僕と精霊〜The last magic〜

最後の魔法編

第210話その2 僕らの意地

『撃て！』
号令と共に空から弾丸の雨が降り注いだ。

「チッ、邪魔が入ったか」
だがマモンにとって弾丸の雨などただの雨に過ぎない。何事も無いようにジャンを睨みつけている。

「科学軍！」
弾丸を撃ち込んだのは大量のドローンだった。
「おいおいアイツら敵じゃないのかよ」
「サラさん！今のうちに」
ザル達もやって来ていた。ザルはサラを背負う。

「おっも！」
「おいレディに重いとか言うな」
「無茶言うなよ..こちとら命の恩人だぞ」
「まぁそうだな」

「イリュージョンホーン❗️」
メイデンの角の輝きと共にマモンは幻影に包まれる。
「このっ‼️」

「呪鎌超満月斬スーパーフルムーンサイズ‼️」
回転した大鎌が月の光を放ちながらマモンの左腕を斬り落とす。
「なっ！？」

「スフール！」
「ジャン！今よ❗️」
大鎌を投げたのは白夜だ。ジャンは体に電気を纏い、一瞬でマモンの懐に潜り込む。

「迅雷じんらい❗️」
ジャンの拳がマモンの心臓に響く。
「ガハッ❗️..まだだ..この程度」
マモンの再生は止まらない。すぐに万全の姿に戻る。

「クソッ！」
「不死身..？」
(白夜！回避！)
マモンを中心に次元が歪み、地割れが発生する。

「おい！相手は俺だぜ！アグニ❗️」
「ウオォォォォ‼️」
ジャンが作り出した火柱は次元の歪みに掻き消される。

「次元強化ァァ❗️俺を！真の魔王にしろぉぉぉ‼️」
別の次元から更に悪魔の魂が吹き荒れる。
「最初からそうすればァァ‼️ケッヘヘヘ❗️これで！これで！こぉい❗️カスどもォォォォォォ❗️」
数百、数千、数万の悪魔達の魂がマモンの中に吸い込まれてゆく。

「おいおい、マジかよ」
「よし！ザル離せ」
「え！？って！軽っ！」
「時間経過で効果が消えるのか..とりま行くか」
サラはザルに投げ飛ばされ、マモンに近づく。

「武人ぶじんの頂いただき・羅夢怒ラムド」
サラの背後に現れた巨人がマモンを押しつぶす。

「すぐにくる！備えろ❗️」
サラの言う通り、巨人の拳はすぐに持ち上げられ始める。
「邪魔をするなぁ❗️ジャン・バーン！来い！」

「斬鬼刃ざんぎば❗️」
「シードガン！」
「このォォ❗️」
「レート！リベラ！」
レートの斬撃によって体制を崩したマモンにリベラが弾丸状の種を植え付けた。

「小癪な...っ！？」
マモンの体中から植物が成長し始める。
「な、なんだ..力が...」

「あなたの生命力を利用して成長する花です」
「リベラ！良いから距離取るよ！」
レートはすぐにリベラを背負ってマモンから離れる。

「せっかくの花だ、燃やすのは勿体無い」
ジャンは魔刀に魔力を集中させ、マモンの顔面を貫く。
「無駄だ..俺は死なん。ゼルべの魂が俺を不死身に..」
「なんだ？さっきよりも回復が遅くなってるな」

「ジャン！離れろ！このまま押し潰す❗️」
「了解！」
再び巨人の拳によってマモンは押し潰された。