上 下
12 / 372
1章始まり

12話 ご挨拶

しおりを挟む
どうもマコッチです、私は画面を見ていてちょっとドキドキしていました。



「ねぇスイちゃん、このダンジョンってさ、意思を持ってる様に感じるの?」


『私に聞かれてもわかんないよ、意思を持ったダンジョンマスターは初めてだし、この人たちがそう言ってるならそうなんじゃないかな?』


そうなのね、でも変える気はないわね、使ったDPがもったいないもん・・・まあまだ沢山あるけど。



『それにしてもマコッチ、あの食事の罠には驚いてたねー』


「そうね、ダンジョンが動いてるのと同じ位驚いてたわね、作ったかいがあるわ」


私はあの人達がこの部屋に来るので準備を始めています、ソファーやテーブルを交換して、部屋の真ん中に置いて扉が見える方に、私とマリン、キュリーが座って待機です。



「そろそろくるよ二人とも、ちょっとドキドキするね」


「主様は私たちが守ります」


「キュルキュリー」


私の隣に座っている二人を撫でながら、画面であの人たちがボスを倒したのを確認しました。


しばらくして扉が開いたので、その場で立ち上がり挨拶をしました。



「どうも冒険者の方たち、私のダンジョンにようこそ」


私がそう言って挨拶をしたら向こうが剣を向けてきたの。



「そこを動くな!」


「ちょ、ちょっと、どうして剣を向けるのよ」


マリンとキュリーが私の前に来て守ってくれています、攻撃してきたら大変でしたね。



「済まないな、顔も見せない相手は信用できんからな、それなりの警戒をさせてもらうぞ」


言われてみれば確かにそうだね、フードをかぶってたの忘れてたわ。



「それは失礼したわね、フードを取りたいから動いていいかしら?」

「ああ、ゆっくりとだぞ」



アレイラがそう言ったので、私はゆっくりフードを取って笑顔を見せました、笑顔は大事よね。



「あら!?なかなか可愛い顔してるわねあなた」


何だかノンって人がキラキラした目をしてこっちを見てるんだけど、今の私ってあんな綺麗な人が喜ぶ程なの?どうしようかしら・・・とりあえず話しを進めよ。



「これで話を聞けるかしら?」


マリンとキュリーを座らせて撫でながら私も座りました。


「マリン・キュリー落ち着いて、まだ始まったばかりよ」

「はい主様、でも気を付けてください」

「キュキュリ」


二人とソファーに座って相手を見たら、まだ何かを話しています。

あら!?これはダメそう?話が出来そうもないなら、適当なところで帰ってもらうのがいいかもね。

別にこの人たちから聞かなくても、大体野営の時に聞いたし、後は何処の街から来たかくらいなのよね。



「すまんな待たせた」


少ししてアレイラは座ってくれたわ、さすがギルドマスターってとこかしらね、他のメンバーも渋々と言った感じで座りだしたわ、これなら話しだけはできそうかな。

私はマリンに目配せをして、紅茶とマドレーヌを配ってもらったわ、なんとマドレーヌとかがDPで交換する商品欄にいっぱいあったのよ、どうやら向こうの世界の物も交換できるみたいなの、向こうの世界の物が手に入るっていいわよねぇ、ゲームはなかったけど、はぁ~。

まぁ警戒しているから、どうせ食べないだろうと思ってるんだけどさ、せっかく用意したので配るだけ配ったわ。



「こ、これは!?ノン」


冒険者側の人たちがお菓子と飲み物を見た後、それぞれノンさんに向いて反応を待ち、ノンさんが頷いたのでそれぞれ口に入れ始めたわ、みんな確か鑑定スキル持ってたよね、なんでノンさんを見たの?

もちろんみんなが警戒しているから、私は最初に口に入れていますよ、当然よね。

味は美味しかったわ、ダンジョンの採取物のイチゴやキノコも美味しかったけど、やっぱり加工したお菓子は格別ね。



「それで、あなた達はここへ何をしにいらしたのかしら?」


この人たちが信用ある者かどうかわからないから、見ていたことは言いませんよ、それでいて情報を聞かないとね。


「ああ、俺たちは冒険者ギルドってとこから来たんだ、先日ここにダンジョンが出来たと聞いてな」


普通に教えてくれました、野営の時に聞いてるからほんとの事なのは知ってるのよね、うん!裏表のないなかなかいい人たちっぽいわね。



「そうなのね、それで私が作ったダンジョンはどうだった?」


「あ、ああ、面白いと思ったぞ、ドロップ品も良く出るしな」


確かにドロップ品の事はリサたちも言ってたわね、でも他のとこよりってだけで、どう違うのかは言ってくれてないのよね、どれくらい違うのかな?



