僕と精霊

暗躍する狂気編 5月2日〜5月10日

第26話 合同授業

　グースが死んでから1週間が経った。ジャンにとっては考えさせられる1週間であった。
だが今日から科学軍との合同授業がある。
ジャンに悩んでいる暇などない　

　いつも通りの教室には真剣な雰囲気が流れている。
「さぁみんな、今日から3日間は合同授業だ。合同授業は魔法と科学による発展が目的とされている。そのことを忘れないように」
ケンナリ先生が生徒達に説明をする

　魔法軍からは1-Ａのメンバーが科学軍からは代表の5人の生徒が合同授業に出る事になっている。
「3日目には両国のお偉いさんや保護者も来る予定だ」

　合同授業では1～2日目はグループに分かれて作品の共同制作を行う、そして3日目に大勢の観客の前で作品を発表をする。こうする事で魔法と科学と共に発展に近づけるのだ。

「緊張することはない、それでは庭園の方へ行ってもらう」
先生は指示をし、皆移動を始める。

「ジャン、あの後から特に変化はないか？」
ザルはジャンを心配している
「うん、大丈夫だよ」

「ところでジャンさんはヌシクラスの魔獣を倒したと聞いたのですがどうやって倒したのですか？」
ウリエラが興味深そうに聞く
「あの時は精霊石から凄い力が溢れ出した事だけは覚えいるよ」
「精霊石？」
ウリエラが不思議そうな顔で聞く
「あれ？ウリエラさんは龍神様から貰わなかったの？」
ジャンは胸に埋め込まれた精霊石をウリエラに見せる。

「こんなの私貰ってませんよ」
どうやらウリエラは精霊石を貰っていないようだ。
「俺はてっきり貰ってるもんだと思ってたぜ」
ザルは少し驚いている

「リベラも貰ってないわ、まぁリベラにはパートナーがいないんだけどね」
リベラは微笑みながら言う

「わ、私なんて二つも、クソォあん時は痛かったぜ」
アドロンが胸を押さえながら言う。

「どうやら精霊石は貰ってる人と貰ってない人がいるようだね」
ジャン達は話していると庭園に着いた。

　庭園には既に学園長と科学軍の代表生徒が居た。
男3人、女2人、引率の先生1人

「どうも魔法軍の皆さん、わたくし科学軍代表フラスコ学園引率のダン・サイトウと申します」
引率の男は軽くお辞儀をする

「さぁ皆さん自己紹介を」
ダンが指示すると科学軍の生徒は自己紹介を始めた

「2年　リオ・イガラシと申します。よろしくお願いします」
リオはメガネをクイッと上げる

「3年　ユウト・ニシカタです。よろしくお願いしまーす」
ユウトはポケットに手を突っ込んでいる

「1年　タロウ・ササキです。よろしくお願いします」
タロウは深くお辞儀をする

「1年　マツリ・ミヤノです。よ、よろしくお願いします」
マツリは何度もお辞儀をする

「2年　シュン・サクライです。よろしくお願いします」
シュンはジャンの方に手を振る。ジャンは手を振りかえす

　科学軍全員の自己紹介が終わった。

「では次は我々が」
ケンナリ先生に続いてジャン達は自己紹介をした。

「それでは今からグループをくじで決めてもらいます」
学園長が箱を出し、皆にくじを引かせる。

グループが決定した。

グループＡ
ジャン
ウリエラ
マツリ
シュン

グループB
ザル
リベラ
リオ

グループC
白夜
アドロン
タロウ

グループD
ラート
レート
ユウト

「初対面で緊張すると思うが皆で協力するんじゃぞ」
学園長はそう言い、二人の先生と何処かへ行ってしまった。

　生徒達の合同授業は緊張した空気の中始まる。