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摩訶不思議!精霊界編
第53話 お前は誰だ?
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サンドーガを倒し、洞穴に集まったジャン達は少し休憩をしていた。
「それでな!ジャンと出会ってからずっーと!楽しい事がいっぱいあったんだ!学園にはローズにメイデンにえっと!えっと!あとあと!アミィの卵焼きに!あっ!アミィはジャンとオレの母さんで!えっと!」
「そんなに急いで説明しなくても良いのよ」
パンプは家族に話したい事と自慢をしたい事が沢山あり過ぎて、あたふたしている。そんな弟を見てピンプは笑ってしまう。
「ねぇねぇ!パンプ!人間の世界がどうなってるのかもっと教えてよ!」
プキンは今までの態度とは一変し、パンプにかなり懐いているようだ。
「えっと!人間の世界にはな!.....」
「ははは、夢でも見てるかな。パンプが生きて帰って来てくれるなんて...ペルナが知ったら喜ぶだろうな」
「母さんならもう知ってるよ」
「え?」
「なんとなくだけどそんな気がする」
ザンパは父にそう言って昼寝をする
「一件落着って所ですかね」
「ああ、だが問題はこっちだ」
アドロンの視線の方向でジャンは白夜を介抱していた
「ごめん白夜さん、僕のせいで...」
「...ジャンさんのせいじゃない、私が油断さえしなければ」
「ああ!白夜まだ動いちゃダメ!」
ローズは無理矢理立ち上がろうとして転ぶ白夜を支える
「ごめんなさい、ごめんなさい...」
ジャンの額から尋常な量の汗が流れ出す
「ちょっと、そんなに焦らないでよ。アンタは悪く無いんだから、悪いのはあの悪魔よ。それにその悪魔はアンタ達が倒した」
「でも...」
「私決めた!白夜をこんな目に合わせた悪魔なんか!ぜーんぶ倒してやる」
「え?」
ローズの意気込みにジャンは思わず声が漏れる
「ちょっとなんでアンタが戸惑うのよ、アンタも悪魔を倒したいんじゃないの?」
「別に僕は悪魔を倒したいわけじゃない」
「どういう事?悪魔はガブリラを殺したのよ、学園も滅茶苦茶にするし、白夜の足だって!」
ローズは不貞腐れるジャンの胸ぐらを掴む
「僕が倒したいのはみんなを傷付けるヤツだけだよ」
「だーかーらー!それが悪魔だって言ってるんでしょ」
「違う、悪魔にも良いヤツは居る」
「何言ってんのよ、悪魔に良いヤツが居る?アンタね、甘い事言うのも良い加減にしなさいよ!その甘さで今度白夜に何かあったらアンタをぶっ殺すわよ!」
ローズの言葉に自然と涙が溢れ出してきた
「ローズ!今のは言い過ぎよ!謝って」
「なんだよ...みんなはいつも印象だけで判断しやがって...」
「ジャンさん?」
ジャンは1人でブツブツ何かを呟きながら洞穴を出て行く
「あ、おい待てよ!スカルド行くぞ、ツイスターは残れ」
「おう!」
「はい!」
アドロンはスカルドと一緒にジャンを追いかける
「何よアイツ...」
「ローズ、少し頭を冷やして下さい」
「ツイスターまでアイツの味方」
「ジャンさんは優しいんです!相手がどんな種族であろうとどんな境遇を持ってようと同じように接してくれるんですよ!アドロンさんの事だって....」
あまりの空気の重さにツイスターも涙を流してしまう
「ご、ごめん、少し頭冷やす」
「ねぇパンプ!続き続き!」
「それでな!」
「パンプ、ジャン殿がどこかへ行ってしまったぞ」
ザンパはパンプに状況を教えて、ジャンを追わせる
「ええ!ジャン!どこ行くんだよ!」
「パンプ!続き教えてよ!」
