24 / 73
第二章 ジャルヌ教編
第24話 ジャルヌ教編3
しおりを挟む
「さぁ、皆で祈りましょう……尊き命を再びこの世に導いて下さったジャルヌ様に向けて」
そう言って神父は教壇で両手を合わせて祈りを捧げる、その合図とともに100人は座れる長椅子から溢れるほどの人々が祈りを捧げた。
「アダムスさん、祈らないと怪しまれますよ」
「すまない……」
祈るフィルディアの隣で周りを見ていたアダムスの事を肘で突き知らせる、アダムスはそっと手を合わせると祈りを捧げる振りをする、ジャルヌ……何処か胡散臭かった。
数分間の祈りが終わると人々は外へと出て行き教会内にはいつも通りの聖書を聞く人々しか残らなくなる、ジャルヌについて情報を得ようにも下手に探るとアルスセンテの任務とバレる可能性もあった。
「どうしますフィルディアさん」
「そうですね……」
アダムスの言葉に腕を組むフィルディア、こう言う任務の経験は彼女の方が上の筈だった。
「普通なら聞き込みとかするんですけど今の私達は長期休暇の身……聞き込みをするにしても怪しまれますしね……困りました」
難しそうな表情をしてそう言うフィルディア、その時ふと後ろを見ると白髪の神父がこちらに近づいて来た。
「まさかバレたのか……」
「落ち着いて下さい、私達は有名人です……恐らく挨拶でしょう」
焦るアダムスを落ち着かせるフィルディア、確かにアルスセンテはこの街で知らぬ人は居ない……少し焦った自分が恥ずかしかった。
「これはこれは、アルスセンテのフィルディア様にアダムス様、お二方もジャルヌ様を信仰しに?」
「ええ、ですが凄い人でしたね」
「そうですね、先日の襲撃で多くの人が無くなりましたからね……その分ジャルヌ様に家族や友を生き返らせて欲しい人も多いのですよ」
神父の言葉に俯くアダムス、確かに生き返らせれるものなら街の人を生き返らせて欲しいものだった、守れなかった罪悪感が今を自分を押しつぶして居る……だが今は任務の最中、直ぐに切り替えるとアダムスは神父に尋ねた。
「任務や遠征で疎かったのですがジャルヌ教とは具体的にはどんな宗教なのですか?」
「ジャルヌ教は神聖なる宗教ですよ、大天使のジャルヌ様へ祈りや供物を捧げ、死んだ者を生き返らせてもらう、至ってシンプルな宗教です」
供物……その言葉に二人は敏感に反応した。
「供物と言うのは?」
「果物ですよ、ジャルヌ様が初めて現れた村は果物の名産地でして、そこからジャルヌ様は果物好きなのではという事で果物を捧げて居るのですよ」
そう言って教壇の後ろに祀られたジャルヌと見られる天使の銅像の下を指差す神父、そこには確かに沢山の果物が供えられて居た。
「そうでしたか、知らずに手ぶらで来てしまいすみません」
「誰にでも知らない事はあります、ジャルヌ様も許してくださるでしょう」
そう言ってニッコリと笑う神父、その時ふと朝出会った少年が祭壇の近くにある部屋へと入って行くのが見えた。
「あの部屋は?」
祭壇近くにある部屋を指差すアダムス、それを見て神父は少し間を空けて答えた。
「あれは果物を保管してる場所です、あの子は孤児でして私が引き取り育ててるのですよ」
「孤児ですか、彼以外にも?」
「はい、この教会の裏に私の家があるのですがそこで5人程の子供が暮らしてますよ」
そう言って笑顔を見せる神父、今の所怪しい所は一切無かった。
だが言葉を全て信じた訳でも無かった。
「そうですか、今日は帰ります、また明日果物を持って来ますね」
「はい、貴方にもジャルヌ様の加護があらん事を……」
そう言って祈る神父を背にアダムスとフィルディアは教会を出る、そして教会脇の細い路地に入ると神父の家を覗いた。
市民が住まう居住区にしては少し大きめな三階建の家、ちゃんと庭もあり鉄格子の扉もある……そこそこに良い家だった。
部屋数はパッと窓を見る限り5部屋以上はある、子供を引きっとていると言うことは嘘では無さそうだった。
「どうですアダムスさん?」
「怪しい所は無いですね、ジャルヌ教が子供を供物にしていると言うのは本当なのですか?」
「うーん……決定的証拠が無いですし噂ですからね、誰から出たかも分からない……ただ子供が失踪する事件とジャルヌ教の出来た時期が近いので何とも」
そう言って難しい顔をするフィルディア、神父を見る限りとてもでは無いが子供を生贄にする人には見えない……だが団長は確かに情報を掴んだと言っていた……潜入任務は難しいと言うレベルでは無かった。
そもそもジャルヌ教については分からない事だらけだった。
まず子供が生贄にされている確証、この目で見た訳では無くジル団長からの話だけ……にわかに信じ難かった。
だがそれよりもジャルヌと言う天使の存在が信じられなかった。
