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青春忘却編
第23話 歪な日常へ
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騒動から数時間、大量の怪我人達が病院に運ばれる。
「急いで下さい、重傷患者です!」
「こっちもだ!すぐに集中治療室へ!」
「ベットが足りないぞ!」
病院内は大パニックだ。
「...ゔ...ゔぅ...」
「お姉ちゃん!死なないで!うわーん...!」
「カナ..メちゃ...」
白夜は薄れゆく意識の中でカナメの泣き声を聞く。
【翌日】
「...!」
白夜は病室のベットで目を覚ます。ベットにはローズもカナメと一緒に寝ていた。
「カナメちゃん...」
寝ているカナメの頭を撫でながらも状況を整理しようとするが中々上手くいかない。
「スーちゃん!起きたのね!良かった...具合はどう?」
ベットの横の椅子に座っていたキャミーが目を覚ます。
「ママ!此処どこ!?」
白夜は少し取り乱しながら辺りを見渡す。
「病院、本当に良かった...」
キャミーは娘を抱きしめる。
「あ!お姉ちゃん起きた!ローズ!お姉ちゃん起きたよ!」
「..ん?..えっ!本当だ!白夜!体は大丈夫なの!」
ローズは飛び起きすぐに白夜の心配をする。
「うん大丈夫、それより他の皆は?」
「大丈夫よ、違う部屋で寝ているはず」
「なら安..心...ね」
白夜は安心するともう一度眠りについてしまう。
「お姉ちゃん!」
「まだ疲れが残ってるんだわ。カナメちゃん、お姉ちゃんねんねしてるから1回お家に帰ろっか」
「えー..でも」
「大丈夫、私が残るからお姉ちゃん独りぼっちじゃないよ」
「..うん分かった」
「それじゃあローズ、スーちゃんをお願いね」
「はーい!」
ローズを残し、カナメ達は病室を出る。
【ラートとレート】
「zzzz...」
「グゴォォォ!」
2人はぐっすり眠っている。
「まったく心配させて、この親不孝共は」
「まぁまぁ無事で何よりですぜ」
ボノムがラートに布団をかける。
「そうですね」
グライドは窓から外を眺めて言う。
「2人ともありがとね。あとは私がやるから寝てて良いよ」
「ではお言葉に甘えさせていただきやす」
「ありがとうございます」
それぞれのパートナーの横で2人は睡眠を始めた。
【ザルとリベラ】
「うわぁ!」
ザルも目を覚ました。
「お目覚めですか、ザル様」
メイデンが軽くお辞儀をする。
「メイデンここはどこだ?」
「病院でございます、昨日我々が運びました」
「そ、そうか...ありがとな迷惑かけちまって」
「滅相もございません、パートナーとして当然です」
メイデンは誇らしげに角を光らせる。
「ザルさん目が覚めたのですね」
リベラが隣のベットからザルに声をかける
「おう、お前こそ大丈夫か?いっ!」
「だ、大丈夫ですか!?リベラより自分の心配をした方が良いと思う」
ザルはベットから体を起こそうとするが上手く立てなかった。
「ザル様、無理をなさらないでください」
「情けねぇ何もできなかった..」
「人質なんてズルいよ、リベラ何もできなかった..」
2人は犠牲になった人を思い出して表情が曇る。
「おや?目が覚めたんですね!」
病室にウリエラとガブリラがやって来た。
「ウリエラさんにガブリラさん!心配しましたよ、どこにいたんですか!」
リベラは機嫌を取り戻す。
「ええ、ちょっと大変なことになっていて」
ウリエラは新聞を2人に渡した。
「...!今回の騒動で1000以上の死傷者が出ただと!?」
ザルは新聞の記事に驚愕する。
「その中には龍神学園の生徒達も大勢含まれています」
ガブリラは追加で報告する。
「クソ!科学軍め!」
ザルは新聞を床に叩きつける。
「今回のテロには魔法軍の人間も関わっているようです」
「は!?なんかの間違いだろ」
