僕と精霊〜The last magic〜

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再燃する戦火編

第38話 愛の魔法は科学を超える

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「そんな事があったんだ」
「じゃあユウスケは家出したって事なのか?」
「ああ、俺はもう実家に戻る気は無い」

「ユウスケは家族が嫌いなのか?」
「お前らは大好きだぞ、だが親父とお袋は苦手だ。姉貴はまぁ普通だな」
ユウスケはタバコを吸いながらパンプの疑問に答えていく

「おっ!居たぞ!おーい!」
ラート達が戻ってきた
「あっ!ラートにボノム、無事だったみたいだね」
「まぁな!あれ?ザルとメイデンは?」

「ザル君が大怪我をしたから先に学園の方に戻った」
「それやばいんじゃ...」
「ザル君はそんな簡単に死なないよ、ラートもよく分かってるでしょ?」
「まぁそうだな」
ラートの心配の表情は一瞬にして笑顔に変わる

「ジャン、これに友達を乗せてやれ」
ユウスケは小さな装置を起動させて地面に投げるとサイドカー付きのバイクに変形した

「分かった」
「俺らはこっちに乗れば良いんだな」
ラートはボノムを抱えながらサイドカーに乗る

「うわわわぁぁ❗️」
「先輩ブレーキ!ブレーキ!」
シュン達も無事にジャンの下へ辿り着いた

「シュン兄、それにマツリさん!」
「あ、ジャン君久しぶり、元気だった?」
「はい、そっちは大丈夫ですか?」
「ん~まぁ大丈夫かな?」
マツリは怪我を隠しながら強がる

「おい、そろそろ帰らねぇとマジでまずいことになるぜ」
「確かに、このまま追手が来たらめんどくさい事になるな」
「よし、俺の後に続け」

 ユウスケ達は3台のバイクで自国へ帰る

       ・
       ・
       ・

「これが私の夢...」
「アミィ....」

「これからもずっと私と一緒に居てください」
「ああ...」
若かりしユウスケとアミィは河川敷で人目を気にせず抱き合った


 それからしばらく月日が流れた。ユウスケは異国の人間でありながらも近所からの評判が高く、よく屋根の修理などで町中を回っていた。

「今日はコレでヨシっと」
「ユウスケさーん、お昼にしましょ」
「ああ!今行く!」
ユウスケはハシゴで屋根から降りる

「今日はね、サンドイッチ」
「おお!良いね、大好きだ」


河川敷

「やっぱアミィの作る物はなんでも美味いなー」
「本当?」
「ああ!本当だ、無限に食ってられるぜ」
ユウスケは笑顔でサンドイッチを頬張る

「そんなに食べたら、危ないよ」
「そんな訳、ぐっ...」
喉を詰まらせユウスケの顔は青くなっていく

「ほら!水、水」
「ん..ふぅ、サンキュー」
「気を付けてよー」

「ははは!」
「どうしたの?」
「いやさ、俺って幸せもんだなぁって思ったら笑えてきた」
ユウスケは満面の笑みで爽やかな風に当たる。しかし、不穏な気配を漂わせた2人組がやってくる

「ユウスケ・サクライ、やっと見つけたぞ」
「まさか敵国にいるとはな」
黒スーツを着た男達が2人の前に現れた

「お前のような優秀な人材がこんな所で何をしている」
「アミィ下がってろ...」

「ユウスケさ!」
「おっと!動くな、お前は人質だ」
男の1人はアミィの首を絞めて頭に銃口を向ける

「おい!アミィは関係ねぇだろ!」
ユウスケもポケットから携帯型両手銃を構える
「立場を理解しろ、お前が抵抗すればその女の頭は吹き飛ぶぞ」

「ちょっと痛いんですけど」
「お前は喋るな!...!?」
銃がアミィの頭に触れると溶け出してしまった

「な、なんだおま!あ、❗️あああ!アッツ!」
アミィに触れていた男は火だるまになる
「こ、このおん..」
ユウスケはすかさずもう1人の男の頭を銃で吹き飛ばす

「たくっ...面倒なヤツらだ。悪いなアミィ、巻き込んじまって」
「アレが科学軍の人達?」

「ああ、最低だろ?俺の大嫌いなヤツらだ」
「ちょっと乱暴な人達、ちょっと苦手かな」
2人は服の埃を払い、周りを見渡すと見慣れない物が沢山あった

「ユウスケさん、アレは何?」
「最悪だ」

 地上には戦車、空を見上げれば戦闘機、川には戦艦、戦闘マシン兵の波

「コレは....」
「アミィ様!」
「セバスさん!」
鋼鉄の森をくぐり抜け、セバスがやって来た

「アミィ様、一気にいきますよ!」
「ええ!」
「ちょっ!うおっ!」
アミィとセバスの精霊石が激しい光を放った。俺の記憶はここで途切れた


 気づくと当たりには真っ赤な機械の部品や残骸が散らばっていた

「ちちち、何が起こったんだ?...!?」
ユウスケは血を流して倒れるアミィとセバスを見つけた
「お、おい!アミィ!セバス!しっかりしろ!」

「良かった...ユウスケさんは私達が守ってあげるから..」
「バカ野郎!それで死にかけてどうする!くそ!くそ!今病院に連れてってやる!」
ユウスケはバイクのサイドカーに2人を乗せて病院へ走り出す

「クソッ!クソッ!なんでこうなるんだ!俺は戦いたくないのに!死ぬヤツなんて見たくもないのに!俺は何故愛する女1人守る事ができねぇんだ!クソォォ‼️」
苦悩を叫ぶユウスケを急かすように激しく雨が降り出す

「ユウスケ..さ..ん..自分を責めないで」
「アミィ!喋るんじゃねぇ!血が止まらなくなる!頼む死なないでくれ!」
焦るユウスケは半分絶望した状態で勇ましいエンジン音を鳴らす








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