僕と精霊〜The last magic〜

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最後の魔法編

第157話 作り物の体、双子の魂

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 アドロンが無事に目を覚ました。今回は以前のように数週間眠る事なく、アミィの力で解決できた。

「母さん、今何したの?」
「アドロンの体は人形でしょ?だから、前に倒れた時に白夜さん家のローズちゃんに聞いてみたの」

「人形...」
ふとアドロンが小さな声を漏らす
「ローズにですか?」
「ええ、聞いてみたら。多分アドロンは魔力とは別に呪力に近いエネルギーで動いてるかもしれないって。だから呪力を使えるように練習してみたの。どうらアドロン?体に異変は無い?」

「う、うん...大丈夫」
アドロンはそのままトボトボと階段を登り始める
「おい、ご飯は良いのか?」
「いい、食欲ないし...食べなくても別に大丈夫だし」

「ちょっと心配なので見てきます」
「俺も」
「2人とも、お願いね」
ツイスターとスカルドも付いていく

「さ、私達は先に食べてましょうか」
「アドロンのヤツ、大丈夫かな」
食卓に皿を運びながら皆はアドロンの心配をする

「はい、ルナちゃんには卵かけご飯。あーん」
「あーん!」
ルナの小さな口で美味しそうに食事をする

「アスモン大盛りが良い!」
「ほいよ」
大量に作られたピラフはアスモンも分を盛ってもまだまだ余っている。その光景を見てパンプのお腹が鳴き叫ぶ

「どうしたのパンプちゃん?」
「アミィ、今日の事反省するからピラフ食べていい?」
「お腹空いたの?」
「うぅ..」
アミィはパンプの困り顔を見て少し笑う

「ふふ、意地悪してごめんね。パンプちゃんもいらっしゃい」
「うわぁい!」
無事にパンプも夕食にありつけた。


アドロンの部屋

「人形...やっぱり、私達に普通の暮らしなんて無理なのかな...美味しいご飯を食べて、あったかいお風呂に入って、トイレに行ったり、ぐっすり寝たり...俺らが生きてた頃ってどんな生活だったっけ?...良く覚えてない。もうこの体になってからの方がずっと長いし」
「アドロンさん」
2人が部屋に入ってきた

「ツイスター、それにスカルドか...お腹空いてるでしょ?みんなと食べてきたら?」
「ならアドロンさんも」
「食欲ない」

「でも食べないと元気が」
「っ!分かってるくせに!馬鹿にしてるのか!...お兄ちゃん!...悪い」
アドロンの怒鳴り声で少しツイスターが震える

「どうしたんだよアドロン?せっかく無事に目を覚ませたってのに」
「なぁ、スカルド、ツイスター。お前らは俺らをどう思ってる?」

「どうって、家族だろ」
「そうですよ」
2人は食い気味に答える

「そうじゃない、俺らのこの体の事だ」
アドロンは手首の球体関節を見ながら問いかける





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