42 / 49
終章
大法廷
しおりを挟む
獲物を狙う猫のような表情のシャルロットと、疲れきった王陛下。俺は不穏なものを感じて、とりあえず、と連れてきていた侍従を呼んだ。
「今日大法廷で、お……私の領地で起きていた詐欺や横領については決着がつくはずです。ウィル殿下の処遇についての話は、それが済んでからでも良いのでは?」
マーカスがやってきて、陛下に一枚の紙を渡した。
「これは……そんな」
陛下はそれを見ると、ぶるぶると震え始めた。
「あの女、あの女は!なんという不敬な!」
怒りに震える陛下をそのままに、マーカスは茶を出して去っていく。その涼しげな目元からは、どんな動揺もみえなかった。
奴にとっても今日が正念場だ。
「マリエッタ・チェルシーと、ゴードン伯爵を至急大法廷に呼び出せ!」
王陛下はマーカスに渡された書面をにぎりしめ、重厚な扉を蹴り開けるようにして去っていった。
「……ごめんなさいね」
シャルロットがマーカスに謝ると、マーカスはいいえ、と首をふった。
「マリエッタが戻ってこないことは、分かっていました。彼女にとって私もリンダも過去の汚点でしかない」
ともかく、とマーカスは時計を見上げた。
「今日の大法廷で、あの悪徳宰相と公爵を片付けなければ。大公閣下の領地を踏み荒らした大罪人です!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「詐欺、流言流布、背任、横領、虐待、殺人教唆……とんでもない罪状だな。なにか言いたいことはあるか?宰相、公爵?」
陛下はとんでもなく不機嫌に玉座のひじ掛けを叩いて言った。バリー宰相とゲノーム公爵は数度の喚問で罪のほとんどを暴かれ、縄をかけられて既に罪人として、大法廷に連れ出されていた。
大法廷は年間にそれほど多く開かれない。大きな事件や災害の際だけで、多くの高位貴族の家長や大臣が出席せねばならず、その判決は王陛下が直接下し、異議は認められないものとされているためだ。
今回は王族である大公とその妻に関する殺人教唆と、大公領地での大規模な脱税が明るみになったことで、大法廷がひらかれることになったのだった。
その大法廷でも罪を覆すことができなかった2人は、いま俺の前に跪かされ、陛下の沙汰を待つのみとなっていた。
「む、息子は知らなかったのです!陛下!家の取り潰しとなれば、なんの罪もない妻と息子までが罰せられる!どうか寛大な沙汰を……」
宰相の言葉に、陛下はふむと口元へ手をやった。
「息子とは、王太子宮のロイス・バリー補佐官で相違ないか?」
陛下の手元には、先程マーカスが渡した紙がある。あまりに強く握られたためにシワシワのそれを広げ、陛下はバリー宰相を見おろした。
「……相違ありません」
そうか、と陛下は何かを耐えるように言い、
「公爵はどうか?シャルロット妃に謝罪する気持ちはあるか?」
とゲノーム公爵に向き直った。いいえ、とゲノーム公爵はうなだれたまま答え、シャルロットは無言でその父親を見つめていた。
陛下はこちらに向き直り、なにかあるか、と尋ねる仕草をする。俺とシャルロットは真正面にある特別に設えられた席からその様子をみていたが、首を振ってそれでいいと伝えた。
「ならば、ふたりへの裁きは明朝伝える。二人を証人席へ」
縄をかけられた二人を衛兵が引っ立てて行き、俺たちは席をたってすり鉢の底のほうへとおりて行く。
今日の本題はここからだ。
「ゴードン伯爵父娘を!」
王陛下が呼ぶと、呼応するように玉座のそばに、ウィル殿下が大股に近づいて行くのがみえた。
「父上、今日は大公に対する殺害容疑の審議のはず!何故マリエッタが連れて行かれたのでしょうか!」
すり鉢の底から見上げると、殿下が鋭くこちらを睨むのが見えた。
「シャルロット!マリエッタをどこまで苦しめれは気が済む!何が目的だ!」
王陛下が眉間を揉むのが見えた。実際これさえなければ、立派な王太子なのに、残念だとしか言いようがない。
「ゴードン伯爵、ならびに伯爵令嬢マリエッタ、まかりこしましてございます」
貴族用の入り口があき、マリエッタとゴードン伯爵が入ってきた。マリエッタは高みにいるウィル殿下とシャルロットを見ると、なぜか勝ち誇ったような笑顔をみせた。また何か勘違いしていそうだな。
「足労であったな、ゴードン伯爵」
王陛下が声をかけると、伯爵はいえ、とも、ひえ、ともつかない音をだした。
「特に大法廷を使うまでもなかったが、私も多忙ゆえここで全て明らかにしておこうと思ってな」
そう言うと、大法廷に座る大勢の貴族たちをぐるりと見渡した。
「さて、ここにいるダニエル・フェリクス大公がお前に尋ねたいことがあるそうだ」
陛下は緩慢な動きで俺を指した。
「そうでしたな、大公」
王陛下が俺に敬語を使ったことで、貴族たちが騒ぐのが聞こえた。一斉に視線がこちらに向く。
「左様です陛下。ですがゴードン伯爵と令嬢から真摯に謝罪があるならば、酌量してもよいと考えております」
俺の言い方に、法廷はさらにざわざわと騒がしくなった。稀代の悪女と噂されるシャルロットとその夫に、お騒がせ婚約者のマリエッタ令嬢はまた何をしでかしたのか。
「謝罪??私はシャルロットさまに嫌われてはいましたが、謝るようなことはなにもしていません!」
ゴードン伯爵が何かいう前に、マリエッタが答えた。
「悪いことなんかなんにもしてないもん!」
頬をふくらませ、腰に手をあててマリエッタはいいきった。
「そうですか。では、質問を変えましょう……ゴードン伯爵、マリエッタ・チェルシーは本当にあなたの実の娘ですか?」
ゴードン伯爵は、その言葉になにか恐ろしい事柄を聞いたようにこちらをみあげた。
「伯爵?」
俺は重ねて尋ねる。
「はい、私の実の娘でございます」
へえ、と俺は首を傾げた。
「海外にいらしたと令嬢は吹聴していたようですが?」
ゴードン伯爵は俺を見上げ、はいと小さな声で答えた。
「まだ前の妻が存命のおり、市街の商家で働いていたマリエッタの母親と知り合い、できたのがマリエッタでございます。マリエッタは海外の寄宿学校で育ちました」
なるほど、と俺は片手をあげた。
「先程の宰相殿の法廷で、証言をした宿屋の下女を」
と俺が合図すると、あの女が連れ出されてきた。
「マリエッタ!マリエッタ、助けて!あたしは頼まれて煙を焚いただけなの!」
引きずられながら、下女はマリエッタを見つけて叫んだ。ゴードン伯爵は蒼白になり、その様子を見上げていて、マリエッタは下唇を噛んだ。
「君は彼女を知っている、と言ったな?」
俺が声をかけると、女はますます騒ぎだした。
「そうです、知ってます!マリエッタ・チェルシーはあたしより五つ下ですが、あたしはお金だってお酒だって男だって何だってわけてあげました!そうでしょマリエッタ!」
エルミサードの女はうるさいのが基本なのか?俺は耳を押さえながら、
「マリエッタはエルミサードの酒場で生まれた?」
と尋ねた。
「はいはい!そうです!おばさんはいつも酒場で働いてて、でもあるときからゲエゲエどこででも吐くようになって、おなかがどんどん膨らんできて、それからマリエッタが生まれました!あたしは全部覚えてるわ!」
もうやめて、とマリエッタは耳をふさいだ。
「嘘よ!そんな女、しりません!」
それを聞いた下女は、さらに声を荒らげた。
「しょ、証拠があります!マリエッタがくれた手紙です!学校のことがかいてあるやつ!男の子たちのこと、教えてくれたやつよ!」
