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3章 1年2学期
96話 休み前
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「それでは、第1回放課後会議を始めます。司会は、僕アレシャスが勤めますね」
オレは今、すごくニコニコしたアレシャスを睨んでいる。
別に怒っているわけじゃなく、何やら嫌な予感がしているだけだ。生き生きとし過ぎなんだよ。
「なにがそんなに嬉しいんだかな」
オレが独り言をつぶやいていると、隣のケーニットも不思議そうな顔をしていた。
そんなオレたちを置いていくのはあいつで、話を進めて来たぞ。
今は、レベルをどう上げるかを言っているよ、オレはそれを聞いて耳が変になったのかと思ったぞ。
「ですから、レベルを上げに行きましょう」
誰もがレベルを上げる事には賛成した。
しかしだっ!俺たちは2学期の休みの間に行うと思って聞いていたが、アレシャスは今すぐと言ってきて、俺達は思考が止まり固まっているんだ。
「すまんアレシャス、もう一度言ってくれ」
みんなを代表して聞いたが、みんなはそれはそうだろうと頷いてくれたよ。
聞いた俺もみんなもそうだが、アレシャスの言葉が間違いであってほしいと思っている。
「聞き取れなかったの?じゃあもう一度言うね。経験値を1000貰うには、それ相応のモンスターを倒さないといけませんから、ここは手っ取り早くハイエンダクラスを倒しに行きます。護衛は僕のモンスターたちね」
「「「「「いやいやいや」」」」」
勝てないだろうと、俺たちは全員で突っ込んだ。
そんな中、俺はさっきと同じ事を言われ頭を抱えたよ。皆もそうだが、騎士たちのいない状況でどうやって倒すと言うんだ。
「どうして止めるのかな?護衛は僕たちなんだよ」
「危険すぎます!そんなことをして、もしケリー様が怪我をされたら、あなたはどう責任を取るのですか!」
イサベラが我慢できず、机を叩き怒りだした。
無理もないと全員が思っているぞ。
「平気だよ、そんなに危なくないからね」
「ど、どうしてそんな返しなんですか、あなたは数日前の戦いを見忘れたんですか!!」
本来は3年の後半から出現させるモンスターで、15レベル以上の2PTで戦うのが基本とされている。
俺たちの代では既に出現させているが、それだけ俺たちは優秀で異例なんだ。
「そうですよねケリー様」
「そうですわねイサベラ。アレシャスが強いのは分かりますが、戦闘を任せたとしても、不意を付かれる可能性はありますわ。アレシャス、あなたの強さを教えてくださらない?」
攻めたなケリーと、俺は答えを聞きたくて耳を傾けた。ケリーを誉めたい気持ちを抑えアレシャスの答えを待ったぞ。
アレシャスの強さを聞くタイミングは俺たちも作りたかった、ここにいる誰もが答えを期待したぞ。
「これは前回の様にうやむやには出来ないぞ」
期待した答えを聞ける、俺たちも安心できるし今後の基準にもなると、そんな安易な考えだった。
「みんなが心配なのも分かるよ、でも聞いても引かないでよね」
アレシャスに念押しをされ、俺たち全員が唾を飲み緊張した。
そして、聞いてはいけないとんでもない数値を言いやがったんだ。
「僕のレベルは468だよ、先日久しぶりに1レベルあがったね」
全員が唖然として言葉にならなかった。アレシャスは俺たちの表情を見て、やっぱりこうなったかって言いたげだ。
だがな、そうなるだろうと言ってやりたい。
「ほ、ほんとなのかそれは」
「イサベラ、嘘を言っても仕方ないでしょ。ちなみにモンスターたちは200を越えてるよ、一番高いのはスライム騎士の355だね、低いのはレッドドラゴンの204かな、ははは」
