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第1章 天災

第1話 伝説はここから始まった

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3月31日、春休みの最終日の夜7時半頃。
この僕『城ヶ崎陽翔』はいつものスーパーマーケットで買い物をしていた。
明日の朝飯、飲み物、掃除用品などをカートに入れてレジに向かった。

「1930円になります」

「カード一括で」

「ありがとうございましたー」

明日は入学式、中学とは違い『超能力』に重きを置いている学校で正直不安だ。
そんなことを考えながら帰っていると、チンピラのような人が3人公園で何かをしていた。
何をそんなにニヤニヤしているのだろうと思って気になって近づいて見ると、白い粉のようなものと葉っぱのようなもを持っていた。

(これって…… 薬じゃん、どうしよう……)

僕は警察に通報しようかと悩んでいると、チンピラの1人と目があった。

「あ?? なんだこいつ」

(やば……)

「なに見てんだよ、ってまさか見てないよな??袋の中身」

3人中で1番肩幅が広く、ゴリラのような体格の男が袋に指を刺した。
僕は全力で手を振って、見てないですよという顔をして目を泳がせた。

「いや、こいつ嘘下手 ぜってぇ見てやしたでやんす」

一番小柄で、メガネをかけている下っ端のようなやつが僕の背中を押してボスのようなやつの前に連れてきた。
ボスのようなやつは、メリケンサックをバッグから取り出した。

「おめぇの顔がハンバークを焼く前のミンチのようになるを見るのが、いっちゃん楽しみだぜえええええ」

メリケンサックをつけた男は僕の顔面目掛けて、殴りかかってきた

「「いけー兄貴!!」」

メリケンサックのついた男の拳は、僕の顔面に直撃した。

「ふっふっふっ ふははははは、ザマあ!!クソガキ!!」

「さすがです!! 兄貴!!」

「一生ついて行くでやんす!!」

3人組は僕の顔面にメリケンサックのパンチが直撃した瞬間に笑い転げた。
3人が笑っていると、メリケンサックの棘の部分が砕けて地面に落ちた。

「急に何すんだよ びっくりしたじゃん!!」

「「「えええええええええ」」」

メリケンサックのパンチを喰らっても傷ひとつない僕の顔を見て、3人組は抱き合って驚いた。

「いや、そんな驚くこはないでしょ…… もしかしてこの街に引っ越してきたばっかですか??」

この街には超能力が存在する。
能力ある人間はそう多くはないが、2(セカンド)と呼ばれる2段階目の強さの能力を持つものだとメリケンサックどころか殴った側の腕まで破壊するレベルなので別に驚くことでもないと僕は思った。

「あ、あんた 能力者でやんすか??」

「いや、父にお前は能力ないから鍛えるぞって言われて鍛えただけで能力ないわ!! だから明日、能力に力を入れてる学校に行くのが不安すぎて、こんなとこ歩いてたんだわ!!」

僕がそう言うと、3人はしらねぇよって顔をして僕を見てきた。

「君たち、何してるんだ!!」

「やば、警察だ!! 逃げろ!! お前ら!!」

3人組は警察を見た瞬間、走って逃げた。

「殴ったの許したつもりはないけど!!」

僕は走って3人組が逃げた道に建っている家の塀の上を走って1番前に行った。

「逃げんな!!」

先頭を走っていた、薬の入っている袋を持つリーダーの足を蹴って転ばせた。

「どわあああああああああああ」

勢いが強く、リーダーはゴミ袋がたくさんあるマンションのゴミ捨て場にぶつかって止まった。


「「兄貴!!」」

残りの2人が、リーダーをゴミ捨て場から出そうとしていると警察が到着した。
僕はゴミ捨て場の近くにあった袋を警察に渡した。

「これ、3人が持ってた 多分違法薬物です」

「この間捕まえた商人が、3人組のチンピラに売ったと刑務所でいっててね、協力に感謝するよ」

警察はそう言って、3人に手錠をかけた。

「あんた、何者だ…… あの身体能力……」

パトカーに乗る直前に、リーダーが僕にそう言った。

「ただの新高校1年の、あんたが言うクソガキだよ」

僕はクソガキと言われたことをまだ根に持っていたので、舌を出してベーっという顔をした。
男は笑い、パトカーはサイレンを鳴らさずにその場を去った。









目覚ましの音で目が覚めた、今日4月1日は入学式の日だ。

「昨日は入学式の前だってのに変なのに絡まれたせいで寝不足だ…… まあそれより紫音を起こさないと……」

隣の部屋で寝ている紫音を起こしに行った

「紫音、紫音 起きろ~」

僕が紫音の部屋のドアを開けて呼ぶと、布団から出てきた。

「お兄ちゃん おはよ~」

眠そうな声で紫音が目を覚ました

「紫音 眠そうだけど大丈夫?」

「えへへ 学校が楽しみで眠れなかった~」

「朝ごはん作るから、その間に支度してね」

僕は朝食を作りに1階へ降りた パンを焼き、ヨーグルト、牛乳というよくある家庭の朝食だ。用意を済ませたら紫音が着替え下に降りてきた。

「いただきます」

「いただきます」

朝飯を食べながらテレビを見ていたらなにやら気になるニュースが流れてきた。

「たった今速報が入ってきました 東区の研究施設で何者かによって化学兵器が盗まれました、今のところ怪我人は確認されておらず 現在警察が調査中です」

(東区の研究施設は父母がいるところだ)

「お父さんとお母さん 大丈夫かな」

紫音が不安そうに言った

「怪我人は確認されていないし、大丈夫だといいね」

「そうだね」

春休みの期間、研究が忙しいらしく1ヶ月ほど会っていないので不安だった。

「食べ終わったし、そろそろ行くか」 

「うん!」

食べ終わった皿を片付け、紫音と一緒に学校へ向かった。



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