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4章陰で
65話 アックスハント
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「大物だな、いくぞアトキンス!グリューナク」
「わかったガウ!」
「おう!任せるのじゃ、とどめを頼むぞいタオツィ」
「はい詠唱開始します」
「いくぜぇー!おらぁぁー‼︎」
俺たちは今34階を探索している、おっと初めましてだな、俺はアックスハントのリーダー、アックス・フォードだ。
「アックス!トレントガウ」
グリューナクが前足でタオツィの後ろを差したから、焦って見たが動きのゆっくりなトレントがいた。
「くっ新手だ、そっち頼むぞ!ダブルガンム」
「おう任せろ、武技『金剛外装』」
ダブルガンムが既にタオツィの前に立っていて、トレントの振り下ろしてきた枝の攻撃を盾で防いでいた、防御力アップの武技まで使ってな。
「ふぬぅ~なかなか効いたぜこの!」
ダブルガンムがトレントに向かって走って行くのが横目でみえた。
「向こうは平気そうだな、こっちも行くぞアトキンス、グリューナク」
俺たちの方はブルーグリズリーだ、こいつの毛は水で覆われていてとても硬い、そして力が強くBクラスのモンスターとランク付けされている。
「ドッセェーイ!イイぞいグリューナク」
「まかせろガウ!『剛集龍撃牙』」
アトキンスの攻撃でバランスを崩したブルーグリズリーに、グリューナクが上級武技で攻撃した。
ブルーグリズリーの片腕を引きちぎったぞ、流石だな。
「やはり武技でないときびしいか、だが今は無理だな、だあぁっ!」
グリューナクの硬直時間を俺がカバーし敵を牽制したが、俺たちの通常攻撃は硬い毛のせいでほとんどダメージになっていない。
まあ少しずつ当ててはいるんだが、まだまだ掛かるな。
「くそ!手強いな向こうは大丈夫か」
「アックスこっちに集中するんじゃ、向こうはダブルガンムに任せろ」
ダブルガンムは最近になって俺たちのPTに入った奴だ、変わった形のフルプレートを着た青年だな。
他のPT仲間はもう随分長いな、ドワーフのアトキンスとは俺が最初にPTを組んでからの付き合いだ、それから半年くらいして獣種の狼グリューナクが入ってきたんだ、その後2、3ヶ月して魔法士のタオツィが入った。
それから6年他の街で活動していたんだ、ヴェルンに来て1年になるかな・・・そうか、もうそんなになるんだな。
新しく入ったダブルガンムは新人とは思えないほど強く頼りになる、そして女なんじゃないかと思うほど顔が整っていて、初めて兜を取った時驚いた、口調は俺みたいに悪いがな。
「これでも食らってろ『アイシクルアロー』」
また横目で見たが、初級の魔法とは思えない威力でトレントの体に穴が開いていた。
「お待たせしました、行きますよアックス!『ツインサンダージャベリン』」
俺たちの方にタオツィの上級魔法が飛んできた、ほんとはトレントに使ってほしかったんだが、グリズリーが黒焦げになって消滅したんでそっちを見たら、ダブルガンムが槍で突いて倒していた。
通常種のトレントだったとは言え、Cランクモンスターを1人で倒すとはな、ほんとに新人なのかあいつは。
「アックス、魔石だガウ」
「おおサンキュー」
「みんな伏せろ!?」
戦闘が終わったんでドロップ品を回収していたら、急にダブルガンムが叫んだから俺たちは咄嗟に伏せた。
「くらえ!『裂集破』」
ダブルガンムの遠距離連続武技が頭上を飛び、空のモンスターブラックホークに当たって消滅していった。
危なかった、あの声がなかったら誰かが襲われていたな。
「何とか間に合ったな、平気かタオツィ」
「え、ええ、ありがとうダブルガンム」
タオツィが顔を赤くしてダブルガンムの手を借りて立ち上がっていた、おいおい!男だぞそいつは、まぁ顔を見てると女なんじゃないかと思うがな。
回収が終わりそうだったから休憩しようとしていたんで兜を取ってるんだが、ほんと性別を間違えたんじゃないか?
「ん!どうしたアックス、俺の顔に何か付いてるか?」
「いやなんでもない、連携も旨く揃ってきたなって思ってただけさ」
俺は顔を逸らして言っておいた、こいつの顔を直視すると俺まで照れちまう。
「まぁそうだな、みんなと組むようになって1か月だからな」
「早いもんじゃな、そろそろシルバーの試験でも受けたらどうじゃ?ダブルガンム」
アトキンスが言っている、たしかにそうだな、ダブルガンムの実力なら受かるだろう、俺たちとタメを張れてるんだ。
「それがさぁ、俺護衛のクエストをしてないからまだ出来ないんだとよ、それに今はギルドが忙しくてダメだってさ」
「アイアンの試験を受ける人が多くてそっちを優先してるって話しでしょ、受付で聞きましたよ」
「受付ってファルファロガウか?」
グリューナクがタオツィに言っている、まぁ俺たちの中ではこれは知らない者はいないことだ。
「そ、そうだけど、何もないからね僕たち」
「そうなのガウ?向こうもそう言った匂いを出してたガウよ」
グリューナクは獣種で匂いに敏感だ、感情の変化にも匂いってあるのか?
