上 下
291 / 372
11章大会

222話 出張整備

しおりを挟む
「せ、先生その人たちは何ですか!どうして部外者が」


私たちがファデュアさんの学園の作戦会議室に行くと生徒たちが睨んできました、きっと装備の調子が悪くてイライラしてるんだね。


「みんな落ち着け」


ファデュアさんがすぐに生徒を宥めています、もう少し長文で話してほしいなぁ。


「先生のことだから分かりますけど、その人たちってあれでしょ」


あれと言われました、そして生徒たちがさっきとは違う感じで見てきています。


「そう、1位を取った国の先生」


「「「「「!?」」」」」


分かっていたはずなのにすごく驚いています、そしてさっきから先頭で怒っている子が更に睨んできました。


「こ、個人戦では勝てなかったけど、団体では絶対負けませんよ」


「それは私じゃなくて家の生徒に言ってあげて、その為にもほら早く装備を見せる」


私が手を出して要求したらファデュアさんを見始めました、説明が無いからね。


「平気、見せなさい」


「わ、わかりました」


渋々って感じね、まぁ気持ちは分かるけど、それにしてもイビルディア先生がずっと怒っています。


「イビルディア先生落ち着いてください、装備の確認が出来ないですよ」


「だってこの生徒、ケティーちゃんに対して」


正面にいる生徒を睨んで言っています、声も低くしていてすごく怖いですね。


「この子たちも競技に真剣って事ですよ、分かってあげましょ・・・はい出来たわよ」


「え!?何もしてないだろ」


そう見えたのね、私はここにいる生徒全員の装備を把握しています、それは大会が始まった時から同じ物を交換しているからです、それを一瞬ですり替えただけなんですよ、修理のスキルなんて持ってないからね。


「少しヒビが入ってたのよ、スキルで治したわ、はい次の子」


武器と私を交互に見て離れて行きました、次の子もすごく怪しんでいますね。


「あなたのもそうね・・・はい良いわよ、もう少し整備をした方が良いわね」


「は、はいすみません」


謝りながら離れていきましたね、でもチラチラこっちを見ていました。


「ちょっと可愛いわね、さぁどんどん行くわよ」


こうして10名の生徒全員の装備を交換しました、本物はちゃんと修理設備で治して後ですり替えときますよ、今日だけです。


「とても感謝」


すり替え・・・もとい直した後でファデュアさんがお礼を言ってきました、ほんと素直ね。


「正々堂々と戦いたいからね、後これも渡すわ、研究組の生徒に飲ませてあげて」


私はエリクサー(激薄)の瓶を4つ渡しました、どうやら緊張していて調子が悪いみたいなんですよ、それで発表に支障が出るかと言うと、そうでもないかもですが楽しくないじゃない。


「分かった、ほんとに感謝」


「また何かあったら言ってね、じゃあ行きましょうイビルディア先生」


歩くのはイビルディア先生ですからそう言ったのですが、すごく聞きたそうですね。


「ここならいいでしょうケティー先生」


「さすがですね、修理には時間が掛かるので同じ物を渡したんですよ、ちゃんと本物は修理して返します」


「そう言う問題ではないです、どうしてあの生徒たちと同じ物を持っているんですか?」


そりゃー相手の戦力を把握するのは当然よね、更に言いますと私の冒険者たちに使ってもらってしっかり性能も確認してるわ。


「って感じです、それ位はしますよ?」


「可愛く行ってもダメです・・・まあ可愛いですが、今後は相談してください」


首をかしげながら言ったら顔をほころばせて言ってきました、相談ですか。


「じゃあ研究成果を盗まれそうなので、ダミーをいくつか違う部屋に置いてください」


「わ、分かりました部屋を用意します」


顔を引きつらせて了承していました、まぁ直ぐに言う事じゃなかったわね、でも盗もうとしてくるのはよくあるわよね、それが注目をされ始めればさ。


「はぁ家の生徒の競技見れませんでしたね」


「しょうがないですよ、っでどこの学園なのですか?」


イビルディア先生が盗人の国を聞いてきました、まあ家の生徒たちが順調に行っているのは人形たちの報告で解ってるわ、あの子たちは報告書をマコッチ本体に紙で送ってくれるの。


「ああ獣人の学園ガジャオーンですよ、6人の黒服で男性3人と女性3人、種族は猫」


「ちょちょちょっと待ってください、人数まで解っているのですか!種族も?」


なにを当然な事を言ってるんですか?


「わざと泳がせているのですから知ってるに決まっているじゃないですか、正々堂々やらないのならそれなりの処置をしますよ私は」


「そ、そそそそうですか・・・まぁそうですね、やってください」


顔を引きつらせて私を見ていたので、笑顔で対応したらすぐに笑顔になって返してくれました、そいつらは今回どこかの国の研究を国に持ち帰るのが目的だったようです、そして最初はフェアリーたちを狙っていたんだけどこっちに切り替えたみたい。

きっとマジックバトラーがすごすぎて危険と判断したのね、まあ当然と言ったら当然ね。


「明日が楽しみですねイビルディア先生」


「私は少し怖くなりました、ケティー先生の敵には同情しますね」


こうして私たちは帰りました、そして次の日の団体戦も終了しエントロス学園は両競技3位という結果を出しました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】彼女を妃にした理由