信じられないことをケロッとした顔で言いやがった。
聞いたイサベラが力なく椅子に座ってしまったが、レベル以上にレッドドラゴンを使役してるとか信じられなかったぞ。
「あ、あのケリー様。レッドドラゴンって」
「そうですわねライラ、この国の騎士たちでも、被害を覚悟して総出撃しても勝てませんわ」
「そ、そうですよね。アタシが変じゃないのが分かって安心しました」
基準はそうなんだと頷いてしまった。それをあんな顔で言えるんだ、本当なんだろうな。
「みんな驚いている所悪いけど、次が一番驚くと思うんだけど・・・まだ平気かな?」
「「「「「まだあるのっ!?」」」」」
これ以上何があるのかと、勘弁してほしかった。しかし情報は必要だし、信じられない事でも受け入れなくてなならない。
「この人数を1PTにする?」
「それは無理ですわよアレシャス。PTは6人が最大なのは常識ですわ」
「そうだよアレシャス、そんな事も知らないって、アタシ以上にバカだね」
きゃははっとマリアルが笑ったが、アレシャスは真剣な顔をしていた。
それを見て、マリアルはそうでしょっとケリーに同意を求めたぞ。
「そうですわねマリアル、常識ではありますわ。ですけど、アレシャスは違うと言いたいのですわね」
「そうだね。みんなも勘違いしているけど、PTの人数には制限はないよ。あるのは時間だけ」
それを聞き、オレたちは全員椅子から立ち「あり得ない!」って叫んだぞ。
だが、既にレベルを上げているエマルやリリーナは唯一驚いていない。だからなのかアレシャスは余裕だ。
「じゃあどうすればそんな事出来るの?」
「それはねマリアル、30秒以内に入れば良いんだよ。その時間内にダンジョンに入れる人数なら、いくらでも1つのPTにする事が出来る。僕はモンスターたちと一緒に201人まで入ったよ」
アレシャスに実証済みと言われ、オレたちは椅子に力なく座るしかなった。
小隊規模で入るのは、それが一番迅速に動けるからだとも言っている。
「そう言う問題じゃないだろう、どう思うケーニット」
「ジャケン様の仰る通りです」
「何を言ってるんだよふたりとも、ダンジョンに入れるのだってこの前まで常識だったでしょ」
それもそうだと思ってしまうあたり、オレたちもアレシャスに毒され始めたのかもしれない。
しかし、けっこう大変だとか言ってくるアレシャスには、オレたちは引く事しか出来なかったぞ。
「仲間で入る事を強く思わないと入れない。それがクリア出来れば30秒以内で何人でも入れる」
それを聞いて、俺は今までの出来なかった理由が分かった気がした。
ダンジョンに入る時、走る奴は見た事がない。
「なるほどな、だから時間的に6人が限界なんだろう」
「そうですね、他のPTがそれ以内に入っても、PTが違うと認識しているから他のPTになるってわけですね」
「じゃ、じゃあさ・・・もし途中で誰かに声をかけられて止まってたら」
「そうだねマリアル、その人はPTから外される。でも、準備をして【さぁ行くぞ】って入るからね、いままでそれは無かったんだ。これも準備をすると言うことなんだろうね」
すべての準備をすませてダンジョンに入る。
だからいままでそんなことが無かった、信じられない事実だな。
「これは驚きましたねケリー様」
「そ、そうねイサベラ・・・ほんとに信じられない事だらけですわ」
全員で無理矢理納得した感じが空気で分かるが、今までの常識がすべて壊されたんだ、こうなっても仕方ないと誰も抵抗しなかったぞ。
「分かってると思うけど、これも公表はしません。言ったら他国と戦争になりますからね」
アレシャスが良い笑顔で人差し指を立てて言ってきたが、オレは当然だと思ったよ。
それが分かっていれば、アレシャスの様に200人で一気にダンジョンに入ることが出来る。
