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蠢く闇
待てど探せど
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「秋良先生、恋歌君と……雪成君はまだ見つからん?」
「暁先生……はい……手がかりもなく……」
あの後雪成も消えてしまい、その日から毎日彼らを捜索している。
森末院長の指揮の下動いているも他の患者を蔑ろにするわけにもいかず、仕事の後雪成と仲の良かった面々で捜索に当たっていた。
「それにしたって……警察も動いてくれとるのにこんなに見つからんって本当に心配やなぁ……」
「……はい……。まぁ、桃江先生のことだ……きっと大丈夫だ」
俺は桃江雪成という男の危うさを垣間見た。
目の前の暁も森末もかつての彼を知っている医師たちは気が気出ないだろう。軽口を叩いているようで暁の瞳は芯を据えていて真剣そのものだ。
自分も弱った雪成の姿を見るまでは雪成は不誠実な男で人の気持ちの分からない人格破綻者だと思っていた。
けれど彼の弱さに触れ、考えは一変した。
彼が笑うのも周りを巻き込んで事を起こすもの全て自分が辛くないためだ。
結局のところは自分本意に変わりはないが、それでも普通に生きていこうと病院で働いてもいるし、患者のことはより親身になって話しを聞いている。
そして、なぜ心を深く揺さぶられたのか分からないが俺の想い人だ。
暁と路地を歩いていると、ふと、小さなかけが動いた。
日も落ちてしばらく経つが、何やら不審な音も耳に拾い、暁と2人で顔を見合せた。
こんな路地で弾けるような肉のぶつかる音、そして喘ぎ声に似た悲鳴が小さく聞こえてくるのは考えるまもなく緊急事態だろう。暁はすぐにスマホを取り出して警察へと電話をかけている。
俺はその声のする方へ足を進めた。
後ろから暁の呼び止める声が聞こえたが知らん顔して歩いていく。
もしかしたら雪成かもしれない。そうした淡い期待を込めて。
もし強姦をされているのなら助けてあげなくてはいけない。
そうして路地の角を曲がると声の主と犯している二人の男の姿を捉えた。
そこに居たのは雪成では無く、もう一人の探し人、恋歌だった。
「暁先生……はい……手がかりもなく……」
あの後雪成も消えてしまい、その日から毎日彼らを捜索している。
森末院長の指揮の下動いているも他の患者を蔑ろにするわけにもいかず、仕事の後雪成と仲の良かった面々で捜索に当たっていた。
「それにしたって……警察も動いてくれとるのにこんなに見つからんって本当に心配やなぁ……」
「……はい……。まぁ、桃江先生のことだ……きっと大丈夫だ」
俺は桃江雪成という男の危うさを垣間見た。
目の前の暁も森末もかつての彼を知っている医師たちは気が気出ないだろう。軽口を叩いているようで暁の瞳は芯を据えていて真剣そのものだ。
自分も弱った雪成の姿を見るまでは雪成は不誠実な男で人の気持ちの分からない人格破綻者だと思っていた。
けれど彼の弱さに触れ、考えは一変した。
彼が笑うのも周りを巻き込んで事を起こすもの全て自分が辛くないためだ。
結局のところは自分本意に変わりはないが、それでも普通に生きていこうと病院で働いてもいるし、患者のことはより親身になって話しを聞いている。
そして、なぜ心を深く揺さぶられたのか分からないが俺の想い人だ。
暁と路地を歩いていると、ふと、小さなかけが動いた。
日も落ちてしばらく経つが、何やら不審な音も耳に拾い、暁と2人で顔を見合せた。
こんな路地で弾けるような肉のぶつかる音、そして喘ぎ声に似た悲鳴が小さく聞こえてくるのは考えるまもなく緊急事態だろう。暁はすぐにスマホを取り出して警察へと電話をかけている。
俺はその声のする方へ足を進めた。
後ろから暁の呼び止める声が聞こえたが知らん顔して歩いていく。
もしかしたら雪成かもしれない。そうした淡い期待を込めて。
もし強姦をされているのなら助けてあげなくてはいけない。
そうして路地の角を曲がると声の主と犯している二人の男の姿を捉えた。
そこに居たのは雪成では無く、もう一人の探し人、恋歌だった。
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