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ゆめうさ~わたしを取り戻す旅~
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アイカ:(女性)夢を諦めて疲れ果てた社会人
ぴょんちゃん:(不問)幼い頃から大切に
していたうさぎのぬいぐるみ
ぴょんちゃん、アイカの性別変更可、語尾変可、ぬいぐるみの種類変更可
アイカ(M):絵本作家になりたくて夢に向かって
アイカ(M):がむしゃらに突き進んできた
アイカ(M):なかなか結果が出ないまま
アイカ(M):月日だけが過ぎていき
アイカ(M):徐々に疲弊(ひへい)していった私は
アイカ(M):両親に苛立ちをぶつけるようになり
アイカ(M):いつしか夢を諦め
アイカ(M):就職して一人暮らしを始めた
アイカ(M):大切な友達を置き去りにして……
アイカ:はぁぁぁ…
アイカ:疲れた、早く寝たい
アイカ(M):重い身体を引きづって部屋に着くなり
アイカ(M):意識を手放し朝を迎える
アイカ(M):そんな毎日の繰り返し
アイカ(M):あぁ…、今日もまた意識が掠れていく
アイカ(M):きっとまた、夢も見ずに
アイカ(M):朝を迎えるのだろう
0:場面転換
ぴょん:アイカちゃん、起きるぴょん
ぴょん:ねーねー、早く起きるぴょん
アイカ(M):何か柔らかいものに
アイカ(M):頬を叩かれているような
アイカ(M):そんな、優しい刺激を受けて
アイカ(M):意識が徐々に浮上する
ぴょん:アイカちゃんってば、早く起きるぴょん
ぴょん:いつまでのんきに寝てるぴょん
アイカ(M):重い瞼(まぶた)をこじ開け
アイカ(M):声のする方へ顔を向ける
アイカ(M):するとそこには…
アイカ:………ぴょんちゃん?
ぴょん:そうだぴょん!
ぴょん:まだ寝ぼけてるのかぴょん?
ぴょん:アイカちゃん久しぶりだぴょん
アイカ(M):私の目の前には実家を
アイカ(M):出る時に置いてきた
アイカ(M):うさぎのぬいぐるみがいた
アイカ(M):幼い頃からずっと一緒にいて
アイカ(M):誰にも言えないような事も
アイカ(M):全部ぴょんちゃんに話してきた
アイカ(M):私の全てを受け止めてくれた
アイカ(M):大切なお友達、ぴょんちゃん
アイカ(M):ぴょんちゃんを見ていると
アイカ(M):諦めたはずの夢を諦めきれなく
アイカ(M):なりそうで、1人で実家を出た
ぴょん:アイカちゃん?どうしたぴょん?
ぴょん:アイカちゃんは相変わらず
ぴょん:ボーっとしてるぴょんね
ぴょん:やっぱりアイカちゃんには
ぴょん:ボクがついてないとダメだぴょん
アイカ:どうしてここにいるの?ぴょんちゃん
アイカ:私、夢みてるのかな
アイカ:居るはずのないぴょんちゃんが
アイカ:喋って、動いてるんだもん
ぴょん:夢じゃないぴょん
アイカ:え?夢じゃないの?
ぴょん:でも、現実でもないぴょん
アイカ:現実でもない?どうゆうこと?
ぴょん:ここは現実と夢の狭間(はざま)だぴょん
ぴょん:本当だけど、本当じゃない
ぴょん:居るけど、居ないんだぴょん
ぴょん:どっちでもあって、どっちでもない
ぴょん:そんな世界だぴょん
アイカ:どっちでもあって、どっちでもない?
ぴょん:そうだぴょん
ぴょん:さぁ、アイカちゃん!
ぴょん:モタモタしてる暇はないぴょん
ぴょん:早く行くぴょん!
アイカ:え?行くってどこへ?
ぴょん:アイカちゃんの失くした(なくした)モノを
ぴょん:全部一緒に探しに行くぴょん
アイカ:ちょ……
アイカ:ねぇ、待ってよー
アイカ:ぴょんちゃーん
0:場面転換
ぴょん:着いたぴょん
アイカ:はぁ、はぁ…
アイカ:早いよ、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、空を見てみるぴょん
アイカ:はぁ、はぁ………
アイカ:え?空?なんで?
アイカ:……って、うわぁぁぁぁぁ!…キレイ…
アイカ(M):ぴょんちゃんに促されて
アイカ(M):空を見上げると
アイカ(M):真っ青な空に浮かぶ沢山の虹と
アイカ(M):様々な大きさのシャボン玉が
アイカ(M):目に映った
アイカ(M):その風景のあまりの美しさに
アイカ(M):息をのみ、言葉を無くす
ぴょん:アイカちゃん、どうだぴょん?
ぴょん:何か感じたぴょん?
アイカ:………うん……キレイだね……
ぴょん:ふふふ、そうでしょう?
ぴょん:とってもキレイだから
ぴょん:まずはこの景色をアイカちゃんに
ぴょん:見せて上げたかったんだぴょん
アイカ(M):忙しない日常を過ごし
アイカ(M):空を見上げる余裕などなかった
アイカ(M):何かを見てキレイだなんて
アイカ(M):思ったのはいつぶりだろう
アイカ(M):何処までも続く美しい景色を
アイカ(M):見つめる私の瞳から
アイカ(M):いつしか涙がこぼれ落ちていた
アイカ:……キレイ
アイカ:とってもキレイだね、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃんが喜んでくれて
ぴょん:よかったぴょん
ぴょん:あっちに美味しいお菓子があるぴょん
ぴょん:一緒に食べるぴょん
アイカ:うん、一緒に食べよう
アイカ:どんなお菓子なの?
ぴょん:知ってるのに、知らない
ぴょん:食べた事あるのに、食べた事ない
ぴょん:そんなお菓子だぴょん
ぴょん:無くなったら大変だぴょん!
ぴょん:アイカちゃん、早く行くぴょん
アイカ(M):そう言うと
アイカ(M):ぴょんちゃんは私の手を取って
アイカ(M):ちょこちょこと駆け足で
アイカ(M):奥にある屋台へと進んだ
アイカ(M):ぴょんちゃんに手渡されたお菓子は
アイカ(M):初めて見るのに
アイカ(M):いつか見た事があるような
アイカ(M):どこか懐かしい味がした
ぴょん:アイカちゃんまたボーっとしてるぴょん
ぴょん:やっぱりアイカちゃんには
ぴょん:ボクが居ないとダメだぴょん
ぴょん:アイカちゃんが迷子にならないように
ぴょん:手を繋いであげるぴょん
アイカ(M):私は差し出されたぴょんちゃんの
アイカ(M):手をそっと握った
アイカ(M):手を繋ぎ2人でお菓子を食べながら
アイカ(M):虹を渡り、時にシャボン玉の中で
アイカ(M):休みながら進んで行く
アイカ(M):いくつかの虹を渡った頃には
アイカ(M):私の硬く結んだ口元が綻び始めていた
ぴょん:アイカちゃん、キレイなモノをキレイと
ぴょん:思える心を取り戻せたぴょんね
ぴょん:よかったぴょん
ぴょん:アイカちゃん、次の場所へ
ぴょん:失くしたモノを探しに行くぴょん!
アイカ:うん、行こう!ぴょんちゃん
0:場面転換
アイカ(M):ぴょんちゃんと手を繋いで
アイカ(M):歩いて行った先には様々な花が
アイカ(M):咲き乱れるお花畑が広がっていた
アイカ(M):辺りに漂う花の香りに
アイカ(M):全身から力が抜けていき
アイカ(M):凝り固まっていた心まで
アイカ(M):解れていくようだった
アイカ:キレイだね、ぴょんちゃん
ぴょん:ふふふ、アイカちゃん
ぴょん:そうだね、キレイだぴょん
アイカ:お花の香りがするね、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん
ぴょん:とてもいい香りがするぴょんね
アイカ:ここでお昼寝したくなっちゃうね
アイカ:ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、昔みたいに
ぴょん:一緒にお昼寝しようだぴょん
アイカ:そうだね、一緒にお昼寝しようか
アイカ:ぴょんちゃん
アイカ(M):私がそう言うとぴょんちゃんは
アイカ(M):繋いでいた手を解いて
アイカ(M):突然こちらに向かって両手を差し出す
アイカ(M):私が不思議そうにぴょんちゃんを
アイカ(M):眺めていると
ぴょん:アイカちゃん、はい抱っこだぴょん
アイカ:え…?
ぴょん:お昼寝するなら、抱っこだぴょん
ぴょん:寝る時はいつもボクを抱っこしてたぴょん
ぴょん:早く抱っこするぴょん
アイカ:そうだったね、抱っこして寝てたね
アイカ:おいで、ぴょんちゃん
ぴょん:えへへ、アイカちゃんの抱っこ
ぴょん:久しぶりだぴょん
アイカ:おやすみなさい、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、おやすみぴょん
アイカ(M):柔らかな日差しを浴びながら
アイカ(M):私はぴょんちゃんをぎゅっと
アイカ(M):抱き締めながら横になる
アイカ(M):ぴょんちゃんがそばに居ると安心する
アイカ(M):張り詰めていた気持ちが楽になり
アイカ(M):私は穏やかな気持ちで眠りについた
アイカ(M):2人の間を優しい時間が流れていく
アイカ(M):花の香りを運ぶ風が、頬を撫でる
アイカ(M):ゆらゆらと揺れる花々にくすぐられて
アイカ(M):そのくすぐったさに目覚めた
ぴょん:アイカちゃん、おはようだぴょん
ぴょん:ゆっくり眠れたかぴょん?
アイカ:おはよう、ぴょんちゃん
アイカ:こんなによく寝れたの久しぶり
アイカ:凄くスッキリしてる
アイカ:なんだか心も身体も軽くなったみたい
ぴょん:アイカちゃんはボクが見ててあげないと
ぴょん:すーぐ無理しちゃうぴょん
ぴょん:やっぱりボクがそばに居ないと
ぴょん:ダメだぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん
アイカ:私にはぴょんちゃんが居ないとだね
ぴょん:アイカちゃんが笑ったぴょん!
ぴょん:アイカちゃんには笑顔が似合うぴょん!
ぴょん:アイカちゃんが笑顔を取り戻せたぴょん
ぴょん:良かったぴょん
ぴょん:他の無くしたモノも探しに行くぴょん
0:場面転換
ぴょん:アイカちゃんこっちこっちこっちだぴょん
アイカ:色々な楽器の音色が
アイカ:聞こえてくるねぴょんちゃん
アイカ:何だかみんなとっても楽しそう
ぴょん:ここには世界中の楽器があるんだぴょん
ぴょん:ここにある楽器はどれでも
ぴょん:演奏していいんだぴょん
ぴょん:たしか、アイカちゃんは笛が
ぴょん:好きだったぴょん
ぴょん:あっちにあるから行ってみるぴょん
アイカ:そんなに走ったら転んじゃうよ!