通路を最大にし戦える様にすれば、騎士たちの数を増やし国の力がかなり増すだろう。
「そうですかねぇ?今でも他国を押さえていますから、それがもっと強固になるだけでは?」
「その可能性もあるよライラ。でも、危機感を覚える可能性はあるし、だからこそ慎重にならないといけない。だから僕たちだけの特権として持っていたいんだ」
切り札と言う奴だと、アレシャスはドヤ顔だ。オレもそれには賛成だが、その顔には言いたいことがある。
ケリーたちもその様で、言いたくても言えない感じだ。
「ねぇアレシャスって、結構笑うんだね」
「そう?僕はいつもこんな感じだよ」
そうなのかと思ってしまうのはオレたちだけの様で、エマルとリリーナは良く見ているらしい。
「じゃあ今日の最後はレベル上げだよ、みんな用意した装備に着替えてね」
アレシャスのメイドがオレたちの装備を運んで来るが、オレたちは自分が着るであろう装備に釘付けだ。
明らかに見たことのない装備が机に並び始め、あれは一体なんだ?っと全員が思ったよ。
「ね、ねぇアレシャス、この装備って見たことありませんわよ、いったい何処で売ってますの?」
勇気を出したケリーには、全員分の称賛を送りたい気分だ、正直オレは怖くて聞けない。
400レベルを超えたアレシャスが出した装備、それは聞くに聞けないモンスターの素材だろうと予測できるからだ。
「ジャケン様、あの鱗ってもしかして」
「ああ、そうかもしれないぞケーニット」
あの色と大きさ、ドラゴンの鱗かもしれないと期待してしまった。
そしてアレシャスは、ケロッとドラゴン装備だと言い捨てて来たよ。
「ど、何処で売ってるんだ」
「売ってるわけないじゃんイサベラ。これはね、僕の自前でこの為に準備したんだよ」
オレたちを含め、エマルとリリーナも装備を着こむが、その異変には直ぐに気付いてアレシャスに視線が集まった。
ブカブカだった装備が、どうしてか身体に吸い付くように小さくなっていったんだ。
「どどど、どうなってるのこれ、ライラこんなの知ってる」
「あああ、アタシも知らない。こんな装備父様でも知らないよ」
そんな混乱の中、知ってる者の顔であるアレシャスに集まった訳だが、アレシャスはまたまたケロッとした顔で専用装備にしたとか言って来たよ。
「専用装備?」
「マリアル、あなた知らないの!!これは勇者装備と同じって事よ」
「そ、そうなの?でもそれだけでしょイサベラ」
「あああ、あなたね!それがどういった事なのか分かってないわね!!ライラ説明してやってよ」
イサベラに睨まれライラは解説をしたが、他の者が装備しても能力が発揮できないとか、装備が身体に合わないと断片的な事だけだった。
「それの何が凄いの?マリアルわかんない」
「そうするとね、能力がとても上がるのよ。それは付与とは関係なくて、更なる強化が出来るのよ」
「でも、それは付与してないんだから当たり前だよね?」
「うっ!?それはそうなんだけど・・・ケリー様~」
マリアルを納得させられずケリーに助け船を出した。
ケリーは納得できる様に、金額で提示した。
「ジャール金貨1000枚?」
「そうですわよマリアル。この装備は1つでそれくらいの価値があります」
「そ、そうなのケリー様」
「ええ、勇者様の装備がそれ位ですから、それが妥当ですわ」
へぇ~っとマリアルは顔をヒクつかせた。
そんな装備をオレたちに用意する、それはすごいを通り越して呆れてしまうよ。
「その装備なら、みんなの防御は完璧だから安心して。じゃあ早速ダンジョンに入るけど、護衛にはスライム騎士5体を用意する、じゃあ行こうか」
アレシャスが門を出現させたが、オレはいよいよなんだと、少しワクワクした。
だが、オレたちがその装備を使う事は無く、あっという間にレベルが上がりその日は解散した。
アレシャスが用意したハイエンダは、デスウォーリアではなくもっと強力なオーガだったにも関わらずだ、信じられなかったな。
オレは今、すごくニコニコしたアレシャスを睨んでいる。
別に怒っているわけじゃなく、何やら嫌な予感がしているだけだ。生き生きとし過ぎなんだよ。
「なにがそんなに嬉しいんだかな」
オレが独り言をつぶやいていると、隣のケーニットも不思議そうな顔をしていた。
そんなオレたちを置いていくのはあいつで、話を進めて来たぞ。
今は、レベルをどう上げるかを言っているよ、オレはそれを聞いて耳が変になったのかと思ったぞ。
「ですから、レベルを上げに行きましょう」
誰もがレベルを上げる事には賛成した。
しかしだっ!俺たちは2学期の休みの間に行うと思って聞いていたが、アレシャスは今すぐと言ってきて、俺達は思考が止まり固まっているんだ。
「すまんアレシャス、もう一度言ってくれ」
みんなを代表して聞いたが、みんなはそれはそうだろうと頷いてくれたよ。
聞いた俺もみんなもそうだが、アレシャスの言葉が間違いであってほしいと思っている。
「聞き取れなかったの?じゃあもう一度言うね。経験値を1000貰うには、それ相応のモンスターを倒さないといけませんから、ここは手っ取り早くハイエンダクラスを倒しに行きます。護衛は僕のモンスターたちね」
「「「「「いやいやいや」」」」」
勝てないだろうと、俺たちは全員で突っ込んだ。
そんな中、俺はさっきと同じ事を言われ頭を抱えたよ。皆もそうだが、騎士たちのいない状況でどうやって倒すと言うんだ。
「どうして止めるのかな?護衛は僕たちなんだよ」
「危険すぎます!そんなことをして、もしケリー様が怪我をされたら、あなたはどう責任を取るのですか!」
イサベラが我慢できず、机を叩き怒りだした。
無理もないと全員が思っているぞ。
「平気だよ、そんなに危なくないからね」
「ど、どうしてそんな返しなんですか、あなたは数日前の戦いを見忘れたんですか!!」
本来は3年の後半から出現させるモンスターで、15レベル以上の2PTで戦うのが基本とされている。
俺たちの代では既に出現させているが、それだけ俺たちは優秀で異例なんだ。
「そうですよねケリー様」
「そうですわねイサベラ。アレシャスが強いのは分かりますが、戦闘を任せたとしても、不意を付かれる可能性はありますわ。アレシャス、あなたの強さを教えてくださらない?」
攻めたなケリーと、俺は答えを聞きたくて耳を傾けた。ケリーを誉めたい気持ちを抑えアレシャスの答えを待ったぞ。
アレシャスの強さを聞くタイミングは俺たちも作りたかった、ここにいる誰もが答えを期待したぞ。
「これは前回の様にうやむやには出来ないぞ」
期待した答えを聞ける、俺たちも安心できるし今後の基準にもなると、そんな安易な考えだった。
「みんなが心配なのも分かるよ、でも聞いても引かないでよね」
アレシャスに念押しをされ、俺たち全員が唾を飲み緊張した。
そして、聞いてはいけないとんでもない数値を言いやがったんだ。
「僕のレベルは468だよ、先日久しぶりに1レベルあがったね」
全員が唖然として言葉にならなかった。アレシャスは俺たちの表情を見て、やっぱりこうなったかって言いたげだ。
だがな、そうなるだろうと言ってやりたい。
「ほ、ほんとなのかそれは」
「イサベラ、嘘を言っても仕方ないでしょ。ちなみにモンスターたちは200を越えてるよ、一番高いのはスライム騎士の355だね、低いのはレッドドラゴンの204かな、ははは」
信じられないことをケロッとした顔で言いやがった。
聞いたイサベラが力なく椅子に座ってしまったが、レベル以上にレッドドラゴンを使役してるとか信じられなかったぞ。
「あ、あのケリー様。レッドドラゴンって」
「そうですわねライラ、この国の騎士たちでも、被害を覚悟して総出撃しても勝てませんわ」
「そ、そうですよね。アタシが変じゃないのが分かって安心しました」
基準はそうなんだと頷いてしまった。それをあんな顔で言えるんだ、本当なんだろうな。
「みんな驚いている所悪いけど、次が一番驚くと思うんだけど・・・まだ平気かな?」
「「「「「まだあるのっ!?」」」」」
これ以上何があるのかと、勘弁してほしかった。しかし情報は必要だし、信じられない事でも受け入れなくてなならない。
「この人数を1PTにする?」
「それは無理ですわよアレシャス。PTは6人が最大なのは常識ですわ」
「そうだよアレシャス、そんな事も知らないって、アタシ以上にバカだね」
きゃははっとマリアルが笑ったが、アレシャスは真剣な顔をしていた。
それを見て、マリアルはそうでしょっとケリーに同意を求めたぞ。
「そうですわねマリアル、常識ではありますわ。ですけど、アレシャスは違うと言いたいのですわね」
「そうだね。みんなも勘違いしているけど、PTの人数には制限はないよ。あるのは時間だけ」
それを聞き、オレたちは全員椅子から立ち「あり得ない!」って叫んだぞ。
だが、既にレベルを上げているエマルやリリーナは唯一驚いていない。だからなのかアレシャスは余裕だ。
「じゃあどうすればそんな事出来るの?」
「それはねマリアル、30秒以内に入れば良いんだよ。その時間内にダンジョンに入れる人数なら、いくらでも1つのPTにする事が出来る。僕はモンスターたちと一緒に201人まで入ったよ」
アレシャスに実証済みと言われ、オレたちは椅子に力なく座るしかなった。
小隊規模で入るのは、それが一番迅速に動けるからだとも言っている。
「そう言う問題じゃないだろう、どう思うケーニット」
「ジャケン様の仰る通りです」
「何を言ってるんだよふたりとも、ダンジョンに入れるのだってこの前まで常識だったでしょ」
それもそうだと思ってしまうあたり、オレたちもアレシャスに毒され始めたのかもしれない。
しかし、けっこう大変だとか言ってくるアレシャスには、オレたちは引く事しか出来なかったぞ。
「仲間で入る事を強く思わないと入れない。それがクリア出来れば30秒以内で何人でも入れる」
それを聞いて、俺は今までの出来なかった理由が分かった気がした。
ダンジョンに入る時、走る奴は見た事がない。
「なるほどな、だから時間的に6人が限界なんだろう」
「そうですね、他のPTがそれ以内に入っても、PTが違うと認識しているから他のPTになるってわけですね」
「じゃ、じゃあさ・・・もし途中で誰かに声をかけられて止まってたら」
「そうだねマリアル、その人はPTから外される。でも、準備をして【さぁ行くぞ】って入るからね、いままでそれは無かったんだ。これも準備をすると言うことなんだろうね」
すべての準備をすませてダンジョンに入る。
だからいままでそんなことが無かった、信じられない事実だな。
「これは驚きましたねケリー様」
「そ、そうねイサベラ・・・ほんとに信じられない事だらけですわ」
全員で無理矢理納得した感じが空気で分かるが、今までの常識がすべて壊されたんだ、こうなっても仕方ないと誰も抵抗しなかったぞ。
「分かってると思うけど、これも公表はしません。言ったら他国と戦争になりますからね」
アレシャスが良い笑顔で人差し指を立てて言ってきたが、オレは当然だと思ったよ。
それが分かっていれば、アレシャスの様に200人で一気にダンジョンに入ることが出来る。
通路を最大にし戦える様にすれば、騎士たちの数を増やし国の力がかなり増すだろう。
「そうですかねぇ?今でも他国を押さえていますから、それがもっと強固になるだけでは?」