「プキンちゃんはお姉ちゃん達とお留守番」
「ええー!じゃあ姉たま面白い話して」
「どいつもこいつも...いつもいつも....!」
何処へ向かっているのか、ジャンは足を止めない
「ジャン!何処に行くんだよ」
「おいパンプ、なんかジャンの様子がおかしいぞ。なんか分かるか?」
「あれ?なんかジャンから2つ気配がする」
「なんだと?...それって私達と同じって事?」
「分かんない。でもジャンが怒るといつも変なソワソワが精霊石から感じるんだ」
パンプはそう言いながらジャンの肩に乗る
「なぁジャン、どうしたんだよ?」
「んだよ?なんか文句あんのか?」
「え?..なんかおかしいぞ」
ジャンの様子が明らかにおかしい。別人になってしまった。普段の優しく穏やかとは真逆の乱暴で荒々しさが行動に出ている
「何が!どうせテメェも俺が気にくわねぇんだろ?」
「そんな事ない!オレはジャンの事が好きだし!嫌いなんかじゃない!」
「うるせぇ!」
ジャンはパンプを払い除けてガニ股で堂々と歩き続ける
「おい!ジャン!今のはやり過ぎだ、ふざけてんならその辺にしろよ」
「あん?...う、うぅ...」
アドロンの声に反応したジャンは突然頭を抑えてうずくまる
「ジャン?」
「お、おいアドロン、なんかまずいぜ」
「うぅ、僕の体から出てけ...!うるさい!お前は俺に従っていれば良いんだよ!...出てけー‼️ハァハァ..!」
ジャンは息を切らして跪く
「ジャン!どこか悪いのか?さっきの戦いでどっかおかしくなったのか?」
パンプは緑色の宝石を準備する
「ハァハァ、もう大丈夫。ありがとう」
大量の汗を流し、息を切らしてジャンはその場に倒れる
「おいおい、本当に大丈夫か?」
アドロンはジャンの事を背負って、洞穴へ戻る為に歩き出す
「ごめん」
「気にするな。パンプ、スカルド、お前らはしばらくジャンを見張ってろ」
「分かった」
「ああ」
起き始めた異変。果たしてジャンを襲うこの奇怪な現象は一体...
「それでな!ジャンと出会ってからずっーと!楽しい事がいっぱいあったんだ!学園にはローズにメイデンにえっと!えっと!あとあと!アミィの卵焼きに!あっ!アミィはジャンとオレの母さんで!えっと!」
「そんなに急いで説明しなくても良いのよ」
パンプは家族に話したい事と自慢をしたい事が沢山あり過ぎて、あたふたしている。そんな弟を見てピンプは笑ってしまう。
「ねぇねぇ!パンプ!人間の世界がどうなってるのかもっと教えてよ!」
プキンは今までの態度とは一変し、パンプにかなり懐いているようだ。
「えっと!人間の世界にはな!.....」
「ははは、夢でも見てるかな。パンプが生きて帰って来てくれるなんて...ペルナが知ったら喜ぶだろうな」
「母さんならもう知ってるよ」
「え?」
「なんとなくだけどそんな気がする」
ザンパは父にそう言って昼寝をする
「一件落着って所ですかね」
「ああ、だが問題はこっちだ」
アドロンの視線の方向でジャンは白夜を介抱していた
「ごめん白夜さん、僕のせいで...」
「...ジャンさんのせいじゃない、私が油断さえしなければ」
「ああ!白夜まだ動いちゃダメ!」
ローズは無理矢理立ち上がろうとして転ぶ白夜を支える
「ごめんなさい、ごめんなさい...」
ジャンの額から尋常な量の汗が流れ出す
「ちょっと、そんなに焦らないでよ。アンタは悪く無いんだから、悪いのはあの悪魔よ。それにその悪魔はアンタ達が倒した」
「でも...」
「私決めた!白夜をこんな目に合わせた悪魔なんか!ぜーんぶ倒してやる」
「え?」
ローズの意気込みにジャンは思わず声が漏れる