アイカ(M):子供の頃家族で行ったお祭りで聴いた
アイカ(M):お囃子が聞こえてくる
アイカ(M):初めてお囃子を耳にした時
アイカ(M):その笛の音色に魅了された
アイカ(M):私は両親に無理を言って
アイカ(M):篠笛を習い始め
アイカ(M):大人になっても続けていた
ぴょん:確かこの辺に……
ぴょん:アイカちゃんの笛を見つけたぴょん!
ぴょん:これ!
ぴょん:アイカちゃんのお気に入りの笛だぴょん
ぴょん:はい、アイカちゃん
アイカ:これ………
アイカ:私がお小遣いを貯めて初めて
アイカ:自分で買った篠笛立平(しのぶえりっぺい)
ぴょん:アイカちゃん可愛くて綺麗な笛を
ぴょん:見つけたって言って
ぴょん:大はしゃぎしてたぴょん
アイカ:家に届いた時は嬉しくて
アイカ:一晩中篠笛を吹いて怒られたっけ
ぴょん:アイカちゃんのあの時の顔は
ぴょん:忘れられないぴょん
ぴょん:アイカちゃんの笛がまた聴きたいぴょん
ぴょん:早く聴かせて欲しいぴょん
アイカ:もう何年も吹いてないから指が動かないよ
アイカ:上手には吹けないかもしれないけど、
アイカ:ぴょんちゃん聴いてくれる?
ぴょん:アイカちゃんの笛大好きだぴょん
0:辺りに響く篠笛の音色
アイカ:久しぶりだから全然指動かないや
アイカ:…でも、やっぱり篠笛吹くの楽しいなぁ
ぴょん:アイカちゃんならすぐ元通り
ぴょん:吹けるようになるぴょん
ぴょん:コンクールに出た時くらい
ぴょん:一生懸命練習するぴょん
アイカ:そうだね、ぴょんちゃん
アイカ:たくさん練習しなきゃね
アイカ(M):毎日何時間も篠笛を吹き続けた
アイカ(M):おかげか全日本横笛コンクールで
アイカ(M):1度だけ予選突破し決勝まで
アイカ(M):進んだこともある
アイカ(M):残ながら入賞には至らなかったが
アイカ(M):最高に楽しくて気持ち良く
アイカ(M):篠笛を吹く事ができた
アイカ(M):でも、そんなに夢中だった篠笛も
アイカ(M):実家を出る時ぴょんちゃんと一緒に
アイカ(M):置いて来てしまった
ぴょん:またアイカちゃんの笛が
ぴょん:聴けるの嬉しいぴょん
ぴょん:楽しみだぴょん
ぴょん:ワクワク ウキウキだぴょん
アイカ:たくさん練習するからぴょんちゃん
アイカ:ずっと隣りで聴いていてね
ぴょん:もちろんだぴょん
ぴょん:アイカちゃんは好きな事を
ぴょん:思い切り楽しむことを取り戻したぴょん
ぴょん:これからは毎日楽しいことばかりぴょん
ぴょん:まずは向こうでやってるお祭りで
ぴょん:一緒に踊るぴょん!
アイカ:盆踊りなんて最後に踊ったの子供の頃だよ
アイカ:もう踊れないよ
ぴょん:みんなのマネをすればいいんだぴょん
ぴょん:楽しければいいんだぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん
アイカ:楽しければいいよね
0:場面転換
アイカ:静かだね、ぴょんちゃんここは
アイカ:どんな所なの?
ぴょん:ここは世界中の本が集まっている
ぴょん:世界図書館だぴょん
ぴょん:アイカちゃんが知ってる本も知らない本も
ぴょん:出会えなかった本もこれから出会う本も
ぴょん:全てここにあるんだぴょん
アイカ:この扉、名札が付いてるよぴょんちゃん
アイカ:これ私の名前だよね?
ぴょん:アイカちゃん、そうだぴょん
ぴょん:ここは今までアイカちゃんが
ぴょん:出会って来た本が全部収められた
ぴょん:部屋だぴょん
ぴょん:中に入ってみるぴょん
アイカ:うわぁ……
アイカ:凄い懐かしい、この数学の参考書
アイカ:難しいすぎて壁に投げちゃったっけ
アイカ:こっちの小説は切なくて
アイカ:泣きながら読んだなー
アイカ:篠笛の楽譜まである!
ぴょん:多分この辺にあるはずぴょん
ぴょん:あ!あったぴょん!
アイカ:そんなすみっコでぴょんちゃん
アイカ:何探してるの?
ぴょん:アイカちゃん、はいこれどうぞだぴょん
ぴょん:アイカちゃんの大好きな絵本だぴょん
ぴょん:ボクもこの絵本大好きだぴょん
アイカ:これ………
アイカ:何度も読み返してボロボロだったのに、
アイカ:ぴょんちゃんまるで新品みたいに綺麗だね
ぴょん:アイカちゃん、世界図書館にある本は
ぴょん:全部ピカピカなんだぴょん
アイカ:嬉しいな、ぴょんちゃんもこの絵本を
アイカ:好きでいてくれたんだね
ぴょん:アイカちゃんがよく読んでくれたから
ぴょん:今日はボクがアイカちゃんにこの絵本を
ぴょん:読んであげるんだぴょん
アイカ:本当に?ぴょんちゃんが読んでくれるの?
