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2章 コスで冒険

37話 欲は身を亡ぼす

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成人者の子たちはお金を貰おうと、宣伝をしていた男性に手を向けます、でも男性は無効とか言って渋り出しました、観客も成人者の子たちもブーイングです。
エリーヌさんも僕の首を絞めてブーイングに参加です、僕に当たらないでとエリーヌさんの肩を揺すって興奮を冷ませました。
彼らはこんなに興奮して怒ってる人達を前にしても払いたくない様です、足が線から出ていたとか言い出します、言いがかりなのは誰でもわかるけど、今からでは証拠は出てきません、これは貰えないねと彼らに協力してくれたお礼を考えていると、どうしてか宣伝の男性が僕を睨んできました。


「そこの君、彼らに不正をさせたね、どう責任を取るつもりだ!」


この場を納めるために僕を選んだようです、みんなが僕に注目しその怒りは僕に向けられたんだ、エリーヌさんは言いがかりだと言ってくれます、でも男性は許しませんし周りの人達もです。
僕は学びました、こういった人には猶予は要らないって、だからこの方法を取ります、彼らの汚さにイラっとした思いを解き放つんだ。


「お前聞いてるのか!迷惑料に妨害料、ワシたちが満足する金額を払ってもらうぞ」

「そう怒らないでください、今日は楽しい新年祭じゃないですか、ワインでも飲んで落ち着きましょう」


新年祭の楽しい時間、いがみ合うのは良くない、ワインの瓶を収納からどんどん出しまずは笑顔です、近い人には手渡しごめんなさいと謝罪です。
まずは向こうに付いてしまった観客たちの誘導です、ワインを大量に出した為、みんなは静かになり始めます、エリーヌさんにも渡すと、心配そうな顔をしてくれます、ニッコリとして僕は男二人に向いたんだ、ここからが攻撃開始だよ。


「な、何のマネだお前、そんな事してもワシたちは許さんぞ」

「分かってますよ、まずは話が出来るようにしたかっただけです」


理由を簡素に口にし、自己紹介をしました、目隠しの男はジェーント、宣伝の男はモルソだそうです、どうぞよろしく、したくもない挨拶をし頭を下げます。
早く本題に入れと言わんばかりの顔で僕を見てきます、そんな顔しなくても本題に入ります。


「どちらが悪かったかはこの際置いといて、球当てゲームで謝罪料を掛けて僕と勝負しましょう」

「「な!?」」


そんな事誰がするかとふたりは怒ります、僕は払うにしても楽しい気分でいたいとワインをグラスに注いで男二人に渡します、試飲してもらいたいけど口にしません、観客の人達は瓶から飲んでいますが、とても美味しいと声が広がり始めます。
平気そうだと、一口飲んで表情が変わりました、そこで僕は攻めます。


「このワインは僕の参加費として提供します、それでもやりませんか?」

「うっ!?」


もう一押し、そんな感じの「やらん」っという答えが返ってきます、僕の横にはワインの瓶が200本は置かれていますから無理もないね。
反則金等の金額には十分だけど、彼らは金額を吐き出せると粘りました、僕は予定通りと次の提案を口にします。


「では賞金を出しましょう」

「「「「「!?」」」」」


僕がポケットから出したのは金貨です、観客にも見えるように見せつけ賞金だと印象付けました、そして参加しないのなら、ワインも賞金もないと宣言しました。
彼ら参加を承諾しました、反則金を貰っても十分なお金になります、何せ限度額がないんだからね、だけどそれに以外に貰えるなら手に入れるのが商人っと即答でした。
ルールは最初と大体同じです、線より先で投げてはいけない、目隠しの人に球を当てれば勝利です、投げる人は3人ではなく2人、僕とエリーヌさん、相手はジェーントとモルソです、目隠しは僕とジェーントです。


「そんな事言われなくても分かっておるわ」

「ただの確認です、これで文句を言われると嫌なだけです、書面での確認もさせてもらいます」


逃がさないよっと警告をしたんだ、書面はエリーヌさんに今のうちに書いてもらいます、テーブルを収納から出し用意してもらいます、さすがギルドの職員と褒めたいくらい字が綺麗でした。


「この間に勝利報酬の確認です、僕たちが球を当てる事が出来た場合、僕たちは反則をしていなかったと謝ってください、そしてあの子たちに銀貨5枚のお金を払ってください、それ以外は求めません、外したら彼らには僕が払いますし反則をしたと認めます、そして僕に球を当てたらですけど」


テーブルに金貨を置いて行きます、その数は1枚ずつ増やし10枚を積み上げて見せました、ここにいる人たちが唾を飲みます、エリーヌさんも書類を作る手が止まっているほどです。
金貨なんて見た事ない人達ばかりですからね、そしてこれは罠です、彼らはそれに気づかず金貨から目が離せません。
僕に球を当てた場合、賞金を進呈します、宣言しながら金貨10枚のタワーを指でトントンします、200本のワインがおまけみたいに思えるほどの賞金が貰える、みんなにはそう見えるでしょう、あの二人も既に目がお金のマークです。


「でももし外したら、ワインは持って行って良いですけど、あなた達が払うんですよ」


ここで小さく指でトントンしている金貨ではなく、視線の先にいる成人者たちに銀貨5枚を渡す約束だと思わせます、最悪でもワインは自分たちの手に入り、反則金も払わず謝るだけ、損害は成人者たちに払う銀貨15枚です、それを理解して承諾のサインをエリーヌさんが書いてくれた書類にしました、もちろん内容は確認していましたよ、でもそこには書かれていない部分があるのを彼らは知りません。