蘇生した人は何処にいるのか、誰かその姿を見たのか……全部は『~と言うらしい』と言う噂話、確かめる必要があった。
何も分からず神父の家を眺めているフィルディアを見る、彼女は連れて行かない方が良さそうだった。
「今日の所は解散しよう、また追々二人とも作戦を考えて話し合おう」
その言葉に意外そうな表情をするフィルディア、そして彼女が頷くのを確認するとアダムスは自分の家へと向かった。
カチカチと時計の針が動く音が聞こえる、ふと部屋の時計を見ると22時を指していた。
外は暗く街の活気も少しずつ収まって行く、そろそろだった。
アダムスは音の鳴る鎧は着ずにラフな少し買い物に行くような格好をして怪しまれないよう懐に短刀を入れて外へ出る、ジャルヌ教の神父の家に行けば何か分かるはずだった。
この街にジャルヌ教の教会は三つ、そして神父も3人……昼の間に全ての家を下調べした、家の規模や孤児を引き取っていると言う事を考えると祈りに行った教会の神父が1番可能性があった。
「さてと……やるか」
バレれば作戦すら終わる可能性がある……責任は重大だった。
階段を降りて明るい街へと行く、街には店を閉める準備をしている露店商の人ばかりだった。
一人、一人と目が合う、その度に心臓が止まりそうになった。
誰か自分の事を怪しんでいるのでは無いか……神父に来る事がバレてるのでは無いか……色々な事が頭の中を駆け巡っていた。
生きている心地がしない……早く証拠を掴んで家に帰り寝たかった。
教会の前は街灯が付いているものの薄暗く、脇の家に続く路地裏も家の灯りのみで不気味だった。
「ひとまず教会は……」
教会の扉が開いているかを確認する、だが当然扉は開いて居なかった。
するとアダムスは路地裏に入り上を見上げる、屋根には天窓が二つ付いて居た。
『付与/部位強化、足』
周りに聞こえないように静かにボソッと呟き足に魔法を掛けるとグッと踏み込みジャンプする、そして軽々と15メートルはある屋根に着地すると天窓をゆっくりと開けた。
『重力軽減』
魔法で重力を少し軽くして高所からの落下を和らげると静かに下へと着地する、そして辺りを見回すと静かに祭壇の方へと向かった。
祭壇に置いてあった果物は無くなって居た。
「話によれば右の部屋に保管してるんだよな……」
神父の言って居た部屋の方を見ると歩き出す、ふとジャルヌを模した像が視界に入るが瞳が赤く煌めき不気味だった。
昼は明るく美しい像だったが夜になるだけでこうも不気味になるとは……
「そんな事より早く探索するか」
アダムスは顔を叩き切り替えるとそっと短刀を構えて扉に手を掛け、中へと入って行った。
そう言って神父は教壇で両手を合わせて祈りを捧げる、その合図とともに100人は座れる長椅子から溢れるほどの人々が祈りを捧げた。
「アダムスさん、祈らないと怪しまれますよ」
「すまない……」
祈るフィルディアの隣で周りを見ていたアダムスの事を肘で突き知らせる、アダムスはそっと手を合わせると祈りを捧げる振りをする、ジャルヌ……何処か胡散臭かった。
数分間の祈りが終わると人々は外へと出て行き教会内にはいつも通りの聖書を聞く人々しか残らなくなる、ジャルヌについて情報を得ようにも下手に探るとアルスセンテの任務とバレる可能性もあった。
「どうしますフィルディアさん」
「そうですね……」
アダムスの言葉に腕を組むフィルディア、こう言う任務の経験は彼女の方が上の筈だった。
「普通なら聞き込みとかするんですけど今の私達は長期休暇の身……聞き込みをするにしても怪しまれますしね……困りました」
難しそうな表情をしてそう言うフィルディア、その時ふと後ろを見ると白髪の神父がこちらに近づいて来た。
「まさかバレたのか……」
「落ち着いて下さい、私達は有名人です……恐らく挨拶でしょう」
焦るアダムスを落ち着かせるフィルディア、確かにアルスセンテはこの街で知らぬ人は居ない……少し焦った自分が恥ずかしかった。
「これはこれは、アルスセンテのフィルディア様にアダムス様、お二方もジャルヌ様を信仰しに?」
「ええ、ですが凄い人でしたね」
「そうですね、先日の襲撃で多くの人が無くなりましたからね……その分ジャルヌ様に家族や友を生き返らせて欲しい人も多いのですよ」
神父の言葉に俯くアダムス、確かに生き返らせれるものなら街の人を生き返らせて欲しいものだった、守れなかった罪悪感が今を自分を押しつぶして居る……だが今は任務の最中、直ぐに切り替えるとアダムスは神父に尋ねた。
「任務や遠征で疎かったのですがジャルヌ教とは具体的にはどんな宗教なのですか?」
「ジャルヌ教は神聖なる宗教ですよ、大天使のジャルヌ様へ祈りや供物を捧げ、死んだ者を生き返らせてもらう、至ってシンプルな宗教です」
