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1章 知名度アゲアゲ
9話 呪われの双子
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ミルは今とても幸せな気持ち、今は姉のコルと一緒に、主であるリューブ様の指導を受けていて、大変だけど楽しいの。
「リューブ師匠」
「上手く切れてない」
にんじんを切ったのだけど、最後まで切れてなかったのか、持ち上げたら繋がっていて、ミルはしょんぼりです。
奴隷が上手く仕事が出来ない場合、ムチや鈍器で打たれるのが普通だけど、ミルたちの主はそんな事しないで頭を撫でてくれます。
「誰でも最初は上手くいかないモノだ、繋がってるなら手で離して使おうな」
「「はいリューブ師匠」」
「良い返事だ、じゃあ次はキャベツを切ってくれ」
ミルとコルは、元気良く返事をして包丁を使って作業を再開、今度は上手く切れたから喜んで報告したの。
リューブ様は、ミルたちと同じ奴隷のメメルとブラヌに指示をしてたけど、上手く出来たから褒めてくれたわ。
「いいぞ2人とも」
「ぬふふ」
「えっへん、任せて」
「じゃあ、ミルは鍋に水を入れて火に掛けてくれ、コルは皿の用意だ」
いつもと違いバラバラの指示をされ、2人で驚いてしまったわ。
ミルとコルは、鏡に映った様に同じ顔をしていて、声も全く同じだから認識しているとは夢にも思わなかったのよ。
「どうして」
「ミルたちを分かるの?」
「何言ってるんだ、全然違うだろう」
リューブ様がメメルとブラヌに分かるよな?っと質問したら、2人は頭を左右に振ったわ。
普通は分からないし、ミルとコルはそのせいで親に捨てられたの。
「何処が違うのよ?」
「全然分かりませんリューブ師匠」
「ミルは耳が少し長いし、コルは目が少し吊り上がってるだろう」
「「いや全然」」
メメルとブラヌが即答するほど微妙過ぎる違いで、ミルとコルまで驚きました。
そんな中、リューブ様は1番嬉しい髪の色まで違うと言ってくれたんです。
「「本当に分かる?」」
「白い髪に見えるが、エルフ特有の金色が薄ら入っている」
親でも分からない違いが分かるのは凄いと、2人でリューブ様をジッと見てしまったわ。
エルフの世界では、白髪の双子は呪われた存在として避けられ、売られる時もバラバラだと覚悟してたのに、今ではとても幸せで楽しくて仕方なかったわ。
「分かりやすいんだが」
「どこがよ、全然分からないわ」
「リューブ師匠が凄いって事ですね」
「メメル、そんな言葉じゃ済まないわ・・・まぁいいけどね」
あまり気にしてないメメルとブラヌだけど、ミルとコルにとって大切なことで、呪われてないんだと言われた気がしたのよ。
双子と言うのは変えられないけど、違うと言う言葉は凄く嬉しくて、ミルとコルは呪われてなんかないと思えたわ。
「ミル」
「コル・・・ミルたち違うよね」
「うん、違うね」
今までは二人で違うと思うだけだったけど、今ははっきり違うと言えました。
リューブ様にはいつも助けて貰ってばかりで、恩返しに何か出来ないか考えたけど、ミルとコルには自身の身体しかなくて、リューブ様に捧げているモノだったの。
「お礼、出来ないかな」
「ミル、お仕事頑張りましょう」
「そうねコル、それしかないね」
「うん」
言われたお仕事を始めたのだけど、お鍋を見ていたらリューブ様が横に来て、お塩と野菜を入れ始めたの。
ミルは見てるだけだったけど、そこでミルがお肉がもっと欲しいと思っていたら、リューブ様がお肉を追加してくれて、またまたジッと見てしまったわ。
「何で分かったの?」
「ミルがそんな顔をしてたからな、言わなくても分かる」
「言わないと普通分からない」
「普通はそうだが、俺はそうしないといけない撮影をしていたからな」
ミルたちを撮っている時も、行動をよく見て先読みをしているらしく、そのおかげで仕草などで分かるようになったそうです。
洞察力がすごいからミルとコルの事も分かってくれて、優しくて頼もしい主様である事を再認識できました。
「リューブ師匠、好き」
「俺も好きだぞミル、だが料理の最中だからな、抱き付くのは無しだ」
「ダメ、ぎゅってしたい」
本当の父親でもしてくれなかったのに、リューブ様はミルたちを愛してくれて、もう離れたくなかったの。
だから言いつけは守りたかったけど、感情が抑えられなくて、抱きついてぎゅっとしてもらいました。
「コルも」