アイカ:ありがとう
ぴょん:さぁ、ここに座るぴょん
アイカ:うん、ありがとうぴょんちゃんも
アイカ:お膝においで
ぴょん:絵本を読む時の定位置だぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん絵本を
アイカ:読む時はお膝の上だよね
ぴょん:あるところに1軒のお店があったぴょん
0:語尾ぴょんなしで、ナレーション風に
0:読んでください
ぴょん:お店の中にはたくさんのぬいぐるみが
ぴょん:並んでいます
ぴょん:ぬいぐるみ達は小さなお友達が
ぴょん:迎えに来るのを今か今かと待っていました
ぴょん:ある日お店に小さな女の子が
ぴょん:やって来ました
ぴょん:女の子はたくさんあるぬいぐるみの
ぴょん:中から白いうさぎを選び抱きしめながら
ぴょん:[この子にする]と嬉しそうに言いました
ぴょん:お店の人は女の子に
ぴょん:[大切にしてあげてね。そうしたら、きっと
ぴょん:このうさぎさんはステキなお友達に
ぴょん:なってくれるよ]と言いました
ぴょん:女の子はうさぎのぬいぐるみを
ぴょん:ぴょんちゃんと呼んでとても
ぴょん:とても大切にしました
ぴょん:大切にされたぴょんちゃんはある日
ぴょん:女の子に[大切にしてくれてありがとう]と
ぴょん:話しかけました
ぴょん:女の子はびっくりしましたが
ぴょん:とても喜びました
ぴょん:そして2人は何でも話し合える
ぴょん:お友達になって
0:語尾ぴょんに戻りますナレーション風終了
ぴょん:ずっと一緒に幸せに暮らしたんだぴょん
ぴょん:このうさぎ、ボクと同じ名前だぴょん
アイカ:そうだよ、ぴょんちゃんの名前は
アイカ:この絵本のうさぎさんからもらったんだよ
アイカ:私もステキなお友達が欲しくて
アイカ:うさぎのぬいぐるみが欲しいって
アイカ:おねだりしたの
ぴょん:アイカちゃんがこの絵本を読んでくれる度
ぴょん:ボクもアイカちゃんとずっと一緒に
ぴょん:居たいって思ってたぴょん
アイカ:ぴょんちゃん私も同じことを思っていたよ
ぴょん:アイカちゃんこの絵本は絵もお話しも
ぴょん:とても可愛いぴょん
アイカ:この絵本が大好きでいつか私も
アイカ:この絵本のようにステキなお話しが
アイカ:作りたくて絵本作家になりたいって
アイカ:思ったんだよ
ぴょん:アイカちゃんボクはステキなお友達に
ぴょん:なれたぴょん?
アイカ:ぴょんちゃん、もちろんだよ!
アイカ:ぴょんちゃんはとってもステキな
アイカ:お友達だよ!
ぴょん:えへへ、嬉しいぴょん
ぴょん:アイカちゃんの作るお話し
ぴょん:ボク大好きだぴょん
ぴょん:夢を諦めないで欲しいぴょん
アイカ:ぴょんぴょんありがとう
アイカ:でも無理だよ
アイカ:何度もコンテストに出したけど
アイカ:入賞出来なかったもん
ぴょん:アイカちゃんコンテストがダメなら
ぴょん:本を作るところに直接行けばいいぴょん
ぴょん:それでもダメなら自分で作ってしまえば
ぴょん:いいぴょん
ぴょん:諦めないで欲しいぴょん
アイカ:ぴょんちゃん………
アイカ:そうだね、やり方なんていくらでも
アイカ:あるもんね私もう一度頑張ってみるよ
アイカ:ぴょんちゃん応援してくれる?
ぴょん:アイカちゃんもちろんだぴょん!
ぴょん:ボクは今までもこれからもずっと
ぴょん:アイカちゃんを応援してるぴょん
アイカ:ぴょんちゃんが応援してくれたら
アイカ:何でも出来ちゃうね
ぴょん:アイカちゃんはボクがいないと
ぴょん:ダメだぴょん
ぴょん:ちゃんと無理しないように
ぴょん:見張っててあげるるぴょん
ぴょん:だから、アイカちゃん……早く…
ぴょん:早く迎えに来て欲しいぴょん
アイカ:うん!
アイカ:ぴょんちゃんこれからもよろしくね
アイカ(M):これからも幾度となく困難に
アイカ(M):立ち向かわなければ行けない時が
アイカ(M):来るだろう
アイカ(M):でも私にはどんな事でも受け止め
アイカ(M):支えてくれるステキなお友達がいる
アイカ(M):ぴょんちゃんと一緒ならどんな事も
アイカ(M):乗り越えていけるよね
アイカ:ぴょんちゃん、だーい好き
ぴょん:これからはずっと一緒だぴょん
ぴょん:アイカちゃんだーい好きだぴょん
0:(間)
アイカ:もしもし、お母さん
アイカ:うん、うん、元気だよ
アイカ:今度の休みそっちに帰ろうかと思って
アイカ:うん、ありがとう
アイカ:じゃあ、またね
アイカ:ぴょんちゃん、迎えに行くから待っててね
ぴょんちゃん:(不問)幼い頃から大切に
していたうさぎのぬいぐるみ
ぴょんちゃん、アイカの性別変更可、語尾変可、ぬいぐるみの種類変更可
アイカ(M):絵本作家になりたくて夢に向かって
アイカ(M):がむしゃらに突き進んできた
アイカ(M):なかなか結果が出ないまま
アイカ(M):月日だけが過ぎていき
アイカ(M):徐々に疲弊(ひへい)していった私は
アイカ(M):両親に苛立ちをぶつけるようになり
アイカ(M):いつしか夢を諦め
アイカ(M):就職して一人暮らしを始めた
アイカ(M):大切な友達を置き去りにして……
アイカ:はぁぁぁ…
アイカ:疲れた、早く寝たい
アイカ(M):重い身体を引きづって部屋に着くなり
アイカ(M):意識を手放し朝を迎える
アイカ(M):そんな毎日の繰り返し
アイカ(M):あぁ…、今日もまた意識が掠れていく
アイカ(M):きっとまた、夢も見ずに
アイカ(M):朝を迎えるのだろう
0:場面転換
ぴょん:アイカちゃん、起きるぴょん
ぴょん:ねーねー、早く起きるぴょん
アイカ(M):何か柔らかいものに
アイカ(M):頬を叩かれているような
アイカ(M):そんな、優しい刺激を受けて
アイカ(M):意識が徐々に浮上する
ぴょん:アイカちゃんってば、早く起きるぴょん
ぴょん:いつまでのんきに寝てるぴょん
アイカ(M):重い瞼(まぶた)をこじ開け
アイカ(M):声のする方へ顔を向ける
アイカ(M):するとそこには…
アイカ:………ぴょんちゃん?
ぴょん:そうだぴょん!
ぴょん:まだ寝ぼけてるのかぴょん?
ぴょん:アイカちゃん久しぶりだぴょん
アイカ(M):私の目の前には実家を
アイカ(M):出る時に置いてきた
アイカ(M):うさぎのぬいぐるみがいた
アイカ(M):幼い頃からずっと一緒にいて
アイカ(M):誰にも言えないような事も
アイカ(M):全部ぴょんちゃんに話してきた
アイカ(M):私の全てを受け止めてくれた
アイカ(M):大切なお友達、ぴょんちゃん
アイカ(M):ぴょんちゃんを見ていると
アイカ(M):諦めたはずの夢を諦めきれなく
アイカ(M):なりそうで、1人で実家を出た
ぴょん:アイカちゃん?どうしたぴょん?
ぴょん:アイカちゃんは相変わらず
ぴょん:ボーっとしてるぴょんね
ぴょん:やっぱりアイカちゃんには
ぴょん:ボクがついてないとダメだぴょん
アイカ:どうしてここにいるの?ぴょんちゃん
アイカ:私、夢みてるのかな
アイカ:居るはずのないぴょんちゃんが
アイカ:喋って、動いてるんだもん
ぴょん:夢じゃないぴょん
アイカ:え?夢じゃないの?
ぴょん:でも、現実でもないぴょん
アイカ:現実でもない?どうゆうこと?
ぴょん:ここは現実と夢の狭間(はざま)だぴょん
ぴょん:本当だけど、本当じゃない
ぴょん:居るけど、居ないんだぴょん
ぴょん:どっちでもあって、どっちでもない
ぴょん:そんな世界だぴょん
アイカ:どっちでもあって、どっちでもない?
ぴょん:そうだぴょん
ぴょん:さぁ、アイカちゃん!
ぴょん:モタモタしてる暇はないぴょん
ぴょん:早く行くぴょん!
アイカ:え?行くってどこへ?
ぴょん:アイカちゃんの失くした(なくした)モノを
ぴょん:全部一緒に探しに行くぴょん
アイカ:ちょ……
アイカ:ねぇ、待ってよー
アイカ:ぴょんちゃーん
0:場面転換
ぴょん:着いたぴょん
アイカ:はぁ、はぁ…
アイカ:早いよ、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、空を見てみるぴょん
アイカ:はぁ、はぁ………
アイカ:え?空?なんで?
アイカ:……って、うわぁぁぁぁぁ!…キレイ…
アイカ(M):ぴょんちゃんに促されて
アイカ(M):空を見上げると
アイカ(M):真っ青な空に浮かぶ沢山の虹と
アイカ(M):様々な大きさのシャボン玉が
アイカ(M):目に映った
アイカ(M):その風景のあまりの美しさに
アイカ(M):息をのみ、言葉を無くす
ぴょん:アイカちゃん、どうだぴょん?
ぴょん:何か感じたぴょん?
アイカ:………うん……キレイだね……
ぴょん:ふふふ、そうでしょう?
ぴょん:とってもキレイだから
ぴょん:まずはこの景色をアイカちゃんに
ぴょん:見せて上げたかったんだぴょん
アイカ(M):忙しない日常を過ごし
アイカ(M):空を見上げる余裕などなかった
アイカ(M):何かを見てキレイだなんて
アイカ(M):思ったのはいつぶりだろう
アイカ(M):何処までも続く美しい景色を
アイカ(M):見つめる私の瞳から
アイカ(M):いつしか涙がこぼれ落ちていた
アイカ:……キレイ
アイカ:とってもキレイだね、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃんが喜んでくれて
ぴょん:よかったぴょん
ぴょん:あっちに美味しいお菓子があるぴょん
ぴょん:一緒に食べるぴょん
アイカ:うん、一緒に食べよう
アイカ:どんなお菓子なの?
ぴょん:知ってるのに、知らない
ぴょん:食べた事あるのに、食べた事ない
ぴょん:そんなお菓子だぴょん
ぴょん:無くなったら大変だぴょん!
ぴょん:アイカちゃん、早く行くぴょん
アイカ(M):そう言うと
アイカ(M):ぴょんちゃんは私の手を取って
アイカ(M):ちょこちょこと駆け足で
アイカ(M):奥にある屋台へと進んだ
アイカ(M):ぴょんちゃんに手渡されたお菓子は
アイカ(M):初めて見るのに
アイカ(M):いつか見た事があるような
アイカ(M):どこか懐かしい味がした
ぴょん:アイカちゃんまたボーっとしてるぴょん
ぴょん:やっぱりアイカちゃんには
ぴょん:ボクが居ないとダメだぴょん
ぴょん:アイカちゃんが迷子にならないように
ぴょん:手を繋いであげるぴょん
アイカ(M):私は差し出されたぴょんちゃんの
アイカ(M):手をそっと握った
アイカ(M):手を繋ぎ2人でお菓子を食べながら
アイカ(M):虹を渡り、時にシャボン玉の中で
アイカ(M):休みながら進んで行く
アイカ(M):いくつかの虹を渡った頃には
アイカ(M):私の硬く結んだ口元が綻び始めていた
ぴょん:アイカちゃん、キレイなモノをキレイと
ぴょん:思える心を取り戻せたぴょんね
ぴょん:よかったぴょん
ぴょん:アイカちゃん、次の場所へ
ぴょん:失くしたモノを探しに行くぴょん!
アイカ:うん、行こう!ぴょんちゃん
0:場面転換
アイカ(M):ぴょんちゃんと手を繋いで
アイカ(M):歩いて行った先には様々な花が
アイカ(M):咲き乱れるお花畑が広がっていた
アイカ(M):辺りに漂う花の香りに
アイカ(M):全身から力が抜けていき
アイカ(M):凝り固まっていた心まで
アイカ(M):解れていくようだった
アイカ:キレイだね、ぴょんちゃん
ぴょん:ふふふ、アイカちゃん
ぴょん:そうだね、キレイだぴょん
アイカ:お花の香りがするね、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん
ぴょん:とてもいい香りがするぴょんね
アイカ:ここでお昼寝したくなっちゃうね
アイカ:ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、昔みたいに
ぴょん:一緒にお昼寝しようだぴょん
アイカ:そうだね、一緒にお昼寝しようか
アイカ:ぴょんちゃん
アイカ(M):私がそう言うとぴょんちゃんは
アイカ(M):繋いでいた手を解いて
アイカ(M):突然こちらに向かって両手を差し出す
アイカ(M):私が不思議そうにぴょんちゃんを
アイカ(M):眺めていると
ぴょん:アイカちゃん、はい抱っこだぴょん
アイカ:え…?
ぴょん:お昼寝するなら、抱っこだぴょん
ぴょん:寝る時はいつもボクを抱っこしてたぴょん
ぴょん:早く抱っこするぴょん
アイカ:そうだったね、抱っこして寝てたね
アイカ:おいで、ぴょんちゃん
ぴょん:えへへ、アイカちゃんの抱っこ
ぴょん:久しぶりだぴょん
アイカ:おやすみなさい、ぴょんちゃん
ぴょん:アイカちゃん、おやすみぴょん
アイカ(M):柔らかな日差しを浴びながら
アイカ(M):私はぴょんちゃんをぎゅっと
アイカ(M):抱き締めながら横になる
アイカ(M):ぴょんちゃんがそばに居ると安心する
アイカ(M):張り詰めていた気持ちが楽になり
アイカ(M):私は穏やかな気持ちで眠りについた
アイカ(M):2人の間を優しい時間が流れていく
アイカ(M):花の香りを運ぶ風が、頬を撫でる
アイカ(M):ゆらゆらと揺れる花々にくすぐられて
アイカ(M):そのくすぐったさに目覚めた
ぴょん:アイカちゃん、おはようだぴょん
ぴょん:ゆっくり眠れたかぴょん?
アイカ:おはよう、ぴょんちゃん
アイカ:こんなによく寝れたの久しぶり
アイカ:凄くスッキリしてる
アイカ:なんだか心も身体も軽くなったみたい
ぴょん:アイカちゃんはボクが見ててあげないと
ぴょん:すーぐ無理しちゃうぴょん
ぴょん:やっぱりボクがそばに居ないと
ぴょん:ダメだぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん
アイカ:私にはぴょんちゃんが居ないとだね
ぴょん:アイカちゃんが笑ったぴょん!
ぴょん:アイカちゃんには笑顔が似合うぴょん!
ぴょん:アイカちゃんが笑顔を取り戻せたぴょん
ぴょん:良かったぴょん
ぴょん:他の無くしたモノも探しに行くぴょん
0:場面転換
ぴょん:アイカちゃんこっちこっちこっちだぴょん
アイカ:色々な楽器の音色が
アイカ:聞こえてくるねぴょんちゃん
アイカ:何だかみんなとっても楽しそう
ぴょん:ここには世界中の楽器があるんだぴょん
ぴょん:ここにある楽器はどれでも
ぴょん:演奏していいんだぴょん
ぴょん:たしか、アイカちゃんは笛が
ぴょん:好きだったぴょん
ぴょん:あっちにあるから行ってみるぴょん
アイカ:そんなに走ったら転んじゃうよ!
アイカ(M):子供の頃家族で行ったお祭りで聴いた
アイカ(M):お囃子が聞こえてくる
アイカ(M):初めてお囃子を耳にした時
アイカ(M):その笛の音色に魅了された
アイカ(M):私は両親に無理を言って
アイカ(M):篠笛を習い始め
アイカ(M):大人になっても続けていた
ぴょん:確かこの辺に……
ぴょん:アイカちゃんの笛を見つけたぴょん!
ぴょん:これ!
ぴょん:アイカちゃんのお気に入りの笛だぴょん
ぴょん:はい、アイカちゃん
アイカ:これ………
アイカ:私がお小遣いを貯めて初めて
アイカ:自分で買った篠笛立平(しのぶえりっぺい)
ぴょん:アイカちゃん可愛くて綺麗な笛を
ぴょん:見つけたって言って
ぴょん:大はしゃぎしてたぴょん
アイカ:家に届いた時は嬉しくて
アイカ:一晩中篠笛を吹いて怒られたっけ
ぴょん:アイカちゃんのあの時の顔は
ぴょん:忘れられないぴょん
ぴょん:アイカちゃんの笛がまた聴きたいぴょん
ぴょん:早く聴かせて欲しいぴょん
アイカ:もう何年も吹いてないから指が動かないよ
アイカ:上手には吹けないかもしれないけど、
アイカ:ぴょんちゃん聴いてくれる?
ぴょん:アイカちゃんの笛大好きだぴょん
0:辺りに響く篠笛の音色
アイカ:久しぶりだから全然指動かないや
アイカ:…でも、やっぱり篠笛吹くの楽しいなぁ
ぴょん:アイカちゃんならすぐ元通り
ぴょん:吹けるようになるぴょん
ぴょん:コンクールに出た時くらい
ぴょん:一生懸命練習するぴょん
アイカ:そうだね、ぴょんちゃん
アイカ:たくさん練習しなきゃね
アイカ(M):毎日何時間も篠笛を吹き続けた
アイカ(M):おかげか全日本横笛コンクールで
アイカ(M):1度だけ予選突破し決勝まで
アイカ(M):進んだこともある
アイカ(M):残ながら入賞には至らなかったが
アイカ(M):最高に楽しくて気持ち良く
アイカ(M):篠笛を吹く事ができた
アイカ(M):でも、そんなに夢中だった篠笛も
アイカ(M):実家を出る時ぴょんちゃんと一緒に
アイカ(M):置いて来てしまった
ぴょん:またアイカちゃんの笛が
ぴょん:聴けるの嬉しいぴょん
ぴょん:楽しみだぴょん
ぴょん:ワクワク ウキウキだぴょん
アイカ:たくさん練習するからぴょんちゃん
アイカ:ずっと隣りで聴いていてね
ぴょん:もちろんだぴょん
ぴょん:アイカちゃんは好きな事を
ぴょん:思い切り楽しむことを取り戻したぴょん
ぴょん:これからは毎日楽しいことばかりぴょん
ぴょん:まずは向こうでやってるお祭りで
ぴょん:一緒に踊るぴょん!
アイカ:盆踊りなんて最後に踊ったの子供の頃だよ
アイカ:もう踊れないよ
ぴょん:みんなのマネをすればいいんだぴょん
ぴょん:楽しければいいんだぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん
アイカ:楽しければいいよね
0:場面転換
アイカ:静かだね、ぴょんちゃんここは
アイカ:どんな所なの?
ぴょん:ここは世界中の本が集まっている
ぴょん:世界図書館だぴょん
ぴょん:アイカちゃんが知ってる本も知らない本も
ぴょん:出会えなかった本もこれから出会う本も
ぴょん:全てここにあるんだぴょん
アイカ:この扉、名札が付いてるよぴょんちゃん
アイカ:これ私の名前だよね?
ぴょん:アイカちゃん、そうだぴょん
ぴょん:ここは今までアイカちゃんが
ぴょん:出会って来た本が全部収められた
ぴょん:部屋だぴょん
ぴょん:中に入ってみるぴょん
アイカ:うわぁ……
アイカ:凄い懐かしい、この数学の参考書
アイカ:難しいすぎて壁に投げちゃったっけ
アイカ:こっちの小説は切なくて
アイカ:泣きながら読んだなー
アイカ:篠笛の楽譜まである!
ぴょん:多分この辺にあるはずぴょん
ぴょん:あ!あったぴょん!
アイカ:そんなすみっコでぴょんちゃん
アイカ:何探してるの?
ぴょん:アイカちゃん、はいこれどうぞだぴょん
ぴょん:アイカちゃんの大好きな絵本だぴょん
ぴょん:ボクもこの絵本大好きだぴょん
アイカ:これ………
アイカ:何度も読み返してボロボロだったのに、
アイカ:ぴょんちゃんまるで新品みたいに綺麗だね
ぴょん:アイカちゃん、世界図書館にある本は
ぴょん:全部ピカピカなんだぴょん
アイカ:嬉しいな、ぴょんちゃんもこの絵本を
アイカ:好きでいてくれたんだね
ぴょん:アイカちゃんがよく読んでくれたから
ぴょん:今日はボクがアイカちゃんにこの絵本を
ぴょん:読んであげるんだぴょん
アイカ:本当に?ぴょんちゃんが読んでくれるの?
アイカ:ありがとう
ぴょん:さぁ、ここに座るぴょん
アイカ:うん、ありがとうぴょんちゃんも
アイカ:お膝においで
ぴょん:絵本を読む時の定位置だぴょん
アイカ:ふふふ、そうだねぴょんちゃん絵本を
アイカ:読む時はお膝の上だよね
ぴょん:あるところに1軒のお店があったぴょん
0:語尾ぴょんなしで、ナレーション風に
0:読んでください
ぴょん:お店の中にはたくさんのぬいぐるみが
ぴょん:並んでいます
ぴょん:ぬいぐるみ達は小さなお友達が
ぴょん:迎えに来るのを今か今かと待っていました
ぴょん:ある日お店に小さな女の子が
ぴょん:やって来ました
ぴょん:女の子はたくさんあるぬいぐるみの
ぴょん:中から白いうさぎを選び抱きしめながら
ぴょん:[この子にする]と嬉しそうに言いました
ぴょん:お店の人は女の子に
ぴょん:[大切にしてあげてね。そうしたら、きっと
ぴょん:このうさぎさんはステキなお友達に
ぴょん:なってくれるよ]と言いました
ぴょん:女の子はうさぎのぬいぐるみを
ぴょん:ぴょんちゃんと呼んでとても
ぴょん:とても大切にしました
ぴょん:大切にされたぴょんちゃんはある日
ぴょん:女の子に[大切にしてくれてありがとう]と
ぴょん:話しかけました
ぴょん:女の子はびっくりしましたが
ぴょん:とても喜びました
ぴょん:そして2人は何でも話し合える
ぴょん:お友達になって
0:語尾ぴょんに戻りますナレーション風終了
ぴょん:ずっと一緒に幸せに暮らしたんだぴょん
ぴょん:このうさぎ、ボクと同じ名前だぴょん
アイカ:そうだよ、ぴょんちゃんの名前は
アイカ:この絵本のうさぎさんからもらったんだよ
アイカ:私もステキなお友達が欲しくて
アイカ:うさぎのぬいぐるみが欲しいって
アイカ:おねだりしたの
ぴょん:アイカちゃんがこの絵本を読んでくれる度
ぴょん:ボクもアイカちゃんとずっと一緒に
ぴょん:居たいって思ってたぴょん
アイカ:ぴょんちゃん私も同じことを思っていたよ
ぴょん:アイカちゃんこの絵本は絵もお話しも
ぴょん:とても可愛いぴょん
アイカ:この絵本が大好きでいつか私も
アイカ:この絵本のようにステキなお話しが
アイカ:作りたくて絵本作家になりたいって
アイカ:思ったんだよ
ぴょん:アイカちゃんボクはステキなお友達に
ぴょん:なれたぴょん?
アイカ:ぴょんちゃん、もちろんだよ!
アイカ:ぴょんちゃんはとってもステキな
アイカ:お友達だよ!
ぴょん:えへへ、嬉しいぴょん
ぴょん:アイカちゃんの作るお話し
ぴょん:ボク大好きだぴょん
ぴょん:夢を諦めないで欲しいぴょん
アイカ:ぴょんぴょんありがとう
アイカ:でも無理だよ
アイカ:何度もコンテストに出したけど
アイカ:入賞出来なかったもん
ぴょん:アイカちゃんコンテストがダメなら
ぴょん:本を作るところに直接行けばいいぴょん
ぴょん:それでもダメなら自分で作ってしまえば
ぴょん:いいぴょん
ぴょん:諦めないで欲しいぴょん
アイカ:ぴょんちゃん………
アイカ:そうだね、やり方なんていくらでも
アイカ:あるもんね私もう一度頑張ってみるよ
アイカ:ぴょんちゃん応援してくれる?
ぴょん:アイカちゃんもちろんだぴょん!
ぴょん:ボクは今までもこれからもずっと
ぴょん:アイカちゃんを応援してるぴょん
アイカ:ぴょんちゃんが応援してくれたら
アイカ:何でも出来ちゃうね
ぴょん:アイカちゃんはボクがいないと
ぴょん:ダメだぴょん
ぴょん:ちゃんと無理しないように
ぴょん:見張っててあげるるぴょん
ぴょん:だから、アイカちゃん……早く…
ぴょん:早く迎えに来て欲しいぴょん
アイカ:うん!
アイカ:ぴょんちゃんこれからもよろしくね
アイカ(M):これからも幾度となく困難に
アイカ(M):立ち向かわなければ行けない時が
アイカ(M):来るだろう
アイカ(M):でも私にはどんな事でも受け止め
アイカ(M):支えてくれるステキなお友達がいる
アイカ(M):ぴょんちゃんと一緒ならどんな事も
アイカ(M):乗り越えていけるよね
アイカ:ぴょんちゃん、だーい好き
ぴょん:これからはずっと一緒だぴょん
ぴょん:アイカちゃんだーい好きだぴょん
0:(間)
アイカ:もしもし、お母さん
アイカ:うん、うん、元気だよ
アイカ:今度の休みそっちに帰ろうかと思って
アイカ:うん、ありがとう
アイカ:じゃあ、またね
アイカ:ぴょんちゃん、迎えに行くから待っててね
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