「ちょっとなんでアンタが戸惑うのよ、アンタも悪魔を倒したいんじゃないの?」
「別に僕は悪魔を倒したいわけじゃない」
「どういう事?悪魔はガブリラを殺したのよ、学園も滅茶苦茶にするし、白夜の足だって!」
ローズは不貞腐れるジャンの胸ぐらを掴む
「僕が倒したいのはみんなを傷付けるヤツだけだよ」
「だーかーらー!それが悪魔だって言ってるんでしょ」
「違う、悪魔にも良いヤツは居る」
「何言ってんのよ、悪魔に良いヤツが居る?アンタね、甘い事言うのも良い加減にしなさいよ!その甘さで今度白夜に何かあったらアンタをぶっ殺すわよ!」
ローズの言葉に自然と涙が溢れ出してきた
「ローズ!今のは言い過ぎよ!謝って」
「なんだよ...みんなはいつも印象だけで判断しやがって...」
「ジャンさん?」
ジャンは1人でブツブツ何かを呟きながら洞穴を出て行く
「あ、おい待てよ!スカルド行くぞ、ツイスターは残れ」
「おう!」
「はい!」
アドロンはスカルドと一緒にジャンを追いかける
「何よアイツ...」
「ローズ、少し頭を冷やして下さい」
「ツイスターまでアイツの味方」
「ジャンさんは優しいんです!相手がどんな種族であろうとどんな境遇を持ってようと同じように接してくれるんですよ!アドロンさんの事だって....」
あまりの空気の重さにツイスターも涙を流してしまう
「ご、ごめん、少し頭冷やす」
「ねぇパンプ!続き続き!」
「それでな!」
「パンプ、ジャン殿がどこかへ行ってしまったぞ」
ザンパはパンプに状況を教えて、ジャンを追わせる
「ええ!ジャン!どこ行くんだよ!」
「パンプ!続き教えてよ!」
「プキンちゃんはお姉ちゃん達とお留守番」
「ええー!じゃあ姉たま面白い話して」
「どいつもこいつも...いつもいつも....!」
何処へ向かっているのか、ジャンは足を止めない
「ジャン!何処に行くんだよ」
「おいパンプ、なんかジャンの様子がおかしいぞ。なんか分かるか?」
「あれ?なんかジャンから2つ気配がする」
「なんだと?...それって私達と同じって事?」
「分かんない。でもジャンが怒るといつも変なソワソワが精霊石から感じるんだ」
パンプはそう言いながらジャンの肩に乗る
「なぁジャン、どうしたんだよ?」
「んだよ?なんか文句あんのか?」
「え?..なんかおかしいぞ」
ジャンの様子が明らかにおかしい。別人になってしまった。普段の優しく穏やかとは真逆の乱暴で荒々しさが行動に出ている
「何が!どうせテメェも俺が気にくわねぇんだろ?」
「そんな事ない!オレはジャンの事が好きだし!嫌いなんかじゃない!」
「うるせぇ!」
ジャンはパンプを払い除けてガニ股で堂々と歩き続ける
「おい!ジャン!今のはやり過ぎだ、ふざけてんならその辺にしろよ」
「あん?...う、うぅ...」
アドロンの声に反応したジャンは突然頭を抑えてうずくまる
「ジャン?」
「お、おいアドロン、なんかまずいぜ」
「うぅ、僕の体から出てけ...!うるさい!お前は俺に従っていれば良いんだよ!...出てけー‼️ハァハァ..!」
ジャンは息を切らして跪く
「ジャン!どこか悪いのか?さっきの戦いでどっかおかしくなったのか?」
パンプは緑色の宝石を準備する
「ハァハァ、もう大丈夫。ありがとう」
大量の汗を流し、息を切らしてジャンはその場に倒れる
「おいおい、本当に大丈夫か?」
アドロンはジャンの事を背負って、洞穴へ戻る為に歩き出す
「ごめん」
「気にするな。パンプ、スカルド、お前らはしばらくジャンを見張ってろ」
「分かった」
「ああ」
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