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【7話】余計なことをして恥を掻かせるなと怒られてしまいました
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雑草を抜く手を止め、ノアは慌てて立ち上がる。と同時に、ボドに胸倉を掴まれた。
「あ、ぐっ」
「お前さ、馬鹿なのか? 何クソみてえなことやってんだよ?」
首が締まり、思うように息が出来ない。
それでもボドは力を緩めようとせず、そのままギルドの壁へと押し付ける。
「仮にもお前は俺様のパーティーメンバーなんだぞ? んなせこいクエスト引き受けてんじゃねえよ」
「ぐ、ううっ、でも……お金が……ッ」
今のままでは手持ちが減るばかりなので、一人で稼ぐ必要がある。
だが勿論、ボドにとっては興味のない話だ。
「ああ!? 金がなんだ! 分け前ならちゃんとやってんだろ!! それとも何か? 荷物持ちしか能のねえ出来損ないのくせに、もっと寄越せってか!? 舐めた口利いてんじゃねえぞ!!」
掴まれたまま、地面へと投げられる。
肩を強く打ち、ノアは顔を歪めた。
「何してるのよ、朝からうるさいわね」
ボドの怒声に野次馬たちが引き寄せられ、その間からエリーザが姿を現す。
しかし二人の様子を目にしても表情に変化はない。
「おう、エリーザ! ちょうどいいとこに来たな! こいつが俺たちに恥を掻かせようとしてんだよ!」
「恥を……? あぁ、雑草を抜いてるのね」
面倒くさそうに歩み寄り、ノアを見下ろす。
「魔力ゼロのこの子にはお似合いのクエストじゃない? だって荷物を持つしか能がないんだもの」
「んなことは分かってんだよ! 俺が言いてえのは、こいつがクソみてえな真似してると俺たちの株まで下がるって言ってんだよ!!」
「はあぁ、……ボド、貴方ってたまにウザいわね。まあ、この子ほどじゃないけど」
やれやれと肩を竦め、エリーザは周囲を見渡す。
「どうせ大した額にはならないんだから、やらせておけばいいじゃない。それより、ギルドに目を付けられたら面倒でしょう? だからほら、行くわよ」
「チッ、クソが……」
ノアの傍に唾を吐き捨て、ボドはエリーザと共に人ごみの中へと消えていく。
一人残された後も、野次馬の目は減らない。その恥ずかしさを紛らわすため、ノアは苦々しく笑って頭を下げる。
騒ぎを起こして申し訳ありません、と。
そしてまた、黙々と雑草を抜き始める。
けれども、思うように手が動かない。時間差で恐怖が体を震わせていた。
「……大丈夫、わたしならやれる」
震えを抑えようと、何度も深呼吸する。次第に脈が落ち着いてきたが、それでもノアの心は晴れない。
パーティーを抜けた方がいいのは分かっている。このまま荷物持ちを続けていても、冒険者としての未来がないのは火を見るよりも明らかだ。。
しかし、ソロになったとしても、魔力ゼロでは魔物狩りをすることも困難だ。それこそポイズンマウスの一匹すら満足に倒すことも出来ないだろう。
結局、ボドとエリーザのパーティーについて行き、魔物狩りを直に見ることで、経験を積むしかない。そうやって新たなスキルを習得し、魔力が増えることを祈るしかないのだ。
涙が零れそうになるのを必死に堪えながら、ノアは再び雑草を抜く。そして、
――更に三ヶ月が過ぎた。
「あ、ぐっ」
「お前さ、馬鹿なのか? 何クソみてえなことやってんだよ?」
首が締まり、思うように息が出来ない。
それでもボドは力を緩めようとせず、そのままギルドの壁へと押し付ける。
「仮にもお前は俺様のパーティーメンバーなんだぞ? んなせこいクエスト引き受けてんじゃねえよ」
「ぐ、ううっ、でも……お金が……ッ」
今のままでは手持ちが減るばかりなので、一人で稼ぐ必要がある。
だが勿論、ボドにとっては興味のない話だ。
「ああ!? 金がなんだ! 分け前ならちゃんとやってんだろ!! それとも何か? 荷物持ちしか能のねえ出来損ないのくせに、もっと寄越せってか!? 舐めた口利いてんじゃねえぞ!!」
掴まれたまま、地面へと投げられる。
肩を強く打ち、ノアは顔を歪めた。
「何してるのよ、朝からうるさいわね」
ボドの怒声に野次馬たちが引き寄せられ、その間からエリーザが姿を現す。
しかし二人の様子を目にしても表情に変化はない。
「おう、エリーザ! ちょうどいいとこに来たな! こいつが俺たちに恥を掻かせようとしてんだよ!」
「恥を……? あぁ、雑草を抜いてるのね」
面倒くさそうに歩み寄り、ノアを見下ろす。
「魔力ゼロのこの子にはお似合いのクエストじゃない? だって荷物を持つしか能がないんだもの」
「んなことは分かってんだよ! 俺が言いてえのは、こいつがクソみてえな真似してると俺たちの株まで下がるって言ってんだよ!!」
「はあぁ、……ボド、貴方ってたまにウザいわね。まあ、この子ほどじゃないけど」
やれやれと肩を竦め、エリーザは周囲を見渡す。
「どうせ大した額にはならないんだから、やらせておけばいいじゃない。それより、ギルドに目を付けられたら面倒でしょう? だからほら、行くわよ」
「チッ、クソが……」
ノアの傍に唾を吐き捨て、ボドはエリーザと共に人ごみの中へと消えていく。
一人残された後も、野次馬の目は減らない。その恥ずかしさを紛らわすため、ノアは苦々しく笑って頭を下げる。
騒ぎを起こして申し訳ありません、と。
そしてまた、黙々と雑草を抜き始める。
けれども、思うように手が動かない。時間差で恐怖が体を震わせていた。
「……大丈夫、わたしならやれる」
震えを抑えようと、何度も深呼吸する。次第に脈が落ち着いてきたが、それでもノアの心は晴れない。
パーティーを抜けた方がいいのは分かっている。このまま荷物持ちを続けていても、冒険者としての未来がないのは火を見るよりも明らかだ。。
しかし、ソロになったとしても、魔力ゼロでは魔物狩りをすることも困難だ。それこそポイズンマウスの一匹すら満足に倒すことも出来ないだろう。
結局、ボドとエリーザのパーティーについて行き、魔物狩りを直に見ることで、経験を積むしかない。そうやって新たなスキルを習得し、魔力が増えることを祈るしかないのだ。
涙が零れそうになるのを必死に堪えながら、ノアは再び雑草を抜く。そして、
――更に三ヶ月が過ぎた。
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