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こうして、全てが終わりました。
長かったやおい話も、これで最後です。
こうして振り返ってみると、高校生のような子どもの恋愛でした。
19年経った今でも、当時から1ミリも前に進んでいないようです。
すぐに忘れるかと思ったけど、付き合った時間と忘れるまでの時間は比例しないようです。
忘れるのにかかる時間は、相手をどれだけ好きだったかによるのだと思います。
彼は、自分との子供っぽい付き合いなんて物足りなかったかな。

今は、とても旅行なんてできるご時世なんかじゃないから、行ける時に袋田の滝を見に行っておいて良かったです。
でも、自分の中の彼との旅は、きっとこれからも続くのでしょう。
たぶん、自分はずっと彼との思い出と生きていくのだと思います。
彼のことを思い出しては、懐かしんだり、また寂しさに襲われたりしながら、自分の人生は続いて行きます。

人は、人生の終わりに、それまでの人生が走馬灯のように見える、と聞いたことがあります。
自分にも見えるだろうか。
その時、その中で彼と再会できるのかな?
その中で会える彼は、きっといつまでも、若くて、素敵で、優しい彼のままなんでしょうね。
その時、自分はどうなっているのか?
よぼよぼで皺くちゃなお爺さんだろうか?
その時は、こんなに年をとってしまってごめんね、と謝らないと。

運命の人って、いるんだなぁ、と思います。
彼と出逢って今日に至るまでに思ったのは、運命の人って、ずっと一緒に添い遂げる人、とは限らないのだなぁ、ということです。
そういう意味では、彼は自分の人生を変えてくれた運命の人になるのだと思います。そんな、運命の人に出逢えた自分は、なんて幸せ者なんだろうと思います。

でも、きっと彼にとって自分は、ただの通りすがり程度なのだろうなぁ。
もう、忘れてしまっただろうか?
少しも思い出すことも無いだろうか?
自分も、彼のことを忘れられたら楽になれるのかな?
でも、そうしたら自分には何も無くなっちゃうな。そう考えると、何も無いよりはよかったかなと思うけど。
きっと彼は自分と付き合ったことなんて、忘れただろうね。それでいい。その代わり、自分がずっと忘れないでいるから。
自分にとって、彼は、青春の全てでした。


最後に、ここまでお付き合いいただいた皆様に、感謝いたします。そして、読んでいただいた皆様にも、運命の人が現れますように。ありがとうございました。

2021年8月31日
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みんなの感想(1件)

むつみ
2021.08.29 むつみ

はじめまして。切ない物語ですが、自然とその情景を思い浮かべる事が出来ました。あなたの気持ちに寄り添ってくれる女友達にありがとうと伝えたくなりました。

あらんすみし
2021.08.29 あらんすみし

感想をいただきまして、ありがとうございます。
ほんとうに、彼女には感謝の言葉しかありません。この備忘録を書いていて、自分の周りの人達の温かさとか、大切さを思い出して、人に恵まれていたことを再認識することもできました。

物語は残り僅かですが、最後までお付き合いいただければ幸いです。

解除

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