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2章 コスで冒険
24話 見ててください
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ササピーさんとエリナさんがせわしなく動き、しばらくして子供たちは収まりました、収まるまでの間、アタシとパーシェントはジャービスさんを叩いて叱りましたよ。
ユニークスキルは誰にも話さない個人情報です、だから止めるのは分かります、でも状況を見て警告をしないといけません、特に顔が怖いジャービスさんなら尚更です。
「気を付けてくださいよジャービスさん」
「すまんパーシェント、リュウの時も怯えられたんだ、俺もまだまだだな」
元が怖いんだから、ほんとに気を付けてとパーシェントが言います、ジャービスさんが凄くしょんぼりしていました、ちょっと笑ってしまいました。
改めて食事が始まり、誰も話さない重い空気が流れています、そこでエリナさんがアタシたちに孤児院の見学を勧めてきたんです、能力を知る為に了承しました。
「ね、ねぇエリーヌ、どういうことなのかな?」
「バカねパーシェント、そんなのさっき言ってたスキルの力を見せるに決まってるでしょ、そうですよねジャービスさん」
まだしょんぼりしたジャービスさんが頷きました、今更なんだから早く復活してほしいです、もしかしたら子供たちにあれほど泣かれてショックだったのかもです。
食事が終わり移動したアタシたちは、勉強の風景を見ています、でも普通過ぎて困惑してるわ、これのどこが重大な秘密なのよ。
「じゃ、ジャービスさん、アタシたち何を見てるんでしょう」
「分からん」
さすがのジャービスさんも分からないようです、子供たちは汚れても良いように統一された青い服を着ています、ただ黙って石板を使って下を向いて勉強してるだけです。
仕方なくエリナさんに聞いてみると、専用の勉強服で覚えやすくなってると説明してくれました、そんな事が可能なのか質問をぶつけると、今行ってる内容の難易度を教えてくれたんです、聞いてビックリですよ。
「三桁の計算!?」
「そうですよエリーヌさん、それに二桁の掛け算と割り算も出来るようになっています」
掛け算と割り算?っと頭を捻ります、どうやら足し算と引き算の応用版を教えてるみたいです、これはどこも教えてないすごい事です、それを覚えるのは本来大変らしいわ、ここにいる年長者の子たちは短期間で既に覚えている。
エリナさんの作った子供服がそれを可能にしている、そう話してくれました、それだけでアタシとパーシェントは十分だったわよ。
「良く分かったわ、これは喋っちゃダメな事ね」
「そうですよ、みなさまだから告白しました、言ってはダメですよ」
ウインクをして『黙っててね』と可愛く言ってきたわ、それは女性のアタシとパーシェントまで虜になるほどよ、でもアタシにはリュウ君がいるって何とか留まったわ。
ジャービスさんも、それを振り払うように質問に乗り出します、アタシたちの心配は夜の襲撃です、子供たちや彼女のスキルが凄くてもプロが来たら敵わないわ。
「そう言えばそうでしたね、ではそれもご説明します」
準備をするので少し待つように言ってきたわ、その間に窓の外を見ると遊んでる子供たちが見えました、青い服を着て楽しそうに遊んでいます。
それを見てジャービスさんは、ある事に気づきアタシたちに言ってきます。
「誰も息を切らせてない?」
「そうだ、あれだけ走っているのにだぞ、変じゃないか?」
パーシェントがそれを聞き、子供だからそんな物ですよっと返答したわ、元気な子供たちねとか、のほほんと見ていたの、でもアタシとジャービスさんは違ったわ、さすがに休憩をしていないのはおかしいわよ。
あれも服のおかげなのかと眺めます、おままごとをしてる子たちは普通に見えるけど、何だか違和感があったんです、まるで本物の作業をしてるみたい、そう思っているとエリナさんが戻ってきました。
「お待たせしました」
「お待たせって・・・裁縫士の格好をして戦えるのか?」
