106 / 108
第6章 ネニュファールの歩く世界
番外編1 ネニュファールとローリの冒険譚6
しおりを挟む
ネニュファールは遠くを見つめる。
「翔斗って黙っていればイケメンなんだな」
「大きなイチモツをください」
「ネニュファールの姿は変なこと言ってもかわいいな。むしろ隙があってモテそう」
「僕の理想像を崩さないでくれたまえ」
4人は談笑しながら美亜の家に到着した。
「あたしん家に用? 今日はお菓子なんて何もないわよ?」
家の脇にある庭から、美亜と美優が出てきた。
「美亜ちゃーん」
(ネニュファールの姿の)翔斗が美亜に抱きつきに行った。
「ネニュファール? ちょっと、どこ触って、くすぐったいじゃない」
美亜は翔斗に脇の匂いを嗅がれる。
「あなた、翔斗?」
美優はすぐに察する。
「皆、入れ替わってるの? ちょっと離しなさい、この変態!」
美亜が(ネニュファール姿の)翔斗を突き飛ばした。
「実はその通りなんだ! ローリが俺で、俺がローリなんだ。ネニュファールは翔斗と入れ替わってる」
「あーあ、なんでバラすかな、もう少しで生でお触りできたのに」
「言わないといけないだろ! 美優になにかしたら許さねえぞ?」
「武楽器もバラバラで弾けないうえ、吹けないんだ。頼むよ。リコヨーテまで連れて行ってくれないかい?」
「……全くもう、しょうがないな。美亜はどうするの?」
「家帰っても暇だし、ついていくわね、ってさっきテイアに行って来たばっかだけど」
「シチリアーノだっけ?」
「その通りさ。ありがとう。美優さん」
「「「ありがとうございます(わ)」」」
入れ替わりの起きている人はお礼をいう。
全員は美亜の家の裏にまで足を伸ばした。
「「ウォレスト」」
美優の前にトランペットが、美亜の前にクラリネットが出てきた。
見事な大樹の周りを囲んだ。
「せーの!」
♪
クラリネットの澄んだ音と、元気になれそうなトランペットの音で演奏が始まったそのデュオは、周囲を圧倒させる。完璧な演奏だった。
終わりがけに、木に緑色の濁流が出来る。
「僕から行くよ」
「待って、俺が行って箱を出す。俺の太陽の箱はペドルがなくて大きくできないからな」
太陽はひゅっと濁流に飛び込んでいった。
「できたかな、太陽君」
「急いで、消えちゃうから、およそ1分しか持たないから」
「では失礼して」
ローリも中に入っていく。
「翔斗、次はあなたよ」
「わたくし、入れ替わりが治ったようですわ」
「ええ?」
「いいから行きなさい」
美亜にネニュファールの姿の人は引っ張られて中に入り込んだ。
「ちなみに、本当に治ったの?」
「いえいえ、微塵も治ってませんわ」
「あいつ、まあ先どうぞ、ネニュファール」
「そうですわね」
ネニュファールは木の中へ突っ込んでいき真下に落っこちていく。
ドン!
ネニュファールは上手に着地できた。すぐにその場から降りる。
下はルービックキューブを伸ばしたような箱だった。
公園の中にいた。
美優も出てきて、箱が消える。
「サービスだ、見とけ」
某鼻毛バトル漫画に出てくるキャラみたいにネニュファールの姿はスカートをまくり上げている。
「パース。やめなよ、このサービ〇マン!」
(ローリ姿の)太陽は箱からハリセンを取り出して、(ネニュファール姿の)翔斗を叩いている。
「痛いな」
「わたくしの体で……、お嫁にいけませんわ」
「ネニュファール僕は見ないから! 翔斗君、目のやり場に困るからやめたまえ! ネニュファールが可愛そうだよ」
「とか言いながら見たいんだろう?」
「……違うよ、そんな事!」
「間があったみたいだけど?」
「そういうのじゃなくて!」
「翔斗、ローリをいじめるのはやめろよ」
「いつまで下ネタ嫌いキャラ続けるんだよ」
「翔斗君、別に僕は嫌いじゃないよ、どう反応すればいいのかわからないのだよ」
