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2章 始動
23話 信用を掴もう
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最後の障害が種族か、まあ当然と言えばそうだが、困ったな。
「どうなんですか、もしそうならこの話は無しでお願いします」
「それは困ります」
俺は焦った、あの子たちの今後を考えるとこれは必要だと思うからだ、俺の考えている他の仕事は子供には無理だ、重い物を運んだり機械を使うから危険なんだ、ポテトチップなら油の扱いを慎重にすれば平気だし、子供でも扱えるように屋台を作ったり油を少なくして作ればいい、包丁だってスライサーを俺が作れば問題ないだろう。
「それはそうでしょうね、もう情報をこちらに流してしまった、これであなたを介さなくてもこちらは進められます」
そう言って警戒の色が無くなったな、もう話はついたと思ったんだな顔に余裕が生まれている、どうやら俺の困っている事と違うようで助かったよ。
「それは良い!ぜひそうしてください、その方が人族である僕が関わるよりスムーズに進む」
「な!?」
俺が賛成したら驚いた顔と共に警戒の色が復活した、何かしてくると思ってるんだな。
「そんな顔しないでください、僕は初めからそう言った方向にしたかったんです」
「何故ですか?」
直ぐに質問してきたがそれはもう決まっている。
「あなたの言う通り僕は人族です、だからですよ」
警戒しながら考え込んでしまった、裏があるのだと思ってるんだろう。
「僕は悪い事が嫌いです、僕のような人族もいるんです、でも世間では違う何とかしたいと思っています」
「・・・続けてください」
俺が彼女の顔を見て言うと一言そう返してきた、まだ警戒はしている。
「ですから少しずついい事をしようと思って寄付をしています、そうしたらあの子たちを見つけました、困ってる人を救いたいんですよ」
「なるほど、偽善ですね」
皮肉めいた事を言ってきたがオーラの色はそうでもない、少し桃色に近い良い色だ。
「ええ、そう言われてもしょうがないです、でも僕は少しずつ何かをやって行きたいんです、生涯をかけてね」
俺は彼女の目を見て言った、相手も真剣だ、当然だなもしかしたら教会の子たちが騙されるかもしれないんだからな。
「あなたの目に嘘偽りはなさそうですね」
「分かって貰えて良かった、じゃあそちらが主体でお願いします、僕の利益は考えなくていいですからね」
そう言ったら驚いている、何でだろうか?利益を求めないってそんなに変だろうか。
「利益はいらんとはどういうことだ」
「いやそのままですよ、僕にはお金は要らないんです、欲しいのは信用ですからね」
言葉使いが荒くなったな、それが素なのか?だがホントの事だ、今の人族は信頼を失っている。
何をしても悪い事を考えていると疑われるんだ、それを無くさないとどうしようもない。
「信用か・・・フン!確かに人族は信用できないからな」
「そうでしょ、だからまずは何を置いてもそれを築かないとね」
そう笑顔で言ったらキョトンとした顔をしていた、色もどうしていいのか分からないって感じでフワフワしている、なんか少し可笑しいな。
「話は決まったね、じゃあまず投資資金だ、これで屋台とか必要な物を揃えてよ」
俺は大銀貨を10枚出した、どれだけ必要か分からないから足りなければ更に出す予定だ。
「こ、こんなに要らんぞ」
「そうなの?じゃあ後は商売が軌道に乗るまでの教会の維持費って事で取っておいてよ、僕が持ってても使わないしさ」
またキョトンとしている、投資者なんだからそれ位はすると思うんだが、この世界では違うのか?書物には書いてないからな。
「くっあはははは!」
突然女性が笑い出した、何がそんなにおかしいんだよビックリするだろ、それにオーラの警戒色がすっかりなくなっている、今は完全に桃色だそこまで信用してくれたのだろうか。
「気に入ったぞ小僧!名前はなんていうのだったかな」
「え!?僕はユーヤです」
「ファラはファラだよ」
ファラも自己紹介をしている、口の油がすごかったから拭いてやった。
「そうか、私はハーフエルフのジーナスだ、ここの副ギルドマスターを任されている、この話喜んで協力する」
「ありがとう、じゃあ今後の話し合いをしましょう」
話し合いと言ってもそれほどない、屋台の設計に注意点それと俺が持ち掛けた事は話さない事。
そして最後に彼女たちに護衛を付ける事だ。
「ほんとに利益を求めないんだな」
「そうだね、あと僕には仲間はファラだけなんだ、他の誰かが仲間って言ってきても信用しないでね」
もしかしたらって可能性を考えて言っておいた、後は何か合言葉とかを使うのもいいかもな。
「では書面を用意しよう」
ジーナスが契約書っぽい羊皮紙を出してきた、俺は直ぐに止めたよ。
「いやそれはダメだよ、僕が協力したって証拠になる」
何かに残すとそれで確実にばれる、こういった場合は無い方が良いだろう。
「ふむ、やはりそなたは本物だな」
「え!?・・・もしかしてワザと?」
「当然だろう、これを作ったら後で何か言って来ると言うのが通例だ」
そんなことをしてるのか人族は、まったく。
「はぁ~じゃあよろしくね、ジーナス」
「ああ、任せろ」
そう言って部屋を出た、これで安心かな。
「じゃあいつものように外に食事をしに行こうか」
「やったのー!」
ファラが鞄から顔を出して喜んでいる、さっきポテトチップ食べたよな?
