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第2章 更なるレベルアップへの道のり
第19話 次なる目的地
しおりを挟む「ぷぎゃ~~~、ゆ、許してくれ。頼む。もう殺してくれ……」
「お前、言ったよな? 確か、”強者に隷属するのは必然”ってさ」
「ご、ごめんなさいっ! 我が間違ってましたっ! ちょーしこいてましたっ! ソウ様の足元にも及ばないゴミ同然の我を許してくだざい~~~っっっ!」
もうかつでの面影もないほど奴はボロボロと涙を流し、俺に哀願する元キング。
「ダメだな」
「ど、どうしてでございますかっ!?」
「俺のレベルだ」
「は? レベル?」
「あぁ、お前のレベルは6000ほどだと言っていたな? じゃあ俺の闇魔法のレベルだって6000以上にまで上がるはずなんだ」
「は?? で、でもソウ様の強さはもう十分ではないですか!」
「そんなことは関係ない。俺は全てをコンプリートする予定でね。お前のレベル付近まで闇魔法を上げたいんだ。それまで付き合ってもらおう」
「は??? そ、そんなことって……。では我はどれほどアナタ様に付き合えば……」
「ま、あと千回位かな?」
「ブギャ~~~~ッッッ!!!」
後ろを向いて一目散に逃げようとするオークキング。だが、結界を張っていたため、バンッっと顔面からぶつかって動けなくなった。そして奴は崩れ落ちるように膝を地面につけた。
「大丈夫だって! 俺もかなり慣れてきたんだ! ホラ、一周でたったの十秒! 最速でやっていけばすぐに終わるさ。な?」
「お、お許しくださ~~~~いっっっ!」
そこから十秒ごとにオーギュストの断末魔が響いていくのであった。
「よしっ! レベルが6500まで上がったぞ!」
すでに日は夕暮れになっていた。
「だ、だずげで……ぐだざ……い」
「あぁ、ありがとう。ここまで付き合ってくれて! 助かったよ」
「で、でば……」
「あぁ、これで最後だ」
「ブヒャッ! こ、これでやっと死ねる……」
俺は唐突に聞きたいことがあったのを思い出した。
「あ、そうだ。聞いておきたいんだが、魔王ってのは何者なんだ?」
「わ、我が主人のことを話すとでも……」
「よし、あと千回追加な!」
「う、うそです‼ 何でも言います! お願いですからこれ以上のご無体はご勘弁を!」
オークキングに最早プライドというものは微塵も残っていないようだ。あっさりと土下座をして俺にひれ伏す。
「ならば、知っていることを全て話してもらおう」
「魔王様は我の遠征には反対しておられた。だが、魔族議会でこの世界への進行が決まってしまったのです。そしてその先遣隊として我が選ばれまして……」
「ほぅ、では何故この世界へ進行することになったんだ?」
「ま、魔界はもう限界が来ているのです。太陽を覆う黒い雲が晴れず、作物は育たない。その上、魔物は少なくなっており、エサを奪い合う暴動が絶えなくなっているのです」
「ふむ。魔界がそんなことになっているのか。お前は先遣隊だと言ったな? ではまた魔族とやらが送られてくるのか?」
「はい、次は恐らくヴァンパイア族達が……」
「そうか。では次はどこへ侵攻するつもりだったんだ?」
「エルフの住む世界樹を目標としていました。詳しいことはわからないのですが……」
「……っ!」
エルフだと? ミーナも関係あるはずだ。
「そうか、色々とありがとう」
ホーリーソードでオーギュストの首を跳ねた。
オーギュストの死に顔はこれ以上ないくらいの笑顔だった。
「うむ、安らかに眠れ。戦友よ」
さて、やるべきことは終わったが……。
周りを見渡すと、オーク達が暴れまわったがために破壊され尽くした森が広がっている。
ちょっと派手にやりすぎちゃったな。見るだけで心が痛んでくる。
俺は辺り一帯に範囲を思いっきり広げたエリアキュアーとエリアヒールを使用した。対象はこの森だ。
オークとの戦いで深いダメージを負った森を元に戻したかったのだ。
「森よっ、戻れっ!」
目を閉じて目一杯魔力を開放するように叫ぶ。俺の念が通じたのか、広大な魔法陣が広がっていき、キラキラと輝く聖なる光りが辺りを包み込んだ。
真っ白い光りは眩しく、目を閉じていても視界は真っ白に染まり、やがて薄れていった。ゆっくりと目を開けると、まるで何事もなかったかのような密林が戻っているのだった。
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