王陛下は手元の紙をウィル殿下に渡した。
「……マリエッタの筆跡にまちがいないか?」
ウィル殿下は目を覆った。
「間違いありません」
マリエッタが幼馴染みの下女に送った手紙。そこには、マリエッタが学園で出会った貴族の子息たちについて、あまりにも赤裸々に、そしてときには下卑た表現でもって書かれていた。
下女はさらにまだマリエッタに話しかけていたけれど、あまりに聞くに耐えない内容に、退廷させられた。
「ゴードン伯爵、マリエッタは本当に貴方の娘ですか?」
伯爵は顔を覆い、ええ、と頷いた。
「確かに育ちを偽りましたが、私の娘で間違いありません。マリエッタは、ゴードン伯爵家の娘です」
そこまでして娘を王太子妃にしたいのか、と俺は首をふり、ウィル殿下を見上げた。
「育ちがなんだというのだ!こんなことをしてマリエッタを辱しめて、何のつもりだ!」
ウィル殿下はなおもシャルロットを睨み付けながら言う。シャルロットはちらりと俺を見て、口の端だけで笑ってみせた。
「何のつもりか?わたくしの名誉にかけて、貴方を訴追するつもりです、ウィル殿下」
これには騒がしかった法廷も、水を打ったように静かになった。
「訴追だと!」
ウィル殿下は我にかえったように叫んだ。
「父上も、ご存知だったのですか?」
ウィル殿下が詰め寄ると、王陛下は黙って頷いた。先程のやりとりから、予測はしていたのだろう。
「っ……だが、マリエッタの育ちに難があるといっても、王太子妃として、これから徐々に覚えていけば良いだろう。訴追されるような罪は犯していない!」
わあわあと騒ぐウィル殿下に、シャルロットは持っていた扇子で机の縁をたたいた。
「別の証人をここへ!」
「今日大法廷で、お……私の領地で起きていた詐欺や横領については決着がつくはずです。ウィル殿下の処遇についての話は、それが済んでからでも良いのでは?」
マーカスがやってきて、陛下に一枚の紙を渡した。
「これは……そんな」
陛下はそれを見ると、ぶるぶると震え始めた。
「あの女、あの女は!なんという不敬な!」
怒りに震える陛下をそのままに、マーカスは茶を出して去っていく。その涼しげな目元からは、どんな動揺もみえなかった。
奴にとっても今日が正念場だ。
「マリエッタ・チェルシーと、ゴードン伯爵を至急大法廷に呼び出せ!」
王陛下はマーカスに渡された書面をにぎりしめ、重厚な扉を蹴り開けるようにして去っていった。
「……ごめんなさいね」
シャルロットがマーカスに謝ると、マーカスはいいえ、と首をふった。
「マリエッタが戻ってこないことは、分かっていました。彼女にとって私もリンダも過去の汚点でしかない」
ともかく、とマーカスは時計を見上げた。
「今日の大法廷で、あの悪徳宰相と公爵を片付けなければ。大公閣下の領地を踏み荒らした大罪人です!」
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
「詐欺、流言流布、背任、横領、虐待、殺人教唆……とんでもない罪状だな。なにか言いたいことはあるか?宰相、公爵?」
陛下はとんでもなく不機嫌に玉座のひじ掛けを叩いて言った。バリー宰相とゲノーム公爵は数度の喚問で罪のほとんどを暴かれ、縄をかけられて既に罪人として、大法廷に連れ出されていた。
大法廷は年間にそれほど多く開かれない。大きな事件や災害の際だけで、多くの高位貴族の家長や大臣が出席せねばならず、その判決は王陛下が直接下し、異議は認められないものとされているためだ。
今回は王族である大公とその妻に関する殺人教唆と、大公領地での大規模な脱税が明るみになったことで、大法廷がひらかれることになったのだった。
その大法廷でも罪を覆すことができなかった2人は、いま俺の前に跪かされ、陛下の沙汰を待つのみとなっていた。
「む、息子は知らなかったのです!陛下!家の取り潰しとなれば、なんの罪もない妻と息子までが罰せられる!どうか寛大な沙汰を……」
宰相の言葉に、陛下はふむと口元へ手をやった。
「息子とは、王太子宮のロイス・バリー補佐官で相違ないか?」
陛下の手元には、先程マーカスが渡した紙がある。あまりに強く握られたためにシワシワのそれを広げ、陛下はバリー宰相を見おろした。
「……相違ありません」
そうか、と陛下は何かを耐えるように言い、
「公爵はどうか?シャルロット妃に謝罪する気持ちはあるか?」
とゲノーム公爵に向き直った。いいえ、とゲノーム公爵はうなだれたまま答え、シャルロットは無言でその父親を見つめていた。
陛下はこちらに向き直り、なにかあるか、と尋ねる仕草をする。俺とシャルロットは真正面にある特別に設えられた席からその様子をみていたが、首を振ってそれでいいと伝えた。
「ならば、ふたりへの裁きは明朝伝える。二人を証人席へ」
縄をかけられた二人を衛兵が引っ立てて行き、俺たちは席をたってすり鉢の底のほうへとおりて行く。
今日の本題はここからだ。
「ゴードン伯爵父娘を!」
王陛下が呼ぶと、呼応するように玉座のそばに、ウィル殿下が大股に近づいて行くのがみえた。
「父上、今日は大公に対する殺害容疑の審議のはず!何故マリエッタが連れて行かれたのでしょうか!」
すり鉢の底から見上げると、殿下が鋭くこちらを睨むのが見えた。
「シャルロット!マリエッタをどこまで苦しめれは気が済む!何が目的だ!」
王陛下が眉間を揉むのが見えた。実際これさえなければ、立派な王太子なのに、残念だとしか言いようがない。
「ゴードン伯爵、ならびに伯爵令嬢マリエッタ、まかりこしましてございます」
貴族用の入り口があき、マリエッタとゴードン伯爵が入ってきた。マリエッタは高みにいるウィル殿下とシャルロットを見ると、なぜか勝ち誇ったような笑顔をみせた。また何か勘違いしていそうだな。
「足労であったな、ゴードン伯爵」
王陛下が声をかけると、伯爵はいえ、とも、ひえ、ともつかない音をだした。
「特に大法廷を使うまでもなかったが、私も多忙ゆえここで全て明らかにしておこうと思ってな」
そう言うと、大法廷に座る大勢の貴族たちをぐるりと見渡した。
「さて、ここにいるダニエル・フェリクス大公がお前に尋ねたいことがあるそうだ」
陛下は緩慢な動きで俺を指した。
「そうでしたな、大公」
王陛下が俺に敬語を使ったことで、貴族たちが騒ぐのが聞こえた。一斉に視線がこちらに向く。
「左様です陛下。ですがゴードン伯爵と令嬢から真摯に謝罪があるならば、酌量してもよいと考えております」
俺の言い方に、法廷はさらにざわざわと騒がしくなった。稀代の悪女と噂されるシャルロットとその夫に、お騒がせ婚約者のマリエッタ令嬢はまた何をしでかしたのか。
「謝罪??私はシャルロットさまに嫌われてはいましたが、謝るようなことはなにもしていません!」
ゴードン伯爵が何かいう前に、マリエッタが答えた。
「悪いことなんかなんにもしてないもん!」
頬をふくらませ、腰に手をあててマリエッタはいいきった。
「そうですか。では、質問を変えましょう……ゴードン伯爵、マリエッタ・チェルシーは本当にあなたの実の娘ですか?」
ゴードン伯爵は、その言葉になにか恐ろしい事柄を聞いたようにこちらをみあげた。
「伯爵?」
俺は重ねて尋ねる。
「はい、私の実の娘でございます」
へえ、と俺は首を傾げた。
「海外にいらしたと令嬢は吹聴していたようですが?」
ゴードン伯爵は俺を見上げ、はいと小さな声で答えた。
「まだ前の妻が存命のおり、市街の商家で働いていたマリエッタの母親と知り合い、できたのがマリエッタでございます。マリエッタは海外の寄宿学校で育ちました」
なるほど、と俺は片手をあげた。
「先程の宰相殿の法廷で、証言をした宿屋の下女を」
と俺が合図すると、あの女が連れ出されてきた。
「マリエッタ!マリエッタ、助けて!あたしは頼まれて煙を焚いただけなの!」
引きずられながら、下女はマリエッタを見つけて叫んだ。ゴードン伯爵は蒼白になり、その様子を見上げていて、マリエッタは下唇を噛んだ。
「君は彼女を知っている、と言ったな?」
俺が声をかけると、女はますます騒ぎだした。
「そうです、知ってます!マリエッタ・チェルシーはあたしより五つ下ですが、あたしはお金だってお酒だって男だって何だってわけてあげました!そうでしょマリエッタ!」
エルミサードの女はうるさいのが基本なのか?俺は耳を押さえながら、
「マリエッタはエルミサードの酒場で生まれた?」
と尋ねた。
「はいはい!そうです!おばさんはいつも酒場で働いてて、でもあるときからゲエゲエどこででも吐くようになって、おなかがどんどん膨らんできて、それからマリエッタが生まれました!あたしは全部覚えてるわ!」
もうやめて、とマリエッタは耳をふさいだ。
「嘘よ!そんな女、しりません!」
それを聞いた下女は、さらに声を荒らげた。
「しょ、証拠があります!マリエッタがくれた手紙です!学校のことがかいてあるやつ!男の子たちのこと、教えてくれたやつよ!」
王陛下は手元の紙をウィル殿下に渡した。
「……マリエッタの筆跡にまちがいないか?」
ウィル殿下は目を覆った。
「間違いありません」
マリエッタが幼馴染みの下女に送った手紙。そこには、マリエッタが学園で出会った貴族の子息たちについて、あまりにも赤裸々に、そしてときには下卑た表現でもって書かれていた。
下女はさらにまだマリエッタに話しかけていたけれど、あまりに聞くに耐えない内容に、退廷させられた。
「ゴードン伯爵、マリエッタは本当に貴方の娘ですか?」
伯爵は顔を覆い、ええ、と頷いた。
「確かに育ちを偽りましたが、私の娘で間違いありません。マリエッタは、ゴードン伯爵家の娘です」
そこまでして娘を王太子妃にしたいのか、と俺は首をふり、ウィル殿下を見上げた。
「育ちがなんだというのだ!こんなことをしてマリエッタを辱しめて、何のつもりだ!」
ウィル殿下はなおもシャルロットを睨み付けながら言う。シャルロットはちらりと俺を見て、口の端だけで笑ってみせた。
「何のつもりか?わたくしの名誉にかけて、貴方を訴追するつもりです、ウィル殿下」
これには騒がしかった法廷も、水を打ったように静かになった。
「訴追だと!」
ウィル殿下は我にかえったように叫んだ。
「父上も、ご存知だったのですか?」
ウィル殿下が詰め寄ると、王陛下は黙って頷いた。先程のやりとりから、予測はしていたのだろう。
「っ……だが、マリエッタの育ちに難があるといっても、王太子妃として、これから徐々に覚えていけば良いだろう。訴追されるような罪は犯していない!」
わあわあと騒ぐウィル殿下に、シャルロットは持っていた扇子で机の縁をたたいた。
「別の証人をここへ!」
16
お気に入りに追加
1,052
あなたにおすすめの小説
結婚式で王子を溺愛する幼馴染が泣き叫んで婚約破棄「妊娠した。慰謝料を払え!」花嫁は王子の返答に衝撃を受けた。
window
恋愛
公爵令嬢と王太子殿下の結婚式に幼馴染が泣き叫んでかけ寄って来た。
式の大事な場面で何が起こったのか?
二人を祝福していた参列者たちは突然の出来事に会場は大きくどよめいた。
王子は公爵令嬢と幼馴染と二股交際をしていた。
「あなたの子供を妊娠してる。私を捨てて自分だけ幸せになるなんて許せない。慰謝料を払え!」
幼馴染は王子に詰め寄って主張すると王子は信じられない事を言って花嫁と参列者全員を驚かせた。
結婚の始まりに終わりのことを告げられたので2年目から諦める努力をしたら何故か上手くいった!?〜不幸な約束は破られるためにある〜
yumemidori
恋愛
一目見た時から想い続けてやっと結婚できると思えば3年後には離婚しましょうと告げられ、結婚の日から1年間だけ頑張るクロエ。
振り向いてくれないノアを諦める努力をしようとすると…?
クロエ視点→結婚1年目まで
ノア視点→結婚2年目から
まだ未定ですがもしかしたら、おまけが追加されればR指定つくかもしれないです。ご了承下さいませ
〖完結〗親友の幸せを願っていたのに、親友は私が大嫌いだったようです。
藍川みいな
恋愛
「私、レイド様が好きなの! 協力してくれない?」
親友のモニカが、好きだと言ったレイド様は、私もずっと好きだった人でした。
好きな人をモニカに譲る事にしたのですが、モニカは私を親友だとは思っていませんでした。それどころか、大嫌いだそうです。
カゲで散々悪口を言っていたのを聞いてしまった私は、反撃する事に……
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。
全7話で完結になります。
婚約解消して次期辺境伯に嫁いでみた
cyaru
恋愛
一目惚れで婚約を申し込まれたキュレット伯爵家のソシャリー。
お相手はボラツク侯爵家の次期当主ケイン。眉目秀麗でこれまで数多くの縁談が女性側から持ち込まれてきたがケインは女性には興味がないようで18歳になっても婚約者は今までいなかった。
婚約をした時は良かったのだが、問題は1か月に起きた。
過去にボラツク侯爵家から放逐された侯爵の妹が亡くなった。放っておけばいいのに侯爵は簡素な葬儀も行ったのだが、亡くなった妹の娘が牧師と共にやってきた。若い頃の妹にそっくりな娘はロザリア。
ボラツク侯爵家はロザリアを引き取り面倒を見ることを決定した。
婚約の時にはなかったがロザリアが独り立ちできる状態までが期間。
明らかにソシャリーが嫁げば、ロザリアがもれなくついてくる。
「マジか…」ソシャリーは心から遠慮したいと願う。
そして婚約者同士の距離を縮め、お互いの考えを語り合う場が月に数回設けられるようになったが、全てにもれなくロザリアがついてくる。
茶会に観劇、誕生日の贈り物もロザリアに買ったものを譲ってあげると謎の善意を押し売り。夜会もケインがエスコートしダンスを踊るのはロザリア。
幾度となく抗議を受け、ケインは考えを改めると誓ってくれたが本当に考えを改めたのか。改めていれば婚約は継続、そうでなければ解消だがソシャリーも年齢的に次を決めておかないと家のお荷物になってしまう。
「こちらは嫁いでくれるならそれに越したことはない」と父が用意をしてくれたのは「自分の責任なので面倒を見ている子の数は35」という次期辺境伯だった?!
★↑例の如く恐ろしく省略してます。
★9月14日投稿開始、完結は9月16日です。
★コメントの返信は遅いです。
★タグが勝手すぎる!と思う方。ごめんなさい。検索してもヒットしないよう工夫してます。
♡注意事項~この話を読む前に~♡
※異世界を舞台にした創作話です。時代設定なし、史実に基づいた話ではありません。【妄想史であり世界史ではない】事をご理解ください。登場人物、場所全て架空です。
※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義なのでリアルな世界の常識と混同されないようお願いします。
※心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。
※価値観や言葉使いなど現実世界とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
※話の基幹、伏線に関わる文言についてのご指摘は申し訳ないですが受けられません
転生悪役モブは溺愛されんで良いので死にたくない!
煮卵
BL
ゲーム会社に勤めていた俺はゲームの世界の『婚約破棄』イベントの混乱で殺されてしまうモブに転生した。処刑の原因となる婚約破棄を避けるべく王子に友人として接近。なんか数ヶ月おきに繰り返される「恋人や出会いのためのお祭り」をできる限り第二皇子と過ごし、婚約破棄の原因となる主人公と出会うきっかけを徹底的に排除する。
最近では監視をつけるまでもなくいつも一緒にいたいと言い出すようになった・・・やんごとなき血筋のハンサムな王子様を淑女たちから遠ざけ男の俺とばかり過ごすように仕向けるのはちょっと申し訳ない気もしたが、俺の運命のためだ。仕方あるまい。
俺の死亡フラグは完全に回避された!
・・・と思ったら、婚約の儀の当日、「私には思い人がいるのです」
と言いやがる!一体誰だ!?
その日の夜、俺はゲームの告白イベントがある薔薇園に呼び出されて・・・
ラブコメが描きたかったので書きました。
自称ヒロインに「あなたはモブよ!」と言われましたが、私はモブで構いません!!
ゆずこしょう
恋愛
ティアナ・ノヴァ(15)には1人の変わった友人がいる。
ニーナ・ルルー同じ年で小さい頃からわたしの後ろばかり追ってくる、少しめんどくさい赤毛の少女だ。
そしていつも去り際に一言。
「私はヒロインなの!あなたはモブよ!」
ティアナは思う。
別に物語じゃないのだし、モブでいいのではないだろうか…
そんな一言を言われるのにも飽きてきたので私は学院生活の3年間ニーナから隠れ切ることに決めた。
お幸せに、婚約者様。
ごろごろみかん。
恋愛
仕事と私、どっちが大切なの?
……なんて、本気で思う日が来るとは思わなかった。
彼は、王族に仕える近衛騎士だ。そして、婚約者の私より護衛対象である王女を優先する。彼は、「王女殿下とは何も無い」と言うけれど、彼女の方はそうでもないみたいですよ?
婚約を解消しろ、と王女殿下にあまりに迫られるので──全て、手放すことにしました。
お幸せに、婚約者様。
私も私で、幸せになりますので。
突然だけど、空間魔法を頼りに生き延びます
ももがぶ
ファンタジー
俺、空田広志(そらたひろし)23歳。
何故だか気が付けば、見も知らぬ世界に立っていた。
何故、そんなことが分かるかと言えば、自分の目の前には木の棒……棍棒だろうか、それを握りしめた緑色の醜悪な小人っぽい何か三体に囲まれていたからだ。
それに俺は少し前までコンビニに立ち寄っていたのだから、こんな何もない平原であるハズがない。
そして振り返ってもさっきまでいたはずのコンビニも見えないし、建物どころかアスファルトの道路も街灯も何も見えない。
見えるのは俺を取り囲む醜悪な小人三体と、遠くに森の様な木々が見えるだけだ。
「えっと、とりあえずどうにかしないと多分……死んじゃうよね。でも、どうすれば?」
にじり寄ってくる三体の何かを警戒しながら、どうにかこの場を切り抜けたいと考えるが、手元には武器になりそうな物はなく、持っているコンビニの袋の中は発泡酒三本とツナマヨと梅干しのおにぎり、後はポテサラだけだ。
「こりゃ、詰みだな」と思っていると「待てよ、ここが異世界なら……」とある期待が沸き上がる。
「何もしないよりは……」と考え「ステータス!」と呟けば、目の前に半透明のボードが現れ、そこには自分の名前と性別、年齢、HPなどが表記され、最後には『空間魔法Lv1』『次元の隙間からこぼれ落ちた者』と記載されていた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる