僕と精霊〜The last magic〜

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絶海の孤島編

第120話 悲鳴

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 セバス達はミセリアの匂いを辿って民家に到着した。

「此処は...ミセリアちゃんのお家かしら?」
「おっきいなぁ...」
「間違いなくこの家にいます」

「なら無事に帰れたみたいね、良かった」
「では帰りましょうか」
セバスが自宅へ走り出そうとした時、家の中からミセリアの泣き声が聞こえた

「待ってセバス、中からミセリアの声が!」
「むっ!彼女に何かが!」
セバスは咄嗟に家の扉を開けるとそこには頭から血を流したミセリアが居た
 
「ミセリア!」
僕はすぐに彼女を背負って母さん達の方へ戻った
「母さん!ミセリアが!」

「今治すわ!」
アミィはミセリアの傷を癒す。ミセリアは涙を流しながら震える手でアミィの手を握る
「助けて...」

「ミセリア!何処行った❗️」
家の中から鬼の形相をした女が飛び出してきた
「あの者が...おのれ!」

「アンタ達ね!ウチの子に変な事を吹き込んだのは!」
「そう言うあなたこそ!ミセリアちゃんになんて事するんですか!」
アミィは怒り狂った女に胸ぐらを掴まれながらも言い返す

「あなた達にウチの子は関係ないでしょ!さぁミセリア!こっちに来なさい!説教の続きですよ!」
「うぅ...」
「ミセリアちゃんが怖がってます!」

「良いからこっちに!」
「ミセリアをいじめるな!」
ジャンはミセリアの母に顔を引っ掻かれ、額から血を流す

「...っ!ウチの子に何するんですか❗️」
あの時の母さん、すごく怒ってた。ミセリアのお母さんの事を突き飛ばしてすぐに僕の事を手当してくれた。

「お母さん!私の事は殴っても良いから!ジャン君だけには乱暴しないで❗️」
「何よ...元はと言えばアンタみたいな子が居るから全部メチャクチャになったのよ❗️」
「きゃあ!」
ミセリアは母に首を強く握り締められる

「アンタさえ居なければ、あの人も死なずに...アンタさえ居なければ、私は職を失うことも無かった....全部、全部アンタさえ居なければ..❗️」
「くっ...」

「子供になんて事するの!」
「ハァ!」
セバスはミセリアを救出する為に狂気の女に飛びかかる

「セバスさん!ダメ避けて!」
「はっ!グワァ❗️」
突如セバスに雷が降り注ぐ

「キャハハハ!最後の最後に役に立ってくれたみたいね!この子の不幸を呼び寄せる力ぁ❗️」
「助け..」
「やめろぉ!」
僕は必死に止めに入ったけど、子供の力なんてたかが知れてる。簡単に弾き返された

「うぅ...」
「やめろ!やめろって言ってるだろ!やめろぉぉ‼️」
そこからよく覚えてないけどミセリアのお母さんが黒い炎に包まれていくのが見えた。多分、僕がやったんだろう

 でも、そのおかげでミセリアを助ける事ができた。彼女は凄く泣いていた。
「お母さん!お母さん!」
ミセリアは黒い炎を払おうと必死になるが火は消えない

「ミセリアちゃん、危ないわ」
「お母さん!お母さん‼️」
またこの町に少女の声が響いた









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