供物……その言葉に二人は敏感に反応した。
「供物と言うのは?」
「果物ですよ、ジャルヌ様が初めて現れた村は果物の名産地でして、そこからジャルヌ様は果物好きなのではという事で果物を捧げて居るのですよ」
そう言って教壇の後ろに祀られたジャルヌと見られる天使の銅像の下を指差す神父、そこには確かに沢山の果物が供えられて居た。
「そうでしたか、知らずに手ぶらで来てしまいすみません」
「誰にでも知らない事はあります、ジャルヌ様も許してくださるでしょう」
そう言ってニッコリと笑う神父、その時ふと朝出会った少年が祭壇の近くにある部屋へと入って行くのが見えた。
「あの部屋は?」
祭壇近くにある部屋を指差すアダムス、それを見て神父は少し間を空けて答えた。
「あれは果物を保管してる場所です、あの子は孤児でして私が引き取り育ててるのですよ」
「孤児ですか、彼以外にも?」
「はい、この教会の裏に私の家があるのですがそこで5人程の子供が暮らしてますよ」
そう言って笑顔を見せる神父、今の所怪しい所は一切無かった。
だが言葉を全て信じた訳でも無かった。
「そうですか、今日は帰ります、また明日果物を持って来ますね」
「はい、貴方にもジャルヌ様の加護があらん事を……」
そう言って祈る神父を背にアダムスとフィルディアは教会を出る、そして教会脇の細い路地に入ると神父の家を覗いた。
市民が住まう居住区にしては少し大きめな三階建の家、ちゃんと庭もあり鉄格子の扉もある……そこそこに良い家だった。
部屋数はパッと窓を見る限り5部屋以上はある、子供を引きっとていると言うことは嘘では無さそうだった。
「どうですアダムスさん?」
「怪しい所は無いですね、ジャルヌ教が子供を供物にしていると言うのは本当なのですか?」
「うーん……決定的証拠が無いですし噂ですからね、誰から出たかも分からない……ただ子供が失踪する事件とジャルヌ教の出来た時期が近いので何とも」
そう言って難しい顔をするフィルディア、神父を見る限りとてもでは無いが子供を生贄にする人には見えない……だが団長は確かに情報を掴んだと言っていた……潜入任務は難しいと言うレベルでは無かった。
そもそもジャルヌ教については分からない事だらけだった。
まず子供が生贄にされている確証、この目で見た訳では無くジル団長からの話だけ……にわかに信じ難かった。
だがそれよりもジャルヌと言う天使の存在が信じられなかった。
蘇生した人は何処にいるのか、誰かその姿を見たのか……全部は『~と言うらしい』と言う噂話、確かめる必要があった。
何も分からず神父の家を眺めているフィルディアを見る、彼女は連れて行かない方が良さそうだった。
「今日の所は解散しよう、また追々二人とも作戦を考えて話し合おう」
その言葉に意外そうな表情をするフィルディア、そして彼女が頷くのを確認するとアダムスは自分の家へと向かった。
カチカチと時計の針が動く音が聞こえる、ふと部屋の時計を見ると22時を指していた。
外は暗く街の活気も少しずつ収まって行く、そろそろだった。
アダムスは音の鳴る鎧は着ずにラフな少し買い物に行くような格好をして怪しまれないよう懐に短刀を入れて外へ出る、ジャルヌ教の神父の家に行けば何か分かるはずだった。
この街にジャルヌ教の教会は三つ、そして神父も3人……昼の間に全ての家を下調べした、家の規模や孤児を引き取っていると言う事を考えると祈りに行った教会の神父が1番可能性があった。
「さてと……やるか」
バレれば作戦すら終わる可能性がある……責任は重大だった。
階段を降りて明るい街へと行く、街には店を閉める準備をしている露店商の人ばかりだった。
一人、一人と目が合う、その度に心臓が止まりそうになった。
誰か自分の事を怪しんでいるのでは無いか……神父に来る事がバレてるのでは無いか……色々な事が頭の中を駆け巡っていた。
生きている心地がしない……早く証拠を掴んで家に帰り寝たかった。
教会の前は街灯が付いているものの薄暗く、脇の家に続く路地裏も家の灯りのみで不気味だった。
「ひとまず教会は……」
教会の扉が開いているかを確認する、だが当然扉は開いて居なかった。
するとアダムスは路地裏に入り上を見上げる、屋根には天窓が二つ付いて居た。
『付与/部位強化、足』
周りに聞こえないように静かにボソッと呟き足に魔法を掛けるとグッと踏み込みジャンプする、そして軽々と15メートルはある屋根に着地すると天窓をゆっくりと開けた。
『重力軽減』
魔法で重力を少し軽くして高所からの落下を和らげると静かに下へと着地する、そして辺りを見回すと静かに祭壇の方へと向かった。
祭壇に置いてあった果物は無くなって居た。
「話によれば右の部屋に保管してるんだよな……」
神父の言って居た部屋の方を見ると歩き出す、ふとジャルヌを模した像が視界に入るが瞳が赤く煌めき不気味だった。
昼は明るく美しい像だったが夜になるだけでこうも不気味になるとは……
「そんな事より早く探索するか」
アダムスは顔を叩き切り替えるとそっと短刀を構えて扉に手を掛け、中へと入って行った。
0
お気に入りに追加
283
あなたにおすすめの小説
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~
Lunaire
ファンタジー
壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。
辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。
しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。
他作品の詳細はこちら:
『転生特典:錬金術師スキルを習得しました!』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/906915890】
『テイマーのんびり生活!スライムと始めるVRMMOスローライフ』 【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/515916186】
『ゆるり冒険VR日和 ~のんびり異世界と現実のあいだで~』
【https://www.alphapolis.co.jp/novel/297545791/166917524】
【完結】言いたいことがあるなら言ってみろ、と言われたので遠慮なく言ってみた
杜野秋人
ファンタジー
社交シーズン最後の大晩餐会と舞踏会。そのさなか、第三王子が突然、婚約者である伯爵家令嬢に婚約破棄を突き付けた。
なんでも、伯爵家令嬢が婚約者の地位を笠に着て、第三王子の寵愛する子爵家令嬢を虐めていたというのだ。
婚約者は否定するも、他にも次々と証言や証人が出てきて黙り込み俯いてしまう。
勝ち誇った王子は、最後にこう宣言した。
「そなたにも言い分はあろう。私は寛大だから弁明の機会をくれてやる。言いたいことがあるなら言ってみろ」
その一言が、自らの破滅を呼ぶことになるなど、この時彼はまだ気付いていなかった⸺!
◆例によって設定ナシの即興作品です。なので主人公の伯爵家令嬢以外に固有名詞はありません。頭カラッポにしてゆるっとお楽しみ下さい。
婚約破棄ものですが恋愛はありません。もちろん元サヤもナシです。
◆全6話、約15000字程度でサラッと読めます。1日1話ずつ更新。
◆この物語はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆9/29、HOTランキング入り!お読み頂きありがとうございます!
10/1、HOTランキング最高6位、人気ランキング11位、ファンタジーランキング1位!24h.pt瞬間最大11万4000pt!いずれも自己ベスト!ありがとうございます!
異世界転生したらよくわからない騎士の家に生まれたので、とりあえず死なないように気をつけていたら無双してしまった件。
星の国のマジシャン
ファンタジー
引きこもりニート、40歳の俺が、皇帝に騎士として支える分家の貴族に転生。
そして魔法剣術学校の剣術科に通うことなるが、そこには波瀾万丈な物語が生まれる程の過酷な「必須科目」の数々が。
本家VS分家の「決闘」や、卒業と命を懸け必死で戦い抜く「魔物サバイバル」、さらには40年の弱男人生で味わったことのない甘酸っぱい青春群像劇やモテ期も…。
この世界を動かす、最大の敵にご注目ください!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
女神の白刃
玉椿 沢
ファンタジー
どこかの世界の、いつかの時代。
その世界の戦争は、ある遺跡群から出現した剣により、大きく姿を変えた。
女の身体を鞘とする剣は、魔力を収束、発振する兵器。
剣は瞬く間に戦を大戦へ進歩させた。数々の大戦を経た世界は、権威を西の皇帝が、権力を東の大帝が握る世になり、終息した。
大戦より数年後、まだ治まったとはいえない世界で、未だ剣士は剣を求め、奪い合っていた。
魔物が出ようと、町も村も知った事かと剣を求める愚かな世界で、赤茶けた大地を畑や町に、煤けた顔を笑顔に変えたいという脳天気な一団が現れる。
*表紙絵は五月七日ヤマネコさん(@yamanekolynx_2)の作品です*
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる