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26話 初めての報酬

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 「えっ!? こんなにどうしたんですか!?」

 ネロは「ふふ~ん」と大きくない胸を張り…俺が集めた薬草を受付に出した。

 俺は3時間で、集めたヒポテテ草は100を超え、他の薬草も80位集めた。

 「ご先祖様が見つけてくれたのにゃ!」

 (お前…俺の事は極力、秘密って言ったよな? 飯抜きにされたいのか?)

 「にゃ…」

 俺はコイツネロには飯を抜くのが有効だと気づき…こうして使っている。

 「ネ、ネロが頑張って…その…集めたのにゃ!」

 「……」

 (……)

 コイツ嘘ヘタクソだな!

 見ろ、受付の女も微笑ましく見ているだろうが…。

 「はい、薬草採取の依頼ですね。今薬草の数を数えますので、少々お待ち下さい」

 「分かったにゃ!」


 5分後…。


 「お待たせ致しました。ヒポテテ草21束、サアリー草13束、ココン草3束と2本で、金貨2枚、銀貨4枚、銅貨3枚となります。
次回からはツタで束ねておいて下さい」

 「分かったにゃ!」

 ネロがニコニコ笑顔で受け取るのを見て、俺は(やはり薬草採取だとこんな物か…)と思った。

 どうやら、ヒポテテ草1束銅貨5枚。
サラリー草1束銅貨8枚。ココン草は1束銀貨1枚だそうだ。

 「それから、ネロ様はE級に上がりました。ギルドカードを出してもらっても宜しいですか?」

 「はいにゃ!」

 受付の女に渡すと、何かの機会に通され…受け取ると新しくEと刻まれていた。

 ネロは受け取ったギルドカードを、光に反射させ、その場でくるくると回り…眼をまわしていた。

 馬鹿なのか? いや馬鹿だった。

 とりあえず…。

 今夜はネロがいる事で、宿に泊まる必要がある。

 箱庭は、親猫がいるから入れん。

 少なくとも、ネロの魔法レベルが4になるまで安全な所で寝たい。

 ずっと空間支配を使っていると、それなりに神経を使って疲れるんだよな…。

 まぁ、体に空気の壁を張るのは、常に使っておきたいがな。

 今はまだ、意識しないと使えんが…その内、常時張っておきたい。

 その次は、空間支配だ。

 慣れてくれば、だんだん範囲を広げていきたいと思っている。

 寝入っている時に襲われる可能性が高いからな。

 ん? そういえば箱庭の消費魔力は30.000だよな?

 箱庭作れないか?

 外に出たら試してみるか、今はそれより…。

 (ネロ、服とか必要な物を買いに行くぞ)

 「わか……たにゃ…」

 ふむ、よっぽど飯抜きが効いているのか、途中で気づいて声を小さくしたな。

 (その調子で頼むぞ?)

 「にゃ…」

 口に手を当て、小さく頷くネロの隣を歩いて冒険者ギルドを出るのだった…。

 暫く歩いていると…屋台が出始めているのが眼に入った。

 美味しそうな匂いが鼻に入ったのか、ネロの口から涎がだらだら…と、垂れているのが眼に入った。

 仕方ない…軽くならいいだろう。

 (昼もあるんだからな、少しならいいぞ)

 「分かったにゃ!!」

 そう言って、屋台に走って行くネロは…パンを2つ持って、戻ってきた。

 「ご先祖様の分も持ってきたにゃ! どうぞにゃん」

 俺はそこまで腹が減ってないんだが…。

 まぁ…いいだろう。

 俺達は、ベンチに座り…ネロが買ってきた、腸詰をパンで挟み、その上にソースがかかった物に齧りついた。

 (美味い)

 「美味しいにゃー!」

 ベンチで食べるのが、初めてなパンは少しだけ、心が踊ったのは誰も知る由もなかった。
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