「全くもう、翔斗は太陽のつけてるリボンで縛っておきなよ」
美優の言うとおりに(太陽姿の)ローリは左手に縛ってあるリボンをほどいて、(ネニュファールの姿の)翔斗の手を縛った。
「誰が誰だか、面倒だから、さっさと行こう」
「なんか喉乾いたなー」
「翔斗は喋らないで」
「ひどい」
6人は城の前の湖についた。
「すみません、誰かいますか!?」
「太陽君、何もしなくてもくるさ」
その言葉通り3艘の小舟が漕がれてきた。
「陛下! よくぞご無事で」
「僕の地下室にある願い石を使いたいんだけどって言ってくれるかい?」
「ぼくのちかしつにあるねがいいしをつかいたいんだけど」
「ははあっ、すぐに見張り番に手配してきます」
「ボーリングの玉のような大きさのがあったはず、使っても?」
「ぼーりんぐのたまのようなおおきさのがあったはず、つかっても?」
「はい、一室にあるものでいいですか」
「うん」
「うん」
「かしこまりました」
小舟に乗って6人は移動した。
「ロー君、どこに行っていたのじゃ?」
ガウカが階段のところへ頬を膨らましてやってきた。
「翔斗って黙っていればイケメンなんだな」
「大きなイチモツをください」
「ネニュファールの姿は変なこと言ってもかわいいな。むしろ隙があってモテそう」
「僕の理想像を崩さないでくれたまえ」
4人は談笑しながら美亜の家に到着した。
「あたしん家に用? 今日はお菓子なんて何もないわよ?」
家の脇にある庭から、美亜と美優が出てきた。
「美亜ちゃーん」
(ネニュファールの姿の)翔斗が美亜に抱きつきに行った。
「ネニュファール? ちょっと、どこ触って、くすぐったいじゃない」
美亜は翔斗に脇の匂いを嗅がれる。
「あなた、翔斗?」
美優はすぐに察する。
「皆、入れ替わってるの? ちょっと離しなさい、この変態!」
美亜が(ネニュファール姿の)翔斗を突き飛ばした。
「実はその通りなんだ! ローリが俺で、俺がローリなんだ。ネニュファールは翔斗と入れ替わってる」
「あーあ、なんでバラすかな、もう少しで生でお触りできたのに」
「言わないといけないだろ! 美優になにかしたら許さねえぞ?」
「武楽器もバラバラで弾けないうえ、吹けないんだ。頼むよ。リコヨーテまで連れて行ってくれないかい?」
「……全くもう、しょうがないな。美亜はどうするの?」
「家帰っても暇だし、ついていくわね、ってさっきテイアに行って来たばっかだけど」
「シチリアーノだっけ?」
「その通りさ。ありがとう。美優さん」
「「「ありがとうございます(わ)」」」
入れ替わりの起きている人はお礼をいう。
全員は美亜の家の裏にまで足を伸ばした。
「「ウォレスト」」
美優の前にトランペットが、美亜の前にクラリネットが出てきた。
見事な大樹の周りを囲んだ。
「せーの!」
♪
クラリネットの澄んだ音と、元気になれそうなトランペットの音で演奏が始まったそのデュオは、周囲を圧倒させる。完璧な演奏だった。
終わりがけに、木に緑色の濁流が出来る。
「僕から行くよ」
「待って、俺が行って箱を出す。俺の太陽の箱はペドルがなくて大きくできないからな」
太陽はひゅっと濁流に飛び込んでいった。
「できたかな、太陽君」
「急いで、消えちゃうから、およそ1分しか持たないから」
「では失礼して」
ローリも中に入っていく。
「翔斗、次はあなたよ」
「わたくし、入れ替わりが治ったようですわ」
「ええ?」
「いいから行きなさい」
美亜にネニュファールの姿の人は引っ張られて中に入り込んだ。
「ちなみに、本当に治ったの?」
「いえいえ、微塵も治ってませんわ」
「あいつ、まあ先どうぞ、ネニュファール」
「そうですわね」
ネニュファールは木の中へ突っ込んでいき真下に落っこちていく。
ドン!
