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2章 戦争の第一歩

53話 大砦戦

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「これはこれは、またとんでもなく大きいわね、それに防備もすごい、まるで要塞だわ」


私たちはあれから3回の戦いを勝ち進み、相手の最後の砦にたどり着きました、他の地域での戦いも今は起きていません、私たちの進軍が早いせいで、こちらの戦力を集めていて忙しいみたい。

そうは言っても、相手は大敗続きで兵士は減りまくりです、今見えてる砦も規模は大きいですが、兵士が集まる前に私たちが到着しているので、中の兵は3万くらい、ここを諦めもっと後ろの砦に兵士が集まってるみたいよ。


「ラリーファ!大砲があるわん」

「ペルーロの言う通りウサ、これは一筋縄ではいかないウサよ」


ふたりが遠くを見ようと、おでこに手を当ててそんな事を言ってるわ、相手は私たちの兵器を使い始めているの、それが異常だとも知らずにね。


「これで誰かが情報を流してるのは確定したわ、後は接触して来るのを待てだけ」


そう言いながら作戦を進めます、ここを普通に攻め落とすには10倍の戦力が必要よ、でもそれは普通の場合、私たちには関係ないわ。


「じゃあまずは降伏勧告ね、まぁ断って来るだろうけどさ」


礼儀とばかりに私は兵士を1人向かわせました、そして予想通りに断られて帰って来たのよ。


「まぁそうだわんね、それで次はどうするわん?前のように囲むのかわん」


「そうねぇ・・・通り過ぎちゃおうか」

「「へ?」」


笑顔の私と違って、二人はびっくりしているわ、でもこれも作戦の1つよ。

ビクトールたち航空部隊とメリーナの正規軍は他の街の援護に向かって、今は帰路なのよ、通信で帰ってくるタイミングが良いから、この戦法で行っちゃおうかなって感じね。


「つまりね、砦から誘き出して私たちの部隊で挟んでしまうと言う作戦よ」

「な、なるほどわん、それなら分かるわん」

「そうですウサ・・・もうっ!驚かさないでくださいウサ」

「ごめんごめん、2人が良いリアクションするからついね、それに作戦的には通り過ぎるのは本当だからね、さぁ私たちは前進するわよ」


兵士たちにテントの撤収を命じて、私たちは大砲の射程外を通り、砦を無視して前進を開始しました、相手側はかなり焦っていますよ。


「さぁどうするのかしら・・・そう言えば、砦から出てこなかったらどうしましょうね」


私はそんな間抜けな事はしないと思っているけど、どうしても考えてしまうわ、そうなると普通の砦戦になるから、ビクトールたち航空部隊を主軸で戦う事になりますね。


「出て来たウサ、バカだウサ」


ミサーラが後ろを確認して呆れているわ、私は少しホッとして部隊を反転させ、最前列になった重装歩兵に盾を構えてもらう様に指示をだしたわ、メリーナたちが来るまではこちらに敵を引き付けます。

数は、こちらと同じで2万だけど、銃を持った兵士が前にいるわ。


「撃って来たウサ!?」

「焦らないでミサーラ、重装歩兵はなにも歩兵だけに強い訳じゃないわ、火縄銃の弾なんて跳ね返すんだからね」


私の言葉通り、重装歩兵たちの盾と鎧は敵の弾を弾き防いでいます、でもまだ前進はしませんよ。


「まだかわん!」

「まだよペルーロ、前衛の重装歩兵たちが頑張ってる、あれを越えてきたら出番よ」


敵兵士が段々集まってきて重装歩兵の外側にあふれ出してきました、重装歩兵は横に展開させてるけど、いつかはそこから溢れ囲まれます、そこでペルーロたちの番です、そいつらを相手に戦い始め後ろを取られないようにするのが作戦ね、もちろん私もそれに参加です。


