僕と精霊〜The last magic〜

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七大悪魔復活編

第16話 始まる

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 学園襲撃から3日。パンプの力により学園内の建物の修繕は完了していた。しかし、パンプでも人を生き返らせる事はできない。綺麗になればなるほど虚しさが目立つ


「ねぇラート、なんか僕らが居ない間に学園が滅茶苦茶になったみたいだね」
「ああ、許せねぇな。なんでも人語を話す魔獣が出たとか言うらしいな」
髪と瞳の色以外ほぼ同じ。左右対称に生える角が特徴の双子にして3-Aのメンバー。
兄ラート・ベクトル 弟レート・ベクトル

 ベクトル兄弟が長期の任務から帰って来たのは学園が再開してからのことだった。

「ご主人、なんかとてつもなくイヤな予感がしますぜ」
ラートの精霊。雪だるまのボノムはラートの肩の上でつぶやく

「マスター、来ます!」
レートの精霊。グリフォンのグライドは何かを察知する
「え!今!?」

4人の前に魔獣が現れる


 3-A

 3年の教室は全く使われていないが常に床はピカピカ、机に傷一つない

 教室には3人の女子生徒が居た。2人の背中からは翼が生えており、もう1人は全身植物のような見た目だ
「こう机に座って皆さんを待つのは久しぶりですね、ガブリラもそう思いませんか?」
「ああだがウリエラ、そんなにくつろいでいていいものなのか?」

ウリエラとガブリラ。2人は人間と精霊のパートナー関係を装って学園に忍び込んでいた本物の天使だ。ある使命のために動いている

「2人とも元気そうで良かった!リベラみんなの事が凄く心配なの」
リベラ。人間と植物型精霊のハーフ。植物と対話をし、自在に操る事ができる。

「大丈夫ですよリベラ、こんな事でやられるようなら皆さんもうとっくの昔に死んでますよ。思い出してみてください、私達に下された数々の試練を!そしていくつもの奇跡を!これも全てこの世界の神グランドール様のご加護があってこそなのですよ?さぁ一緒に祈りましょう」
ウリエラとガブリラはひざまいて天に祈りを捧げる

「...?こう?」
リベラも2人のマネをして天井を見上げる
「そうです、その調子です...」
3人が珍妙な事をしているとラート達がやって来た

「流石マスターです!」
「ご主人は今日も冴えてましたなぁ」
ボロボロ制服のラートとレートが教室にやって来た

「あーあ、これじゃあまた母ちゃんに怒られるな」
「だから急所を狙って手早く倒そうって言ったじゃん!」
「分かってないなぁ、あんぐらいの雑魚だからカッコよく戦えるんだぜ?急所で終わらせるなんて勿体ないぜ」

「またそーやって!バカな事してるととんでもない事になるっていつも母ちゃんに言われるじゃん!」
「いいのいいの!ヤバくなった一気に決めれば良いんだよ!」
考え方が真逆の双子よくこうして衝突し合う

 ボノムとグライドはそんな元気そうな2人を見れることが嬉しい

「ラートさんにレートさん、ボノムにグライド、お久しぶりです」
「おう!ウリエラにガブリラ!それとリベラ!元気にしてたか」
「おはようございます」

「この様子だとジャンさん達はまだ来てないみたいですね」
「ええ、アドロンさん達ならもう来ていましたが」

「相変わらずゆったりとしてまs」
「いっちばーん❗️今日もオレの勝ちだぞジャン!」
勢いよく教室には突っ込んできたパンプがボノムを吹っ飛ばす

「パンプ..元気そうで...うぅ」
ボノムは目を回す
「クソッ!今日も負けた!また速くなったなパンプ」
「へへーん!オレはもっと速くなるぞ!」
パンプは胸を張って満面の笑みを浮かべる

「おはようございますジャンさん」
「あっ!おはようウリエラさんにみんな!久しぶりだね」
ジャンはカバンを机にかける

「ウリエラさん達に聞きたい事があるんだけどさ、この前任務で戦ったヤツなんだけど自分の事を悪魔って名乗ったんだよ、何か分かるかな?」
ジャンは天使のウリエラなら何か知っているだろうとあの警察署で捕まえた悪魔について聞いてみる

「悪魔!?まさか...いえ確かに時期的にも復活してもおかしくないですし...最近の地震や魔獣の騒ぎも...」
ウリエラはガブリラと何やらブツブツと会議を始めてしまう

「あの、ウリエラさん?ガブリラ?おーい」
ジャンの声は2人に届かなかった

「見ろよ!この中に捕まえてんだぜ!凄いだろ!」
「「おぉ!」」
パンプはバッツールを封じ込めた宝石をボノムとグライドに自慢する

「ん?パンプ!」
「ああー!パンプさんダメです!そんな物騒な物を持ってちゃ!」
天使2人は慌ててパンプを止めに入る

「なんだ?お前らも見たいなら見せるぞ」
「パンプ、その中には本当に悪魔が入っているのか?」
「ああそうだぞ!オレとジャンで倒して捕まえたんだぞ!凄いだろ!」
パンプはガブリラにも宝石を見せびらかす

「あれ?あの宝石あんな色だったっけ?」
ジャンだけが異変に気付いた。パンプがバッツールを封じた時の宝石の色は赤かった。しかし、今は真っ黒だ

「おいジャン、俺らをほっといてウリエラ達と話すとはお前も随分女たらしになったなぁ?」
「って!酷い言い草だな」

「そっちはどうだった?僕ら簡単な任務ばかりだったけど」
「そうだぜ聞かせろよ!」
「リベラも聞きたい」
「分かったよ」

 完全に浮かれていた。この時僕がもう少し注意深くしていればあんな事は起きなかったかもしれない



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