僕と精霊〜The last magic〜

一般人

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悪魔の産声

第13話 仕方ないと思うしかない

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 魔獣の襲撃が始まって1時間が経った

「ツイスター、まだいける?」
「ハァハァ...まだまだ!これからです!」
大型の魔獣は全て退治できたが問題は小型の魔獣だ。素早く常に群れで連携を行う、下手な大型よりも普通に強いかなり厄介な部類だ

「そういえば学園長は居ないの?」
「はい!今日は大事な会議があると龍神様に乗って科学軍の国へ行ってしまいました。また天井に穴を開けてウィリム先生の頭を悩ませていました」
「なんて都合が悪い時に...」
「ホントですね」
2人は愚痴を漏らしながら1匹ずつ小型の魔獣を殺していく

「ウィリム先生は非番ですし、ケンナリ先生はおそらく負傷者の救助を行っています」
「先生達も結構やられてるっぽいしコレはキツいな、龍神様が居ないせいで護衛精霊達も完全に動いてないだろうし」

「ブラッディーキャノン‼️」
「「うわっ!」」
真っ赤なエネルギー弾が2人の間をすり抜けて魔獣を一掃する

「な、なんだぁ?」
「この技は確か...」
ツイスターが振り向いた方向にはルシェとレイラが居た

「やっぱり!お二人共ご無事でしたか!」
「なんだ味方か..」
「失礼しました、この状態のレイラは少し気性が荒くて」
「グルルルル‼️」
レイラは殺した魔獣から血を吸い尽くしてカラカラにしてしまう

「コレも精霊なの?というか君は確か副会長の...」
「ルシェ・ルフェです。このようにお話しするのは初めてですね、よろしくお願いしますジャン・バーンさん」
「ジャンで良いよ。よろしくねルシェさん」
2人は握手をする

「ガァ?ふんふんふん...」
レイラはジャンの臭いを嗅ぎ漁る
「あぁ、この子が君の精霊?凄い共鳴だね」

「いえ、共鳴ではありません。というより私達は共鳴がまだできません」
「じゃあコレは」
「レイラは私の血を吸うとこの姿になるんです。元は小さなコウモリ型の精霊です。こらレイラ」
「ギャウ...」
ルシェはジャンから吸血をしようとしたレイラを叩く


「共鳴無しでこのパワーか、凄いな」
「レイラは生徒会でも1番力が強いんですよ」
ツイスターはレイラの頭を撫でる

「ふん❗️」
少し休憩していると窓からセバスが飛び込んできた
「ジャン様、生存した生徒達の避難が完了いたしました。スンスン...どうやら周囲の魔獣は残り10いや、8匹ですね。直ちに狩って参ります」
そのままセバスは魔獣の臭いを頼りに突っ走る

「あの精霊は?」
「僕の母さんの精霊なんだ、僕とパンプが本気でかかっても勝てるかどうか分かんないぐらい強いんだよ」
「ジャンさん達が!?それは頼りになる助っ人ですね」
「でしょ?」
ジャン達は学園から脱出する


「ふぅ...やっと終わった」
「お疲れ白夜」
「ローズもお疲れ様。パンプさんはどう?」
「まだ寝てるみたい、全くよく寝てられるわね」
ローズのポケットからパンプが目を擦りながら顔を出す

「ジャン...」
パンプはローズの腕に抱きつく
「ちょっと寝ボケないでよ!私はローズよ」
「ふふ、私も少し疲れたわ。少し座ってても良いかしら?」
「ちょっ!」
2人の共鳴が解ける。白夜はたまたま残っていた椅子に腰をかける

「白夜、今解いたらわぁ!」
元の身長に戻り小さくなったローズは寝ボケるパンプを支える
「たくっ!アンタまた大きくなってんじゃないの、コレだから赤ん坊は...」
「んあ?ローズ?あー!今オレのこと赤ん坊って言ったな!」
目を覚ますや否やローズをポカポカ叩くパンプ

「えぇ?赤ん坊でしょ~!22才なんて正真正銘赤ん坊よ!悔しかったら私に勝ってみなさいよ~」
ローズはパンプの首を絞める

「ぐおぉぉ!ギブ..ギブ...」
「聞こえないわね~?ごめんなさいはどうしたの~!」
「言わない!」

「ローズその辺にしておきなさい。可哀想よ」
「はーい」
「あ~ん!白夜!ローズがいじめる!」
解放され泣き喚くパンプ


「あーやっと終わった!おつかれキャルル戻って良いよ」
「うん!」
ランパの銃火器が小さな妖精に変わる

「おいアドロン、そんなにガッカリするな。コレは仕方ないぜ」
スカルドはボロボロの教室の隅で落ち込むアドロンの背中をさする

「ハァ...私達守れなかった、友達も後輩も先生達もいっぱい死んじゃった...ハァ...」
アドロンの中の2人の人格がコロコロ変わりながらお互いに落ち込み合う

「そうですよ会長!いくら生徒会長だからってそこまで責任を感じなくても良いんですよ!ねっ!ほらだから元気出してくださいよ」
ランパは必死にアドロンを励まそうと頑張る

「でも学園長がいない今責任を果たすべきは私達、なのに1番強い魔獣を倒しきれず、多くの犠牲を出してしまいました、もっとできたはず..っ!」
ランパは左手をアドロンの頬に激しくぶつける

「え?」
「会長はいつもそうなんですよ!そうやって何でもかんでも自分だけの責任だって!いつもいつもそうやって!...私だって悔しいんですよ!ズルいですよ会長ばっかり責任を感じて!私達も会長と同じ生徒会の一員なんですよ!私達にだって責任があるんですよ、だからだから、そうやって2人で抱え込まないでください..会長には私達が、うう..うう」
ランパも涙を流し始める

「ランパ...会長」
「そうだぜアドロン、辛い時は俺らにもっと愚痴っても良いんだぜ」
3人の顔を見てアドロンは目を覚ます

「すまない、お前らちょっと取り乱しちまったな。さ、出るぞ」
「うう..は、はい」
悲しみ背負ってこれからも生徒会は活動を続ける






















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