僕と精霊〜The last magic〜

一般人

文字の大きさ
上 下
178 / 747
摩訶不思議!精霊界編

第60話 みんなと一緒なら

しおりを挟む
 パンプ達が戯れあっている間、ラート達と合流したジャンは作戦を練っていた

「アイツに勝つためにはもっとメンバーが必要だね」
「ああ、とりあえずザルとウリエラは絶対に必要だ。あとは...あの巨体ならリベラもかな...そうだな、リベラ」

「結局、全員必要なんじゃねぇの?」
「まぁそうだな」

「多方面から一気に攻撃とかはどうかな?」
「多方面じゃあ、そんなにダメージを与えられねぇ。まずは一点だ」

「でもその一点攻撃をあの宝石で跳ね返されたら今度こそ全滅だよ」
「なんだよなぁ...どうしようかなぁ」

「はいはいはーい!俺提案!」
試行錯誤に黙り込む一同の中でラートが挙手をしながら立ち上がる
「なんだよラート、なんか良い案でもあるの?」

「へへへっ!ようはその宝石を使わせなければ良いんだろ?俺の考えた作戦はこうだ!こん中の誰かがソイツの気をそらせて!油断した所をみんなでドーンだ!」
ラートは鼻を高くしながら座る

「「「はぁ....」」」
「おっ!どうした?いい案だろ!」

「期待した僕が馬鹿だった」
「ちょっとそれは難しいんじゃないかな」
「で、誰が囮になる訳だ?」

「あー、えっと...レート?」
「弟を売るなよな」
「頼むよ、今度のお使い当番変わってやるから」
「割に合わないよ!」

「まぁ冗談はさておき、どうするかねぇ。ジャン、なんか思いつかねぇか?」
「あれ?俺の作戦は?」
「バカ兄は少し黙っててよ」
「おお辛辣」
ベクトル兄弟の茶番を無視してジャンの口が開く

「1つだけ」
「なんだ!言ってみろよ!」

「皆さん!ただいま参りました!」
ジャン提案を聞く前にウリエラがリベラを抱えて舞い降りて来た

「ウリエラさん!それにリベラさんも!」
「ナイスタイミングだ」
アドロンがガッツポーズを取るとザルとメイデンが続けてやって来た

「退いてください!」
「え?ぬおわぁ❗️」
勢いよくメイデンの突進をくらったラートは池に落ちる

「すみません!」
「殺す気か❗️」
ラートは池から飛び出てせいふくを脱ぎ捨てる

「ザル君!良かったザル君も来てくれ...!」
「ふんっ!」
ザルはメイデンから降りてすぐにジャンの顔を殴る

「何するんだよザル君」
「うるせぇ!テメェまた暴れやがったな!」
「う、うん」
ジャンの胸ぐらを掴んで一気に顔を引き寄せる

「おかげでメイデンはなぁ、家族に会えなかったんだぞ。何のほほんとしてんだよ」
「ご、ごめん」
「たくっ、謝るんならメイデンに謝れ」

「ザル様、私は構いません。すみませんジャンさん、ところで今回暴走の原因は」
「...」
メイデンの問いにジャンは黙り込む

「悪魔だ、悪魔が白夜の足を切り落としやがった」
アドロンがジャンの背中を摩りながら説明をする。ウリエラ達はその事を知り、ピンプ達と一緒に居た白夜に駆け寄る。

 白夜の宝石の足を見て、冷や汗を流す。中には涙を流す者もいた
「ああ...」
「嘘....」
「白夜、足...」

「すまないジャン、こればかりはキレて仕方ないな。てかキレなきゃお前を許せねぇよ」
「おのれ悪魔め、ガブリラの次は友に...」
ウリエラは髪を逆立たせて怒りの表情を浮かべる

「この方々もパンプちゃんのお友達?」
ピリつく空気の中を遮るようにピンプがくいつく
「そうだぞ」
「すごい!パンプちゃんにはいっぱいお友達がいるのね!皆さん弟がいつもお世話になっています!」
目の前にいるパンプのお友達に目を輝かせてピンプはお辞儀をする

「ピンプ、今は挨拶をしている場合じゃ」
「ほらお兄ちゃんお辞儀!」
「ぬおっ!」
ピンプはザンパの頭を下げる

「コイツらはまさか...」
ザルは2人に指を差してパンプを見る
「ああ!オレの兄ちゃんと姉ちゃんだ!」

「「「ええー❗️」」」
「パンプのお兄ちゃんとお姉ちゃん?」
ウリエラ、ザル、メイデンが驚く中、リベラだけ呆然としていた

「良かったじゃねぇかパンプ!お前の家族が見つかって!」
「良かったですねパンプ」
「えへへ」
珍しくザルとメイデンに祝われ、パンプはまた笑みを漏らす

「ってそうじゃない!ジャン!みんな揃ったからアイツ倒しに..うっうう!頭がまたガンガン」
パンプは頭を抑え、またうずくまる

「どうしたパン..!さっきと同じヤツか...!」
ジャンは周りを見て、黒く輝く宝石を見つける

「アレのせいか...!ファイア..ぐわぁ!」
火球を構えて投げようとするが精霊石から走る激痛にジャンは体制を崩す

「お任せを!シャイニング❗️レイ‼️」
ウリエラの背後に現れた無数の光の弾が宝石を貫き、破壊する

(助けて‼️)
(死にたくない‼️)
(みんな大嫌いだー‼️)
(恨んでやる)
宝石は不気味な音を漏らしながら消え去る

「お兄ちゃん、今のって」
「ああ、今まで生贄にされたヤツの嘆きだろう」
ザンパの推測を聞いてパンプは震える

「オレもああなってたのか?母ちゃんは今の苦しんでるのか?」
「....」
「大丈夫だ、今のは俺の勝手な予想だ。気にするな」

「そうよ、パンプちゃん。あれはアイツの作った偽物よ。きっとそうよ」
ピンプはパンプを抱きしめる。しかし、パンプには泣いた姉の顔が見えた







しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】勇者学園の異端児は強者ムーブをかましたい

エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】  ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。  学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。  何か実力を隠す特別な理由があるのか。  いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。  そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。  貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。  オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。    世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな! ※小説家になろう、pixivにも投稿中。 ※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。 ※アルファポリスでは『オスカーの帰郷編』まで公開し、完結表記にしています。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

【悲報】人気ゲーム配信者、身に覚えのない大炎上で引退。~新たに探索者となり、ダンジョン配信して最速で成り上がります~

椿紅颯
ファンタジー
目標である登録者3万人の夢を叶えた葭谷和昌こと活動名【カズマ】。 しかし次の日、身に覚えのない大炎上を経験してしまい、SNSと活動アカウントが大量の通報の後に削除されてしまう。 タイミング良くアルバイトもやめてしまい、完全に収入が途絶えてしまったことから探索者になることを決める。 数日間が経過し、とある都市伝説を友人から聞いて実践することに。 すると、聞いていた内容とは異なるものの、レアドロップ&レアスキルを手に入れてしまう! 手に入れたものを活かすため、一度は去った配信業界へと戻ることを決める。 そんな矢先、ダンジョンで狩りをしていると少女達の危機的状況を助け、しかも一部始終が配信されていてバズってしまう。 無名にまで落ちてしまったが、一躍時の人となり、その少女らとパーティを組むことになった。 和昌は次々と偉業を成し遂げ、底辺から最速で成り上がっていく。

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

処理中です...