それにしてもタオツィ、奥手すぎるぞ。
「タオツィ勇気を出してアタックしてはどうじゃ」
「で、でもファルファロ人気があるんだよ、この前も告白されたって言ってたもん」
そうなのか⁉︎まあ受付嬢は美人が多いから人気があるんだ、だが俺の見立てでは行けると思うんだがな。
「それはタオツィを急かしてるんじゃないのか?」
「「「「!?」」」」
俺たちは驚いた、ダブルガンムからそんな言葉が出るとはな、会った時は人間味がないっていうか、戦いだけしてればいいって感じだった。
そう言えば、最近は笑顔を見るのが増えたな、あの笑顔は凶器だぞ!男だと知らない奴ならきっと口説きに来る。
「そ、そうかな?」
「そうだぞタオツィ、俺の知り合いにそうやって言わないでいたら、他の男に取られたって奴がいた」
「そうなんだ・・・うん僕頑張ってみるよ」
お!?どうやらタオツィは決心が付いたようだな。
「その意気じゃ」
「頑張れガウ」
「じゃあ今日は戻るか、んで明後日タオツィの報告を聞こうぜ」
俺がおどけて言ったらタオツィは怒ってたぞ、皆は笑ってたけどな。
そして転移陣に向かってる際、小声でダブルガンムがタオツィに言ってたぞ。
「タオツィ、手ぶらで行ってはダメだぞ、女性はプレゼントが大事だ、これ持ってけ」
「これはなに?」
横目で見ていたが小さい箱を渡していた、プレゼントか、やるなダブルガンム。
「知り合いに化粧品を売ってる奴がいてな、そいつから貰ったんだが、俺は使わんからバッグの肥やしになってたんだ、プレゼントに使ってくれ」
「これは・・・香水だ!?ありがとうダブルガンム、僕頑張ってみるよ」
次の日の夕方に村まで戻り、タオツィがギルドに行くのを応援して宿に帰った、次の朝タオツィは帰ってこなかったよ。
どうしたのかと思っていたら、昼に帰ってきて惚気話を聞かされた、どうやらうまく行ったらしい。
そしてその時聞いたんだが、ダブルガンムから貰った香水が最近話題になってる商会の物だったらしく、プレゼントにはこれ以上ない物だったそうだ。
「わかったガウ!」
「おう!任せるのじゃ、とどめを頼むぞいタオツィ」
「はい詠唱開始します」
「いくぜぇー!おらぁぁー‼︎」
俺たちは今34階を探索している、おっと初めましてだな、俺はアックスハントのリーダー、アックス・フォードだ。
「アックス!トレントガウ」
グリューナクが前足でタオツィの後ろを差したから、焦って見たが動きのゆっくりなトレントがいた。
「くっ新手だ、そっち頼むぞ!ダブルガンム」
「おう任せろ、武技『金剛外装』」
ダブルガンムが既にタオツィの前に立っていて、トレントの振り下ろしてきた枝の攻撃を盾で防いでいた、防御力アップの武技まで使ってな。
「ふぬぅ~なかなか効いたぜこの!」
ダブルガンムがトレントに向かって走って行くのが横目でみえた。
「向こうは平気そうだな、こっちも行くぞアトキンス、グリューナク」
俺たちの方はブルーグリズリーだ、こいつの毛は水で覆われていてとても硬い、そして力が強くBクラスのモンスターとランク付けされている。
「ドッセェーイ!イイぞいグリューナク」
「まかせろガウ!『剛集龍撃牙』」
アトキンスの攻撃でバランスを崩したブルーグリズリーに、グリューナクが上級武技で攻撃した。
ブルーグリズリーの片腕を引きちぎったぞ、流石だな。
「やはり武技でないときびしいか、だが今は無理だな、だあぁっ!」
グリューナクの硬直時間を俺がカバーし敵を牽制したが、俺たちの通常攻撃は硬い毛のせいでほとんどダメージになっていない。
まあ少しずつ当ててはいるんだが、まだまだ掛かるな。
「くそ!手強いな向こうは大丈夫か」
「アックスこっちに集中するんじゃ、向こうはダブルガンムに任せろ」
ダブルガンムは最近になって俺たちのPTに入った奴だ、変わった形のフルプレートを着た青年だな。
他のPT仲間はもう随分長いな、ドワーフのアトキンスとは俺が最初にPTを組んでからの付き合いだ、それから半年くらいして獣種の狼グリューナクが入ってきたんだ、その後2、3ヶ月して魔法士のタオツィが入った。
それから6年他の街で活動していたんだ、ヴェルンに来て1年になるかな・・・そうか、もうそんなになるんだな。
新しく入ったダブルガンムは新人とは思えないほど強く頼りになる、そして女なんじゃないかと思うほど顔が整っていて、初めて兜を取った時驚いた、口調は俺みたいに悪いがな。