「ずるいわよ、アタシも」
「ワタシもお願いします」
「おいおい、これじゃ朝食が作れないぞ」
注意するリューブ様だけど、ミルたちを優しく撫でてくれて、他の人とは違うと思ったわ。
しばらく抱きしめてもらい、落ち着いてから朝食を摂ったけど、とても美味しくてお腹いっぱいになったわ。
「今日も美味しかった」
「本当ね、リューブ師匠ありがとうございました」
「メメル、みんなで作った物を食べただけだから、こう言った時はご馳走様でしたと言うんだ」
「奴隷の時とは違うんですよね」
ミルたちはリューブ様の所有物で、冒険者として一人前になる事で主様に恩を返せるから、4人で頑張ろうと誓いを立てていたの。
その誓いは、ミルたちを捨てた奴らを見返すよりも大切な事で、その為だったらなんでも出来たのよ。
「そうだぞメメル、奴隷の紋章は手に付いているが、みんなは奴隷ではなく冒険者だ」
「そうよ、絶対見返してやるんだからね」
「その意気だぞブラヌ、一人前になったら紋章も消すから、その時は晴れて自由だぞ」
手の甲には、リューブ様の紙が貼られていて、紋章は見えなくなっていますが、今ではミルたちの証だから見せたいほどに誇らしかったわ。
だから消さなくても良いのだけど、リューブ様に認められるのが目標だし、その時にはみんなで好きですって告白すると決めていたわ。
「今も十分」
「うん、自由にしてる」
「ミルにコル、俺が冒険者をするように言ってるだろう、それは自由じゃない」
リューブ様はそう言って申し訳なさそうにして来るけど、生きる為の術を指導してもらえるのは助かるし、映像板で有名になれば見返す事が出来るから文句なんでなかったの。
呪われているからミルとコルに悪い事が起きると思っていたけど、そうではなく運がなかっただけだったのよ。
「さて、今日から本格的な探索を始める訳だが、前衛はメメルとブラヌが交代で歩き、ミルとコルは後方でいつでも魔法を撃てるようにしてくれ」
「はい」
「リューブ師匠は?」
「俺はその更に後ろを歩き、みんなの探索の映像を撮る」
昨日戦闘の時に使った紙を折って作ったツルをいくつも見せてくれて、空に飛ばしてミルたちを撮影してくれたわ。
今も人気が凄いけど、これで更に人気が上がるとリューブ様は喜んでいました。
朝食を食べ、ミルたちの冒険が本当に始まったのだけど、後ろにリューブ様が付いててくれるから怖くはありませんでしたよ。
「リューブ師匠」
「上手く切れてない」
にんじんを切ったのだけど、最後まで切れてなかったのか、持ち上げたら繋がっていて、ミルはしょんぼりです。
奴隷が上手く仕事が出来ない場合、ムチや鈍器で打たれるのが普通だけど、ミルたちの主はそんな事しないで頭を撫でてくれます。
「誰でも最初は上手くいかないモノだ、繋がってるなら手で離して使おうな」
「「はいリューブ師匠」」
「良い返事だ、じゃあ次はキャベツを切ってくれ」
ミルとコルは、元気良く返事をして包丁を使って作業を再開、今度は上手く切れたから喜んで報告したの。
リューブ様は、ミルたちと同じ奴隷のメメルとブラヌに指示をしてたけど、上手く出来たから褒めてくれたわ。
「いいぞ2人とも」
「ぬふふ」
「えっへん、任せて」
「じゃあ、ミルは鍋に水を入れて火に掛けてくれ、コルは皿の用意だ」
いつもと違いバラバラの指示をされ、2人で驚いてしまったわ。
ミルとコルは、鏡に映った様に同じ顔をしていて、声も全く同じだから認識しているとは夢にも思わなかったのよ。
「どうして」
「ミルたちを分かるの?」
「何言ってるんだ、全然違うだろう」
リューブ様がメメルとブラヌに分かるよな?っと質問したら、2人は頭を左右に振ったわ。
普通は分からないし、ミルとコルはそのせいで親に捨てられたの。
「何処が違うのよ?」
「全然分かりませんリューブ師匠」
「ミルは耳が少し長いし、コルは目が少し吊り上がってるだろう」
「「いや全然」」
メメルとブラヌが即答するほど微妙過ぎる違いで、ミルとコルまで驚きました。
そんな中、リューブ様は1番嬉しい髪の色まで違うと言ってくれたんです。
「「本当に分かる?」」
「白い髪に見えるが、エルフ特有の金色が薄ら入っている」
親でも分からない違いが分かるのは凄いと、2人でリューブ様をジッと見てしまったわ。
エルフの世界では、白髪の双子は呪われた存在として避けられ、売られる時もバラバラだと覚悟してたのに、今ではとても幸せで楽しくて仕方なかったわ。
「分かりやすいんだが」
「どこがよ、全然分からないわ」