「その可能性もあるよライラ。でも、危機感を覚える可能性はあるし、だからこそ慎重にならないといけない。だから僕たちだけの特権として持っていたいんだ」
切り札と言う奴だと、アレシャスはドヤ顔だ。オレもそれには賛成だが、その顔には言いたいことがある。
ケリーたちもその様で、言いたくても言えない感じだ。
「ねぇアレシャスって、結構笑うんだね」
「そう?僕はいつもこんな感じだよ」
そうなのかと思ってしまうのはオレたちだけの様で、エマルとリリーナは良く見ているらしい。
「じゃあ今日の最後はレベル上げだよ、みんな用意した装備に着替えてね」
アレシャスのメイドがオレたちの装備を運んで来るが、オレたちは自分が着るであろう装備に釘付けだ。
明らかに見たことのない装備が机に並び始め、あれは一体なんだ?っと全員が思ったよ。
「ね、ねぇアレシャス、この装備って見たことありませんわよ、いったい何処で売ってますの?」
勇気を出したケリーには、全員分の称賛を送りたい気分だ、正直オレは怖くて聞けない。
400レベルを超えたアレシャスが出した装備、それは聞くに聞けないモンスターの素材だろうと予測できるからだ。
「ジャケン様、あの鱗ってもしかして」
「ああ、そうかもしれないぞケーニット」
あの色と大きさ、ドラゴンの鱗かもしれないと期待してしまった。
そしてアレシャスは、ケロッとドラゴン装備だと言い捨てて来たよ。
「ど、何処で売ってるんだ」
「売ってるわけないじゃんイサベラ。これはね、僕の自前でこの為に準備したんだよ」
オレたちを含め、エマルとリリーナも装備を着こむが、その異変には直ぐに気付いてアレシャスに視線が集まった。
ブカブカだった装備が、どうしてか身体に吸い付くように小さくなっていったんだ。
「どどど、どうなってるのこれ、ライラこんなの知ってる」
「あああ、アタシも知らない。こんな装備父様でも知らないよ」
そんな混乱の中、知ってる者の顔であるアレシャスに集まった訳だが、アレシャスはまたまたケロッとした顔で専用装備にしたとか言って来たよ。
「専用装備?」
「マリアル、あなた知らないの!!これは勇者装備と同じって事よ」
「そ、そうなの?でもそれだけでしょイサベラ」
「あああ、あなたね!それがどういった事なのか分かってないわね!!ライラ説明してやってよ」
イサベラに睨まれライラは解説をしたが、他の者が装備しても能力が発揮できないとか、装備が身体に合わないと断片的な事だけだった。
「それの何が凄いの?マリアルわかんない」
「そうするとね、能力がとても上がるのよ。それは付与とは関係なくて、更なる強化が出来るのよ」
「でも、それは付与してないんだから当たり前だよね?」
「うっ!?それはそうなんだけど・・・ケリー様~」
マリアルを納得させられずケリーに助け船を出した。
ケリーは納得できる様に、金額で提示した。
「ジャール金貨1000枚?」
「そうですわよマリアル。この装備は1つでそれくらいの価値があります」
「そ、そうなのケリー様」
「ええ、勇者様の装備がそれ位ですから、それが妥当ですわ」
へぇ~っとマリアルは顔をヒクつかせた。
そんな装備をオレたちに用意する、それはすごいを通り越して呆れてしまうよ。
「その装備なら、みんなの防御は完璧だから安心して。じゃあ早速ダンジョンに入るけど、護衛にはスライム騎士5体を用意する、じゃあ行こうか」
アレシャスが門を出現させたが、オレはいよいよなんだと、少しワクワクした。
だが、オレたちがその装備を使う事は無く、あっという間にレベルが上がりその日は解散した。
アレシャスが用意したハイエンダは、デスウォーリアではなくもっと強力なオーガだったにも関わらずだ、信じられなかったな。
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