つくも茄子
恋愛
ファブラ王国の若き王が結婚する。 相手はカルーニャ王国のエルビラ王女。 そのエルビラ王女(王妃)付きの侍女「ニラ」は、実は王女の異母姉。本当の名前は「ペトロニラ」。庶子の王女でありながら母親の出自が低いこと、またペトロニラの容貌が他の姉妹に比べて劣っていたことで自国では蔑ろにされてきた。今回も何らかの意図があって異母妹に侍女として付き従ってきていた。 王妃付きの侍女長が彼女に告げる。 「幼い王女様に代わって、王の夜伽をせよ」と。 拒むことは許されない。 かくして「ニラ」は、ファブラ王国で王の夜伽をすることとなった。

single tear drop

ななもりあや
BL
兄だと信じていたひとに裏切られた未知。 それから3年後。 たった一人で息子の一太を育てている未知は、ある日、ヤクザの卯月遥琉と出会う。 素敵な表紙絵は絵師の佐藤さとさ様に描いていただきました。 一度はチャレンジしたかったBL大賞に思いきって挑戦してみようと思います。 よろしくお願いします

[本編完結]彼氏がハーレムで困ってます

はな
BL
佐藤雪には恋人がいる。だが、その恋人はどうやら周りに女の子がたくさんいるハーレム状態らしい…どうにか、自分だけを見てくれるように頑張る雪。 果たして恋人とはどうなるのか? 主人公 佐藤雪…高校2年生  攻め1 西山慎二…高校2年生 攻め2 七瀬亮…高校2年生 攻め3 西山健斗…中学2年生 初めて書いた作品です!誤字脱字も沢山あるので教えてくれると助かります!

愛された事のない男は異世界で溺愛される~嫌われからの愛され生活は想像以上に激甘でした~

宮沢ましゅまろ
BL
異世界ミスリルメイズ。 魔物とヒトの戦いが激化して、300年。 この世界では、無理矢理に召喚された異世界人が、まるで使い捨てのように駒として使われている。 30歳になる、御厨斗真(トーマ)は、22歳の頃に異世界へと召喚されたものの、異世界人が有する特殊な力がとても弱かった事。色々あり、ローレンス辺境伯の召使として他の異世界人たちと共に召し抱えられてることになったトーマは時間をかけてゆっくりと異世界に馴染んでいった。 しかし、ローレンスが寿命で亡くなったことで、長年トーマを狙っていた孫のリードから危害を加えられ、リードから逃げる事を決意。リードの妻の助けもあって、皆で逃げ出すことに成功する。 トーマの唯一の望みは「一度で良いから誰かの一番になってみたい」という事。 天涯孤独であり、過去の恋人にも騙されていただけで本当の愛を知らないトーマにとっては、その愛がたとえ一瞬の過ぎたる望みだったとしても、どうしても欲しかった。 「お前みたいな地味な男、抱けるわけがないだろう」 逃げだした先。初対面でそう言い切った美丈夫は、トーマの容姿をそう落とした。 好きになれるわけがない相手――本当ならそう思ってもおかしくないのに。 トーマはその美丈夫を愛しく思った。 どこかやさぐれた雰囲気の美丈夫の名前は、フリードリヒという。 この出会いが、誰にも愛されなかったトーマの人生を変える事になるとは、この時はまだ知らなかった。 辺境の国の王太子×内気平凡異世界人 ※二章から二人の恋愛に入ります。一章最後当て馬(?)がちらりと出るあたりでちょっとムカつくかもしれませんので、気になる方は二章始まるまで待機をお勧めします。◆平日は1回更新、休日は2回更新を目指しています。 イラスト:モルト様

完結 お飾り正妃も都合よい側妃もお断りします!

音爽(ネソウ)
恋愛
正妃サハンナと側妃アルメス、互いに支え合い国の為に働く……なんて言うのは幻想だ。 頭の緩い正妃は遊び惚け、側妃にばかりしわ寄せがくる。 都合良く働くだけの側妃は疑問をもちはじめた、だがやがて心労が重なり不慮の事故で儚くなった。 「ああどうして私は幸せになれなかったのだろう」 断末魔に涙した彼女は……

巻き込まれて異世界へ ~なぜだか関わった人の運命変えてます~

桜華 剛爛
ファンタジー
 主人公である鳳(おおとり) ユウマは、いつもと違う帰宅コースを通り帰宅中に従姉妹達が交通事故に会いそうになるところに遭遇、奇跡的に助けることに成功した。  それと同時ぐらいに何か普通では考えられない事がおきて、その子達と共に見知らぬ部屋の中にいた。そこはどうやら神の部屋らしくそこで重大な話を聞きユウマ以外は確実的に異世界へ転移する事になる。  しかしユウマ自身は、この場所に巻き込まれてやったて来ていたので、元の場所に戻る事もできたが、知り合いの子達を見捨てる事ができず共に異世界に行く事にしたのだ。  そして、ユウマに関わった人や生物?の運命を変えることになり、そして自重を知らない転移者達は、周りを巻き込みハチャメチャな事を行うことになっていくのであった。

邪悪な魔術師の成れの果て

きりか
BL
邪悪な魔術師を倒し、歓喜に打ち震える人々のなか、サシャの足元には戦地に似つかわしくない赤子が…。その赤子は、倒したハズの魔術師と同じ瞳。邪悪な魔術師(攻)と、育ての親となったサシャ(受)のお話。 すみません!エチシーンが苦手で逃げてしまいました。 それでもよかったら、お暇つぶしに読んでくださいませ。

悩ましき騎士団長のひとりごと

きりか
BL
アシュリー王国、最強と云われる騎士団長イザーク・ケリーが、文官リュカを伴侶として得て、幸せな日々を過ごしていた。ある日、仕事の為に、騎士団に詰めることとなったリュカ。最愛の傍に居たいがため、団長の仮眠室で、副団長アルマン・マルーンを相手に飲み比べを始め…。 ヤマもタニもない、単に、イザークがやたらとアルマンに絡んで、最後は、リュカに怒られるだけの話しです。 『悩める文官のひとりごと』の攻視点です。 ムーンライト様にも掲載しております。 よろしくお願いします。

処理中です...