ジャービスさんがアタシたちの疑問をぶつけます、右手に針を刺すワタを付け何本か本当に針が刺さってます、髪を頭のてっぺんでボールの様に整えいかにも今から縫物をする姿です、その格好で戦えるとは思えません。
「戦うのは僕ではなく、こちらのぬいぐるみやお人形たちです」
エリナさんの後ろから、アタシの膝くらいしか背丈のない、小さな人形たちが出てきました、並んで片手をあげ挨拶をしてるようです、彼女の服の能力は人形たちに命を吹き込むものらしく、服を着ている間は指示通り動くそうです。
「服を脱いでも一晩は動きます、こんな小さくて可愛いですけど、見かけによらず強いんですよ」
人形たちが拳を前に出したり蹴りを見せてくれます、でもそれでは分かりません、なのでジャービスさんが外で戦って見せてくれと言い出し、1体のぬいぐるみとジャービスさんが戦ったんです。
ジャービスさんが当然勝つ、アタシはそれを疑わなかった、でも結果は逆です、ジャービスさんは数分で倒されました。
ジャービスさんは元ミスリル冒険者ですよ、それも素早さがウリと言いながらも、力もかなり強い凄腕冒険者で有名だったんです。
「信じられない、俺がこんなに簡単に」
木の下で休憩をしてジャービスさんが納得しました、これなら平気だとアタシたちはエリナさんに頷いたんです、そして酒場に行く時間となり、アタシたちも夕食を取る為に同行しました、とても良い夜でしたよ。
そしてその夜、孤児院に顔を隠した5人の男たちがノソノソと入ってきます。
「護衛がいると思ったがいないようだな・・・良いかお前ら、目標は獣人だ、そいつらを確保したらずらかるぞ」
「でもリーダー勿体なくないですかい?あの女も攫っちまいましょうよ」
アタシたちが心配した男たちが予想通りの話をして、作戦を変更すると先頭にいたリーダーが言い出します、部下たちが喜び礼拝堂を通ると、奥に続く廊下にぬいぐるみや人形が沢山置いてありました、男たちは子供が片付けてないと思い蹴ります。
「ったく!躾がなってねぇな、女を攫ったらそれも注意してやる」
「そんなこと言って、リーダー壊さないでくださいよ、オイラ達が楽しめませんからね」
小さく笑い合って足元の人形を蹴ります、歩みを勧めて最後の男が人形を踏もうとした時、違和感を感じます、踏んだはずが床の感触だったんです、おかしいと思い下を見ると人形が男の足すれすれに座っていました、顔を上げ男を見上げています。
「気持ち悪い人形だな、このっ!」
暗いから狙いを外しただけだと、もう一度足を上げ今度こそと踏みつけます、でも今度はその人形が両手で受け止めて来たんです、ギョッとしていると後頭部に痛みを感じて男は気を失います。
男の前にいた仲間は音に気付いて振り返ります、でも既に男の姿はありませんでした、おかしいと思い声を掛けます、でも返事がなく廊下を戻り確かめます。
「何処行きやがったあいつ、もしかして食い物を探しに行ったんじゃないだろうな」
あいつは食べ物に目がないと、愚痴を言い隣の通路に曲がります、そこは食堂になっていて台所に入ります、人影が見えたので声を掛けると、返事はなく手だけが動いている様に見えました。
「お前仕事が優先だって言われただろ、リーダーに叱られるぞ」
肩を掴み振り向かせようとすると、肩がポロっと取れます、手を見ると小さなひよこの人形があります、変だと思い人影をよく見ると、仲間の男ではなく小さなぬいぐるみの集合体でした、男が慌てて下がった先にはぬいぐるみたちが待っていて背中から襲い掛かります、抵抗できず男はぬいぐるみだらけになり意識を失いました。
先に進んだ3人は、またあのふたりは寄り道かと、気にせずに目標を探します、部屋を奥から調べようと進み扉を開けました、ベッドに誰かが寝ているのか掛け布団が膨らんでいます、大きさから大人の女性だと分かり、リーダー以外は声を出さないようにして喜びます。
「良し、サジはそいつを拘束しろ、俺とミブは他の部屋だ」
リーダーの指示で一人を残し、他の部屋に移動します、残った男はしめしめとベッドに飛び込みます、ベッドに寝ていたモノは暴れます、それを喜び男は力を入れます。
