僕と精霊

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暗躍する狂気編 5月2日〜5月10日

第19話 科学の影

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 魔獣の襲撃から約2週間が経った。龍神学園の2年生のほとんどが行方不明になり1週間休校になった。結局、2年生達は見つかることなくいつも通りの日々が帰ってきた。そんなある日、悲劇が起きた。僕にとっては忘れられない1日だったよ。
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「「行ってきます」」
「はい、いってらっしゃい」
「いってらっしゃいませ」
ジャンとパンプはいつも通り家を出て、学園へ向かう

 ジャンとパンプが出会ってから何やかんやで2週間が経った。魔獣の襲撃があった日から凶暴化した魔獣が増え、その度にジャン達は戦い、絆を深めた。

「よし、ジャン学園まで競争だ」
「今日は負けないよ」
これもジャン達にとっては日課だ。
おかげでジャンは少しずつ体力がついてきた

「あら、ごきげんようお二人さん」
「おはよう、白夜さん」
白夜がジャン達に挨拶をするとジャンは挨拶を返して走り去る。これも日課だ。
「もうアイツらガキなんだから」
「いいじゃない元気で」
白夜はローズを抱えながら歩く

「ハァハァよーし、今日は僕の勝ちだね」
ジャンは軽くガッツポーズをする
「くそー負けたー」
パンプは足をパタパタさせながら悔しがる
「おう、またやってるねぇ」
ザルが鞄でジャンを叩く
「ザル君、おはよう」
「今日はどっちが勝ったんだい」
ラートがジャン肩をポンと叩き聞く
「ラート君もおはよう、今日は僕が勝ったよ。あれ、レート君は?」
「ああ、レートなら先に行ったぞ」
「そっか」

ジャン達は1-Aへ、パンプ達精霊は1-Asへ
「パンプ、真面目に授業を受けるんだよ」
「わかってるよ」

ジャン達が教室に着くとウリエラ達が会話で盛り上がっていた。
「おはよう、どうしたのみんな」
「あ、ジャンさんおはようございます。」
ウリエラがジャンに挨拶を返すと
「この前の新聞に載っていた、精霊の奇跡について話していたんですよ」
会話の内容を説明してくれた。

「そ、その精霊の奇跡がどうしたの?」
ジャンは少しとぼけながらウリエラ達に聞く
「あのニュースの続きが今日の新聞に載っててですね精霊の特徴が描かれていたんですよ」
レートは新聞に掲載されていた絵をジャンに見せる、その絵はパンプにそっくりだった。

「!?」
(ほぼパンプじゃん!)
ジャンは絵を見て驚く
「やっぱりこれ、パンプさんなんですか?そうでしょジャンさん」
ウリエラがジャンにグイグイ質問をする

「それは...」
(まずいなぁ、このことはパンプの為にもあまり口外するなってセバスに言われてるしなぁ、まぁもうザル君やレート君にはバレてるし、いいかな)
ジャンは思い切って話す
「そうだよパンプの力で町を元に戻したんだよ、でもあんまり人には言わないでね」
ジャンが話し終えるとウリエラ達はさらに盛り上がる

「やっぱりそうだったんですね私感激しました」
ウリエラが目を輝かせながジャンの手を掴みブンブン振る
「あ、ありがとうウリエラさん、パンプにも伝えておくよ」

「よーし、みんな席に着け~」
ケンナリ先生が声をかけると皆席に着き、HRが始まった

「ジャン君、学園長がお呼びなのでHRが終わったら精霊の間までパンプ君と一緒に行ってくれ」
「はい」
「それじゃ今日も真面目に授業を受けてくれ以上」
そう言うと先生は急ぎ足で教室を出る

「ジャンく~ん、何かやらかしたのか?」
ザルがジャンを冷やかす
「な~んも心当たりがないね~」
ジャンはふざけ返しパンプを迎えに行く

「パンプ、学園長の所へ行くよ」
「うん、それじゃあウィリム先生行ってくるぞ」
「はい、無礼には気をつけるのですよパンプさん」
パンプパンプはウィリムに手を振り、教室を去る

 ジャン達が精霊の間に行くと学園長とケンナリ先生がいた(もちろん龍神様も)
「失礼します!」
「おぉ来たかまぁ席に座ってくれ、ジャン・バーン君」
「はい」 
学園長に指示に従い席に着くジャン

「君とパンプ君の活躍はモニー君から聞いているよ、町のためによくやってくれた」
「凄いだろ」
「コラ、パンプ君失礼ですよ」
ケンナリ先生がパンプに注意する
「すみません」 
ジャンが頭を下げる

「ホホッ、パンプ君は元気で良いの~」
学園長は笑っている
「それでじゃな、今回はお主達にお礼を言いたかったのと少し悪い知らせがあってな」
「悪い知らせとは何ですか?」
学園長は真剣な顔になって話す

「休校中にわしは魔獣の襲撃について調査をしておったんじゃが、どうやら今回の件に科学軍が絡んでいるようなんじゃよ」
学園長の衝撃の発言にジャンは言葉が出ない
「だか、まだ決定的な証拠を掴めていない、そしてさら問題があっての」
「問題?」
学園長は話しを続ける

「来週は科学軍の代表生徒達とこの学園で合同授業をすることになっている」
「ガクエンチョー、何でそんな奴らと一緒に授業をするんだ、やっつければいいじゃん」
パンプが不思議そうな顔をしながら言う

「今科学軍に勘づかれるのは少しまずいからの」
「何故このことを僕達に伝えたのですか?」
ジャンは学園長に聞く
「それは、科学軍の代表生徒の中に君の親戚がいるらしいのでな」
ジャンは驚く
「まさか、シュン兄が!?」
「シュンニイ?」
パンプが聞く
「うん、僕の従兄弟」

「君には魔法軍と科学軍を繋ぐ架け橋になってもらいたい、それを伝える為に呼んだのじゃ」
「そういうことですか、できるだけの事は尽くします」
「ありがとう、それでは教室に戻って良いぞ」
「はい、失礼しました」

 ジャン達は教室へ戻り、授業を受ける。
しかし、ジャンはあまり集中出来なかった。
科学軍のこと、従兄弟のこと、自分が架け橋という重要な役割になったこと、ジャンはまだ頭の整理が追いつかない。

 そして、放課後ジャン達はいつも通り白夜達と家に帰っていた
「ジャンさん、教室に戻ってからずっとボッーとしているようですが何があったのですか?」
白夜がジャンを心配している
「うん、大丈夫だよ」
「パンプはいつも通り、授業中に遊んでウィリム先生に注意されたもんね」
ローズはあえて大きい声で言う

「だって、体を動かさないと退屈なんだもん...ってあれ?ジャン怒らないの?」
「うん、そうだね」
ジャンはボッーとしながら適当に返事をする
「ジャーン‼️」
パンプはジャンの耳元で叫ぶ
「うわぁ、パンプか」
ジャンは驚きながら言う

「やっぱり、ジャンさんおかしいですわ」
「そうかなぁ」
ジャンは公園の方を見ると傷だらけの少年が泣いていた。
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