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1章 知名度アゲアゲ

11話 本当の仲間

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説得された私は、結局ライジングランサーに在籍することになりましたが、まず私のレベル上げと魔法玉の撮影練習を優先する事になったの。


「その為のクエストを探しに来たけど、誰も付いて来てくれないんだもんなぁ~」


リーダーのケンスダさんとは、あれからずっと喧嘩ばかりだし、他の人達とも仲良く出来ていません。
私、ライジングランサーにいる意味があるのかな?っと、ギルドに入る前に思ってしまったわ。


「冒険者って、もっと仲間と楽しくするものだよね」


ギルドに入ると、仲間とワイワイ騒いでる冒険者で溢れていて、これが普通と羨ましくなりました。
そんな私は、騒いでいる冒険者よりさらに羨ましい光景を見て、その場で立ち止まり魔法板を見ていました。


「あれって、新人冒険者よね?」


魔法板の映像を冒険者たちが見て応援していて、かなり人気がある事が分かったわ。
映像に映っている子たちは、楽しそうに探索をしていて、私の憧れている冒険者その者だったのよ。


「どうしてこんな事になったのかな」


何もかも嫌になってきて、受付に行っても暗い顔のままだったわ。
でも、受付の女性も映像に注意が向いていて、私はちょっとイラっとしたわ。


「あの、私のランクでクエストを選んでください」
「も、申し訳ありません・・・これなんてどうですか?」
「アントソルジャー3体の討伐?」
「お一人の様ですから、無理をしないのならこれくらいです」


1つ星の魔術士ならそうですけど、私には時間が無いから断ったわ。
もっと実力の付くクエストを求めたけど、それ以上となると10階のボスを倒す事だけで、勧める事は出来ないと言われたわ。


「でも、私には時間が無いんです」
「そう焦らないでください、命あっての冒険者ですよ」
「そうですけど、じゃあどうすれば良いんですか」
「それは・・・コツコツとやっていくしかありません」


安全にレベルを上げるにはそれしかないけど、私が貰った猶予は2月だから、そんなにのんびりと出来なかったのよ。
他のPTを誘うのはどうかと言われたけど、そんなお金はないと断りました。


「でしたら、一人で行くしかありませんが、それだって本当はオススメしません」
「分かっています、前衛がいないと魔術士は無力ですからね」
「そうです、だから仲間を募った方が良いですよ」


それが出来れば楽なんだけど、無理だから私はしょんぼりして受付を離れたわ。
ギルドを出て、その足は勝手にダンジョンの方に向かったのだけど、そこで私を呼び止める人がいて、5人の男性冒険者が前に並びました。


「な、何ですか?」
「君さ、ダンジョンの下の階層に急いでいきたいんだろう?」
「おれたちが連れてってやるよ」
「ほ、本当ですかっ!」


とても良いお話で、私は直ぐに元気になり、是非お願いするとその場で返事をしました。
男性たちは準備が出来ていないらしく、ちょっと寄り道すると細道に向かったので私は後に続いたわ。


「所でさ、君の名前はなんていうんだい?」
「私はマリューナです」
「そうか、男性経験はあるかい?」
「な、何を言ってるんですか?」


急に前を歩く5人が立ち止まり、私は質問の意味をそこで知りました。
通って来た細い道から他の男性が現れ、私は男たちに挟まれる形になり逃げ場が無くなったんです。


「へっへっへ、良い女じゃん」
「そうでもないぜ、こいつ処女じゃないらしい」
「っんだよ、やる事やってるのかよ、まぁ良い」


売れれば良いと男たちが短剣を出して来て、私は口が震えて魔法を唱える事が出来ませんでした。
このまま冒険もしないまま私は終わってしまうの?っと、とても悔しい気持ちが溢れてきて、腕を男に捕まれ私は叫んだわ。


「騒いでも無駄だぜ、ここら辺には消音の魔道具を置いてあるんだ」
「そうだぜ、でも騒いでくれよ、その方が楽しめる」
「だ、誰か助けて」
「よわよわしいな、もっと叫ぶんだよ、誰か助けてーーーってな」


