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2章始動

23話 ワンちゃんたち

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僕の名前はセントバといいます、主様に付けてもらいました。



「あなたは絶対この名前!もうこれしかないわ」


名前を付けて貰う時、主様が興奮して言ってきました、なんででしょうね?まあネームドになれるのでいいですけどね。



「じゃあそっちも頑張ってなシベリン、ゴールデン、シェーバ」


「「おう!」」


「あいよーそっちも無理するなよー」


僕の他にもウルフマン・ミニがリーダーになって、東に2つ(僕も含めて)南に2つの村に向かいました。



「ウサミそろそろ着くぞ、準備してくれ」


みんなと別れて二日目の夕方、僕と一緒に東の担当になったラビットマン・ミニのウサミを呼びました。



「アイアイー」


軽く返事をして後ろの荷台から出てきました、眠たそうにしていますが運転は僕が担当なのでしょうがないです。



「こんにちは門番の人」


「コンチハー」


僕たちは村に着いてすぐ、門に立っていた皮の鎧を着た二人に挨拶をしました、すごく驚いていますね。


「お、おう!珍しいモンスターで馬車を引いてるな、それに獣種がなんの用だ?」


門番の男二人が僕たちを嫌そうな顔をして見てきました、馬車を引いてるモンスターはメタルタートルです。

主様のガチャで僕たちと同じ感じで出てきました、他の場所のメンバーも同じモンスターに引かせています、違いがあるとしたら体の色くらいですね、みんなメタルタートルでした。



「僕たちはある人の命でこの村に来ました、責任者の人とお話しできますか?」


「オネガイー」


僕とウサミは笑顔で説明しました、そしたら門番の人が顔を見合って小声で話し合っています。



「い、良いんじゃないか?話すくらい」


「まあこいつらが暴れてもな、小さくて弱そうだしな」


聞こえてますよお二人さん、僕たちは耳がいいのですよ、ウサミなんてその気になれば、この村の端から端までを聞き分けられるでしょう。



「じゃあ、俺が行ってくるからここ頼む」


「おう早めに頼むな、そろそろ門を閉める時間だからな」


男の1人が村に入って行きましたね、多分村長は来ないでしょう、遠くで話し声が聞こえます。

仕事をしたくないとか、飯はまだかとか言っています。



「お前たちしばらく待ってろ、もう少ししたら村長か、それ以外の責任者が来てくれる」


残った門番の人が言ってきました。

たしかにさっきの門番の人が、女の人と話して村長の声がする方に向かっていますね。


「そうですか、分かりました、では僕たちはそれまで暇なのでお茶をしてますね」


「ハイ、セントバー」


僕たちは馬車を降りて、門番の人の横でコウチャを飲みました、主がマジックバッグに入れてくれたのですよ、他にも村の人に交換材料として色々受け取っています。



(ゴクリ)

門番の人の喉が鳴ったのが聞こえました、無理もありません、僕たちはコウチャと一緒にお菓子も食べているのです、これは主様の作戦です。



「どうですか門番さんも一緒に」


「ドウゾー」


ウサミが僕の言葉の後すぐに門番にコップとお菓子を差し出しました、門番も初めは戸惑っていましたが、しばらくウサミが差し出していたので受け取り、口に入れましたよ。



「う、うまい!なんだこれは」


「それは僕たちが話合いで使う予定の物ですよ、どうですか?美味しいでしょ」


「オイシイヨネー」


「う、うむ」


僕はお代わりを渡して門番の人と話して仲良くなりました、名前はデデニって言うそうです、そしてもう一人はデルルだそうです。



「おう!やっと来たかデルル」


「お前何やってるんだ」


「いやいやそれがな、こいつらは商売をしに来たんだってよ、それで商品を試しにくれたんだ、シキョウヒンって言うんだってよ」


主が言っていました、新しい商品は受け入れてもらうのには時間が掛かると、なので試しに使ってもらうのが一番だそうです。



「皆さんもどうですか?」


「ドウゾ」


ウサミがデルルともう一人、一緒に来た女性にも渡しました。

村長との話し合いを聞く限り、この人が責任者みたいなものですね。



「ありがとうお嬢ちゃん」

「イエイエー」

「カミリアさん良いんですか?」


デルルって門番さんが女性をカミリアと呼んで聞いています、まあ警戒はしますよね。


「ええ、どうせ話し合いでもらうでしょ」


カミリアと呼ばれた女性が僕の方を見て言ってきたので頷いておきました。

なかなか頭のいい人なんですね。



「お掛けください」


「どうもです」


「アリガトー」


僕たちはカミリアさんとデルルさんに案内してもらい、一つの家に招かれテーブルを挟んで座りました。

解っていましたが村長の家ではないのですね、全くここの村長はホントに。



「それで、どういったお話でしょうか?申し遅れました、私は村長の代理でここの管理をしています、カミリアと申します」


「僕はセントバと言います、こっちはウサミです、僕たちはある人から商品を売ってくるように言われてここに来ました」


カミリアさんは代理と言っています、遠くで村長の声は聞こえていますけどね、どうやらここの村長は主様の言った通りの村長のようです、利権だけを振りかざし仕事をしないで遊んでいると怒っていました。

それなのに村人から過剰に搾取していると主様が言っていました。


そんなことを考えながら話していると、カミリアさんとデルルさんが黙って聞いています、この村は商品を買うほどお金がないのでしょう、無理もありません、搾取され過ぎていますからね、遠くで子供や大人たちのお腹の鳴る音がする、っとウサミが言っていました。



「商品は先ほど渡した物以外も色々あります」


僕はマジックバッグから商品を出しました、テーブルにギリギリ乗るくらいをですね。

全部出したら乗りきらないのです、主様はどの商品がこの世界で有益かを調べているのでしょう。



「こ、こんなに!?・・・で、ですが私たちはそれほど裕福ではありません」


「はい分かっていますよ、僕たちの主も了承してここに僕たちを送ったのです」


「そ、それじゃあ俺たちは何を払えばいい」


デルルさんが意を決して言ってきました。

お金がないならば手段はもう、物々交換しかありませんよね。
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