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5章戦

71話 状況整理

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どうもマコッチです、ラットとスズメに情報をもらい整理しました、さてどうやって姫様に知らせましょうね。

一番簡単なのは、拘束した者から聞いたと言って、ラクロナイトかアレンが説明することだよね。



「ラクロナイトに連絡しておこうかな」


『まあそれがいいだろうね、どうせ姫様に話すのはラクロナイトたちなんだからね』


スイちゃんも同意見のようね、まあそれが一番自然よね。


「私が会えれば、先の作戦もやりやすいんだけどね」


『会えばいいじゃない、ラクロナイトの主君ですって言ってさ』


「まあそれでもいいけど・・・念の為に部屋を作って置くかな」


私は王都にあるマーコト商会の地下に部屋を作りました、もちろん罠道ではない別の道によ。

そして姫を招待すると言う事で椅子やテーブルを豪華にしたわ、壁も大理石でなかなか豪華になったのよ、どこかの神殿みたいだわ。


「じゃあラクロナイトに通信ね」


『がんばってねー』


映像ハチドリで状況は見えています、今丁度城に着き待合室で待機中ね、私は通信で状況を説明し、姫様に伝えてもらうように言いました。


『っと言うわけで姫様に伝えてね』


『承知したでござる主君』


通信を切ってお茶をしながら映像を眺めています、まだ姫様は来ないけど問題はないわ。


「これでいいわね、じゃあ話し合いが終わるまで暇だから、マリンたちのほうに行きましょ」


『そうだね、冒険者もそろそろ20階をクリアするPTが増えて来たもんね』


少し前からフィールドフロアに入るようになり、冒険者のレベルも上がったんだなーと思い始めていたの。

だけどそのPTはかなりの時間を掛けてモンスターを倒しているわ、まだレベルが足りないのかな?

幸い大けがをするPTはいないから良かったわ、これもクリスのおかげね。



「どうマリン、冒険者は順調?」


「主様、何処のPTも深追いせず戦っています」


お茶のカップを持ちながらマリンに話すと嬉しそうに言ってきました、うんうん順調なのね。


「そう、それならいいわ、何か変わったことはなかった?」


私がそう聞いたら、マリンがちょっと困った顔で言ってきたの。


「レストラン罠を拠点にして進むPTが増えてきました、まだ5日間の使用者はいないようですが、ぎりぎりまで使っています」


やっとあの罠の本領が発揮されたのね、うんうんいい事だわ。


「そうなのね、あれは足止めをしてDPを稼ぐ為にあるんだから、いいのよマリン」


「そうなのですが見てください、この人たちは朝からずっといます」


画面を見たら罠の2階の広間で食事を食べていました、確かにくつろいでるわね。

恐らくマリンが心配しているのは、この人たちが冒険をしなくなるのでは?っと思っているからなのね。

確かにそうなる可能性はあるわ、でもそれは5日間使ってしまった場合よ。



「冒険中に1日お休みをしてるのかもね、いいのよマリン、これがウインウインの関係なんだから」


「そうなのですか?主様が言うならいいのです」


うんうん、マリンを撫でて今度はキュリーの方を見ました、キュリーには20階から上を見て貰っているの。

クリスが助けてばかりだったからかスキル『救済』を覚え、キュリーや私たちが見た、冒険者の場所が表示されたマップがクリスの前に出るようになったの、だからより迅速に助けることが出来るようになったのよ。


まぁクリス自身もそのスキルで見つけやすくなっているわ、更にスキル『説教』を覚え、説教をされた冒険者はそれ以降、クリスの言った事を忠実に守るのよ。

説教よりも教育な気がしますが、まあいいわ。


「キュリキュリー」


「ご苦労さまキュリー、うんそれほど怪我をしてる子はいないわね、やっぱりクリスのおかげかしらね」


「キュキュー」


キュリーもそうだと思っているようね、今度戻って来た時、クリスに何かご褒美をあげようかしらね、あの子仕事し過ぎよ。


「ダンジョン増設はもっと下に行ってもらってからねスイちゃん」


『そうだね、せめて60階位は行ってほしいよね』


私たちがそんなことを話していると、アレンに渡した探索スズメから連絡があったので通信をアレンに繋げました。


『どうしたのアレン、姫様のとこで何かあった?』


『ああ、姫様が戦争を回避する方法が何かないかと言ってきてるんだ、それでマコッチに知恵を借りたい』


「そっちかー『あるにはあるんだけど、アレンたちがどうして知ってるのかを問われるの』」



まあそうだよね、お金が欲しいだけの東の貴族は、ダンジョンのドロップ品辺りをちらつかせれば何とかなると思うわ。

でも戦争がしたいあの男(王子様)は功績がほしいのよ、だからこっちの国に人が来てるのを口実に攻めてくるわ、住民は止めても来ちゃうから、これは絶対ね。

なるべく受け入れませんって言って長引かせるしかないけど、いつまで持つか解らないわ。

だから回避する、って方法の中ではこれが一番被害が低いわ、こっちにも向こうにもね。


『ふむ、いったいどういった情報かな?』


アレンが聞いてきましたが、さてどうしましょうね。


「やっぱり情報をあげないとダメかな?」


『情報って魔王の事?』


「そうよ、なんでか魔王同士の戦いを止めてトルトトルの方に進軍してるの、丁度会議の日くらいかな」


そう言って私は考えました、もしかしたら魔王側は会議の最中に攻めてくるのではっと。


「まあ常套手段よね」


『何々!何か思いついたの?』


「うんちょっとね、これは直接話した方が良いかもしれないわね」


姫様と会うかもと思って、部屋を作っている際に考えていたの。

姫様が自分で作戦を考え、開戦時期を長引かせる方を取れば私は会わずに済むけど、そうでなかった場合、私が対策を提示するだけではなく、協力することになるだろうなぁっと。

そうしないと勝てないのよね、何せ魔王だし。


「出来れば私はあまり力を貸さない方が良いんだけど、この流れはきっと無理な方ね」


『何々どうしたのマコッチ』


スイちゃんが何か言っているのを私が無視して考えていると、アレンから更に通信が来ました。


『おいマコッチどうした!そんなに言えない情報なのか?』


「おっとこっちを忘れてたわね『ごめんごめんアレンちょっと考えてたのよ、やっぱりこの情報は私が直に姫様に言うわ』」


『事前に聞いておきたい、いったいどんな情報だ』


まあアレンは知っておきたいよね、まあ言うだけならいいかな?でも驚くだろうなぁ。


『落ち着いて聞いてよアレン、いいわね』


私は念押しをしました、恐らくすごく驚くと思うので。


『あ、ああいいぞ』


『戦争していた魔王の一人がトルトトルに進軍してきてるの』


「『な、なにぃーーー!?』」


あちゃーやっぱだめだったか、映像を見ると驚いたアレンが姫様に説明を要求されています。

そして姫様が詳しく聞きたいと言って私は会う事になりました。


『すまんマコッチ、では少し待っていてくれ』


『うんいいよ待ってるから』


私はそう言って通信を切りました。


「じゃあ、姫様を迎える準備をしましょ」


『結局そうなったね』


私はマリンたちに言って作った部屋に転移し、お茶の準備を始めました。

姫たちが来るのにはまだ時間があるから、姫様が言いそうな事の対策を準備しましょ。
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