僕と精霊〜The last magic〜

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最後の魔法編

第193話 嗚呼、憎き愛しい弟よ

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 数々の死闘が繰り広げられる龍神町。ジャン達は大物達を相手していたが小物の大群は町に残った者達が撃退していた。

「白夜!そっちいった!」
「ええ!」
白夜は大鎌の一振りで複数の悪魔を両断していった。

「たくっ!どんだけ湧いて来んのよ!キリがない!リベラお願い!」
「ええ!」
リベラの指から発射した種が成長して強大な木の壁が出来上がる。

「こっちの避難は済んだぞ!アンタらも避難をするんだ!」
白夜達は悪魔を倒しながら避難所に逃げ遅れた者達を誘導していた。

「リベラ!他の所に行ってくる!」
「お願い!」
リベラは休憩する事なく、次の戦地へ向かう。

「私達は逃げ遅れがいないか探そうか」
「そうね」
「そうか、じゃあ気を付けてくれな!」
一緒に戦ってくれた人と別れ、白夜達は救助活動を始めた。

「誰か!居たら返事をお願いします!」
「おーい!居ますかー!」

「ローズ!あそこ!」
白夜が指差す方向には悪魔に囲まれている少年がいた。
「危ない❗️」
すかさずローズは悪魔達を蹴り殺して少年を救出する。

「さぁもう大丈夫よ。家族の人は?」
ローズの問いに少年はにやける。
「どうした?」

「お姉ちゃん!」
「え?」
「殺しちゃえ!」
突如として振り下ろされた剣をローズは受け止める。

「なんのつもり?私達はあなたの敵じゃないわ」
「白夜!気をつけて!戦闘体制!」
ローズは少年を蹴り飛ばし、白夜と共に戦闘体制に入る。

「お姉ちゃん、会いたかったよ!ずっと...ずっとこの手で殺したかったんだ!」
少年は剣を構え直して笑う。
「何よアンタ?ふざけてんの?不快ね」

「不快?傷付くなぁ...やっぱりお姉ちゃんは僕の事が嫌いなんだなぁ」
「さっきからお姉ちゃん、お姉ちゃんって!一体誰なのよアンタ!」
ローズは痺れを切らして少年に飛び掛かる。

「酷いなぁ..お姉ちゃんって本当に僕の事が嫌いだったんだ。でも僕が死んだのはお姉ちゃんのせいだもんね。お姉ちゃんが殺したようなものだからね。僕だよ、お姉ちゃん。ナージャだよ」
「...!?」
少年の答えにローズは呼吸を乱し始める。

「う、嘘、嘘よ..だって、ナージャはあの時」
「そうだよ。僕は死んだんだ!大好きだったお姉ちゃんに酷い事を言われて!みんなが言ってるよ!僕の体の中でみんながそう言ってるんだ!」
ナージャの体からは軋む音のように亡者の嘆き声が聞こえてくる。

「違う、私はそんな...」
「ローズ!油断しないで!」
「う、うるさい!白夜は黙っててよ!」
動揺を隠せないローズ。目の前に現れた弟に立ち向かえるのか?


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