腕を引っ張られ、私は地面に倒されてナイフを頬に突き付けられ、そのままナイフが服に向けられ破かれてしまったんです。
破られた服を引っ張られ、私はうつぶせに地面に寝かされ、男が私をまたいできて、もうダメと丸くなりましたの。


「おい、商品なんだからな、あまり傷付けるなよ」
「良いんだよ、処女じゃないならこの程度問題ない」
「それもそうだな、おれも楽しむかな」


その場で犯される様で、男たちに手足を掴まれ仰向けにされました。
もうおしまいと思ったその時、正面でズボンを降ろす男がどうしてか後ろに倒れたんです。


「ど、どうしたんだ?」
「おい、平気か」


倒れた男に近づいた2人もその場に倒れ、何が起きているのかが明白になり、男たちは警戒し始めました。
私は助かるのかと期待して見ていたけど、助けてくれてる人は見えません。


「ぐえっ」
「がぁっ」
「ど、どうなってるんだ」


どんどん男たちが倒れ最後の一人になると、やっと助けてくれている人が姿を現しました。
歳は30代後半で、黒髪を後ろで縛っている人で、服はいかにも冒険者でしたよ。


「お、お前の仕業か」
「ああそうだよ、ちょっと弟子たちに見せたい事があってここを通ったんだが、胸糞悪いから丁度良い素材に使わせてもらうぞ」
「な、何を言ってやがる、おれたちにこんな事してタダで済むと思うなよ」
「ほう、他にもいるのか、なら新たな訓練の素材に出来るな」


男性は、高速で移動して姿を消す技を弟子に覚えて貰えると分かって、ニコニコして最後の男に近づきました。
男は、ナイフを男性に向けて突き出したけど、男性は2本の指でぴたりと挟んで止めたわ。


「なっ!動かねぇ」
「それだけの差があるんだよ、いい加減気づけ」
「そんな馬鹿な話があるか、おれは闇ギルドでも5本の指に入る実力だぞ」
「それはガッカリな情報だな、他の奴らがこれ以下なら訓練にならない」


男性が男のおでこを指ではじくと、男はその場で一回転して倒され、私は助かった事よりも凄いと言う気持ちでいっぱいだったわ。
男性は、裸の私に大きな布を被せてくれて、お礼を言って頭を下げたのよ。


「お礼は良いよ、俺もたまたまここにいただけだ」
「でも、助けられたのは事実です、何かお礼を」
「それなら、こいつらを放置してくれるか」


男性は、新たな訓練の素材にしたいと言って来て、その後空から子供が4人降りてきました。
凄かったっと、4人が男性に抱き付いていて、私は良いなぁ~っと思ったわよ。


「しっかりと見れたな」
「はい、出来るか分かりませんけど、しっかりと左右に移動してるのが見えました」
「よし、じゃあ帰って訓練するか」
「「「「はいリューブ師匠」」」」
「リューブ!」


男性の名前を知り、私はとても驚きどうしようと固まってしまったわ。
ライジングランサーをクビになり、この人の代わりに私が入ったのだけど、絶対釣り合わないと思ったんです。


「そうよね、ダンジョンで魔法玉で撮影しながら戦ってるんだものね」


これくらい出来るよねっと、私はライジングランサーを辞め、新たに仲間を探そうと改めて思ったんです。
でも、そんな暗い私を見て、エルフの子2人がしゃがんで覗き込んできたのよ。


「な、なに?」
「大人の女性」
「匂いで分かる」
「へっ?」


良く分からない事を言われ、エルフの2人はリューブさんに何やら話し始めたの。
そして、リューブさんが私の前に座り、仲間にならないかと勧誘されたわ。


「と、突然ですね」
「ああ、ちょっと困っている事があってな、大人の女性を探していたんだ、もしよかったら話だけでも聞いてくれるか?」
「話だけなら」
「よし、じゃあ場所を変えよう、さすがにここでは面倒が増えるからな」


男たちの仲間が来るかもしれないので、私は立ち上がって移動に賛成したんです。
移動は建物の屋根伝いでちょっと怖かったし、子供たちじゃなくて助けてくれたリューブさんに運んでほしかったですよ。
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