七虹精神隔離病院～闇は誰もが持っている！！～

蠢く闇

鴉揚羽は夜空を飛ぶ

いつも一人で勉強していた。
いつも親の期待に答えるために。
ただ認めて欲しかった。
いい子だねって笑いかけてくれるだけで良かった。
それなのに、親から与えられるのは暴言のみ。
もっと勉強しなさい、とか勉強が足りないから本家の子に勝てないのよ、とか口を開けばそんな事を毎日のように言われ続けた。
決まって口に出される本家の子、という言葉に僕は本家の子が嫌いだった。
僕自身はあったことは無いがきっとなんでも出来て怒られる事なんて無いのだろうと思っていた。
それにもっと頑張れば両親だって認めてくれるかもしれないという淡い期待を描いていた。
そんなある日の事。
母に連れられて本家へと出向いた時、初めてその天使の姿を見たのだ。
彼はまだ幼く、幼女とも見て取れるその容姿に酷く心が打たれたのを多分僕は一生忘れることは無いだろう。