者はご飯は食べられないにゃ!!」
ネロ、お前…。
勇気があるというか、怖いもの知らずというか…よく、遥かに格上相手に言える物だ。
そもそも、終焉の魔物がそんな事に従うわけがーーー
「じゃあ働く、だからご飯」
「「(………)」」
何を言ってるんだコイツは…?
魔物の頂点となる者が、飯に釣られるとは…あぁ、頭が痛くなってきた。
ふと、エルフとアリーを見ると、俺と同じように頭を押さえていた。
「何をすればいい?」
「ご先祖様の役に立つにゃ!! 時にはご先祖様を守り、時には周りのお世話をしたり、時にはご先祖様の矛となるのにゃーー!!」
「めんどくさい」
「にゃーー!! それならご飯は食べられないにゃ!!」
「…………………じゃあ我慢する」
今、すっごい間があったな…。よっぽど嫌なのだろうか…。
すると、白い龍が動きだし…俺の眼の前に顔を寄せてきた。
「ご飯、先行投資」
…あぁ、もういいや、どうにでもなれ。
色々と疲れた俺は、空間魔法レベル9 召喚(大)を山ほど肉入りまんじゅうを呼び寄せた。
(しかし、その大きな体じゃ直ぐに無くなるんじゃないか?)
その20メートルはあろう、巨体を満足させる事は出来るのだろうか…。
「じゃあ、こうする」
そう言うと、神龍の体が光だし…余りの眩しさに眼を閉じると、空間支配にいる神龍のサイズがどんどん小さくなっているのが分かった。
眼を開けると、白い髪に眠そう眼をし…角と尻尾を生やした少女が立っていた。
しかし、何故か服を着ていなかった…。
「いただきます」
神龍はそんな事を気にもせず、もぐもぐと、山積みになった肉入りまんじゅうを口に入れ…ドンドン食べ始めた。
「さっき食べた、みゃーの分も返してもらうにゃ!」
「駄目」
そう言って、肉入りまんじゅうを取ろうとした、ネロの手を尻尾で叩いた。
「何でにゃー!! みゃーのご飯を返せにゃーー!!」
「駄目、これは私の」
争う2人を見て…一気に疲れがパンを襲う。
もう……疲れた、早く帰って眠りたい。
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