「食らえわん!」

「ペルーロはウチが守るウサ」


ペルーロとミサーラが背中を合わせて戦ってます、私はそれを見て次の段階に行く決心がつきました。

そろそろメリーナたちの方が回り切れなくなりそうなの、その前にもういくつか航空部隊を作っておかなくちゃなのよ。


「既に教育はしてるけど、空の方はなかなかビクトールたちの様にはいかないのよねぇ、あれは才能ね」


敵兵士を蹴り飛ばして私は呟いています、そして砦から煙が出始めたわ、メリーナたちが攻め込んだのね。


「じゃあこちらも本気を出すわよ、魔法士部隊ゴーレム召喚よ!」


私の掛け声とともに、中央に集まっていた魔法士が詠唱を終了し、泥のゴーレムが100体召喚されました、大きさは5mと小さいですが、サイドに伸びた敵兵を薙ぎ払い始めたの。


「さぁ私たちも、ペルーロ行くわよ!」

「おうだわん、ミサーラ行くわん」

「はいウサ!」


重装歩兵の真ん中を開けて貰い、私たちは陣槍の様な陣形で突撃したの、そして召喚獣たちが外側から敵兵を囲んだわ、これでふたつに分かれた敵兵士が逃げ場をなくし、後は降伏か殲滅のどちからになります。


「おらおらーだわん!」

「蹴散らすウサー!」


作戦を考えているとペルーロたちが敵兵をすごい勢いで倒していきます、敵兵士は怯えだしもう戦いになっていません、砦から煙が上がりだして心が折れてしまったのよ。


「これは降伏させた方がいいわね、ペルーロお願い」

「分かったわん、わおおおぉぉぉぉーーーん!!」


ペルーロに雄叫びを上げてもらい敵兵を失神させました、そしてその間に拘束です。

これで敵の本国に話し合いが持ち込めます、まぁ相手がどう来るか分からないけどね。


「さて、あの砦を貰ってここでちょっと休憩ね」

「やったわん、久しぶりの休みだわん」

「良かったウサ、行きましょペルーロ」


ふたりがルンルンし始めたわ、私は肩でニヤニヤしています。そしてその日の夜は宴会ですよ。


「聞いてるのですがラリーファ!」

「はいはい聞いてるわよビクトール、もっと歯ごたえのある戦いをしたいのね」


お酒を飲んでビクトールがテーブルに座っている私に突っかかってきました、ビクトールの航空部隊は一撃離脱なので欲求不満なんですよ。この砦を落とした時は少しは戦ったはずなんですが、それでも弱い敵しかいなくてがっかりだと言っています。


「大国だから楽しみにしていましたのに、どうしてですのよ」

「私に言われてもそれは分からないわ、きっとこの砦は見捨てられてたのね、私たちの所にも強い奴はいなかったもの」


私たちが余裕で勝てたのはそれがあったからね、あれがトップなの?って思う奴はいたわ、でも良く分からないまま討ち取られていたのよ、余裕だったしね。


「それでしたら仕方ありませんわね、次は頼みましたわよ」

「それねぇ~・・・次があると良いのだけど、しばらく戦いはお休みよ」

「ま、またですの!?」


前にもあったわよねって事で、私は頷きました、そして予定では数日後、私はメリーナたちと敵国の前に砦を築く為に出発です。


「それですわ!?それにわたくしも同席します」


ビクトールがかなり食いついてきたわ、私はちょっと困りました、その話し合いは確実に向こうは嫌な態度を取るからです。


「私の言う事を聞くなら良いわよ、出来るのビクトール?」


私がそう言ったら「で、できますわ」ってビクトールが言ってきたわ、顔を引きつらせてね、きっと私が怒ると怖いのを知っているからね。


「じゃあ、それまでしっかりと休養と訓練をしましょうね、ここで」

「そうですわね、次の航空部隊とも手合わせをしてみたいですし、楽しみですわ」


今のストレスを発散する場所を見つけたって顔しています、訓練兵たちご愁傷様ね。
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