ザルは言葉が詰まる。
「いえ間違いありません。犯行グループは拘束され、尋問の後に龍神様に処刑されました。そして、1番の問題が...」
ウリエラは悪魔の事について、ザル達に全て話す。
「おいなんだよそれ...最悪だな」
「で、でもリベラ達のクラスメイト全員が無事だったのが何よりです」
「それがアドロンさんが見当たらなくて」
「な、何!?」
【龍神町 焼却場】
「ヒィィ~!祟りじゃあ~!」
「うるせぇ爺さんだな、出てくから静かにしやがれよ...あの、お騒がせしてすみませんでした!」
アドロンは焼却場のドアを蹴飛ばして、自宅へ歩き始める。
「あの、アドロンさん本当に申し訳ありません」
「気にするな、お前らは悪くねぇよ」
ツイスターはアドロンに何度も頭を下げる。
「でもよぉ病院の奴らも酷いよな!アドロンを連れてきたら直ぐに焼却場に送っちまうなんてよ。もう少しでバラバラにされるとこだったぜ」
スカルドはダラダラ翼を動かしながら苦笑いをする。
「仕方ないよ、私とお兄ちゃんの体は人形だもん。普通の人が見たらこうなっちゃうよ...認めたくはねぇが、結構くるものがあるな」
「アドロンさん...」
「それにしてもジャン君達は大丈夫かな...あぁまず病院だ、行くぞ」
「お、おう」
「ジャン?...あっ!待ってくださいアドロンさん!」
アドロン達はとりあえず病院へと足を運ぶ事にした。
【数日後 科学軍の国 研究所】
「...っ!ゴボボッ!...」
僕は目覚めると変な所に居た。水の中?おかしいな、僕は泳げないし水に全身浸かれば意識を失うはず...なんか顔に付けられてるし、コレのおかげか?
謎の液体が入ったカプセルの中に収容されたジャンは機械的なマスクを無理矢理装着されていた。
「隊長!サンプルAが目覚めました!」
なんだコイツら僕を見てるのか?コイツらが僕をこの変な水中に入れたのか?
ジャンは辺りを見渡そうと隣のカプセルを覗くとパンプが同じように収容されていた。
「...!」
パンプ!そうだ..早く治さないとパンプが!
「ゔゔゔ...」
ジャンが収容されているカプセルにヒビが入り、警報が鳴り始める。
『キケンデス、キケンデス、タダチニヒナンヲ』
「まずいぞ!早く精神安定ガスを供給しろ!」
「はい!精神安定ガスサンプルAに注入します!」
研究員の1人が何かを作動させるとジャンの付けているマスクからガスが出る。
「これでひとまずは...え!?」
「どうした!」
「魔力の上昇が止まりません!」
「何だと!」
研究員達は機械を焦りながら操作し始める。
「止まれ止まれ!」
しかし、研究員達の願いは届かず、ジャンを収容しているカプセルは粉々に砕ける散る。
出てきたジャンの髪は真っ赤な輝きを纏いながら伸びきっていた。
「サンプルA暴走します!」
研究員達は避難を開始する。
「ふんっ!」
ジャンはパンプが収容されているカプセルを破壊し、パンプを救出する。
「んくっ、ケホッケホッ!」
パンプは目覚める
「んあ、ジャン!ココどこだ?」
「俺も知らない、とにかく出るぞ」
ジャンは大きな火球を壁をぶつけて大きな穴を開ける。
「そこを動かないで!」
研究員の1人がジャンに拳銃を向ける。
「今更そんなもので何が出来る?」
ジャンが攻撃しようとすると研究員は引き金を引く。
「無駄だ」
銃弾はジャンの眉間に届く前に燃え尽きる。
「誰だか知らんが死んでも...」
ジャンはその場に倒れる。
「お前!ジャンに何を...」
パンプも倒れた。
「...い...ャン...ジャン!起きろ!」
パンプがジャンの腹の上で跳ねる
「う、ゔん」
ジャンは目を覚ます。
「目が覚めたようね、サンプルA」
椅子に座っていた女性はジャンに声をかける。
「サンプルA?あの、此処はどこなんですか?」
ジャンはいつも通りの姿、性格に戻っていた。
