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第2章 紅蓮の炎
第15話 死の淵
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「あの~ あんた、この学校の生徒さんでしょ??帰らんでええの??」
「ふえ?? 今、何時……」
職員のおばさんに声をかけられて、如月佳澄は目を覚ました。
「あ、すみません…… 本を読んでた途中で寝てました……」
「今日は、あたしが戸締まりした後に床の張り替えなどの作業だからね~ 忘れもんせんでや~」
「わかりました 今片付けます」
私は机の上に置いていた筆記用具、本、飲み水を急いでバックの中にしまった
「そんな焦らんでええよ~」
私は片付けると、校舎裏から爆発音がなった
(工事の音、こんな爆発音大きいんだ…… びっくりした……)
「もう始まった感じですかね?? 起こしていただきありがとうございました!!失礼します」
バタんとドアを閉め、図書室から出た。
「あれ??旧体育館は来週だったはずやけど?? わからないけれども、まあ予定変更かしら??」
廊下を歩いてる時にふと、思い出した。
(そう言えば、私自転車の鍵を無くしてて盗難対策に裏に置いていたんだった……)
「まあ、忘れ物して戻ったと言えば怒られないと思いたい……」
少し歩いたのちに、旧体育館周辺に着いた。
好奇心で私は一応、工事があったであろう場所に向かった。
(さっき大きな爆発音のようなのが聞こえたのはこの辺だったけど……)
旧体育館に着いたが作業人の姿はなかった。
代わりに昨日まではあった旧体育館のあった位置に、巨大な穴が開いていた。
(解体用の重機とかは見当たらない…… もう撤去したのかな??)
「気になるし、覗いてみよ……」
私は好奇心で大穴の上から、中を覗き込んだ
最初は何も見えなくて、作業後の光景かなと思って帰ろうとした瞬間、中心に誰かいるのが見えた。
(あれは…… 人だよね……)
よく見ると、大火傷を負っている人が倒れていた。
まだ生きている可能性を信じて、私は穴の中心に走っていった。
(足場が悪い…… 靴に瓦礫か何かが刺さって痛い……)
降っている途中に石のようなものぶつかって、足を擦りむいてしまったが、気にしている場合ではなかった。
穴の中心に着くと、上から見たとおり人が倒れていた。
実際に近くでよく見ると、悲鳴を上げそうなったけれども、もしも事件なら犯人が近くにいると思い、悲鳴を押し殺した。
詳しくみると、うちの学校の制服を着ている人だった。
(火傷を負っているのに、服は無事なのね……)
一応その人の体を起こして、目の位置の前で手をひらひらとして意識があるかの確認をしてみたが反応がなかった。
「だ、大丈夫ではないですよね…… あ、あの……生きてますか??」
私が話しかけると、息を吹き返したようにその人は立ち上がった。
「はぁ…… はぁ…… げほっっ!! 喉がいてぇ…… え、あ~生きてた…… って佳澄さんか!! 僕を介抱してくれてありがとう……」
声をかけてみると城ヶ崎陽翔君だった。
全身の火傷と怪我で最初に見た時は、誰かわからなかった。
「え?? 陽翔くん?? いや今きただけで、私は何もしてないよ…… それより、その体どうしたの??」
「ああ、ちょっとヘマしてな……。っっとごめん…… 意識を保つのがやっとで、これ以上話せそうに…… ない……」
そう告げ、陽翔はまた気を失った。
バタっと倒れた陽翔の体を支えた。
「陽翔くん、陽翔くん!!」
何度か呼ぶが目を覚さなかった。
病院まで学校からかなり距離があるので、応急措置のため保健室へ連れていくことにした。
(こんな怪我をしてても、まだ生きてるなんて…… この人の生命力はおかしいでしょ……)
廊下は血で汚れてたが、気にする余裕もない。
幸い教師や生徒が工事の影響で帰っているので、大ごとにならずによかった
「陽翔くんが軽いから、私でも運べてよかった…… 」
しばらく歩き、保健室に着いた。
(人の命に関わることだし、器具を勝手に使うしかないね)
「し、失礼します……」
中に入ると、白衣を着た女性が座っていた。
(黒髪のロング、後ろで結んでいて、保健室の先生かな)
「あら??生徒の方はみんな帰ったはずだけど、おかしいわね……」
「あなたが先生ですか??この人が怪我しているので手当をしてください!!」
「怪我ってレベルじゃないし、ほんとに生きてるの?まあいいわベットに寝かしてあげて」
そっとベットに晴翔くんを置いた
「私は、今すぐ救急車を呼びます」
私が携帯をバックから取り出そうとすると先生が止めた。
「いや……いいわ、私だけで治せるし……」
そういい先生は上着のボタンをとり、陽翔の胸の中心に手を置いた。
「今から治すね」
咳払いをしたのち、液体のようなものを取り出して陽翔の表面にかけた
「損傷の位置を特定、再構築を開始」
魔力を流しているように見え、次第に傷が減っていき、手を離すと傷が全てなくなった。
「先生のそれ、能力ですか??」
そういうと、先生は陽翔の服のボタンを閉めて布団をかけた。
「ええ、私の能力『Healing』よ風邪などは治せないけど、怪我なら基本なんでも治せるから あなたも怪我したらきなさいね」
「ふえ?? 今、何時……」
職員のおばさんに声をかけられて、如月佳澄は目を覚ました。
「あ、すみません…… 本を読んでた途中で寝てました……」
「今日は、あたしが戸締まりした後に床の張り替えなどの作業だからね~ 忘れもんせんでや~」
「わかりました 今片付けます」
私は机の上に置いていた筆記用具、本、飲み水を急いでバックの中にしまった
「そんな焦らんでええよ~」
私は片付けると、校舎裏から爆発音がなった
(工事の音、こんな爆発音大きいんだ…… びっくりした……)
「もう始まった感じですかね?? 起こしていただきありがとうございました!!失礼します」
バタんとドアを閉め、図書室から出た。
「あれ??旧体育館は来週だったはずやけど?? わからないけれども、まあ予定変更かしら??」
廊下を歩いてる時にふと、思い出した。
(そう言えば、私自転車の鍵を無くしてて盗難対策に裏に置いていたんだった……)
「まあ、忘れ物して戻ったと言えば怒られないと思いたい……」
少し歩いたのちに、旧体育館周辺に着いた。
好奇心で私は一応、工事があったであろう場所に向かった。
(さっき大きな爆発音のようなのが聞こえたのはこの辺だったけど……)
旧体育館に着いたが作業人の姿はなかった。
代わりに昨日まではあった旧体育館のあった位置に、巨大な穴が開いていた。
(解体用の重機とかは見当たらない…… もう撤去したのかな??)
「気になるし、覗いてみよ……」
私は好奇心で大穴の上から、中を覗き込んだ
最初は何も見えなくて、作業後の光景かなと思って帰ろうとした瞬間、中心に誰かいるのが見えた。
(あれは…… 人だよね……)
よく見ると、大火傷を負っている人が倒れていた。
まだ生きている可能性を信じて、私は穴の中心に走っていった。
(足場が悪い…… 靴に瓦礫か何かが刺さって痛い……)
降っている途中に石のようなものぶつかって、足を擦りむいてしまったが、気にしている場合ではなかった。
穴の中心に着くと、上から見たとおり人が倒れていた。
実際に近くでよく見ると、悲鳴を上げそうなったけれども、もしも事件なら犯人が近くにいると思い、悲鳴を押し殺した。
詳しくみると、うちの学校の制服を着ている人だった。
(火傷を負っているのに、服は無事なのね……)
一応その人の体を起こして、目の位置の前で手をひらひらとして意識があるかの確認をしてみたが反応がなかった。
「だ、大丈夫ではないですよね…… あ、あの……生きてますか??」
私が話しかけると、息を吹き返したようにその人は立ち上がった。
「はぁ…… はぁ…… げほっっ!! 喉がいてぇ…… え、あ~生きてた…… って佳澄さんか!! 僕を介抱してくれてありがとう……」
声をかけてみると城ヶ崎陽翔君だった。
全身の火傷と怪我で最初に見た時は、誰かわからなかった。
「え?? 陽翔くん?? いや今きただけで、私は何もしてないよ…… それより、その体どうしたの??」
「ああ、ちょっとヘマしてな……。っっとごめん…… 意識を保つのがやっとで、これ以上話せそうに…… ない……」
そう告げ、陽翔はまた気を失った。
バタっと倒れた陽翔の体を支えた。
「陽翔くん、陽翔くん!!」
何度か呼ぶが目を覚さなかった。
病院まで学校からかなり距離があるので、応急措置のため保健室へ連れていくことにした。
(こんな怪我をしてても、まだ生きてるなんて…… この人の生命力はおかしいでしょ……)
廊下は血で汚れてたが、気にする余裕もない。
幸い教師や生徒が工事の影響で帰っているので、大ごとにならずによかった
「陽翔くんが軽いから、私でも運べてよかった…… 」
しばらく歩き、保健室に着いた。
(人の命に関わることだし、器具を勝手に使うしかないね)
「し、失礼します……」
中に入ると、白衣を着た女性が座っていた。
(黒髪のロング、後ろで結んでいて、保健室の先生かな)
「あら??生徒の方はみんな帰ったはずだけど、おかしいわね……」
「あなたが先生ですか??この人が怪我しているので手当をしてください!!」
「怪我ってレベルじゃないし、ほんとに生きてるの?まあいいわベットに寝かしてあげて」
そっとベットに晴翔くんを置いた
「私は、今すぐ救急車を呼びます」
私が携帯をバックから取り出そうとすると先生が止めた。
「いや……いいわ、私だけで治せるし……」
そういい先生は上着のボタンをとり、陽翔の胸の中心に手を置いた。
「今から治すね」
咳払いをしたのち、液体のようなものを取り出して陽翔の表面にかけた
「損傷の位置を特定、再構築を開始」
魔力を流しているように見え、次第に傷が減っていき、手を離すと傷が全てなくなった。
「先生のそれ、能力ですか??」
そういうと、先生は陽翔の服のボタンを閉めて布団をかけた。
「ええ、私の能力『Healing』よ風邪などは治せないけど、怪我なら基本なんでも治せるから あなたも怪我したらきなさいね」
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