顔を近づけ相手に口づけをします、でも感触が変だと顔を離すと、そこには相手の顔がありませんでした。
「ど、どうなってやがる!?」
一言だけを述べた直後、人だと思った影がバラバラになり、紐の様に細くなって男をグルグル巻きに縛ったんです、ベッドの上で暴れますが複数個所を縛られて解けません、そこに小さな人形が目の前に来てこん棒を持っていました、男が止めろと叫ぶ前にこん棒は振り下ろされ、男は衝撃を受けて意識を無くします。
次の部屋に入ろうとしたふたりの男は、扉が開かないので道具を使いカギを開けようと試みます【カチャカチャ】と音を響かせ【カチャリ】と音が聞こえます、良しとばかりの扉を開けると、そこは黒い壁でした。
「何だこれは、どうして壁が?」
黒い壁を触って叫ぶリーダーは手を引っ張られ飲み込まれて行きました、残った男はリーダーを引っ張りますが飲み込まれる力が強く、手を放してしまいます。
怖くなり後ろに下がると、扉にぶつかりその扉には鍵がかかっていませんでした、扉は開き男はそのまま後ろに倒れます、頭を打ってしまい痛がっていると、横に人形が座っていました、その人形はさっき男が蹴った人形にそっくりで男は焦ります。
「ど、どうしてこれがここにある」
そう思い邪魔だと手で振り払います、人形はいなくなりましたがその手に痛みをうけました、手の平を見ると人形がくっ付いていて、小さな包丁を男の手に突き刺し、人形は男を見ています。
恐怖を感じて手を振り回します、でも人形は取れません、それどころか人形がどんどんと腕を登って来て男の肩に乗りました。
「な、何なんだこれは、どきやがれ!」
振り落とそうと手で払うと、その手は包丁で刺され肩に固定されます、男は叫ぼうとしますが人形に口を塞がれ阻止されます、男はそのままで部屋を出ようと走り、何とか部屋を出る事が出来ました、礼拝堂までの廊下には人形やぬいぐるみが沢山置かれ、男に飛び付いてきます、男は片手で払おうとします、でもそれは叶わず人形たちに足を掴まれとうとう倒れてしまいます、叫ぼうにも人形たちによって防がれ、鼻も抑えられて息が出来なくなり意識を無くしたんです。
男たちは、兵士の集まる詰め所に拘束されて翌朝発見されます、髪は白く変わり男たちの心は何処かに行ってしまっていました。
ユニークスキルは誰にも話さない個人情報です、だから止めるのは分かります、でも状況を見て警告をしないといけません、特に顔が怖いジャービスさんなら尚更です。
「気を付けてくださいよジャービスさん」
「すまんパーシェント、リュウの時も怯えられたんだ、俺もまだまだだな」
元が怖いんだから、ほんとに気を付けてとパーシェントが言います、ジャービスさんが凄くしょんぼりしていました、ちょっと笑ってしまいました。
改めて食事が始まり、誰も話さない重い空気が流れています、そこでエリナさんがアタシたちに孤児院の見学を勧めてきたんです、能力を知る為に了承しました。
「ね、ねぇエリーヌ、どういうことなのかな?」
「バカねパーシェント、そんなのさっき言ってたスキルの力を見せるに決まってるでしょ、そうですよねジャービスさん」
まだしょんぼりしたジャービスさんが頷きました、今更なんだから早く復活してほしいです、もしかしたら子供たちにあれほど泣かれてショックだったのかもです。
食事が終わり移動したアタシたちは、勉強の風景を見ています、でも普通過ぎて困惑してるわ、これのどこが重大な秘密なのよ。
「じゃ、ジャービスさん、アタシたち何を見てるんでしょう」
「分からん」
さすがのジャービスさんも分からないようです、子供たちは汚れても良いように統一された青い服を着ています、ただ黙って石板を使って下を向いて勉強してるだけです。
仕方なくエリナさんに聞いてみると、専用の勉強服で覚えやすくなってると説明してくれました、そんな事が可能なのか質問をぶつけると、今行ってる内容の難易度を教えてくれたんです、聞いてビックリですよ。
「三桁の計算!?」
「そうですよエリーヌさん、それに二桁の掛け算と割り算も出来るようになっています」
掛け算と割り算?っと頭を捻ります、どうやら足し算と引き算の応用版を教えてるみたいです、これはどこも教えてないすごい事です、それを覚えるのは本来大変らしいわ、ここにいる年長者の子たちは短期間で既に覚えている。
エリナさんの作った子供服がそれを可能にしている、そう話してくれました、それだけでアタシとパーシェントは十分だったわよ。
「良く分かったわ、これは喋っちゃダメな事ね」
「そうですよ、みなさまだから告白しました、言ってはダメですよ」
ウインクをして『黙っててね』と可愛く言ってきたわ、それは女性のアタシとパーシェントまで虜になるほどよ、でもアタシにはリュウ君がいるって何とか留まったわ。
ジャービスさんも、それを振り払うように質問に乗り出します、アタシたちの心配は夜の襲撃です、子供たちや彼女のスキルが凄くてもプロが来たら敵わないわ。
「そう言えばそうでしたね、ではそれもご説明します」
準備をするので少し待つように言ってきたわ、その間に窓の外を見ると遊んでる子供たちが見えました、青い服を着て楽しそうに遊んでいます。
それを見てジャービスさんは、ある事に気づきアタシたちに言ってきます。
「誰も息を切らせてない?」
「そうだ、あれだけ走っているのにだぞ、変じゃないか?」
パーシェントがそれを聞き、子供だからそんな物ですよっと返答したわ、元気な子供たちねとか、のほほんと見ていたの、でもアタシとジャービスさんは違ったわ、さすがに休憩をしていないのはおかしいわよ。
あれも服のおかげなのかと眺めます、おままごとをしてる子たちは普通に見えるけど、何だか違和感があったんです、まるで本物の作業をしてるみたい、そう思っているとエリナさんが戻ってきました。
「お待たせしました」
「お待たせって・・・裁縫士の格好をして戦えるのか?」
ジャービスさんがアタシたちの疑問をぶつけます、右手に針を刺すワタを付け何本か本当に針が刺さってます、髪を頭のてっぺんでボールの様に整えいかにも今から縫物をする姿です、その格好で戦えるとは思えません。
「戦うのは僕ではなく、こちらのぬいぐるみやお人形たちです」
エリナさんの後ろから、アタシの膝くらいしか背丈のない、小さな人形たちが出てきました、並んで片手をあげ挨拶をしてるようです、彼女の服の能力は人形たちに命を吹き込むものらしく、服を着ている間は指示通り動くそうです。
「服を脱いでも一晩は動きます、こんな小さくて可愛いですけど、見かけによらず強いんですよ」
人形たちが拳を前に出したり蹴りを見せてくれます、でもそれでは分かりません、なのでジャービスさんが外で戦って見せてくれと言い出し、1体のぬいぐるみとジャービスさんが戦ったんです。
ジャービスさんが当然勝つ、アタシはそれを疑わなかった、でも結果は逆です、ジャービスさんは数分で倒されました。
ジャービスさんは元ミスリル冒険者ですよ、それも素早さがウリと言いながらも、力もかなり強い凄腕冒険者で有名だったんです。
「信じられない、俺がこんなに簡単に」
木の下で休憩をしてジャービスさんが納得しました、これなら平気だとアタシたちはエリナさんに頷いたんです、そして酒場に行く時間となり、アタシたちも夕食を取る為に同行しました、とても良い夜でしたよ。
そしてその夜、孤児院に顔を隠した5人の男たちがノソノソと入ってきます。
「護衛がいると思ったがいないようだな・・・良いかお前ら、目標は獣人だ、そいつらを確保したらずらかるぞ」
「でもリーダー勿体なくないですかい?あの女も攫っちまいましょうよ」
アタシたちが心配した男たちが予想通りの話をして、作戦を変更すると先頭にいたリーダーが言い出します、部下たちが喜び礼拝堂を通ると、奥に続く廊下にぬいぐるみや人形が沢山置いてありました、男たちは子供が片付けてないと思い蹴ります。
「ったく!躾がなってねぇな、女を攫ったらそれも注意してやる」
「そんなこと言って、リーダー壊さないでくださいよ、オイラ達が楽しめませんからね」
小さく笑い合って足元の人形を蹴ります、歩みを勧めて最後の男が人形を踏もうとした時、違和感を感じます、踏んだはずが床の感触だったんです、おかしいと思い下を見ると人形が男の足すれすれに座っていました、顔を上げ男を見上げています。