「じゃあ良いですね?」

「もちろんだ、早く済ませよう」


目隠しをしたジェーントは余裕で所定の位置に立ちます、僕たちも線を踏まないように少し離れてボールを持ったんだ。
観客からはすごい歓声が上がります、ワインも飲んでるので余計かもですね。


「ね、ねぇリュウ君、アタシ自信ないんだけど」


エリーヌさんは、手の中のボールを突いてしょんぼりです、でも僕が当てるので問題ありません、気楽に投げてくださいと先に投げてもらいました、玉をジェーントは余裕で避けます、観客からは残念の声が響き僕に期待の目が向けられました。
エリーヌさんにドンマイっと肩を叩き投げる準備です、投手の様に構え目標を睨みます、観客は急に静かになり、どうなるのかと見てきました。
僕が投げるとボールは消えます、目にもとまらぬ速さで球は飛び、目隠しをしたジェーントの頭に命中したんだ、ジェーントは3回転して倒れ、意識はありません。


「さぁて、次はあなたたちの番ですね・・・っと言いたいけど、彼は出来そうもないですね、モルソさんだけじゃ当てられないでしょうからここで止めましょうか?」


ここで相手を焚きつけます、契約書には2人と書かれているので、また不正とか言いそうです、特別に3個の球を投げても良い事にしたんです。
僕は目隠しを位置に立ちます、ジェーントはエリーヌさんが引きずって退場させました、モルソは球を持って緊張が見られます。


「さぁいいですよ、いつもで投げてください」


腰を落として開始の合図とばかりに手をクイクイとさせます、掛かって来いと挑発した事で、モルソは1投目を球を投げます、それほど早くない球が飛び見事に僕の胸あたりに当たる軌道です、みんなは素人の僕が避けれるわけないと思い叫びます。
僕は球が当たる手前で体を少し横にして避けます、広場は1度静かになり避けたと歓声が上がりました。


「そ、そんなバカな」


何も対策も考えず、残りの球を投げてきます、僕は2投とも避けて勝負ありです。
目隠しを取ると、凄い歓声の中エリーヌさんは嬉しそうに走って来て僕に抱き付きます、広場の人達はさらに歓声を上げましたよ。


「やっぱりすごいわねリュウ君、信じていたけどほんとにすごいわ」

「見切りスキルがあるんです、簡単に避けれますよ、それじゃ約束の物を貰いに行きましょう」


エリーヌさんはそれを聞いてニヤリと笑います、さっきの請求書は金貨が賞金と書かれています、僕に球を当てられなかった場合、賞金はモルソたちが払うと書かれているんです、つまり成人者たちの賞金とは何処にも書かれていません。
モルソに書類を見せると、顔を青くし始めました、でも僕たちは許すことはしません。


「ささ、詐欺だ!ワシは認めんぞ」

「何を言ってるのよ、何度も確認したでしょ、ここにも書いてあるわ、彼らに払うのは賞金じゃなくて銀貨5枚、3人だから15枚ね、賞金は金貨10枚って、こんなのも分からないなんて、あなた商売人に向いてないわよ」


最後のトドメとばかりにエリーヌさんが言葉の剣を刺しました、金貨を賞金と認めたのはモルソたちです、だから契約書に掛かれていても罠には気付かなかった、逃げようとしても広場には人が多くて逃げられません、もし逃げても王都ではくらせないでしょうね。


「そ、そんな金額払えるわけがない・・・ゆ、許してくれ」


頭を下げたモルソを見てエリーヌさんはさわやかな笑顔を見せました、僕に抱き着いてままなのはやめてほしいけど、モルソたちを許すことはありません、謝罪は最初から勝負に含まれています僕は許すと口にしたんだ、モルソは顔を上げ涙を流して笑顔です。


「ほ、ほんとは」

「僕も嬉しいですよ、やってもいない反則が無かったんですから、じゃあ賞金の代金は鉱山にでも行って用意してください」

「ひっ!?」


モルソはそっちの話じゃないと言いたげの真っ青な顔です、ないのなら働けばいいんです、兵士は広場にもいます、ここは年に1度のお祭りの会場ですからね。
連れていかれるモルソたちを見て、僕はワインを2つのグラスに注いだんだ、1つをエリーヌさんに渡して僕のグラスと合わせます、勝利の乾杯です。


「はぁ~美味しいわ」


一気にワインを飲み干してエリーヌさんはお代わりを要求です、グラスに注いであげるとあくどい商売はダメよねとか言い出します。
成人者たちに銀貨を渡し巻き込んでしまった謝罪をしました、賞金は勿論エリーヌさんと山分けです、モルソたちから送られてくるのは先なので、僕が立て替えます。


「い、良いのかしら?」

「もちろんですよ、ふたりで勝ち取った勝利ですからね」


5枚の金貨を渡し、僕たちはまた乾杯しました、エリーヌさんが何に使おうか話した時、僕はいつものように孤児院に寄付すると言ってしまい、エリーヌさんも全額寄付すると言いだしてしまったんだ。
最終的に半額ずつと言うことになったんだけど、そのお金で旅行をしようと約束をしてしまいました。
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