まあいいかと思って俺は門に向かったよ。
「どうなんですか、もしそうならこの話は無しでお願いします」
「それは困ります」
俺は焦った、あの子たちの今後を考えるとこれは必要だと思うからだ、俺の考えている他の仕事は子供には無理だ、重い物を運んだり機械を使うから危険なんだ、ポテトチップなら油の扱いを慎重にすれば平気だし、子供でも扱えるように屋台を作ったり油を少なくして作ればいい、包丁だってスライサーを俺が作れば問題ないだろう。
「それはそうでしょうね、もう情報をこちらに流してしまった、これであなたを介さなくてもこちらは進められます」
そう言って警戒の色が無くなったな、もう話はついたと思ったんだな顔に余裕が生まれている、どうやら俺の困っている事と違うようで助かったよ。
「それは良い!ぜひそうしてください、その方が人族である僕が関わるよりスムーズに進む」
「な!?」
俺が賛成したら驚いた顔と共に警戒の色が復活した、何かしてくると思ってるんだな。
「そんな顔しないでください、僕は初めからそう言った方向にしたかったんです」
「何故ですか?」
直ぐに質問してきたがそれはもう決まっている。
「あなたの言う通り僕は人族です、だからですよ」
警戒しながら考え込んでしまった、裏があるのだと思ってるんだろう。
「僕は悪い事が嫌いです、僕のような人族もいるんです、でも世間では違う何とかしたいと思っています」
「・・・続けてください」
俺が彼女の顔を見て言うと一言そう返してきた、まだ警戒はしている。
「ですから少しずついい事をしようと思って寄付をしています、そうしたらあの子たちを見つけました、困ってる人を救いたいんですよ」
「なるほど、偽善ですね」
皮肉めいた事を言ってきたがオーラの色はそうでもない、少し桃色に近い良い色だ。
「ええ、そう言われてもしょうがないです、でも僕は少しずつ何かをやって行きたいんです、生涯をかけてね」
俺は彼女の目を見て言った、相手も真剣だ、当然だなもしかしたら教会の子たちが騙されるかもしれないんだからな。
「あなたの目に嘘偽りはなさそうですね」
「分かって貰えて良かった、じゃあそちらが主体でお願いします、僕の利益は考えなくていいですからね」
そう言ったら驚いている、何でだろうか?利益を求めないってそんなに変だろうか。
「利益はいらんとはどういうことだ」
「いやそのままですよ、僕にはお金は要らないんです、欲しいのは信用ですからね」
言葉使いが荒くなったな、それが素なのか?だがホントの事だ、今の人族は信頼を失っている。
何をしても悪い事を考えていると疑われるんだ、それを無くさないとどうしようもない。
「信用か・・・フン!確かに人族は信用できないからな」
「そうでしょ、だからまずは何を置いてもそれを築かないとね」
そう笑顔で言ったらキョトンとした顔をしていた、色もどうしていいのか分からないって感じでフワフワしている、なんか少し可笑しいな。
「話は決まったね、じゃあまず投資資金だ、これで屋台とか必要な物を揃えてよ」
俺は大銀貨を10枚出した、どれだけ必要か分からないから足りなければ更に出す予定だ。
「こ、こんなに要らんぞ」
「そうなの?じゃあ後は商売が軌道に乗るまでの教会の維持費って事で取っておいてよ、僕が持ってても使わないしさ」
またキョトンとしている、投資者なんだからそれ位はすると思うんだが、この世界では違うのか?書物には書いてないからな。
「くっあはははは!」
突然女性が笑い出した、何がそんなにおかしいんだよビックリするだろ、それにオーラの警戒色がすっかりなくなっている、今は完全に桃色だそこまで信用してくれたのだろうか。
「気に入ったぞ小僧!名前はなんていうのだったかな」
「え!?僕はユーヤです」
「ファラはファラだよ」
ファラも自己紹介をしている、口の油がすごかったから拭いてやった。
「そうか、私はハーフエルフのジーナスだ、ここの副ギルドマスターを任されている、この話喜んで協力する」
「ありがとう、じゃあ今後の話し合いをしましょう」
話し合いと言ってもそれほどない、屋台の設計に注意点それと俺が持ち掛けた事は話さない事。
そして最後に彼女たちに護衛を付ける事だ。
「ほんとに利益を求めないんだな」
「そうだね、あと僕には仲間はファラだけなんだ、他の誰かが仲間って言ってきても信用しないでね」
もしかしたらって可能性を考えて言っておいた、後は何か合言葉とかを使うのもいいかもな。
「では書面を用意しよう」
ジーナスが契約書っぽい羊皮紙を出してきた、俺は直ぐに止めたよ。
「いやそれはダメだよ、僕が協力したって証拠になる」
何かに残すとそれで確実にばれる、こういった場合は無い方が良いだろう。
「ふむ、やはりそなたは本物だな」
「え!?・・・もしかしてワザと?」
「当然だろう、これを作ったら後で何か言って来ると言うのが通例だ」
そんなことをしてるのか人族は、まったく。
「はぁ~じゃあよろしくね、ジーナス」
「ああ、任せろ」
そう言って部屋を出た、これで安心かな。
「じゃあいつものように外に食事をしに行こうか」
「やったのー!」
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まあいいかと思って俺は門に向かったよ。
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