「これでも食らってろ『アイシクルアロー』」
また横目で見たが、初級の魔法とは思えない威力でトレントの体に穴が開いていた。
「お待たせしました、行きますよアックス!『ツインサンダージャベリン』」
俺たちの方にタオツィの上級魔法が飛んできた、ほんとはトレントに使ってほしかったんだが、グリズリーが黒焦げになって消滅したんでそっちを見たら、ダブルガンムが槍で突いて倒していた。
通常種のトレントだったとは言え、Cランクモンスターを1人で倒すとはな、ほんとに新人なのかあいつは。
「アックス、魔石だガウ」
「おおサンキュー」
「みんな伏せろ!?」
戦闘が終わったんでドロップ品を回収していたら、急にダブルガンムが叫んだから俺たちは咄嗟に伏せた。
「くらえ!『裂集破』」
ダブルガンムの遠距離連続武技が頭上を飛び、空のモンスターブラックホークに当たって消滅していった。
危なかった、あの声がなかったら誰かが襲われていたな。
「何とか間に合ったな、平気かタオツィ」
「え、ええ、ありがとうダブルガンム」
タオツィが顔を赤くしてダブルガンムの手を借りて立ち上がっていた、おいおい!男だぞそいつは、まぁ顔を見てると女なんじゃないかと思うがな。
回収が終わりそうだったから休憩しようとしていたんで兜を取ってるんだが、ほんと性別を間違えたんじゃないか?
「ん!どうしたアックス、俺の顔に何か付いてるか?」
「いやなんでもない、連携も旨く揃ってきたなって思ってただけさ」
俺は顔を逸らして言っておいた、こいつの顔を直視すると俺まで照れちまう。
「まぁそうだな、みんなと組むようになって1か月だからな」
「早いもんじゃな、そろそろシルバーの試験でも受けたらどうじゃ?ダブルガンム」
アトキンスが言っている、たしかにそうだな、ダブルガンムの実力なら受かるだろう、俺たちとタメを張れてるんだ。
「それがさぁ、俺護衛のクエストをしてないからまだ出来ないんだとよ、それに今はギルドが忙しくてダメだってさ」
「アイアンの試験を受ける人が多くてそっちを優先してるって話しでしょ、受付で聞きましたよ」
「受付ってファルファロガウか?」
グリューナクがタオツィに言っている、まぁ俺たちの中ではこれは知らない者はいないことだ。
「そ、そうだけど、何もないからね僕たち」
「そうなのガウ?向こうもそう言った匂いを出してたガウよ」
グリューナクは獣種で匂いに敏感だ、感情の変化にも匂いってあるのか?
それにしてもタオツィ、奥手すぎるぞ。
「タオツィ勇気を出してアタックしてはどうじゃ」
「で、でもファルファロ人気があるんだよ、この前も告白されたって言ってたもん」
そうなのか⁉︎まあ受付嬢は美人が多いから人気があるんだ、だが俺の見立てでは行けると思うんだがな。
「それはタオツィを急かしてるんじゃないのか?」
「「「「!?」」」」
俺たちは驚いた、ダブルガンムからそんな言葉が出るとはな、会った時は人間味がないっていうか、戦いだけしてればいいって感じだった。
そう言えば、最近は笑顔を見るのが増えたな、あの笑顔は凶器だぞ!男だと知らない奴ならきっと口説きに来る。
「そ、そうかな?」
「そうだぞタオツィ、俺の知り合いにそうやって言わないでいたら、他の男に取られたって奴がいた」
「そうなんだ・・・うん僕頑張ってみるよ」
お!?どうやらタオツィは決心が付いたようだな。
「その意気じゃ」
「頑張れガウ」
「じゃあ今日は戻るか、んで明後日タオツィの報告を聞こうぜ」
俺がおどけて言ったらタオツィは怒ってたぞ、皆は笑ってたけどな。
そして転移陣に向かってる際、小声でダブルガンムがタオツィに言ってたぞ。
「タオツィ、手ぶらで行ってはダメだぞ、女性はプレゼントが大事だ、これ持ってけ」
「これはなに?」
横目で見ていたが小さい箱を渡していた、プレゼントか、やるなダブルガンム。
「知り合いに化粧品を売ってる奴がいてな、そいつから貰ったんだが、俺は使わんからバッグの肥やしになってたんだ、プレゼントに使ってくれ」
「これは・・・香水だ!?ありがとうダブルガンム、僕頑張ってみるよ」
次の日の夕方に村まで戻り、タオツィがギルドに行くのを応援して宿に帰った、次の朝タオツィは帰ってこなかったよ。
どうしたのかと思っていたら、昼に帰ってきて惚気話を聞かされた、どうやらうまく行ったらしい。
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