「気持ち悪い人形だな、このっ!」
暗いから狙いを外しただけだと、もう一度足を上げ今度こそと踏みつけます、でも今度はその人形が両手で受け止めて来たんです、ギョッとしていると後頭部に痛みを感じて男は気を失います。
男の前にいた仲間は音に気付いて振り返ります、でも既に男の姿はありませんでした、おかしいと思い声を掛けます、でも返事がなく廊下を戻り確かめます。
「何処行きやがったあいつ、もしかして食い物を探しに行ったんじゃないだろうな」
あいつは食べ物に目がないと、愚痴を言い隣の通路に曲がります、そこは食堂になっていて台所に入ります、人影が見えたので声を掛けると、返事はなく手だけが動いている様に見えました。
「お前仕事が優先だって言われただろ、リーダーに叱られるぞ」
肩を掴み振り向かせようとすると、肩がポロっと取れます、手を見ると小さなひよこの人形があります、変だと思い人影をよく見ると、仲間の男ではなく小さなぬいぐるみの集合体でした、男が慌てて下がった先にはぬいぐるみたちが待っていて背中から襲い掛かります、抵抗できず男はぬいぐるみだらけになり意識を失いました。
先に進んだ3人は、またあのふたりは寄り道かと、気にせずに目標を探します、部屋を奥から調べようと進み扉を開けました、ベッドに誰かが寝ているのか掛け布団が膨らんでいます、大きさから大人の女性だと分かり、リーダー以外は声を出さないようにして喜びます。
「良し、サジはそいつを拘束しろ、俺とミブは他の部屋だ」
リーダーの指示で一人を残し、他の部屋に移動します、残った男はしめしめとベッドに飛び込みます、ベッドに寝ていたモノは暴れます、それを喜び男は力を入れます。
顔を近づけ相手に口づけをします、でも感触が変だと顔を離すと、そこには相手の顔がありませんでした。
「ど、どうなってやがる!?」
一言だけを述べた直後、人だと思った影がバラバラになり、紐の様に細くなって男をグルグル巻きに縛ったんです、ベッドの上で暴れますが複数個所を縛られて解けません、そこに小さな人形が目の前に来てこん棒を持っていました、男が止めろと叫ぶ前にこん棒は振り下ろされ、男は衝撃を受けて意識を無くします。
次の部屋に入ろうとしたふたりの男は、扉が開かないので道具を使いカギを開けようと試みます【カチャカチャ】と音を響かせ【カチャリ】と音が聞こえます、良しとばかりの扉を開けると、そこは黒い壁でした。
「何だこれは、どうして壁が?」
黒い壁を触って叫ぶリーダーは手を引っ張られ飲み込まれて行きました、残った男はリーダーを引っ張りますが飲み込まれる力が強く、手を放してしまいます。
怖くなり後ろに下がると、扉にぶつかりその扉には鍵がかかっていませんでした、扉は開き男はそのまま後ろに倒れます、頭を打ってしまい痛がっていると、横に人形が座っていました、その人形はさっき男が蹴った人形にそっくりで男は焦ります。
「ど、どうしてこれがここにある」
そう思い邪魔だと手で振り払います、人形はいなくなりましたがその手に痛みをうけました、手の平を見ると人形がくっ付いていて、小さな包丁を男の手に突き刺し、人形は男を見ています。
恐怖を感じて手を振り回します、でも人形は取れません、それどころか人形がどんどんと腕を登って来て男の肩に乗りました。
「な、何なんだこれは、どきやがれ!」
振り落とそうと手で払うと、その手は包丁で刺され肩に固定されます、男は叫ぼうとしますが人形に口を塞がれ阻止されます、男はそのままで部屋を出ようと走り、何とか部屋を出る事が出来ました、礼拝堂までの廊下には人形やぬいぐるみが沢山置かれ、男に飛び付いてきます、男は片手で払おうとします、でもそれは叶わず人形たちに足を掴まれとうとう倒れてしまいます、叫ぼうにも人形たちによって防がれ、鼻も抑えられて息が出来なくなり意識を無くしたんです。
男たちは、兵士の集まる詰め所に拘束されて翌朝発見されます、髪は白く変わり男たちの心は何処かに行ってしまっていました。
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