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3章 知名度戦争でもアゲアゲ
47話 諦めない
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相当怒っているのが分かり、あたしは泣きそうになりながら宴の会場に向かっていた。
「はぁ~・・・もう結婚は諦めるしかないのだろうか」
ブレイスに言われてあたしは頑張ってきたが、振り向いてもらえない以前にあの視線を向けられたくなかった。
あんな冷たい目を好きな相手からされたら、もうなにも言えなかったんだ。
「おいケーオン、聞こえないのか」
「ああキコルか、なんだよ」
「何だよじゃない、妹が落ち込んでしまったじゃないか、どうしてくれるんだ」
いつの間にかキコルがあたしの近くにきていて文句を言ってきたが、落ち込んでるのはこっちも同じだし、キコルは責任を取れとか言われても困ったよ。
自分勝手な言い分で、これがいけないのだろうと今になって分かったんだ。
「なぁキコル、リュウはそんな考えが嫌で出て行ったんだぞ、手紙に書いただろう」
「そ、そうかもしれないが、だからってあれは無いぞ」
「そうだろうかキコル、あたしはそうは思わないよ」
好きな相手だからそこ、リュウは注意して教えてくれていて、魔王討伐の際は命の危険すらあったんだ。
あの時、リュウが一人で倒しに行かなければ、あたしたちの誰かは命を失っていただろうとキコルに断言した。
「あの時はそうかもしれない、しかし今は違うじゃないか」
「今リュウが大切にしてるのはあの子たちで、お前はそれを愛せないと言ったんだぞ、妹のキリも同様と思われたのさ」
キリとの会話の後でリュウが聞いた事だが、ふたりの性格から愛せないと分かっていた。
どっちを取るのかを考えた場合、リュウはあちらを取ったと言う事で、直せと注意したんだ。
「それが出来ればまだ望みはあるから、あたしは言ってるんだ」
「ちょっと、さっきから聞いてればあんまりじゃないケーオン」
「キリ・・・お前もまだ分かって無いのか?」
「わかる訳ないわ、だってそうでしょう」
リュウが自分では無く子供を取ったから余計分からないと怒っていて、あんな子供の何処が良いのかっと、リュウが聞いたら殺されそうな言動まで飛び出したんだ。
リュウはかなり離れたテーブルにいるから良いが、もう結婚は諦めるしかなかったよ。
「アタシ、もう冷めたわ、リュウなんて要らない」
「お、おいキリ」
「兄さんも諦めなさい、あんな男100年経てばまた見つかるわ」
「まぁお前が言うなら良いが・・・本当にいいのか?」
キコルの質問には、キリは答えずに表情だけで表して来て、まだ未練があるのは良く分かった。
しかし、キリは自分が一番でないのが我慢出来無い様で、他のテーブルに移動してしまった。
「いいのかキコル」
「今は何を言ってもダメだろう、気持ちの整理が付いてからまた話すさ」
「それは良いが、お前たちの感覚だと手遅れになるぞ」
長寿の民であるエルフだから、少しと言う言葉が曖昧すぎた。
100年考えるとかもザラであり、結婚は絶望的になったんだ。
「ボクたちの事より、ケーオンはどうなんだ?」
「あたしは諦めないぞ、この戦いで結果を出したら伝えるんだ」
「ほう、何だか余裕じゃないか」
「キコル、あたしは反省してリュウとやり直すぞ」
その為に冒険者を連れてここに来たが、キコルたちがリュウと言い争いを始めたから言い出せる状況ではなく、あたしは行動で示す事にした。
前のあたしなら、あの状況でも割って入っていただろうとキコルに説明した。
「確かにそうだったかもな」
「リュウはそんな思いやりを求めているんだよ」
「自分が一番と思ってたら無理な訳だな」
「キコル、妹を思っているお前なら分かるだろう」
自分の幸せは妹のキリの次に思っているだろうっと、まだやり直せるから伝えたんだ。
キリだってリュウほどの男が直ぐに見つかるとは思ってないだろうし、簡単に諦めると口にしても表情はかなり悔やんでいた。
「せっかく助かった命だ、悔いがない様にしたくないかキコル?」
「この戦いは甘く無いぞケーオン、飛空艇が落ちれば死ぬんだ」
「だからなキコル、二度目の命を掛けた戦いが待ってるんだ、ここで気持ちを切り替えても良いじゃないか」
リュウだってそれを望んでいるだろうし、二人を説得するのはあたしの役目だと感じていた。
ナリュミャも説得しなくてはいけないが、あちらにはリュウが向かったから安心していた。
「ほら見てみろキコル」
「ナリュミャの奴、リュウと対面して怒ってるのに尻尾は喜んでるな」
「アイツの場合、獣人の立場もあるからな、素直になれないのさ」
「あのナリュミャが立場を・・・そうか、皆変わっていくのか」
なんとなく分かってくれたのか、キコルは表情を明るくして何やらブツブツ言っていた。
それで済めば良かったんだが、違うテーブルで騒ぎ出す者が出てしまい、あたしたちは視線を向けたんだが、それはキリだったんだ。
「何度も言うが、このテーブルで出してるのは俺個人の品で、他で出す気は無い」
「良いじゃない、お金はちゃんと払うから売ってよ」
「そう言う問題じゃなく、俺がやりたくないんだ、何故それが分からないキリ」
「何よ、そっちの子たちにはあげてるじゃない、何でアタシはダメなのよ」
また我儘を言ってる様で、キコルと一緒に止めに向かったが、その前に金の卵のメンバーが間に入って止めたんだ。
それを見たキリは不公正と叫び、人種はこれだから嫌だと言い出してしまった。
「おい、もうやめないかキリ」
「何よ兄さん、コイツらが悪いんじゃない」
「今の敵は教会だ、彼らは味方だぞ」
このままではマズイと感じたのか、キコルは焦りながら止めていて、あたしも周りの視線を見て同じ気持ちでいた。
中立を守っているエルフは、参加こそしているが戦う訳ではなく、戦いの結果を見るために来ているだけだったんだ。
「あれでは、敵を増やすだけだな」
そんな言動はいけないっと、あたしはリュウを見ながら思ったが、どうして料理くらいでそこまで言い争いになるのかと不思議に思った。
テーブルを見ると、確かに変わった料理で美味しそうだが、あれはリュウが相手だからキリも引かなかったんだ。
「対して、リュウも妥協したら更に要求が増えると思ったんだろうな」
それだけ信用を失っているのが分かり、あたしもまだまだ足りないと感じた。
だがあたしは諦める気はなく、キリたちの様になりたくなかった。
「あの言い争いがなければ、まだ希望もあったんだがな」
リュウの表情からそれが伝わって来て、いままではあたしたちの為に提案してくれたのに、さっきの言い争いは妥協すらなかった。
あれが完全に見限られた状態で、今までとは大違いなんだとハッキリした。
「だったら、あたしはまだ間に合うな」
希望が持てたから、この戦いが終わったら再度結婚の申し込みをしようと決め、連れて来た冒険者が集まるテーブルに向かった。
そこで少し話しをして、皆の不安な気持ちを取り除く事が出来たんだ。
「はぁ~・・・もう結婚は諦めるしかないのだろうか」
ブレイスに言われてあたしは頑張ってきたが、振り向いてもらえない以前にあの視線を向けられたくなかった。
あんな冷たい目を好きな相手からされたら、もうなにも言えなかったんだ。
「おいケーオン、聞こえないのか」
「ああキコルか、なんだよ」
「何だよじゃない、妹が落ち込んでしまったじゃないか、どうしてくれるんだ」
いつの間にかキコルがあたしの近くにきていて文句を言ってきたが、落ち込んでるのはこっちも同じだし、キコルは責任を取れとか言われても困ったよ。
自分勝手な言い分で、これがいけないのだろうと今になって分かったんだ。
「なぁキコル、リュウはそんな考えが嫌で出て行ったんだぞ、手紙に書いただろう」
「そ、そうかもしれないが、だからってあれは無いぞ」
「そうだろうかキコル、あたしはそうは思わないよ」
好きな相手だからそこ、リュウは注意して教えてくれていて、魔王討伐の際は命の危険すらあったんだ。
あの時、リュウが一人で倒しに行かなければ、あたしたちの誰かは命を失っていただろうとキコルに断言した。
「あの時はそうかもしれない、しかし今は違うじゃないか」
「今リュウが大切にしてるのはあの子たちで、お前はそれを愛せないと言ったんだぞ、妹のキリも同様と思われたのさ」
キリとの会話の後でリュウが聞いた事だが、ふたりの性格から愛せないと分かっていた。
どっちを取るのかを考えた場合、リュウはあちらを取ったと言う事で、直せと注意したんだ。
「それが出来ればまだ望みはあるから、あたしは言ってるんだ」
「ちょっと、さっきから聞いてればあんまりじゃないケーオン」
「キリ・・・お前もまだ分かって無いのか?」
「わかる訳ないわ、だってそうでしょう」
リュウが自分では無く子供を取ったから余計分からないと怒っていて、あんな子供の何処が良いのかっと、リュウが聞いたら殺されそうな言動まで飛び出したんだ。
リュウはかなり離れたテーブルにいるから良いが、もう結婚は諦めるしかなかったよ。
「アタシ、もう冷めたわ、リュウなんて要らない」
「お、おいキリ」
「兄さんも諦めなさい、あんな男100年経てばまた見つかるわ」
「まぁお前が言うなら良いが・・・本当にいいのか?」
キコルの質問には、キリは答えずに表情だけで表して来て、まだ未練があるのは良く分かった。
しかし、キリは自分が一番でないのが我慢出来無い様で、他のテーブルに移動してしまった。
「いいのかキコル」
「今は何を言ってもダメだろう、気持ちの整理が付いてからまた話すさ」
「それは良いが、お前たちの感覚だと手遅れになるぞ」
長寿の民であるエルフだから、少しと言う言葉が曖昧すぎた。
100年考えるとかもザラであり、結婚は絶望的になったんだ。
「ボクたちの事より、ケーオンはどうなんだ?」
「あたしは諦めないぞ、この戦いで結果を出したら伝えるんだ」
「ほう、何だか余裕じゃないか」
「キコル、あたしは反省してリュウとやり直すぞ」
その為に冒険者を連れてここに来たが、キコルたちがリュウと言い争いを始めたから言い出せる状況ではなく、あたしは行動で示す事にした。
前のあたしなら、あの状況でも割って入っていただろうとキコルに説明した。
「確かにそうだったかもな」
「リュウはそんな思いやりを求めているんだよ」
「自分が一番と思ってたら無理な訳だな」
「キコル、妹を思っているお前なら分かるだろう」
自分の幸せは妹のキリの次に思っているだろうっと、まだやり直せるから伝えたんだ。
キリだってリュウほどの男が直ぐに見つかるとは思ってないだろうし、簡単に諦めると口にしても表情はかなり悔やんでいた。
「せっかく助かった命だ、悔いがない様にしたくないかキコル?」
「この戦いは甘く無いぞケーオン、飛空艇が落ちれば死ぬんだ」
「だからなキコル、二度目の命を掛けた戦いが待ってるんだ、ここで気持ちを切り替えても良いじゃないか」
リュウだってそれを望んでいるだろうし、二人を説得するのはあたしの役目だと感じていた。
ナリュミャも説得しなくてはいけないが、あちらにはリュウが向かったから安心していた。
「ほら見てみろキコル」
「ナリュミャの奴、リュウと対面して怒ってるのに尻尾は喜んでるな」
「アイツの場合、獣人の立場もあるからな、素直になれないのさ」
「あのナリュミャが立場を・・・そうか、皆変わっていくのか」
なんとなく分かってくれたのか、キコルは表情を明るくして何やらブツブツ言っていた。
それで済めば良かったんだが、違うテーブルで騒ぎ出す者が出てしまい、あたしたちは視線を向けたんだが、それはキリだったんだ。
「何度も言うが、このテーブルで出してるのは俺個人の品で、他で出す気は無い」
「良いじゃない、お金はちゃんと払うから売ってよ」
「そう言う問題じゃなく、俺がやりたくないんだ、何故それが分からないキリ」
「何よ、そっちの子たちにはあげてるじゃない、何でアタシはダメなのよ」
また我儘を言ってる様で、キコルと一緒に止めに向かったが、その前に金の卵のメンバーが間に入って止めたんだ。
それを見たキリは不公正と叫び、人種はこれだから嫌だと言い出してしまった。
「おい、もうやめないかキリ」
「何よ兄さん、コイツらが悪いんじゃない」
「今の敵は教会だ、彼らは味方だぞ」
このままではマズイと感じたのか、キコルは焦りながら止めていて、あたしも周りの視線を見て同じ気持ちでいた。
中立を守っているエルフは、参加こそしているが戦う訳ではなく、戦いの結果を見るために来ているだけだったんだ。
「あれでは、敵を増やすだけだな」
そんな言動はいけないっと、あたしはリュウを見ながら思ったが、どうして料理くらいでそこまで言い争いになるのかと不思議に思った。
テーブルを見ると、確かに変わった料理で美味しそうだが、あれはリュウが相手だからキリも引かなかったんだ。
「対して、リュウも妥協したら更に要求が増えると思ったんだろうな」
それだけ信用を失っているのが分かり、あたしもまだまだ足りないと感じた。
だがあたしは諦める気はなく、キリたちの様になりたくなかった。
「あの言い争いがなければ、まだ希望もあったんだがな」
リュウの表情からそれが伝わって来て、いままではあたしたちの為に提案してくれたのに、さっきの言い争いは妥協すらなかった。
あれが完全に見限られた状態で、今までとは大違いなんだとハッキリした。
「だったら、あたしはまだ間に合うな」
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