「リューブ師匠が凄いって事ですね」
「メメル、そんな言葉じゃ済まないわ・・・まぁいいけどね」
あまり気にしてないメメルとブラヌだけど、ミルとコルにとって大切なことで、呪われてないんだと言われた気がしたのよ。
双子と言うのは変えられないけど、違うと言う言葉は凄く嬉しくて、ミルとコルは呪われてなんかないと思えたわ。
「ミル」
「コル・・・ミルたち違うよね」
「うん、違うね」
今までは二人で違うと思うだけだったけど、今ははっきり違うと言えました。
リューブ様にはいつも助けて貰ってばかりで、恩返しに何か出来ないか考えたけど、ミルとコルには自身の身体しかなくて、リューブ様に捧げているモノだったの。
「お礼、出来ないかな」
「ミル、お仕事頑張りましょう」
「そうねコル、それしかないね」
「うん」
言われたお仕事を始めたのだけど、お鍋を見ていたらリューブ様が横に来て、お塩と野菜を入れ始めたの。
ミルは見てるだけだったけど、そこでミルがお肉がもっと欲しいと思っていたら、リューブ様がお肉を追加してくれて、またまたジッと見てしまったわ。
「何で分かったの?」
「ミルがそんな顔をしてたからな、言わなくても分かる」
「言わないと普通分からない」
「普通はそうだが、俺はそうしないといけない撮影をしていたからな」
ミルたちを撮っている時も、行動をよく見て先読みをしているらしく、そのおかげで仕草などで分かるようになったそうです。
洞察力がすごいからミルとコルの事も分かってくれて、優しくて頼もしい主様である事を再認識できました。
「リューブ師匠、好き」
「俺も好きだぞミル、だが料理の最中だからな、抱き付くのは無しだ」
「ダメ、ぎゅってしたい」
本当の父親でもしてくれなかったのに、リューブ様はミルたちを愛してくれて、もう離れたくなかったの。
だから言いつけは守りたかったけど、感情が抑えられなくて、抱きついてぎゅっとしてもらいました。
「コルも」
「ずるいわよ、アタシも」
「ワタシもお願いします」
「おいおい、これじゃ朝食が作れないぞ」
注意するリューブ様だけど、ミルたちを優しく撫でてくれて、他の人とは違うと思ったわ。
しばらく抱きしめてもらい、落ち着いてから朝食を摂ったけど、とても美味しくてお腹いっぱいになったわ。
「今日も美味しかった」
「本当ね、リューブ師匠ありがとうございました」
「メメル、みんなで作った物を食べただけだから、こう言った時はご馳走様でしたと言うんだ」
「奴隷の時とは違うんですよね」
ミルたちはリューブ様の所有物で、冒険者として一人前になる事で主様に恩を返せるから、4人で頑張ろうと誓いを立てていたの。
その誓いは、ミルたちを捨てた奴らを見返すよりも大切な事で、その為だったらなんでも出来たのよ。
「そうだぞメメル、奴隷の紋章は手に付いているが、みんなは奴隷ではなく冒険者だ」
「そうよ、絶対見返してやるんだからね」
「その意気だぞブラヌ、一人前になったら紋章も消すから、その時は晴れて自由だぞ」
手の甲には、リューブ様の紙が貼られていて、紋章は見えなくなっていますが、今ではミルたちの証だから見せたいほどに誇らしかったわ。
だから消さなくても良いのだけど、リューブ様に認められるのが目標だし、その時にはみんなで好きですって告白すると決めていたわ。
「今も十分」
「うん、自由にしてる」
「ミルにコル、俺が冒険者をするように言ってるだろう、それは自由じゃない」
リューブ様はそう言って申し訳なさそうにして来るけど、生きる為の術を指導してもらえるのは助かるし、映像板で有名になれば見返す事が出来るから文句なんでなかったの。
呪われているからミルとコルに悪い事が起きると思っていたけど、そうではなく運がなかっただけだったのよ。
「さて、今日から本格的な探索を始める訳だが、前衛はメメルとブラヌが交代で歩き、ミルとコルは後方でいつでも魔法を撃てるようにしてくれ」
「はい」
「リューブ師匠は?」
「俺はその更に後ろを歩き、みんなの探索の映像を撮る」
昨日戦闘の時に使った紙を折って作ったツルをいくつも見せてくれて、空に飛ばしてミルたちを撮影してくれたわ。
今も人気が凄いけど、これで更に人気が上がるとリューブ様は喜んでいました。
朝食を食べ、ミルたちの冒険が本当に始まったのだけど、後ろにリューブ様が付いててくれるから怖くはありませんでしたよ。
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