「そうなの!嬉しいわありがとう」


「お、おう・・・こうしていると何か人族にしか見えんな、何者なんだお前は、それにほんとにお前がダンジョンを作っているのか?」


何か疑われました、私みたいなダンジョンマスターは初めてらしいし分かるけど、ここにいるんだからそれ以外ないわよね。



「む!何よ疑うの、そんな性格じゃ嫌われるわよ、ねぇノンさん」


「へ!?」


ノンさんが話を振られるとは思ってなかったようで、変な声を出しました。



「な、なんでノンに振るんだ、関係ないだろうが」


「あら、あなた達親しい仲でしょ?だからよ」


「何故知ってるの!」


疑われているようだからこの情報は渡すけど、それ以外はまだ言えないわね、この人たちの信用度が足りないわ。



「見てたからよ、これでもダンジョンマスターですからね、ダンジョンの中の事なら何でも知ってるわよ」


私がそう言うと、冒険者側の人たちが黙ってしまったわ、警戒させちゃったかな?でもこれでわかったでしょ、私がダンジョンマスターだって事が。

でもこのままじゃ話しにくいわね、ここはおどけてみようかな、私の容姿は可愛いみたいだし。


「な、何よ黙っちゃって、当然でしょ!ダンジョンを作ってるのは私なんだから」


私は頬を膨らませて怒ってみました、まだ自分の容姿は怖くて確認してないけど、さっきのノンさんが言ってたことから、ごまかせるかなって思ったの、テヘ。



「た、たしかにお前はダンジョンマスターのようだな、意思を持ったダンジョンの主を見たのは初めてだったからな、失礼した、代表して謝る」


どうやらごまかせたみたい、アレイラが頭を下げて謝ってくれたけど、そもそもあなたが疑ったからよね。



「謝罪は受け入れるわ、それでここを調べて今後どうなるのかしら?」


「そうだな、取り敢えず領主に報告してからになるが・・・おそらくここの周りに街を作ると思うぞ」


「え!?そうなの?」


街が出来るの!それならDPは手に入りやすいかな?



「ああ、まだ確定ではないが、ここの有益さを考えれば近くに拠点は欲しいからな」


「なるほどね、ちなみにここから一番近い街ってどこ?」


私はバンヨウたちが行っている街しか知らないの、もしかしたらもっと近くにあるのかもしれないと思って聞いてみました。

確かバンヨウたちは西に3日行ったところに行ってるのよね。



「ああ、ここから歩いて西に3日の場所にあるのが一番近い、ちなみにそこは俺たちがいる街で、ヴェルンって名前だ」


あら!バンヨウたちの所だったの・・・てことは、アレイラがバンヨウたちの情報を確認しなかった本人なのね。



「ふぅ~ん・・・それは確かに遠いね、じゃあ早めに作っちゃってね」


「い、いいのか!普通嫌がると思ったが」


私がそう言ったらアレイラが驚いていたわ、なんで嫌がるのかしら?

こっちとしては得しかないけど、なにかデメリットあるかな?



「私を倒そうとしてきたら困るけど、ダンジョンに入りに来てくれるなら大歓迎だよ?」


「そ、そうか、変わってるなお前」


よく言われるわ、でもなんだか引っかかるわね・・・ああ名前ね。



「そのお前って止めてくれないかしら、私はマコッチって名前があるの」


名前を呼んでくれないと話しが合ってもちょっと嫌よね。



「そうだったのか、聞いていなかったからなこれからはそう呼ぶ」


「あら!そう言えば名乗っていなかったわね、ごめんなさい」


いきなり剣を向けられたから名乗るのを忘れてたわ、私たちはお互いに自己紹介をして一息つきました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