ネニュファールは上手に着地できた。すぐにその場から降りる。
下はルービックキューブを伸ばしたような箱だった。
公園の中にいた。
美優も出てきて、箱が消える。
「サービスだ、見とけ」
某鼻毛バトル漫画に出てくるキャラみたいにネニュファールの姿はスカートをまくり上げている。
「パース。やめなよ、このサービ〇マン!」
(ローリ姿の)太陽は箱からハリセンを取り出して、(ネニュファール姿の)翔斗を叩いている。
「痛いな」
「わたくしの体で……、お嫁にいけませんわ」
「ネニュファール僕は見ないから! 翔斗君、目のやり場に困るからやめたまえ! ネニュファールが可愛そうだよ」
「とか言いながら見たいんだろう?」
「……違うよ、そんな事!」
「間があったみたいだけど?」
「そういうのじゃなくて!」
「翔斗、ローリをいじめるのはやめろよ」
「いつまで下ネタ嫌いキャラ続けるんだよ」
「翔斗君、別に僕は嫌いじゃないよ、どう反応すればいいのかわからないのだよ」
「全くもう、翔斗は太陽のつけてるリボンで縛っておきなよ」
美優の言うとおりに(太陽姿の)ローリは左手に縛ってあるリボンをほどいて、(ネニュファールの姿の)翔斗の手を縛った。
「誰が誰だか、面倒だから、さっさと行こう」
「なんか喉乾いたなー」
「翔斗は喋らないで」
「ひどい」
6人は城の前の湖についた。
「すみません、誰かいますか!?」
「太陽君、何もしなくてもくるさ」
その言葉通り3艘の小舟が漕がれてきた。
「陛下! よくぞご無事で」
「僕の地下室にある願い石を使いたいんだけどって言ってくれるかい?」
「ぼくのちかしつにあるねがいいしをつかいたいんだけど」
「ははあっ、すぐに見張り番に手配してきます」
「ボーリングの玉のような大きさのがあったはず、使っても?」
「ぼーりんぐのたまのようなおおきさのがあったはず、つかっても?」
「はい、一室にあるものでいいですか」
「うん」
「うん」
「かしこまりました」
小舟に乗って6人は移動した。
「ロー君、どこに行っていたのじゃ?」
ガウカが階段のところへ頬を膨らましてやってきた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
未亡人となった側妃は、故郷に戻ることにした
星ふくろう
恋愛
カトリーナは帝国と王国の同盟により、先代国王の側室として王国にやって来た。
帝国皇女は正式な結婚式を挙げる前に夫を失ってしまう。
その後、義理の息子になる第二王子の正妃として命じられたが、王子は彼女を嫌い浮気相手を溺愛する。
数度の恥知らずな婚約破棄を言い渡された時、カトリーナは帝国に戻ろうと決めたのだった。
他の投稿サイトでも掲載しています。
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります
竹桜
ファンタジー
武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。
転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。
婚約者から婚約破棄のお話がありました。
もふっとしたクリームパン
恋愛
「……私との婚約を破棄されたいと? 急なお話ですわね」女主人公視点の語り口で話は進みます。*世界観や設定はふわっとしてます。*何番煎じ、よくあるざまぁ話で、書きたいとこだけ書きました。*カクヨム様にも投稿しています。*前編と後編で完結。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
気弱な公爵夫人様、ある日発狂する〜使用人達から虐待された結果邸内を破壊しまくると、何故か公爵に甘やかされる〜
下菊みこと
恋愛
狂犬卿の妻もまた狂犬のようです。
シャルロットは狂犬卿と呼ばれるレオと結婚するが、そんな夫には相手にされていない。使用人たちからはそれが理由で舐められて虐待され、しかし自分一人では何もできないため逃げ出すことすら出来ないシャルロット。シャルロットはついに壊れて発狂する。
小説家になろう様でも投稿しています。
趣味を極めて自由に生きろ! ただし、神々は愛し子に異世界改革をお望みです
紫南
ファンタジー
魔法が衰退し、魔導具の補助なしに扱うことが出来なくなった世界。
公爵家の第二子として生まれたフィルズは、幼い頃から断片的に前世の記憶を夢で見ていた。
そのため、精神的にも早熟で、正妻とフィルズの母である第二夫人との折り合いの悪さに辟易する毎日。
ストレス解消のため、趣味だったパズル、プラモなどなど、細かい工作がしたいと、密かな不満が募っていく。
そこで、変身セットで身分を隠して活動開始。
自立心が高く、早々に冒険者の身分を手に入れ、コソコソと独自の魔導具を開発して、日々の暮らしに便利さを追加していく。
そんな中、この世界の神々から使命を与えられてーーー?
口は悪いが、見た目は母親似の美少女!?
ハイスペックな少年が世界を変えていく!
異世界改革ファンタジー!
息抜きに始めた作品です。
みなさんも息抜きにどうぞ◎
肩肘張らずに気楽に楽しんでほしい作品です!
完結 愚王の側妃として嫁ぐはずの姉が逃げました
らむ
恋愛
とある国に食欲に色欲に娯楽に遊び呆け果てには金にもがめついと噂の、見た目も醜い王がいる。
そんな愚王の側妃として嫁ぐのは姉のはずだったのに、失踪したために代わりに嫁ぐことになった妹の私。
しかしいざ対面してみると、なんだか噂とは違うような…
完結決定済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる