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4章 活発

68話 救出

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「ふたりともそのままで聞いて、オーガの近くに冒険者がいるみたいなんだ、僕は救出に向かうから二人はギルドにこのことを報告に行ってくれないかな」


まだ固まっているが事態は急を要する、すでに4つの気の内2つはオーガと接触し激減してしまった恐らく大怪我をしている、エネとウーネは俺の話をぎりぎり聞いているようでなんとか頷き理解してくれた、だがギルドに報告には行ってくれそうもない。


「でもファラと二人なんて危険よ、私たちも行くわ」


「そうですよユーヤ、冒険者がいるなら人は多い方が良いですよ」


まぁ確かに、俺が助けると人族とか言われ素直に助けることができないからな、2人がいれば少しは相手も安心するだろうな。


「危険だよ、それでもいいのかい?」


「「もちろん」」


二人が即答してきたよ、何だか嬉しい信頼されていると分かるからな。


「じゃあ行くよ、2人は冒険者が怪我をしていたらポーションを飲ませてあげてくれ、僕たちはオーガを担当する」


そう話し合って俺たちは走った、距離は500mってとこだが森の中だから思ったよりも時間が掛かった、俺とファラだけなら30秒も掛からないんだがエネたちがいるからな、でも二人は獣人だからなかなか早く移動できているぞ。

俺たちが場所に着くと4人の内3人が倒れていたよ、気で分かるが生きてはいる、だが怪我はかなり深そうだ。


「エネ、ウーネ!ケガ人を頼んだよ、行くぞファラ」


「詠唱終わってるの『シルフィーサイクロン』」


ファラの風の竜巻がオーガを包み込んだ、竜巻の中は見えないが気の形で確認したがオーガは下がりながら防御をしているようだった、これだけでも時間は稼げそうだ。


「俺も行くか、ファラもういいよ」


「はいなのー!」


ファラに魔法を消してもらいオーガの近くに来た、よく見ると鬼に似ているな。


「ガルゥ~」


「あれ?言葉を話せないのか、ラノベとかだと知性がある方なんだが、ここでは違うんだな」


「ガアー!」


俺が近くで見ていると腕を振り降ろし攻撃してきた、俺はその手を片手で弾き相手の体勢を崩して転ばせた。


「ふむ、今のオーガの威力は50万ってとこか、爪の威力を考えると80万と言ってもいいのか?取り敢えず時間稼ぎはもういいかな、はっ」


オーガの強さを確認しついでにケガ人の治療が何処まで進んでいるかも見てもう済んでいるのがわかった、俺はとどめを刺すために起き上がってきているオーガに拳から気を放出し腹を貫いて倒した。


「あの威力で貫いたのか、オリハルコンよりは劣るなプラチナ、いやミスリルくらいか?Bランクにしては強いかな・・・ってどうしたのかな二人とも」


オーガを倒して考えながらエネたちの方に歩いていると驚いた顔をしていた、やり過ぎたか?


「ユーヤってあんなに強かったのか」


「ファラの魔法もかなりの威力でした、すごいです」


俺とファラは顔を見合ってしまった、そんなに本気は出していないんだが、参ったな。


「それでそっちの人たちは平気かな?・・・あれ君は」


1人だけ軽症だった人が学園で会ったタンディラだった、そう言えば重症の1人は俺を誘った獣人さんだな、彼女はかなりの腕だったはずだ、おそらくタンディラを庇ったとかそんなとこだろう。


「あ、あなたどうしてここに!?」


「僕は冒険者として活動しているんですよ、タンディラ様が苦戦してそうだったので助けに来ました」


そう言ったのだがかなり戸惑っている、彼女は人族を警戒しているからなしょうがない。


「ユーヤこっちの人たちも動けるようになったわよ」


「エネありがと、じゃあ僕たちは行きますね次からは気を付けてください」


「あ!?待って」


すごく小声で何か言っていたが俺は気にせずオーガを回収してその場を去った、エネとウーネはかなり不満そうだ、相手の態度が気に入らないんだろうな。


「あの人助けてもらったのにビクビクしちゃって嫌な感じ!ユーヤあれでいいの」


「いいんだよエネ、一度無くした信用はそう簡単に取り戻せないんだ、ウーネの時もこんな感じだったでしょ」


ウーネをみんなで見ていると赤くなり始めた、初対面の人族と会った時はあんな感じが当然なんだ、そうしないとだまされる可能性があるんだからな、次に会った時変わってくれればいいさ。


「まあいいか、あたいたちは競争する相手が少ないほうが」


エネが何か言っていたがあまり触れないようにした、聞くと後が怖いからな速足になって門についてしまったよ。


「ユーヤ!どうして東の森に入ってるの!今は危険なのよ」


門に着くとオルティナに会ってしまった、かなり怒っている、他の門番はそうでもないんだがな。


「オルティナ様落ち着いてください、僕は冒険者ですよしっかり安全を考えてますから大丈夫ですって」


俺の軽い返事に怒りを通り越して呆れた顔をし始めた、だがほんとに平気なんだぞ。


「まったく、冒険者として生活をしてるんだし分かってはいるんでしょうけど、今はオーガがいるのよ、とても危険なの」


言うか迷うな、だがほんとに心配してくれているし、少しは安心させた方が良いのだろうか?


「それならユーヤが倒したぜ、なぁウーネ」


「ええ、一撃で倒していました」


俺が迷っているとエネとウーネが言ってしまった、オルティナは固まってしまった、そして周りの兵士たちはざわついているよ。


「動かなくなったのユーヤ」


「エネ言わない方が良かったんじゃないかな」


「ユーヤ、オーガは門番たちの間でも警戒してるんだ、ギルドに報告をしたら直ぐにこっちにだって報告は行くんだぞ」


そうなんだろうが、俺が倒したなんて言わなくてもいいだろう、冒険者が討伐したでいいじゃないか。


「ほ、ほんとなのユーヤ!」


オルティナが復活して俺の肩を掴んで聞いてきた、ファラが驚いて鞄に入って行ったよ。


「ほんとですよオルティナ様、収納から出しましょうか?」


俺の問いに頷いてきたのでオーガを出した、門の騎士たちがオーガを見て騒いでいるよ。


「これは大物ね、4メートルはあるんじゃないかしら?」


休憩していたはずのネイチェルと他の騎士まで見にきて門前はすごい騒ぎだ、そして横たわっているオーガを見てネイチェルが大物だと言ってオルティナと話している、俺は標準のオーガを知らないからな大物なのか?


「そう言えばそうだな、ウーネもしかしてこれって」


「うんそうかもエネ」


エネとウーネが何か分かったのか頷き合っている、どういうことだ?


「ユーヤこいつは繁殖の為に群れから出た奴だ」


自分の群れを作る為ってとこか?そう言えば本に書いてあったな、オーガは同族とも繁殖をするが他種族を対象とすることがある、それが群れ分けの時だったはずだ、そうなると他にもいそうだな。


「森の奥に6体の反応があるな、あれがそうなのかな」


「これはまずいわ!?上に報告に行かなくちゃ」


俺が気を探って独り言を言っているとオルティナがシュークリームとかを貰わないうちに門を通って行った、それほどの事なのか、今の所森の奥をうろうろしているだけだ、村とかの場所はまだ遠いし移動していないけどな。


「あたいたちも行こうぜユーヤ、ギルドに報告しなくちゃ」


オーガを収納しネイチェルにクッキーとシュークリームを渡した俺たちは門を通り冒険者ギルドに向かった、これはあっちでも大変そうだ、今も門前はかなりの騒ぎになってるしな。
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