「サンプルAはあなたのことよ、そしてこっちのおチビちゃんがサンプルBあなた達は研究対象なの。ちなみに此処は研究所の医務室、この研究所では主にエネルギーや兵器開発を行なっているわ」
女性は不気味なくらい明るく答える。
「なんで、僕がこの研究所で研究されなきゃいけないんですか?」
「なぁジャン!ケンキュウってなんだ?なんか強そうだな」
「パンプは少し黙っててよ」
「えー!」
ジャンはパンプの口を抑えて話を聞く姿勢になる。
「まさか覚えてないの?あなた達は怒りで暴れまくって、大勢の人や精霊達を殺してあのドームを壊したのよ。まぁ私はただの研究員だから詳細は分からないけど、そんなエネルギーを出せる人間がいれば誰だって研究したくなるわよ」
女性は真顔で答える。
「は?僕らが?変な冗談は辞めてください」
「そうだぞ!オレら魔獣は殺すけど人間とか精霊は殺さないぞ!殺したのは科学軍のヤツらだぞ、魔銃みたいなヤツとか花火みたいなヤツで殺してただろ」
「そう?じゃあコレはなんなの?」
覚えのない事実を否定する2人に女性は2人が暴走している時の映像を見せつけた。
「なんだよコレ..」
「これオレ?」
「不安そうね、無理もないわ覚えてないんじゃ..やった確信もやってないって言う確信もないんですもの」
女性が話しているうちにジャンは動揺する。
「嘘だ!こんなのアレだ!お前らお得意の科学でなんかしたんだ!馬鹿げてる!」
ジャンは声を荒げながら女性の肩を掴んで揺さぶる。
「チッ...」
女性はジャンに思い切りビンタをした。
「え?」
「お前!ジャンに何する...」
「いいかい、アンタ達はね!正真正銘!大量虐殺をした悪魔なんだよ!大勢の命を奪っておいて逆ギレ?ふざけんのも大概にしなさいよ!」
「..じゃあどうしろってんだよ!」
ジャンは自暴自棄になって壁に思い切り頭を打ち付ける。
「ジャン!やめろ!」
パンプはジャンを止めるがジャンの額からは血がたらたらと垂れてきた。
「すみません、少し2人だけにしてくれませんか。今あなたを見ていると本当に殺しかねない」
「ジャン...」
ジャンは呼吸を整え、冷静を装うも動揺が収まらない。
「まぁいいわよ、考える時間はあげる」
女性は部屋を出る。
「急いで下さい、重傷患者です!」
「こっちもだ!すぐに集中治療室へ!」
「ベットが足りないぞ!」
病院内は大パニックだ。
「...ゔ...ゔぅ...」
「お姉ちゃん!死なないで!うわーん...!」
「カナ..メちゃ...」
白夜は薄れゆく意識の中でカナメの泣き声を聞く。
【翌日】
「...!」
白夜は病室のベットで目を覚ます。ベットにはローズもカナメと一緒に寝ていた。
「カナメちゃん...」
寝ているカナメの頭を撫でながらも状況を整理しようとするが中々上手くいかない。
「スーちゃん!起きたのね!良かった...具合はどう?」
ベットの横の椅子に座っていたキャミーが目を覚ます。
「ママ!此処どこ!?」
白夜は少し取り乱しながら辺りを見渡す。
「病院、本当に良かった...」
キャミーは娘を抱きしめる。
「あ!お姉ちゃん起きた!ローズ!お姉ちゃん起きたよ!」
「..ん?..えっ!本当だ!白夜!体は大丈夫なの!」
ローズは飛び起きすぐに白夜の心配をする。
「うん大丈夫、それより他の皆は?」
「大丈夫よ、違う部屋で寝ているはず」
「なら安..心...ね」
白夜は安心するともう一度眠りについてしまう。
「お姉ちゃん!」
「まだ疲れが残ってるんだわ。カナメちゃん、お姉ちゃんねんねしてるから1回お家に帰ろっか」
「えー..でも」
「大丈夫、私が残るからお姉ちゃん独りぼっちじゃないよ」
「..うん分かった」
「それじゃあローズ、スーちゃんをお願いね」
「はーい!」
ローズを残し、カナメ達は病室を出る。
【ラートとレート】
「zzzz...」
「グゴォォォ!」
2人はぐっすり眠っている。
「まったく心配させて、この親不孝共は」
「まぁまぁ無事で何よりですぜ」
ボノムがラートに布団をかける。
「そうですね」
グライドは窓から外を眺めて言う。
「2人ともありがとね。あとは私がやるから寝てて良いよ」
「ではお言葉に甘えさせていただきやす」
「ありがとうございます」
それぞれのパートナーの横で2人は睡眠を始めた。
【ザルとリベラ】
「うわぁ!」
ザルも目を覚ました。
「お目覚めですか、ザル様」
メイデンが軽くお辞儀をする。
「メイデンここはどこだ?」
「病院でございます、昨日我々が運びました」
「そ、そうか...ありがとな迷惑かけちまって」
「滅相もございません、パートナーとして当然です」
メイデンは誇らしげに角を光らせる。
「ザルさん目が覚めたのですね」
リベラが隣のベットからザルに声をかける
「おう、お前こそ大丈夫か?いっ!」
「だ、大丈夫ですか!?リベラより自分の心配をした方が良いと思う」
ザルはベットから体を起こそうとするが上手く立てなかった。
「ザル様、無理をなさらないでください」
「情けねぇ何もできなかった..」
「人質なんてズルいよ、リベラ何もできなかった..」
2人は犠牲になった人を思い出して表情が曇る。
「おや?目が覚めたんですね!」
病室にウリエラとガブリラがやって来た。
「ウリエラさんにガブリラさん!心配しましたよ、どこにいたんですか!」
リベラは機嫌を取り戻す。
「ええ、ちょっと大変なことになっていて」
ウリエラは新聞を2人に渡した。
「...!今回の騒動で1000以上の死傷者が出ただと!?」
ザルは新聞の記事に驚愕する。
「その中には龍神学園の生徒達も大勢含まれています」
ガブリラは追加で報告する。
「クソ!科学軍め!」
ザルは新聞を床に叩きつける。
「今回のテロには魔法軍の人間も関わっているようです」
「は!?なんかの間違いだろ」
ザルは言葉が詰まる。
「いえ間違いありません。犯行グループは拘束され、尋問の後に龍神様に処刑されました。そして、1番の問題が...」
ウリエラは悪魔の事について、ザル達に全て話す。
「おいなんだよそれ...最悪だな」
「で、でもリベラ達のクラスメイト全員が無事だったのが何よりです」
「それがアドロンさんが見当たらなくて」
「な、何!?」
【龍神町 焼却場】
「ヒィィ~!祟りじゃあ~!」
「うるせぇ爺さんだな、出てくから静かにしやがれよ...あの、お騒がせしてすみませんでした!」
アドロンは焼却場のドアを蹴飛ばして、自宅へ歩き始める。
「あの、アドロンさん本当に申し訳ありません」
「気にするな、お前らは悪くねぇよ」
ツイスターはアドロンに何度も頭を下げる。
「でもよぉ病院の奴らも酷いよな!アドロンを連れてきたら直ぐに焼却場に送っちまうなんてよ。もう少しでバラバラにされるとこだったぜ」
スカルドはダラダラ翼を動かしながら苦笑いをする。
「仕方ないよ、私とお兄ちゃんの体は人形だもん。普通の人が見たらこうなっちゃうよ...認めたくはねぇが、結構くるものがあるな」
「アドロンさん...」
「それにしてもジャン君達は大丈夫かな...あぁまず病院だ、行くぞ」
「お、おう」
「ジャン?...あっ!待ってくださいアドロンさん!」
アドロン達はとりあえず病院へと足を運ぶ事にした。
【数日後 科学軍の国 研究所】
「...っ!ゴボボッ!...」
僕は目覚めると変な所に居た。水の中?おかしいな、僕は泳げないし水に全身浸かれば意識を失うはず...なんか顔に付けられてるし、コレのおかげか?
謎の液体が入ったカプセルの中に収容されたジャンは機械的なマスクを無理矢理装着されていた。
「隊長!サンプルAが目覚めました!」
なんだコイツら僕を見てるのか?コイツらが僕をこの変な水中に入れたのか?
ジャンは辺りを見渡そうと隣のカプセルを覗くとパンプが同じように収容されていた。
「...!」
パンプ!そうだ..早く治さないとパンプが!
「ゔゔゔ...」
ジャンが収容されているカプセルにヒビが入り、警報が鳴り始める。
『キケンデス、キケンデス、タダチニヒナンヲ』
「まずいぞ!早く精神安定ガスを供給しろ!」
「はい!精神安定ガスサンプルAに注入します!」
研究員の1人が何かを作動させるとジャンの付けているマスクからガスが出る。
「これでひとまずは...え!?」
「どうした!」
「魔力の上昇が止まりません!」
「何だと!」
研究員達は機械を焦りながら操作し始める。
「止まれ止まれ!」
しかし、研究員達の願いは届かず、ジャンを収容しているカプセルは粉々に砕ける散る。
出てきたジャンの髪は真っ赤な輝きを纏いながら伸びきっていた。
「サンプルA暴走します!」
研究員達は避難を開始する。
「ふんっ!」
ジャンはパンプが収容されているカプセルを破壊し、パンプを救出する。
「んくっ、ケホッケホッ!」
パンプは目覚める
「んあ、ジャン!ココどこだ?」
「俺も知らない、とにかく出るぞ」
ジャンは大きな火球を壁をぶつけて大きな穴を開ける。
「そこを動かないで!」
研究員の1人がジャンに拳銃を向ける。
「今更そんなもので何が出来る?」
ジャンが攻撃しようとすると研究員は引き金を引く。
「無駄だ」
銃弾はジャンの眉間に届く前に燃え尽きる。
「誰だか知らんが死んでも...」
ジャンはその場に倒れる。
「お前!ジャンに何を...」
パンプも倒れた。
「...い...ャン...ジャン!起きろ!」
パンプがジャンの腹の上で跳ねる
「う、ゔん」
ジャンは目を覚ます。
「目が覚めたようね、サンプルA」
椅子に座っていた女性はジャンに声をかける。
「サンプルA?あの、此処はどこなんですか?」
ジャンはいつも通りの姿、性格に戻っていた。
「サンプルAはあなたのことよ、そしてこっちのおチビちゃんがサンプルBあなた達は研究対象なの。ちなみに此処は研究所の医務室、この研究所では主にエネルギーや兵器開発を行なっているわ」
女性は不気味なくらい明るく答える。
「なんで、僕がこの研究所で研究されなきゃいけないんですか?」
「なぁジャン!ケンキュウってなんだ?なんか強そうだな」
「パンプは少し黙っててよ」
「えー!」
ジャンはパンプの口を抑えて話を聞く姿勢になる。
「まさか覚えてないの?あなた達は怒りで暴れまくって、大勢の人や精霊達を殺してあのドームを壊したのよ。まぁ私はただの研究員だから詳細は分からないけど、そんなエネルギーを出せる人間がいれば誰だって研究したくなるわよ」
女性は真顔で答える。
「は?僕らが?変な冗談は辞めてください」
「そうだぞ!オレら魔獣は殺すけど人間とか精霊は殺さないぞ!殺したのは科学軍のヤツらだぞ、魔銃みたいなヤツとか花火みたいなヤツで殺してただろ」
「そう?じゃあコレはなんなの?」
覚えのない事実を否定する2人に女性は2人が暴走している時の映像を見せつけた。
「なんだよコレ..」
「これオレ?」
「不安そうね、無理もないわ覚えてないんじゃ..やった確信もやってないって言う確信もないんですもの」
女性が話しているうちにジャンは動揺する。
「嘘だ!こんなのアレだ!お前らお得意の科学でなんかしたんだ!馬鹿げてる!」
ジャンは声を荒げながら女性の肩を掴んで揺さぶる。
「チッ...」
女性はジャンに思い切りビンタをした。
「え?」
「お前!ジャンに何する...」
「いいかい、アンタ達はね!正真正銘!大量虐殺をした悪魔なんだよ!大勢の命を奪っておいて逆ギレ?ふざけんのも大概にしなさいよ!」
「..じゃあどうしろってんだよ!」
ジャンは自暴自棄になって壁に思い切り頭を打ち付ける。
「ジャン!やめろ!」
パンプはジャンを止めるがジャンの額からは血がたらたらと垂れてきた。
「すみません、少し2人だけにしてくれませんか。今あなたを見ていると本当に殺しかねない」
「ジャン...」
ジャンは呼吸を整え、冷静を装うも動揺が収まらない。
「まぁいいわよ、考える時間はあげる」
女性は部屋を出る。
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