王宮で汚職を告発したら逆に指名手配されて殺されかけたけど、たまたま出会ったメイドロボに転生者の技術力を借りて反撃します

有賀冬馬
ファンタジー
王国貴族ヘンリー・レンは大臣と宰相の汚職を告発したが、逆に濡れ衣を着せられてしまい、追われる身になってしまう。 妻は宰相側に寝返り、ヘンリーは女性不信になってしまう。 さらに差し向けられた追手によって左腕切断、毒、呪い状態という満身創痍で、命からがら雪山に逃げ込む。 そこで力尽き、倒れたヘンリーを助けたのは、奇妙なメイド型アンドロイドだった。 そのアンドロイドは、かつて大賢者と呼ばれた転生者の技術で作られたメイドロボだったのだ。 現代知識チートと魔法の融合技術で作られた義手を与えられたヘンリーが、独立勢力となって王国の悪を蹴散らしていく!

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

「お前のような役立たずは不要だ」と追放された三男の前世は世界最強の賢者でした~今世ではダラダラ生きたいのでスローライフを送ります~

平山和人
ファンタジー
主人公のアベルは転生者だ。一度目の人生は剣聖、二度目は賢者として活躍していた。 三度目の人生はのんびり過ごしたいため、アベルは今までの人生で得たスキルを封印し、貴族として生きることにした。 そして、15歳の誕生日でスキル鑑定によって何のスキルも持ってないためアベルは追放されることになった。 アベルは追放された土地でスローライフを楽しもうとするが、そこは凶悪な魔物が跋扈する魔境であった。 襲い掛かってくる魔物を討伐したことでアベルの実力が明らかになると、領民たちはアベルを救世主と崇め、貴族たちはアベルを取り戻そうと追いかけてくる。 果たしてアベルは夢であるスローライフを送ることが出来るのだろうか。

いつもの電車を降りたら異世界でした 身ぐるみはがされたので【異世界商店】で何とか生きていきます

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
電車をおりたら普通はホームでしょ、だけど僕はいつもの電車を降りたら異世界に来ていました 第一村人は僕に不親切で持っているものを全部奪われちゃった 服も全部奪われて路地で暮らすしかなくなってしまったけど、親切な人もいて何とか生きていけるようです レベルのある世界で優遇されたスキルがあることに気づいた僕は何とか生きていきます

スキル『日常動作』は最強です ゴミスキルとバカにされましたが、実は超万能でした

メイ(旧名:Mei)
ファンタジー
この度、書籍化が決定しました! 1巻 2020年9月20日〜 2巻 2021年10月20日〜 3巻 2022年6月22日〜 これもご愛読くださっている皆様のお蔭です! ありがとうございます! 発売日に関しましては9月下旬頃になります。 題名も多少変わりましたのでここに旧題を書いておきます。 旧題:スキル『日常動作』は最強です~ゴミスキルだと思ったら、実は超万能スキルでした~ なお、書籍の方ではweb版の設定を変更したところもありますので詳しくは設定資料の章をご覧ください(※こちらについては、まだあげていませんので、のちほどあげます)。 ────────────────────────────  主人公レクスは、12歳の誕生日を迎えた。12歳の誕生日を迎えた子供は適正検査を受けることになっていた。ステータスとは、自分の一生を左右するほど大切であり、それによって将来がほとんど決められてしまうのだ。  とうとうレクスの順番が来て、適正検査を受けたが、ステータスは子供の中で一番最弱、職業は無職、スキルは『日常動作』たった一つのみ。挙げ句、レクスははした金を持たされ、村から追放されてしまう。  これは、貧弱と蔑まれた少年が最強へと成り上がる物語。 ※カクヨム、なろうでも投稿しています。

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

悪役令息に転生したけど、静かな老後を送りたい!

えながゆうき
ファンタジー
 妹がやっていた乙女ゲームの世界に転生し、自分がゲームの中の悪役令息であり、魔王フラグ持ちであることに気がついたシリウス。しかし、乙女ゲームに興味がなかった事が仇となり、断片的にしかゲームの内容が分からない!わずかな記憶を頼りに魔王フラグをへし折って、静かな老後を送りたい!  剣と魔法のファンタジー世界で、精一杯、悪足搔きさせていただきます!

処理中です...